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【対象:小学校高学年以上】 ◆主な内容 ぼくには、5歳の誕生日の記憶がない。親に聞いても「家で寝ていた」と言うばかり。 それから時はたち、中3の誕生日を迎えたとき、家に謎の手紙が届く。 開けてみると、中には「誕生日おめでとう」と書かれた便箋と、ビニールに包まれた黒い砂が入っていた──。 うっすらとある「遊園地に行った」という記憶。黒い砂。その二つがつながったとき、たどり着く真実とは。 企業の社会的責任に切り込む衝撃作!
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Posted by ブクログ
架空の島で起きた企業による事故災害を背景に、誘拐事件を体験した主人公が、過去を探っていく中で、住民たちの苦しみを追体験していく。優れた構成とドラマティックな展開で一気読み。
何かが起こったら、何年経ってもすべてが解決するなんてことはないのだと思った。 人の痛みを想像することのできない人は忘れて生きていけるが、忘れない、忘れられない人はずっと苦しむことになる。でも、考えつづけた先で見つけた答えは、考えなかった人生より、ずっと尊い。
子供の時に誘拐された透馬 ある日15歳になった時に手紙が届き中身には黒い砂が一緒に入っていた それを見た母親は絶叫 思い出す5歳の時 いばら姫と重ねて考える 大人の責任を子供が背負う 自然災害 起こった事故そのことをどう考えて行くか 読みやすくて童話も織り交ぜてあり今の時代に合う本
主人公の透馬は、精神的に不安定な母に気を使いながら、日々過ごしている15歳。母の過剰な心配を訝しく思う透馬の元に、1通の封書と黒い砂が届く。透馬の記憶にない5歳の夏。10年前に何があったのか、透馬は記憶を探し始める。大人たちは何を隠しているのか。幸島(さちのしま)の遊園地で遊んだ記憶と、爆発による島...続きを読むの閉鎖は関係しているのか。そして、誘拐犯の告白文が雑誌に載り、記憶のピースははまっていく。 「いつも大人の甘い見込みで、酷い目にあうのは子どもだ」と、透馬が言ったひと言は、重い。生活の場を失うことは、お金の問題だけではない。そして、精神的なものはさらに派生し広がっていく。あるはずだった子どもたちの未来を狂わすということを肝に銘じなくては。
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