ノンフィクション - 中央公論新社作品一覧
-
3.5「何があっても日本以外の国の代表になるわけにはいかないと思った」。かつてリーチマイケルはそう語った。ラグビーは、代表選手の国籍を問わない。居住年数など一定の条件を満たせば、国籍と異なる国の代表としてプレーできる。多様なルーツを持つ選手たちは、なぜ「日本代表」となることを選んだのか。 最初期の留学生として来日したノフォムリ・タウモエフォラウやラトゥ志南利、ニールソン武蓮傳。外国人初の代表キャプテンとなったアンドリュー・マコーミック。日本の生活・文化に魅せられたというトンプソンルーク。成績優秀ゆえに留学生に選ばれ、ラグビーに関してはほぼ素人で来日したホラニ龍コリニアシ。韓国代表を断って日本代表を目指した金喆元。日本代表が憧れだったという具智元。そして、日本の高校・大学で受けた恩をラグビーで返したいと言ったリーチマイケル……。さまざまな選手がさまざまな背景を背負って、日本代表チームに集ってきた。 異文化の地で道を拓いた外国人選手たち、そして彼らを受け入れたチームメイトと関係者の奮闘があってこそ、今の日本代表がある。その歴史は、多様な人々との共生をさぐる日本社会とも重なってみえる。それぞれのライフヒストリーと、秘められた熱い思いをたどる
-
-コロナ禍により、クラシックの演奏家たちは活動を制限された。演奏会はすべて中止、アンサンブルの練習もできない。自宅の防音室にこもる日々、彼らは音楽、職業、生活について何を考えたのか。 ――オーケストラのトッププレイヤーたちが外出自粛の中、自宅でたった一人音楽を奏でていく番組を作る。本書はNHKプロデューサーのそんな思いから始まった2020年の半年間のドキュメントである。 「孤独のアンサンブル」から「孤独のアンサンブル ~希望編」、そして「明日へのアンサンブル」へ。プレイヤー一人一人の思いとあの「音」が甦る。 *「孤独のアンサンブル 三部作」ブルーレイディスク、キングレコードより同時発売
-
3.0東大合格者数日本一を誇る開成学園の校長先生が教える子どもの能力を伸ばすための秘訣を公開します。ハーバード、東大教員を経て、東大の院生時代には学習塾を経営した経歴を持つ著者は、多くの子どもたちと接し、また、自身も息子2人の子育てに積極的に関わってきました。子どもとの関係ですべての土台となる一番大切なことは「子どもにしゃべらせること」。開成学園の教育方針は生徒の自主性・自律性を重んじ、手取り足取りの受験指導や進路指導はしない議論重視の教育です。教育は、子どもを自立した人生を歩める大人にする「見守る勇気」が大切です。本書では、正しい子育ての方法をやさしく解説します。食卓では勉強の話をしない、子どもの前で父親の悪口は避ける、子どものやる気スイッチを入れるコツなど、今日から家庭でできる子育ての法則が満載の一冊です。
-
4.5「風邪には抗生物質が効く?」「ステロイド軟膏が危ない?」「便秘薬はクセになる?」……ネットにはウソの医療情報が溢れている。風邪を治す抗生物質なんてない。ステロイド軟膏は危なくない。便秘薬はクセにならない……。裏づけのない医療情報を信じるな。面倒だからと薬を処方する医師もいるが、風邪に効く薬なんてない。20年間で200人のがんの子どもたちを診た小児外科医は断言する。医学的な裏づけのない治療は「百害あって一利なし」。読売新聞オンライン(YOL)ヨミドクターで17万PVを記録したインフルエンザの記事を含む大好評連載「松永正訓の小児医療~常識のウソ」をまとめた医療知識の決定版。 病院に駆けこむ前に、ぜひ読んでおきたい一冊。
-
4.4
-
4.0世界を空前の混乱に陥れたCOVID-19。現代ヨーロッパを代表する知識人が、グローバリゼーション、国家間関係、統治のあり方などに関して突きつけられた深刻な問いを浮かび上がらせ、パンデミックによる危機がもたらした7つのパラドックスを指摘する。宇野重規、細谷雄一、三浦瑠麗による特別論考付き。
-
3.9現役最高齢・ランブルの関口、業界一の論客・バッハの田口、求道者・もかの標。コーヒーに人生を捧げた自家焙煎のカリスマがカップに注ぐ夢と情熱。
-
-プロローグ 第一章 罪と罰について 殺人という罪に本質的な償いはない/弁護人との出会いが私を変えた 更生を期して量刑を軽くするのは誤り/一般市民が刑務所に入るということ 「一〇年、一五年はあっという間」/受刑者は内心で何を考えているか 本当の罰とは何かという模索/時間を剥奪されるということ 「天網恢恢疎にして漏らさず」という真理 第二章 運命について 運命とは変えられるものなのか/得意淡然、失意泰然という態度 自分の強運を信じていた/ヤクザ時代の修羅場/余命宣告から塀の中へ 事件と服役がなければ死んでいた/自分の力で左右できないことは考えない 自分が死刑にならなかった意味/天は自分に妥当な境遇を与えた 人生が終わるまで変えないこと/運命は常に人を試している 第三章 信仰について 日本人独特の宗教観/「神は私自身よりも私の内部にある」 