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昭和二十三年十二月二十三日、東條英機をはじめA級戦犯が処刑された。なぜ皇太子明仁の誕生日、のちの「天皇誕生日」が選ばれたのか。そこにアメリカが仕掛けた「暗号」から敗戦国日本の真実を解き明かす、『昭和16年夏の敗戦』完結篇。 再刊にあたり書き下ろし論考「予測できない未来に対処するために」を収録。 〈解説〉梯久美子 (『ジミーの誕生日』『東條英機 処刑の日』改題)
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Posted by ブクログ
戦争が終わる時期の緊迫したやりとりがとてもスリリングでもあり、終戦を迎えた日本の様子を知ることができる一冊でした。 戦争犯罪人をA級、B級、C級と戦犯と区分されていますが、私は勝手にイメージからA級ほど重い罪とされたと勘違いしていました。この間違った解釈を本書で正すことができました。本書189ページ...続きを読むにある一節を抜粋します。 A級戦犯に元首相や大将が多かったので、B級やC級よりランクが高いと誤解されているが、罪別に分類したにすぎない。「平和に対する罪」がA級である。B級は捕虜や非戦闘員に対する残虐行為で、これまでと同じである。フィリピンの「バターン死の行進」が捕虜の虐待にあたり、のちに山下大将や本間中将が処刑されることになる。C級はすべての民間人に対する残虐行為(ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺はこれにあたる。「人道に対する罪」という概念が生まれた)である。 マッカーサーが日本を統治するために、緻密に仕掛けた「暗号」がミステリー小説を読み進めるが如く、展開されます。 とても充実した読書空間を満喫しました。
P.33 8行目 「日付は昭和二十三年三月十日。」 東京空襲の日なので、昭和二十年の間違い? (2021年7月10日 再版)
終戦記念日に戦争関連の本が読みたくなるという人は多いのではなかろうか。あるいは、読むことを自らに課す、儀式的に読もうと努めるなど。私も、その一人だ。そして本書はそうした気分に適した一冊だ。 昭和23年とは、東京裁判における判決、処刑が行われた年だ。その日付に関する奇妙な一致が本書のいう暗号になる。...続きを読む詳述はしないが、GHQの戦後統治の仕掛けとして十分考え得る話だと思うし、その処刑前夜の物語、いや日本国憲法草案づくりからのストーリーにおける筆力、読み手を引き込むディテールの精度は流石に猪瀬直樹である。 謎かけの答えはネタバレになるので書かない。しかし、その狙いである「天皇の処刑回避」と引き換えにしたものは、今も日本の呪縛になっているのかも知れない。だが、そもそも当時の日本人には天皇か憲法か、天皇かA級戦犯かなどの選択の余地はなかっただろう。だから、天皇のために、代わりの何かを犠牲にしたという考えは公平ではない。 しかし本書には、その暗号に込められた意味は見過ごせず、しかもそれは天皇自身に刻み込まれているのではと深読みさせる説得力がある。 ー 東京裁判の最大の焦点は、天皇を法廷に出させるか、出させないか、だった。構図は、ケーディス大佐が持参してきた「初期対日方針」に示された状況と変わりはない。「最高司令官または連合国の適切な機関」とは、マッカーサーと極東委員会の二つの権力が並立するという意味である。だが十一カ国による極東委員会は、四月三日に「天皇不起訴」を決めた。二つの権力は、ここでいったん同じ地平に立った。にもかかわらず、昭和天皇を裁くべきだという戦勝国の世論は、東京裁判の地底にもぐりマグマとなってふつふつとたぎっていた。オーストラリア人の裁判長のウィリアム・ウェブは、「昭和天皇を訴追すべし」と広言してはばからない人物だった。白髪を七三に分け、太い眉に下がり眼で大きな鼻が際立ち、の深い口からしばしば辛辣な言葉が飛び出した。 ー 占領期はやがて終わる。マッカーサーは、その後の日本、未来の日本に向けて、一本の矢を放った。日付という形で、それを歴史に刻印したのだ。その意図するところは何だったのか。本書を読み終えた方は、すでにその答えを知っている。では、彼らが放った矢は、当時から見た未来を生きる私たちに届いたのだろうか。マッカーサーが仕掛けた時限爆弾は、はたして正しく爆発したのか。それについては、読後、すべての読者がさまざまに思いをめぐらせ、それぞれの結論を出すことになるだろう。 戦後80年、総理談話の有無や言葉遣いの一つ一つ。戦争については自衛と侵略の要素が入り混じり、内外での立場も使い分ける必要がある中で、発言は難しい。少なくとも罪の意識があったならば「罪はもう償った」という発言は、加害者側がいうべきではないと思うが。それと脱自虐史観は別の話であり、極端に左右に振れない事が重要だ。自他を煽るだけのために、これ以上国に命を捧げた英霊を愚弄しないで欲しいものだ。
