伊藤貞夫の作品一覧
「伊藤貞夫」の「古代ギリシアの歴史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「伊藤貞夫」の「古代ギリシアの歴史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
本書の基礎は、古代ギリシアの政治単位ポリスの興隆・展開・衰退の叙述である。そこでまずクノッソス宮殿や線文字Bに代表される先史時代から筆をおこし、考古学上の知見やホメロス・ヘシオドスの詩の分析から、貴族と平民にさほど社会的な距離はないながらも貴族政的な姿を備えていた初期のポリスの誕生が描かれる。その後は、ギリシアの代表的なポリスであるスパルタとアテネ、特にアテネ民主政の発達を中心にして、古代ギリシア世界の活発な植民活動やペルシア・ペロポネソス戦争などが描かれる。それと同時に、民主政の展開を支えた社会経済上の動向も克明に描かれている。そして最後に、ペロポネソス戦争以後ペルシア帝国やマケドニア、ロー
Posted by ブクログ
先史文明時代からローマの支配下に入る前2世紀までの古代ギリシアについての、スタンダードな概説書。
時代ごとの分量配分も偏り少なく、学者によって複数の議論が戦わされている分野に関しては対立する学説を両方紹介するなど、スタンダードと呼んでいいほどのバランス感覚で、古代ギリシア史を分かりやすくまとめている。
一方で著者独自の史観とか、ユニークな切り口はないので読み物としての迫力は欠けるかもしれない。
また政治史中心で文化史への目配せは多いとは言えない。
とはいえ、古代ギリシア史の研究の変遷を知れる点と、ギリシア政治史の変遷を抑えるには安心して任せられる一冊だと思う。