自己修養のプロセスとしての信仰/高校時代に遭遇した霊的な体験 宗教は人間にとって諸刃の剣/刑務所と宗教 自分の罪は赦されたと嘯く極悪受刑者/宗教による安易な働きかけは百害あって一利なし 自分の生き方を貫徹した父への信奉/天と己は欺けない 第四章 父と子について ヤクザが恐れた在日一世の父/親といえども子より大人とは限らない 幼少から酒場で人を見る目を養った/自分を一度も叱らなかった母 「僕が大きくなったら、父さんを殺してやるからね」 常に自分が中心で疑問もなく生きた父/父は孫にも自分の思うがままを求めた 父と子のケミストリについて/加害者としての責任から息子との縁を切った 法廷で被害者遺族を怒鳴りつけた父/「長生きして、おまえの帰りを待つ」 桁外れの「親バカ」 第五章 労働について 高校を中退して就職/史上最速の出世/「資本主義の原動力は人々の羨望」 英会話教材のセールスで一二カ月連続日本一/「金貸しは金借りである」 金貸しのジレンマ/人が動くのは利益、感情、恐怖/自分の人格陶冶には無関心だった ヤクザの世界に足を入れる/単純で退屈な作業ほど、その人間を表わす 己の糧となるように働く 第六章 金銭について 専属運転手付きの「豆紳士」/一切の金を入れなくなった父 「経済的自由」を実感する道具/金銭を遣える自分を望んでいた 己の器量に合った消費しかしない/人がお金で豹変する時/俄成金が酒場でやること 「勤労の裏づけのない富は人間を誤る」/人を変えてしまう魔力 「金銭は肥料のようなもの」 第七章 自由について 社会にいれば自由か/「積極的自由」と「消極的自由」/塀の中のスケジュールと規律 偽りの自由に甘んじている受刑者/自由・不自由の概念が消えた/自由と不自由の境界 限定された中での自由もある エピローグ
-
4.3きらびやかな舞台と国民の熱狂の陰に巣くった五輪利権、そして新たに発覚した談合事件。2022年度新聞協会賞を受賞したスクープに至る潜行取材の舞台裏、事件の経過、法廷での動きをフォローし、事件の背景にある構造を大幅に加筆したドキュメント。あらかじめ裏切られた「黒い祭典」の演出者は誰だったか。
-
3.0ゴルフ人口の減少が止まらない。少子高齢化やライフスタイルの変化により、日本において、この20年でゴルファー数は40%以上減少(総務省「生活基本調査」より)。92年に約2兆円あったゴルフ場やゴルフ用品などの市場規模も13年には9000億円と半減した。オリンピック会場問題、ナイキなどのメーカー撤退、男子プロゴルフ試合数やギャラリー数減少、外資によるゴルフ場買収が報じられるなど、見通しも暗い。そこで「このままでは日本のゴルフが消えかねない」と警鐘を鳴らすスポーツライター赤坂氏が「東洋経済オンライン」での連載をもとに、現状のレポートと提言をまとめて緊急出版。日本にゴルフ場ができて1世紀。ゴルフがオリンピックの正式種目となった今こそ復権のチャンスだ!
-
-明治維新を実現した最大の「功臣」でありながら、なぜ西郷隆盛は明治政府に叛き、無謀な西南戦争を起こして「逆賊」の汚名を負ったのか……? 西郷の生涯は、彼を育んだ薩摩国と藩主島津家を抜きにしては語れない。本書はまず島津家の歴史を紐解き、激動の時代をともに生きた大久保利通・島津久光・勝海舟・坂本龍馬らの証言を織り交ぜながら、西郷の考え方や行動の「成功と失敗」要因を分析して、西南戦争に至るまでの「全軌跡」を詳述する。 そのプロセスを経ることで、維新と明治期の西郷の落差、知られざるリアルな人物像を浮き彫りにし、併せて複雑な幕末維新史を分かりやすく解説する書き下ろし歴史評伝。 〈目次〉 序章 西郷隆盛の生涯 第一章 薩摩藩の歴史 第二章 薩摩藩士西郷隆盛 第三章 激動する幕末京都 第四章 王政復古の実現 第五章 戊辰戦争の勃発 第六章 明治政府と西郷隆盛 第七章 最後の内乱・西南戦争
-
4.0
-
4.0
-
4.5戦前・戦中、炭坑資源開発のためサハリン(樺太)に渡った労働者の中には強制的・半強制的に募集・連行された韓国・朝鮮人が数万人いた。終戦とともに始まった引き揚げ事業はサハリンにも及んだが、その中に帝国臣民として徴用された朝鮮人は含まれていなかった。彼らはソ連統治下のサハリンに残されたのである。冷戦・南北朝鮮対立という国際環境、そして日本の戦後責任への無自覚に抗し、故郷訪問に至るまでの四十五年の足跡を克明に辿る。
-
4.0「俺は今後できるだけ庭でウンコする」 サバイバル登山家と型にはまらぬ家族たちが都会の片隅で狩る・飼う・捌く! いきなり野糞宣言する父、大ネズミの唐揚げを作る母、長男は受験失敗、次男のニート化、可愛いニワトリを絞める末娘……服部家の行く末は? 日常の悩みを撃ち落とす爆笑繁殖エッセイ 〈巻末付録〉角幡唯介との対談「探検家の家族はつらいよ!?」
-
4.0
-
3.8
-