戦争に負けた終戦の8月15日は覚えているのに、戦争が始まった日を知らない。まさかA級戦犯の処刑が平成天皇の誕生日に実施されたことも全く知らなかった。 現在と過去を行き来するストーリーも面白かった。
東條英機らA級戦犯が昭和23年12月23日に処刑された。 この暗号は平成になり日本人が思い出すべきものだった。 マッカーサーら、アメリカの仕掛けた壮大な演出。 しかし、これに気付かないまま、太平洋戦争を総括できていない日本。 令和になって、いっそう太平洋戦争への記憶だけが薄れていくのを感じる。
昭和23年12月23日、東條英機をはじめA級戦犯が処刑された。なぜ?皇太子明仁の誕生日、のちの「天皇誕生日」が選ばれたのか。そこには・・・。
実際は★3.5としたい。 本書の内容、★4.5、読み物の完成度★3 本書で暗号とされるものの正体に気がつくと戦慄するが、それまでの話の持っていき方が正直言って勿体無い。
著者のあとがきにあるように、 ”本書は『昭和16年夏の敗戦』の完結篇である。” その通りではあって併せて読むことをお薦めするけれど (この本だけ読む人は居ないだろうけどw) 『昭和16年夏の敗戦』程の読み応えは正直ないと思う。 猪瀬さん、今何をやっているのかと思えば維新の会の参議院議員だったのね...続きを読む。 うん、都知事やるよりはこっちの方が似合ってると思うな。 (いや、作家専業で十分とは思うけれどw)
「昭和16年夏の敗戦」に続く完結編と著者は書いていますが、これは日本人必読の書かと思いました。 ある女性が手にした祖母の日記に、「ジミーの誕生日の件、心配です」とあったことから物語は始まります。少しネタバレですが、ジミーとはいまの上皇様(天皇明仁)のこと。2・26事件から「日本のいちばん長い日...続きを読む」 (半藤一利)を経て、東京裁判・処刑までを追っています。東京裁判の開廷は憲法施行日(5月3日)、28人を起訴したのは昭和天皇誕生日(4月29日)、そして処刑されたのは次の天皇誕生日(12月23日)。そこに時限装置としての意図を見出しながら歴史を追う展開となっています。 天皇明仁は、皇太子時代の沖縄訪問(火炎瓶を投げつけられる)や、サイパン・パラオを含めて各地の戦没慰霊碑を回られていますが、これが背負った運命によるとすると、ご心痛もさぞ多かったものと拝察します。 文庫版に加えられた「予測できない未来に対処するために」も読みごたえあり、まるでいまの首相を彷彿させます。初めて知る部分も多く、歴史好きには見逃せない一冊です。
第1章の「子爵夫人」と言うタイトルを見て誰かピンと来た人は相当終戦直後の歴史に詳しいだろう。中々真相が語られずにモヤモヤするが、ケーディスが出てきた瞬間憶測が確信に変わる。 東京裁判の起訴日や死刑執行日などについては元々知識としてあったので特に驚きはない。あれだけ鳥尾子爵夫人に触れておきながら殆ど...続きを読む本筋と絡むことがなく、とっ散らかった印象がある。「昭和16年夏の敗戦」の続編・解決編と銘打っているものの、どちらかと言うと蛇足の類では…?と言う感想を持ってしまう。 文章の巧みさは相変わらずなので、構成で損をしているかなと言う印象。
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昭和23年冬の暗号
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猪瀬直樹
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ペルソナ 三島由紀夫伝
昭和16年夏の敗戦 新版
猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」第1巻 構造改革とはなにか 新篇 日本国の研究
「医療・介護産業」のタブーに斬りこむ! 日本国・不安の研究
公〈おおやけ〉 日本国・意思決定のマネジメントを問う
解決する力
試し読み
合本版 猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」全16巻
救出 3.11気仙沼 公民館に取り残された446人
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