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  • 八幡太郎義家 「武士の時代」を切り拓いた名将
    -
    弓を射れば神業に近いと人々を驚嘆させ、奥州に起こった二度の兵乱――父・源頼義に従って戦った前九年の役、自らが陸奥守として戦いの指揮をとった後三年の役――で名を馳せた八幡太郎義家。その活躍は「武家の棟梁」としての源氏の名を東国武士の間で高め、鎌倉幕府以降の「武士の時代」へ向かう流れを生み出した。「天下武勇第一の士」と讃えられた武神・源義家の生涯を描く力作長編!

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  • 源頼朝(1) 平治の乱の巻
    4.0
    平氏一門の横暴に抗して立った源氏最後の反乱は失敗に終わる。この平治の乱に初陣した13歳の頼朝は、落ち武者となって吹雪の近江路をさまよう。父義朝は非業の死、兄の義平も捕らわれて斬られた。頼朝も捕まり京へ送られる。源氏一統の血を残らず絶やし、後顧の憂いを除かんとする平清盛の断は、むろん斬首……。
  • 九十三歳の関ヶ原―弓大将大島光義―(新潮文庫)
    3.8
    信長、秀吉、家康から弓の名人と認められた実在の老将大島光義。鉄砲より優れた連射技と一射必殺の狙撃の凄腕で名を上げ、八十四歳の時、八坂の五重の塔の最上階天井に十本の矢を射込んでみせた。九十三歳で関ヶ原に参陣、生涯現役を貫いた剛直無双の士だったが、激動の時代に大島家を守り抜いた臨機応変の人でもあった。史書に「百発百中」と記され、九十七歳で没した傑物を描く力作歴史小説。(解説・本郷和人)
  • 機巧のテロリスト 北のSLBMを阻止せよ
    -
    核ミサイルが40発黒潮に乗った! 日本を狙う悪魔の作戦か? 海自機雷処分ダイバー、特別警備隊緊急出動! 元幹部自衛官の著者が送る軍事アクション 弾頭は核か!? 厳寒の秋田に脱北者が漂着。SLBMを40発急造したと証言する。 北朝鮮に十分な能力の潜水艦はない。自衛隊情報部は、ミサイルを発射装置ごと海流に乗せ、日米に接近させると推測。折しも屋久島沖で北朝鮮貨物船からの重量物投下を確認した。 緊急出動した海自機雷処分員大越一尉、特別警備隊三杉一尉らは、日本を悪夢の奸計から守るべく決死行に挑む!
  • うぽっぽ同心終活指南(一)
    4.0
    臨時廻り同心の長尾勘兵衛は、還暦の今も江戸市中を歩きまわっていた。同年配の同心たちはほとんど隠居したが“うぽっぽ”は変わらない。勘兵衛は、十数年前に島送りとなった男の帰りを娘に伝えるか逡巡していた。そのとき偶さか居合わせた若い侍から身の潔白を訴えられて……。傑作捕物帳シリーズ新章、待望の書き下ろし。〈解説〉細谷正充
  • 口入屋賢之丞(けんのじょう)、江戸を奔(はし)る~幕末梁山泊~
    -
    麻布谷町の山吹屋。そこは主の賢之丞の差配で、様々な求めに応じて人を斡旋する口入屋だ。武家や商家、普請場など斡旋先は多岐に亙るが、時に怪しげな依頼も混じってくる。花火師と猟師と鉄砲鍛冶を揃えてくれという浪人にきな臭さを感じた賢之丞は、読売屋や女郎、忍など多彩な仲間たちとともに、幕末の江戸を揺るがす陰謀に立ち向かう! 痛快時代活劇。
  • 醤油と洋食
    値引きあり
    5.0
    明治時代の女子大三人娘が美味しい食べ歩き。 料亭の名は「鈴川」、江戸時代から続いている結構な老舗だ。 鈴川八重はその、麻布に立つ料亭の一人娘。 店主の父・勇児は明治の末生まれで頑固者だけれど、料理以外は進歩的。母の海子はキリリとした顔立ちで、まるで芸者のように気風がよい。 そんな両親と楽しく暮らす八重は、今日も目白の椿山女子大学まで自転車で通っては、同級生で男装の華族令嬢・桜木虎姫、そして美貌の資産家令嬢・桃澤雫と、鯛焼きやかき氷、お汁粉などなど、おいしいあれこれを食べ歩き。 店に帰れば、料理には厳しい歳上の板前・洋一郎とふたりで新しいメニューづくり。馬鈴薯トーストにストロベリーカレーに……夫婦丼!? おいしい食べ物、あまい恋愛に目がない、明治時代の女学生三人娘のスイートな日常を描くグルメロマンス。
  • 伊達政宗(1) 朝明けの巻
    4.2
    永禄10年(1567)、伊達政宗は奥羽米沢城に呱々(ここ)の声をあげた。時は戦国、とはいえ、一代の英雄織田信長によって、その戦国も終熄に向かい始めていた。しかし、ここ奥羽はこの時期こそ、まさに戦国動乱のさなかだった。激動の時代を生きた英傑独眼竜政宗、その生涯の幕開けである――。
  • 超弩級空母 大和<小説版>1.