-「29歳の一人息子を亡くした父親が、悲嘆と苦悩の果てに辿りついた境地とは? この本は多くの人々に想像を超える救いをもたらすでしょう」聖心会シスター鈴木秀子氏推薦。 「死」と「生」を切り離すことはできない。死は生の意味を映し出す鏡であり、生は死という「蘇り」へのかけがえのない学びの場です。消えない蝋燭、見たことのない映像が映り込んでいるDVD、死後に親友へ届いたメールのメッセージ……これらの不可思議な出来事にも意味があるのです。
-
4.0
-
4.0一九五四年、松沢病院の医師として一人の殺人犯を診察したときが、著者の死刑囚とのはじめての出会いであった。翌年、東京拘置所の精神科医官となってから、数多くの死刑囚と面接し、彼らの悩みの相談相手になることになる。本書では著者がとくに親しくつきあった人たちをとりあげてその心理状況を記録する。極限状況におかれた人びとが一様に拘禁ノイローゼになっている苛酷な現実を描いて、死刑とは何かを問いかけ、また考える異色の記録。
-
3.5
-
3.3過労自殺をしかけた経験を持つ著者が、会社から身を守る処世術を伝えるコミックエッセイ。12万部を超えるベストセラーとなった処女作『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由』は、過労死しそうになる原因を追求することが主でしたが、本書はその前段階、働きながら抱えがちな悩みや不安を払拭するための心構えを、まんがでわかりやすく解説します。 仕事ですごく落ち込んだ時、ショックなことがあった時、モヤモヤした気持ちを落ち着けたい時――全ての働く会社員に役立つ一冊。
-
3.3小海線の車窓の眺め、若狭の水、奥津の温泉……。荒地の詩人は、ウイスキーを道連れに日本各地に旅立った。「ぼくの感情旅行」と雑誌『旅』の作品を中心にユーモラスな十二の紀行文とエッセイ「ぼくのひとり旅論」を収める。〈ニホン酔夢行〉。単行本未収録の北海道紀行を増補。〈解説〉長谷川郁夫 ■目次 隠 岐/若 狭―小浜/伊 那―飯田・川路温泉/北海道―釧路/ 奥 津/鹿児島/越 前―越前町・三国町/越 後―新潟/ 佐 久―小海線/東 京―浅草/京 都/ 沖 縄 ぼくのひとり旅論 あとがきにかえて 解 説 長谷川郁夫
-
4.2
-
4.5
-
-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 超高齢化社会の最期の迎え方とは。上野千鶴子、橋本治、結城康博(淑徳大学教授。社会保障論・社会福祉学)ほか各分野の専門家(弁護士・赤沼康弘、介護・医療ジャーナリスト・長岡美代)の各氏が、今何が必要かを説く。2016年7月に他界した永六輔さんの在宅看護を担当した看護師・村松静子さんと永さんの次女・麻里さんの対談も収録。
-
-60年安保、ストの頻発、高度成長と、戦後日本の大きなターニングポイントとなった昭和30年代。週刊誌市場は空前の活況を呈し、「出版社の将来は、週刊誌を持つか持たないかにかかっている」とまで言われた。先行して成功を収めつつあった『週刊新潮』『朝日ジャーナル』『週刊文春』等につづけと、老舗出版社である中央公論社も、昭和34年秋に新雑誌を創刊。社長が編集長を兼任し、定価は他誌よりも安い20円。「スキャンダルは扱わない」という独自の編集方針を掲げてスタートしたが――。週刊誌要員として入社し、若き日の野坂昭如氏や小田実氏らを担当した著者が、痛恨の念とともに当時を振り返る「55年目の敗戦記」。
-
3.0使い捨ての時代が長く続いているが、物を直して使うというかつての日本の精神と技術は、いまでもきっちりと受け継がれている。書籍、眼鏡、靴等の実用品から古文書、茅葺き屋根、赤レンガ建築等の文化財にいたるまでの三十を越える日本各地の修理現場を徹底取材。修理店等の連絡先付き。
-
3.5
-
-
-
-戦後75年が経過しても、いまだ解決を見ない北方領土問題。過去、ゴルバチョフと小沢一郎の「バックチャンネル外交」、ロシア外務次官による「クナーゼ提案」、橋本龍太郎からエリツィンへの「川奈提案」など、合意へのチャンスは幾度か訪れたが、いずれもロシア国内の改革派と保守派の対立、日本の対ロ柔軟派と四島一括派の確執の中で潰えてきた。 交渉を担った日ロ双方のプレイヤーたちは、何を目論み、どのように行動してきたのか。なぜ合意に達しなかったのか――。当事者たちの証言をもとに綴った、北方領土交渉史の決定版。今後の「北方領土」の帰趨を見届ける際に欠かせない一冊である。 前著『日ロ現場史』で2013年度新聞協会賞を受賞した著者の最新作。
-
-木村義雄、升田幸三、大山康晴、呉清源……。盤上の戦いに賭けた男たちの対局に、安吾は何を見たのか。表題作ほか小説、観戦記、エッセイ、座談まで初集成する。文庫オリジナル。 〈巻末エッセイ〉沢木耕太郎「私だけの教科書」 〈解説〉西上心太 【目次】 Ⅰ 散る日本/勝負師/九段/名人戦を観て/坂口流の将棋観/観戦記/将棋の鬼 Ⅱ 囲碁修業/負け碁の算術/文人囲碁会/本因坊・呉清源十番碁観戦記/呉清源論/私の碁/碁にも名人戦をつくれ 座談会二編 囲碁・人生・神様/呉・藤沢十番碁を語る
-
