主に野球における、コーチングを論じた本。筆者はスポーツライター、小説家で、自身野球意外にも武道、格闘技や他の競技も経験豊富だ。
本書のテーマは「日本のスポーツ界にいまだにはびこる根拠なき根性論」によるコーチングではなく、個人ごとの向き不向きや科学に基づいたトレーニングをするべき、ということを数々の
...続きを読む事例(コーチングの失敗によって潰れた例も含め)を挙げて論じている。
野球やスポーツだけに限らず、社会生活全てにおいての教訓がここにはある。人間誰しも「自分の成功体験」から物事を考えがちだ。もちろんそれは「貴重な経験」として生かされるべきではあるが、他人や他の組織にとってもそれが最良であるとは限らない。
成功体験だけでなく、間違った指導を盲信してしまうこと、またそれを強要して結果が出せなくしてしまうことも危険であることを教えてくれる。