作品一覧

  • 中世の音・近世の音 鐘の音の結ぶ世界
    5.0
    1巻1,100円 (税込)
    音に託された意味の変化から中近世の日本社会を読む。中世において誓いの場や裁判の場で撞かれていた神聖な鐘は、次第に日常的な音になり、危険や時刻を知らせる役割を果たすようになった。神の世界と人間をつなぐ音から、人間同士をつなぐ音へ。その変遷を、史料に加え民俗学の成果も多分に用いて考察する。記録には残りにくい当時の人びとの感性や感覚を追うことで、中近世の社会・文化を描き出す。(講談社学術文庫)
  • 武田信玄 伝説的英雄像からの脱却
    4.0
    1巻726円 (税込)
    「風林火山」を旗印とする百戦錬磨の闘将・知将として強調されるあまり、武田信玄は時代を超越した極めて特異で偉大な人物になっている。しかし信玄といえども時代の子であり、社会に規制されて生きるところが大きかった。その信玄を知るには、個人を特別視することなく、戦国という時代の特徴を認識しなければ、真の人間像には迫れない。従来の伝説的な英雄論の枠組みを取り払い、社会の中の戦国大名として生きた武田信玄像を描く。

ユーザーレビュー

  • 中世の音・近世の音 鐘の音の結ぶ世界

    Posted by ブクログ

    着眼点にまず感心、感動する。
    鐘(寺、仏壇、乞食等)の音に対する民衆の意識、あるいは死生観のようなものを知りたくて手に取ったが、とても面白く読めた。

    民俗学だと地域伝承や口碑伝説に頼らざるを得ない考察も、鐘ならば歌人詩人らが多く歌っているし、彼らの足跡を追えば時代背景も分かる。とても調査しやすそう(少なくとも卒論である人身御供論よりは)に感じた。

    0
    2010年09月17日
  • 武田信玄 伝説的英雄像からの脱却

    Posted by ブクログ

    タイトルの通り、従来まで伝説的見地から語られることが多かった武田信玄の人間像に学術的見地から客観的に迫っていく。当時の時代背景に関する研究成果を踏まえた上でそこから真実の信玄の姿を解き明かしていくスタンスは一般の読者にも十分読みやすい。良書。

    0
    2009年10月04日
  • 武田信玄 伝説的英雄像からの脱却

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    勝手に読み直す日本史という事で再読する。
    1997年の刊。手堅い内容で、今読んでも得るところ
    が多い。新書ということで、参考文献一覧を省略してい
    る事は玉に疵である。(昔の新書のスタイルなのでやむ
    を得ないか)
    はじめにで高野山の二種類の信玄画像について触れられ
    ている。16年前の時点で持明院蔵の画像の方が有力視
    されていたとはと改めて認識する。

    棒道については否定的見解、金山経営、信玄堤についても
    過大な評価を避けようとしている。甲陽軍艦が描く信玄像
    から脱却を図っているが、やや性急な気もする。
    (2005年刊行のミネルヴァ日本評伝でどの程度深化さ
    れているか気にな

    0
    2013年08月21日
  • 武田信玄 伝説的英雄像からの脱却

    Posted by ブクログ

    タイトル通り、伝説的英雄像で語られる信玄を
    資料から冷静に分析して地に足の着いた人物像に落とし込んでいる。
    信玄の権力基盤、その範囲、金山経営、信玄堤、棒道など、信玄の英雄的君主像を支える通説を伝説的要素をそぎ落とし、現実的な領主としての信玄を浮き彫りにしようとしている。

    0
    2014年01月07日

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