4.0最初の神風特別攻撃隊の戦果に対する「陛下のお言葉」は「そのようにまでせねばならなかったか、しかしよくやった」だった……。 延べ一万人・六千時間に及ぶ証言を元に昭和二十年元旦から終戦に至る時代を再現。第一巻は、特攻隊、和平工作開始、東京大空襲を取り上げる。〈解説〉戸部良一
-
3.9日米開戦前夜。平均年齢三十三歳、全国各地から集められた若手エリート集団が出した結論は「日本必敗」。それでも日本が開戦へと突き進んだのはなぜか。客観的な分析を無視して無謀な戦争に突入したプロセスを描き、日本的組織の構造的欠陥を暴く。 石破茂氏との対談、新版あとがきを収録。
-
4.4昭和二十三年十二月二十三日、東條英機をはじめA級戦犯が処刑された。なぜ皇太子明仁の誕生日、のちの「天皇誕生日」が選ばれたのか。そこにアメリカが仕掛けた「暗号」から敗戦国日本の真実を解き明かす、『昭和16年夏の敗戦』完結篇。 再刊にあたり書き下ろし論考「予測できない未来に対処するために」を収録。 〈解説〉梯久美子 (『ジミーの誕生日』『東條英機 処刑の日』改題)
-
-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 国立西洋美術館の世界遺産登録をきっかけに、ますます注目を浴びるモダニズム建築。しかし、一方で老朽化のため取り壊される建物も多い。吉村順三設計の箱根ホテル小涌園も2018年1月10日での営業終了が発表された。しかし、同じ箱根にあり、唐破風の玄関を持つ本館が有名な富士屋ホテルにもモダニズム建築の建物があることはあまり知られていなかった。『箱根富士屋ホテル物語』の著者が、その富士屋ホテル・フォレスト館の謎を解き明かす。
-
5.020世紀は昭和の時代であった。戦後に刻印された我々の記憶は本当に正しい20世紀像を結んでいるのであろうか。昭和史研究の第一人者である著者が、昭和の戦争、エポックメイキングな事件を再検証し、昭和という時代と昭和を生きた日本人の実像を、独自の視点から読み解く。
-
3.72001年の池田小事件をきっかけに、05年に施行された「医療観察法」。この法律では、殺人、傷害、放火、強盗、強制性交、強制わいせつを行い、刑法第三九条の規定によって、心神喪失者または心神耗弱者とされ、無罪、あるいは執行猶予、不起訴、起訴猶予になった人を、「加害者」という代わりに「対象者」とする。対象者は精神科病院での鑑定入院を経て、地方裁判所で医療観察法の処遇を受けるかどうかの審判を受ける。医療観察法が適用されるとなった場合、医療観察法病棟のような指定入院医療機関への入院か、指定通院医療機関への通院が決定する。 全国に35施設ある医療観察法病棟では、どのような治療が行われているのか? 対象者はどのような過程を経て、社会に復帰するのか? 病棟内を取材し、現場で働く医療者、退院者、被害者遺族、法律に反対する人など、さまざまな立場の人を訪ね、制度のあるべき姿を考えるルポルタージュ。 【目次より】 第一章 「対象者」 第二章 医療観察法病棟 第三章 医療観察法の誕生 第四章 医療観察法病棟の内側から 第五章 医療観察法病棟立ち上げのエキスパート 第六章 医療観察法に異を唱える人たち 第七章 元対象者が感じる負の刻印 第八章 医療観察法反対運動の源流としての社会運動 第九章 被害者の悲痛な思い 第十章 医療観察法と社会復帰
-
-20世紀最大の国家事業、新幹線建設。時速200キロ実現までの試行、安全運転のための自動列車制御装置の開発、列車妨害対策、ルート選定、用地買収交渉など、最先端の技術・設計思想に貫かれた、世界最高水準のモノ作りの軌跡。中公新書『東海道新幹線』を改訂・解題。〈解説〉老川慶喜
-
-「老い」をどう生きるか? どうすれば介護の不安を解消し、子どもの人生を巻き込むことなく死ねるのか――。母親の闘病と死から老後の自立を考え、五年に亙り約百か所の老人施設を取材、そこで暮らす人々の肉声を聞いて歩いた渾身のルポルタージュ。現在の「終活」ブームの先駆けとなった名著が、16年の時を経て復刊。 解説/樋口恵子、新装版解説/上野千鶴子 【目次より】 ●第一章 母さん、堂々と病んでください “最後の七年”のはじまりの日 母さん、堂々と病んでください 動けなくなったらどうしよう 人間の能力が減っていく日 ●第二章 親孝行を期待したらダメ 母よ、淡くやさしき光ふるなり 介護不安が日本を狂わせる “アトノ祭リヨ”といいたくないが…… ホネは拾わなくてもいい? ●第三章 母の着物に抱かれるしあわせ 人は老いると、どんなことが起こるか 放っといて。早く死なせて ホーム行脚、本格的にはじまる 母の着物に抱かれるしあわせ ●第四章 理想のホームを求めて ペットと暮らせるホームがあった…… 福祉はどこへ行った? やっぱり、高齢者虐待はあった ●第五章 親の自立、子の自立 妻の病気に弱い男たち 九十二歳でホームを出た理由 住まい型ホームに体験入居してみる 好みと値段が一致しないホームたち ●あとがき ●解 説――ついのすみ家の青い鳥 樋口恵子 ●新装版解説――老人ホームに入りたくないこれだけの理由 上野千鶴子
-
