中野珠実の作品一覧
「中野珠実」の「顔に取り憑かれた脳」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「中野珠実」の「顔に取り憑かれた脳」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
顔というのは人間の社会活動において欠かせない存在である。どの人種にも共通の感情を表すパーツであり、相手の能力や信頼性を判断する際の重要な指標となる。人間の目は他の霊長類よりも白い部分が多く感情を伝えやすく、自分の顔を他人の顔よりも歪んで評価しやすい。また、犬や猫は長年の歴史の中で人間が判断しやすい顔の表情を伝えやすいように進化して来たという観点も面白かった。この本の重きを置くところは、昨今のディープテクノロジーやバーチャル空間、AIの発達による顔を取り巻く環境の激甚な変化であり、初めて1万年前に現在のトルコで鏡が使われ始めた時と同じくらいの劇的な役割の変化が、私たちの周りで起き始めているのかも
Posted by ブクログ
∵ という記号だけでも、何となく顔に見える。これが人間の脳機能であるが、本書は、こうした顔に関する最新研究の四方山に触れる内容だ。なんでそんな風に顔を認識する事が重要なのか、自他にとって顔の見え方はどう違うのか、表情の重要性、どれだけの数の顔を認識できる能力があるのか、などなど。美しい顔とは。
ー 紡錘状回、後頭顔領域、下側頭回の3つの領域が、それぞれ顔の要素と構成(全体配置)のどちらの情報表現により深く関わっている。…誰にでもパレイドリア現象は起きるので、人面魚ブームが起きるわけなのですが、レビー小体型認知症では、この錯視が特徴的な症状の一つとなっています。例えばなんでもない模様が顔に見
Posted by ブクログ
著者は「心」の仕組みを解明する研究に取り組む認知神経学者。脳神経学を軸に精神科学や文学の分野にまで切り込みながら、「自分の顔」にまつわる種々のテーマを掘り下げていく。
まず1章で顔を認知する脳神経ネットワークが、続く2章で鏡に映る自分の顔を社会的文脈の中で象徴化された客体として解釈する能力の獲得過程がそれぞれ紹介されたのち、3章ではいよいよメインテーマとなる「自己の顔を編集することの喜び」が語られる。自分の顔を見ると脳幹のVTA(腹側被蓋野)という部分的が活性化されドーパミンが分泌されるのだが、このドーパミンは報酬に伴う快楽そのものではなく、事前に期待された報酬からの快楽と実際に得られた