マルクス解体 プロメテウスの夢とその先
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マルクス解体 プロメテウスの夢とその先

2,816円 (税込)
1,971円 (税込) 12月11日まで

9pt

3.7

資本主義をこえていく、新時代のグランドセオリー!
人新世から希望の未来へ向かうための理論。
英国で出版された話題書Marx in the Anthropocene(ケンブリッジ大学出版、2023年)、待望の日本語版!

いまや多くの問題を引き起こしている資本主義への処方箋として、斎藤幸平はマルクスという古典からこれからの社会に必要な理論を提示してきた。本書は、マルクスの物質代謝論、エコロジー論から、プロメテウス主義の批判、未来の希望を託す脱成長コミュニズム論までを精緻に語るこれまでの研究の集大成であり、「自由」や「豊かさ」をめぐり21世紀の基盤となる新たな議論を提起する書である。

目次
第一部 マルクスの環境思想とその忘却
第一章 マルクスの物質代謝論
第二章 マルクスとエンゲルスと環境思想
第三章 ルカーチの物質代謝論と人新世の一元論批判

第二部 人新世の生産力批判
第四章 一元論と自然の非同一性
第五章 ユートピア社会主義の再来と資本の生産力

第三部 脱成長コミュニズムへ
第六章 マルクスと脱成長コミュニズム MEGAと1868年以降の大転換
第七章 脱成長コミュニズムと富の潤沢さ

【原書への賛辞】
自然科学に関するマルクスの手稿への詳細な検証を通じて斎藤幸平が私たちに想起させるのは、マルクスがなぜ自然と資本主義の関係が根本的に持続不可能と主張したのか、ということだ。本書は、忘れ去られていたマルクスを私たちのもとに復活させる。長らく顧みられることのなかったマルクスを手がかりに、斎藤は、「脱成長コミュニズム」を力強く主張する。この理論的なアプローチは、「豪奢なコミュニズム」という抽象的な概念を対象にするのではなく、むしろ〈コモン〉の幸福を対象にして「豊かさ」という概念そのものを再編成しようとしている。
ティティ・バタチャーリャ(共著書『99%のためのフェミニズム宣言』)

傑作。これこそわれわれが待っていた本だ。斎藤は、マルクスに基づいて「脱成長」と「エコ社会主義」のワクワクするような統合を成し遂げている。ここにポスト資本主義への転換の秘密が隠されている。
ジェイソン・ヒッケル(著書『資本主義の次に来る世界』)

斎藤幸平はマルクス思想を完結したシステムではなく、運動のなかにある思想としてとらえている。彼の「脱成長コミュニズム」という果敢な表明は、現代のエコロジカルなマルクス思想、すなわち「人新世のためのコミュニズム」への決定的な貢献である。
ミシェル・レヴィー(著書『エコロジー社会主義』)

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マルクス解体 プロメテウスの夢とその先 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    斉藤さんの本は初めて。
    素晴らしく前向きで論の運び方がどこかミステリ風で非常に興味深い知的刺激を得られました。
    全て読み終わったあと、マルクス解体というタイトルにグッときた。
    細かく精読すると問題はいくつかありそうだが資本主義のオルタナティブを思考することは続けていきたい。
    富という概念を再認識させ

    0
    2025年08月19日

    Posted by ブクログ

    前作よりも難しいけど、自分の言葉にならないけど、社会に対して感じていた違和感とか、やるせなさ、それに対してどうしたらいいかを言語化してくれている気がして読み終わるとスッキリ。

    0
    2025年08月31日

    Posted by ブクログ

    生産力主義的、ヨーロッパ中心主義的な思想家として認識されがちなマルクスの印象をひっくり返そうとする研究。
    著者は一個上なんだけど、マルクスの研究者としてヨーロッパで出版した本がその後日本語で出版されるという流れに畏怖の念を抱くな。
    資本論が未完に終わってしまったこともあり、マルクスの環境に関する考え

    0
    2024年09月30日

    Posted by ブクログ

    アクター・ネットワーク理論やマルチスピーシーズ人類学など最近よく聞くキーワードが「自然」と「社会」の一元論と捉えられ、それらに対して自然を「素材」と「形態」の2面から捉える方法論的二元論の立場から批判を行なっている箇所は、批判的な視野を持って近年の思想を読み解く視野が開ける面白い論説だった。
    一方、

    0
    2023年12月18日

    Posted by ブクログ

    内容をあまり理解できていないが、脱成長を考えるべきという意見には賛成。ただ、具体的に何ができるか、特に個人や営利企業に何ができるかまだイメージがわかない。

    0
    2025年01月11日

    Posted by ブクログ

    マルクスのノートから読み込み、マルクス経済学を現代に当て嵌めて考察する第一線のマルクス研究者である斎藤幸平氏。一般向けとは少し線を引いた学究的内容だが、同氏の学者としての本気(恐らく、そのほんの一部分だが)を垣間見るような読書だった。

    地球は有限である。だから我々は競争する。競争するためのルールは

    0
    2024年11月11日

    Posted by ブクログ

    前著「大洪水の前に」と重複するところも多い気はするが、よりマルクスのテクストに深い入り込みつつ、晩年のマルクスの思想を再構築していく。

    そのプロセスに知的好奇心が動きつつも、なんで今更マルクスが著作にできなかったことを今あれこれと推論しなければいけないんだろうという気持ちがしばしば起きてしまう。

    0
    2024年01月23日

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