-メスを握らない専門医、欺瞞に満ちた医療裁判、弊害だらけの医局制度……天才といわれる心臓外科医が、腐敗した現代の医療にたたきつけた挑戦状! 医者の復権と医療再生への祈りを込めた職人心臓外科医のメッセージ。
-
4.0国際社会は弱肉強食の「新・帝国主義」の時代に入った――。右巻では、大震災で弱体化した日本に中露韓など各国が牙をむく情勢下、日本人と日本国家が生き残るための戦略を示す。
-
4.5国際社会は弱肉強食の「新・帝国主義」の時代に入った――。左巻では、自国の利益極大化をはかる米中露など各国の動きを分析し、日本人と日本国家が生き残るための戦略を示す。
-
5.0年齢四十七、職業は週刊誌編集長。首相のスキャンダルを、オウム真理教の悪徳を暴いた、働き盛りの男が「地雷」を踏んだ。脳卒中である。右半身の自由を奪われ、言葉を無くした。暗澹たる絶望の淵。死の誘惑が胸をよぎる。だが、マスコミが混迷する世紀末、男は・もう一度社会悪と格闘するまで死ねない・と決意する。テーマソングは「上を向いて歩こう」。闘病六年。強いが優しい男が時代の現場に復活する。障害は「個性」だ。
-
-中公文庫『新編・石光真清の手記』全四巻を合本したものです。既刊電子版と内容に変更はありません。 明治元年に生まれ、日清・日露戦争に従軍し、満洲やシベリアで諜報活動に従事した陸軍将校の手記四部作。新発見史料と共に新たな装いで復活。 (一) 西南戦争・日清戦争 故郷熊本で西南戦争に遭遇した後、陸軍士官学校に入り、日清戦争に従軍するまでを綴る。未公開だった手記『思い出の記(抄)』及び小説『木苺の花』を併せて収録する。 (二) 義和団事件 明治三十二年、諜報活動に従事すべく、ロシアの進出著しい満洲に入った石光陸軍大尉。そこは、中国人、ロシア人、韓国人、コサック、そして日本人など多彩な民族の坩堝であり、日本人娼婦を妻とする中国人馬賊が疾駆する大地だった。未公開手記『得体の知らぬ日本人』『因果物語ほか』等を収録。 (三) 日露戦争/長編小説・曹長の妻 日露開戦。陸軍少佐となった石光は第二軍司令部付副官として出征する。終戦後も大陸への夢醒めず、幾度かの事業失敗を経て、ついに海賊稼業へ。やがて明治という時代は終焉を迎える……。 新編刊行に際し、未公開の手記『思い出の記 放浪生活時代』、短編小説『惨劇の夜の思い出』や秘蔵写真多数、そして電子版のみ、著者唯一の長編小説『曹長の妻』を収録。 (四) ロシア革命 世田谷で三等郵便局長を務めていた石光元陸軍少佐は「大地の夢」さめがたく、再び大陸に赴き満蒙貿易公司を設立する。そしてロシア革命が勃発、密命を受けた石光はアムールへと赴く。一方日本軍は革命に干渉し、シベリアに出兵する。時代を裏側からささえていた一軍人の手記、完結。
-
3.8
-
-妻帯者として苦悩し悟りの道をひらいた偉大な浄土真宗の開祖の伝記。一一七三(承安三)年、京都の名門日野家に生まれ、比叡山での修業、越後への流罪、関東での伝道、京都にもどって著述に専念した、波瀾にみちた九十年の生涯を「出家とその弟子」でしられる仏教文学者が、美しい精緻な筆致で描いた名著を復刻。
-
4.3国鉄改革から35年を経た今、官と民の狭間でJRは苦悶を続けている。歴史を踏まえて、JR7社の直面する課題を読み解き、人口減少時代と対峙する現在とこれからを展望する。
-
4.2
-
-
-
4.5虐待を受けた子ども、身寄りのない子どもたちが暮らす児童養護施設。2019年、児童養護施設の元入所者が、誰よりも自分に救いの手を差しのべた施設長を殺害。不可解な事件の背景には児童福祉制度の構造的な問題があった。どんな境遇に生まれようが、子どもには等しく未来があるはずだ。そんな思いで筆者は立ち上がった。NHK総合「事件の涙 未来を見せたかった ~児童養護施設長殺害事件~」をもとに執筆した渾身のルポルタージュ。
-
4.5米大統領選→コロナワクチン→ウクライナ侵攻、次々に連鎖する陰謀論。誤情報をネットで流布する匿名の発信者を追い、デマに翻弄される人々の声を聞く――。高度化する“嘘”の裏側に迫るドキュメント。『読売新聞』長期連載「虚実のはざま」、待望の書籍化。 同じ事柄について話しているのに、「何が事実なのか」という根本的な認識すらも全く異なる人が増えている。虚と実の境界がどんどん曖昧になり、社会で共有されるべき大切な土台が少しずつ浸食されているのではないか。そんな違和感が膨らんでいた。コロナ禍がもたらす負の作用が、それを顕在化させつつあるようにも感じていた。 コロナというパンデミックは、一部の層の人間が利益を得るために計画され、人為的に引き起こされた――。通底していたのは、そんな被害妄想に近いものだった。そして、その陰謀論を信じて疑わない人々の叫びがネット空間に大量に吐き出されていた。 いったいなぜ、多くの人が引き寄せられるのか。私たちは当事者に直接話を聞こうと取材を始めたのだった。 (本文より)
-
-若き日の立川談志が「人生の師匠」と慕った紀伊國屋書店創業者・田辺茂一。戦後の新宿文化をつくり上げた実業家、そして「夜の市長」と呼ばれた粋人とのユニークな師弟関係を、芸人・文士らとの華やかな交友関係とともに振り返る。家元流の観察眼が光る昭和人物列伝であり、毒舌のうちに故人への哀惜がにじむ漫談風エッセイ。 目 次 短いプロローグ 現代、何故田辺茂一か 第一章 人生の師 第二章 芸人好き 第三章 文人づき合い 第四章 御大の艶話 長めのエピローグ 最期の捨て台詞 〈対談〉どっちかてえとイロゴトより落語 田辺茂一×立川談志 田辺茂一・立川談志 略年譜 〈解説〉ダジャレ社長 高田文夫
-
4.5敗戦直後、連合国軍によって巣鴨プリズンと名づけられた巣鴨拘置所に、数多くの人々が「戦争犯罪人」として収容された。ここの初代戦犯教誨師となった花山信勝は、彼らと接し、三四名の死刑囚の最期を看とった。東条英機、広田弘毅、そして若いBC級戦犯たちを見送る懊悩の日々の中、彼はこの過酷な任務をいかにとらえ、戦争犯罪をどううけとめて教導活動にあたったのか。回想をもとに心の軌跡を辿り、太平洋戦争について考える。
-
4.0極東国際軍事裁判で処刑を宣告され、断頭台の露と消えた戦犯たち。彼らの死をめぐる事実関係を洗い直し、知られざる戦争の側面を浮彫りにした力作。
-
4.4北京五輪の野球日本代表となったG.G.佐藤。今も語り継がれる高校野球星陵・箕島戦の星陵一塁手加藤直樹。最終戦で敗れ、巨人のV9を阻止できなかった阪神の池田純一中堅手。彼らは、大事な試合で大きなミスを犯したとして、ファンやマスコミから非難を浴び、人生が暗転した。理不尽なバッシングとどう戦い、そして立ち直ったのか。「落球」の烙印を背負った男たちの「その後」を辿るスポーツノンフィクション。 目次 第一章 また落球する運命でももう一度五輪に出たいです G.G.佐藤 2008年8月23日 五棵松野球場(北京) 北京五輪3位決定戦 米国×日本 第二章 野球の神様はなぜ俺をあの場面で転倒させたのか 加藤直樹 1979年8月16日 甲子園球場 全国高校野球大会3回戦 箕島×星陵 第三章 「これが私の人生です」30年後に見つけた答え 池田純一 1973年8月5日 甲子園球場 セ・リーグ 阪神×巨人 第四章 ミスのあとの人生をどう生きるか
-
4.0異常な犯罪が起きるたびに話題になるのが精神鑑定。しかし、精神鑑定は期待されるように、出来事の真相を明らかにできるのだろうか。本書は、レーガン元米大統領暗殺未遂事件、多重人格者の連続殺人、哲学者の妻殺し等々、社会を揺るがせ、鑑定人を悩ませた有名な事件を取り上げる。貴重な資料や証言をもとに犯行と裁判の経過をふり返り、精神鑑定のむずかしさを浮き彫りにしながら、異常な事件を生んだ心の世界を探る試みである。
-
4.1負け戦のときに必死になるな。合理性なき上司の「ムチャ振り」に付き合うな。友達は大事にしろ。人の悪口に相槌を打つな。結論をズバリ言うな。上司が「これは一般論なんだけどさ」と言い出したら赤信号! どんな時代にも生き延びる手段はある。田中角栄、トランプ、李登輝、山本七平、乃木希典、オードリー・タン……。世界の〝巨匠〟に学べ。数々の修羅場をくぐり抜けてきた両著者が、組織で生き抜く秘策を余すことなく伝授する。
-
-
-
-神田に生まれた職人の子が、日露戦争から大震災をへて太平洋戦争の敗北までたどった長い生涯と、失われた下町の人情を描く。〈解説〉福田宏年
-
3.3天皇崩御、与党の大敗、消費税導入、冷戦終結、東西ドイツ統一、天安門事件……世界的な激動の年であった1989年=平成元年の変調は、年を経て、形となって影響をおよぼすようになった。当時の記録をいまの視点からあらためて問い直す。『検証・平成維新』改題
-
-大正八年、西園寺講和特使に随行し、第一次世界大戦の硝煙消えやらぬ荒廃のヨーロッパを訪れて無限の感慨を抱き、平和への歓喜、「力の支配」の存在、外交と宣伝、労働問題、米国問題など、卓越した識見と率直な心情を吐露した、近衛文麿若き日の記録。
-
3.0秩父宮、高松宮、赤尾敏、安岡正篤、伊藤律、坂口弘、田中角栄、藤山愛一郎、武見太郎など、もし、この人物がいなかったら戦後の日本の政治・経済・社会状況は別の局面を迎えていたかもしれないようなキーパーソン十五人を取り上げ、彼らの足跡を検証することにより、戦後日本の栄光と挫折に迫る意欲作。
-
4.0日中戦争中に戦地に派遣された慰問団「わらわし隊」。埋もれていた資料や元兵士の証言を元にその実態を浮き彫りにしつつ、慰問団が見た「南京」や「慰安婦」等、今も論争が続く一連の問題にも一石を投じた力作ルポルタージュ。
-
-安保担当大統領補佐官を電撃辞任! 前政権でも政策を公然と批判し国防情報局長を解任された著者が情報将校の経験からポリティカル・コレクトネスの下に弱体化した軍の実態を暴露する。
-
-日中戦争で数度にわたって従軍した林芙美子。その初随行が、一九三八年、蒋介石率いる中国軍を追討するための漢口攻略だった。女性らしい温かな視点で、陸軍第六師団の兵士たちの姿を綴った本書は、代表作『放浪記』につぐ大ベストセラーとなる。満州ルポ「凍れる大地」を併録。
-
4.1きつい、汚い、危険。 この「3K」で究極の仕事といえばゴミ屋敷清掃だろう。 山積みのゴミを片付けるだけならまだいい。ときには虫がわいている箇所に手を突っ込み、人の便や尿さえも処理しなければならない。誰もやりたくないが、誰かがやらなければいけない。 著者は、取材記者という身分を捨て、作業員の一人として、なりふり構わず、ゴミ屋敷の片付けにあたった。 本書は、多くの惨状を目の当たりにしたゴミ屋敷の現場レポートと、ゴミ屋敷化してしまう原因と治療法を追い求めたルポルタージュ。 現在は仕事をし、社会生活が送れているとしても、「片付けられない人」の家は何かのきっかけで「ゴミ屋敷化」する可能性がある。本来くつろぐはずの家にゴミがたまり続けると、不思議なことにその後同じシナリオをたどっていく。やがてはその環境に慣れ、ゴミにまみれた中で一人、死を迎える。 本人は物を集めずにはいられない自分に、ご家族をはじめ周囲はそんな本人を傍目に見て、どちらも困っているに違いない。何とかしたいともどかしく思っているはずだ。 本書はそのようなゴミを集める状態に悩む本人、そしてその身近な人に捧げる。また、今はゴミ部屋ではないが片付けが苦手という人にも、未来への防止策を講じる。 【Webで話題沸騰の取材ルポ・待望の書籍化!】
-
-「空中火山」の大噴煙。殺人光線。轟音と爆風。閃光と熱波。そして奇跡──昭和二十年八月六日の広島原子爆弾投下に遭遇し、生き残った人文学者が「亡き妻への手紙」として綴った、戦後最初に公刊された体験記。
-
4.0足かけ6年に及んだ小泉純一郎長期政権以降、第一次安倍晋三内閣から民主党の野田佳彦にいたるまで一年程度で総理が交代することになった理由は何なのか。そして民主党はなぜわずか三年で政権を手放さざるをえなかったのか……。沖縄米軍基地移転、東日本大震災、消費税アップ等の外交・内政の重大問題への対応を中心に、日本記者クラブ賞受賞のベテラン記者が日本政治とリーダーのあり方の問題点を描き出し、国を背負って立つ政治家の責任を問う。
-
5.0『太陽の季節』で日本中を熱狂させた「無意識過剰」「価値紊乱者」の石原慎太郎は、社会に何を警告したのか。三島由紀夫を動揺させ、多大な影響を与えた慎太郎。交錯、衝突し、天皇制と国家観をめぐって離反した2人の天才を考察することで、慎太郎がその作品群に込めた真意に迫った。東京都知事と副知事として、作家同士が都庁舎で折々語りあった猪瀬直樹が見た慎太郎の素顔とは……。『ペルソナ 三島由紀夫伝』『ピカレスク 太宰治伝』に続く作家評伝を、一周忌に満を持して上梓する著者渾身の書き下ろし。 プロローグ―ー「君が代」と「日の本」 第1章 敗戦の子 第2章 ヨットと貧困 第3章 公認会計士の挫折と裕次郎の放蕩 第4章 運をつかむ 第5章 スター誕生 第6章 ライバル三島由紀夫 第7章 拳闘とボディビル 第8章 『亀裂』と『鏡子の家』 第9章 「あれをした青年」 第10章 挑戦と突破 第11章 石原「亡国」と三島「憂国」 第12章 「嫌悪」と「海」 第13章 天皇と核弾頭 エピローグ――価値紊乱は永遠なり
-
-
-
4.0
-
4.02010年チリ、三年に一度の世界最優秀ソムリエコンクールが開かれた。緊張と重圧、さらに試験に仕掛けられたトラップが、各国を代表する選手たちを苦しめる。だがそんな中、ブラインドテイスティングで嗅覚と味覚の驚異的な才能を発揮する者あり、極上のサービスでテーブルに至福の時間をもたらす者もいる。はたして栄冠は誰の手に? 大会に密着したNHKディレクターによる迫真のドキュメンタリー。
-
3.9パンデミックを前にあらゆるものが停滞し、動きを止めた世界。17歳でイタリアに渡り、キューバ、ブラジル、アメリカと、世界を渡り歩いてきた漫画家・ヤマザキマリさんにとって、これほど長い期間、家に閉じこもって自分や社会と向き合った経験はありませんでした。でもそこで深く深く考えた結果、「今たちどまることが、実は私たちには必要だったのかもしれない」という想いにたどり着いています。この先世界は、日本はどう変わる? 黒死病からルネサンスが開花したように、また新しい何かが生まれるのか? 混とんとする毎日のなか、それでも力強く生きていくために必要なものとは? 自分の頭で考え、自分の足でボーダーを超えて。さあ、あなただけの人生を進め!
-
4.0★「負け続けてもいい。自分の意思を持ち続けろ!」 知の巨人、立花隆氏の遺作 解説・保阪正康 立花隆が「どうしても最期に残しておきたい」と切望した遺作。未収録の「肉声」を中心に編んだ。 【第一部】は、ヒロシマ、ナガサキ、アウシュビッツの恐怖をなんとしても若い世代に伝えたいと、2015年に長崎大学で行った講演「被爆者なき時代に向けて」などを収録した。 【第二部】は、ソ連が崩壊した1991年に、21世紀を見通そうと大江健三郎氏と行った対談を収録。あれから30年が経過したが、二人の巨匠は、この先もますます深刻になるであろう環境汚染、人口問題、排外主義、格差拡大、核拡散など地球規模の危機をぴたり見通していた!
-
3.8
-
4.0柳田邦男『空白の天気図』、立花隆『田中角栄研究』、沢木耕太郎『一瞬の夏』……。十八の名作はいかにして生まれたのか。「ノンフィクション冬の時代」の今こそ読んでおきたい作品を厳選。巻末に沢木耕太郎氏との対談「鋭角と鈍角――ノンフィクションの方法論について」を収録。 (本書で紹介する作品) 柳田邦男『空白の天気図』/本田靖春『不当逮捕』/澤地久枝『妻たちの二・二六事件』/鎌田慧『逃げる民』/ジョージ・オウエル『カタロニア讃歌』/立石泰則『覇者の誤算』/沢木耕太郎『一瞬の夏』/野村進『日本領サイパン島の一万日』/田崎史郎『梶山六 死に顔に笑みをたたえて』/小関智弘『春は鉄までが匂った』/佐野眞一『カリスマ』/デイヴィッド・ハルバースタム『ベスト&ブライテスト』/柳原和子『百万回の永訣』/保阪正康『昭和陸軍の研究』/最相葉月『星新一』/大崎善生『聖の青春』/河原理子『フランクル『夜と霧』への旅』/立花隆『田中角栄研究』
-
-日本のオリンピックの歴史は大学抜きには考えられないー。アスリートから学生通訳、反対派まで、記録と証言から問う五輪の実像。1912年大会から2020年東京大会までを振り返り、オリンピックを通して見えてきた大学の役割、大学というアカデミズムから考察されるオリンピックの意義について、問題提起する一冊。 第一章 2020年東京大会 一年延期を学生はどう受け止めたか 第二章 1912年大会〜36年大会 文武両道 戦前の学歴エリートたち 第三章 1940年 「幻の東京五輪」の学徒動員 第四章 1952年大会〜60年大会 慶應・東大ボート部 栄光の軌跡 第五章 1964年大会〜68年大会 部の伝統ゆえ、オリンピックを辞退 第六章 1964年東京大会 オリンピック秘話 ①学生通訳編 第七章 1964年東京大会 オリンピック秘話 ②裏方学生編 第八章 1952年大会〜76年大会 転身いろいろ、競技も人生も大学名も 第九章 1980年大会〜2016年大会 大学生オリンピアンは不滅なのか 第一〇章 一芸に秀でた新設校、マイナー競技強豪校 第一一章 議論風発! 教員たちのオリンピック学
-
4.0★真相究明どころか 追及からの〝隠れ蓑〟⁉ 不祥事を起こした企業や行政組織が、外部の専門家に委嘱して設置し、問題の全容解明、責任の所在の明確化を図るはずの「第三者委員会」。だが、真相究明どころか、実際は関係者が身の潔白を「証明」する‶禊のツール〟になっていることも少なくない。調査中は世間の追及から逃れる‶隠れ蓑〟になり、ほとぼりも冷めかけた頃に、たいして問題はなかった――と太鼓判を押すような報告書もあるのだ。第三者委員会を徹底分析する。 厚労省の毎月勤労統計 東京医大の入試差別 日大アメフト部の反則 朝日新聞の捏造 東芝の不適切会計
-
-1巻550円 (税込)※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 新型コロナウイルス感染症の拡大で、都道府県知事の存在がクローズアップされている。緊急事態宣言下では休業要請などをめぐり国と地方の役割分担の曖昧さが露呈し、さまざまな論議を呼んだ。“自治体格差”を生んだ、独自の緊急事態宣言、PCR検査、警報基準設定などの施策は知事のパフォーマンスなのか、それとも地方自治の原点回帰なのか……。 ※『中央公論』2020年8月号特集の電子化です。 ※電子版では、紙の雑誌と内容が一部異なる場合や、掲載されないページがございます。 (電子版通巻102号) 【目次】 《「首長格差」に迫る》 ①神奈川県 国、県、市町村の曖昧な関係を正せ 小池・吉村両知事のように国を批判すれば済むのか 黒岩祐治 ②鳥取県 目立たず、地味に一歩一歩 感染症対策にパフォーマンスはいらない 平井伸治 ○取材を終えて 国の「政治主導」、地方の「政治主導」 砂原庸介 ●地方分権改革に逆行する首長のコロナ対応 「社長」が自らを「中間管理職」に貶めるな 片山善博 ●データで読み解く感染症対策 保健・医療体制、コロナ対応の47都道府県格差 曽我謙悟 ●吉村大阪府知事の高評価は維新支持を牽引するか 善教将大 ●経済再生大臣に迫る 国と自治体の役割の違いとは? コロナ第一波の総点検 総力あげて第二波に備えよ 西村康稔×〔聞き手〕田原総一朗 ●出でよ「乱暴」なリスクテイカー 冨山和彦
-
-この本を読まずに劉生の事を知ろうとする人は、劉生の画業を麗子像をぬかして話そうとする人に似ている――(武者小路実篤「序」より) 〈麗子像〉を通じて誰もが知る愛娘が、父・劉生の日記や手紙を引きつつ、その幼年時代から死までを綴った手記。新たな表現を求めて苦悩し、角力を愛し、時に癇癪を起こす――画家・劉生、そして人間・劉生を知るうえで欠かせない一冊。カラー口絵8P、著者が劉生の死後を綴った単行本初収録の随筆4篇、麗子の娘である画家・岸田夏子による解説を増補した新版。図版多数収載。【岸田劉生生誕130年記念企画】 【目次より】 序(武者小路実篤) ○ 幼年時代から結婚まで 代々木時代 鵠沼時代 京都時代 鎌倉時代 満州へ ○ 解 説(谷川徹三) 〈巻末付録〉岸田麗子随筆選 父の遺してくれたもの ある女の講演草稿 あれから三十年 母のこと ――劉生を夫に選んだひと ○ 岸田麗子 ――「麗子像」の先へ(岸田夏子)
-
4.0
-
-「デマ大国」かつ「幸福な監視国家・中国」が「健康帝国」化する日――中国から拡大し世界的に猛威をふるう新型コロナウイルス。中国は権威主義体制のもと人流抑制により、いちはやく封じ込めに成功したが、それにより民主主義体制への懐疑さえ生まれている。だが、中国の本質はそもそも「上に政策あれば下に対策あり」と言われる「デマ大国」であり、ゲテモノ食ひとつすら取り締まれない。その歴史的・社会的な課題を克服するためのツールが、本書が検証するデジタル・監視・大動員なのだ。習近平体制のもと、「健康帝国」へと突き進む中国の深層を、気鋭のジャーナリストがレポートする。
-
3.8
-
4.3