    無料あり
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本が誇る世界最大の戦艦大和が超大型空母として建造されたら、第二次世界大戦はどうなっていたかを追求した仮想戦記、いざ開幕! ※本作は小説ですが、漫画版も併売中。 パイロットを目指した宗方玲治は、能力を買われ帝国海軍軍令部作戦課に所属していた。だが、上司である第一航空艦隊航空甲参謀である源田実中佐が事故により死去。それに伴い後任に抜擢され、真珠湾攻撃の作戦を立案することになった。史実では日本の空母機動艦隊による圧勝だったが、宗方はなぜか戦艦中心の布陣で米国海軍と対峙する。果たして、勝負の行方は…!? そして、宗方の作戦の真意とは…!! <目次>小説版第1巻 プロローグ 1972~一つの最善 第1章 1940~日出る処の果てに 第2章 1940~戦いの序曲 第3章 1941~ウォー・プラン 第4章 1941~過去と未来の戦い 第5章 1941~開戦準備 第6章 1941~ア・ビッグ・ガン・エピック エピローグ 1942~レッド・スカイ・モーニング あとがき 初版:歴史群像新書(学習研究社)1996年
  • 仙左とお勢 裏裁き 辻斬り始末
    NEW
    -
    あだな芸者といなせな職人 「仕置人姉弟」が悪を成敗! 江戸を騒がす辻斬りの裏に改革の悪弊あり! 私欲にまみれた無道な切り捨てが何の咎めも受けない!? 悪逆旗本の裏成敗を果たした仙左とお勢が、今度は江戸にはびこる辻斬り事件を追う。ふたりは実は、いまをときめく老中首座・水野忠邦に仕え諫死した江戸筆頭家老・二本松義廉の遺児たちであった。連累を逃れるため市井で密かに別々に育てられたふたりは再会を果たし、忠邦配下に命を狙われながらも自分たちの信じる正義を貫く! 書下し時代小説。 目次 一 辻斬りの裏 二 殺しの決断 三 失敗の故に 四 不意討ち
  • 嶋左近の関ヶ原
    -
    秀吉が惚れ、 家康が恐れた漢(おとこ)! “鬼の左近”、 獅子奮迅の闘い! 石田三成を支えた勇将の生涯! 関ヶ原で家康を討つ! 石田三成を支えた猛将の戦い 戦場の勇者振りで「鬼の左近」と呼ばれた嶋左近。羽柴秀吉にその才を見出され家臣となり、関東出陣を機に石田三成の寄騎となる。 宿敵・徳川家康の引き抜きの誘いにも乗らず、側近として三成を支え続ける。 「三成に過ぎたるものが二つあり、嶋の左近に佐和山の城」とも謳われた漢は、関ヶ原で天下分け目の戦いに臨むが――。 (『嶋左近』改題)
  • 修羅の都<文庫版>
    3.7
    「武士の世をつくる」。頼朝の悲願を背負い、妻として母として時代の要となった政子。頼朝晩年の謎をも大胆に描く傑作時代長編。 解説・本郷和人
  • 長江落日賦
    3.6
    中国南北朝時代の「宇宙大将軍」侯景の乱を描いた表題作をはじめ、明代の黒竜江周辺、唐代のフェルガナ、三国時代の蜀漢など、様々な時代と地域を舞台にした中国歴史短篇集。収録作「黒竜の城」「天山の舞姫」「長安妖月記」「白日、斜めなり」「長江落日賦」
  • 天翔ける
    4.2
    幕末、福井藩は激動の時代のなか藩の舵取りを定めきれず大きく揺れていた。決断を迫られた藩主・松平春嶽の前に現れたのは坂本龍馬を名乗る一人の若者。明治維新の影の英雄、雄飛の物語がいまはじまる。
  • 入り婿侍商い帖 出仕秘命(一)
    値引きあり
    3.6
    旗本家次男の角次郎は縁あって米屋の大黒屋に入り婿した。ある日、実家の五月女家を継いでいた兄が不審死を遂げる。御家存続と兄の死の謎解明のため、角次郎は実家に戻って家を継ぎ、武士となるが……。
  • 全一冊 小説 上杉鷹山
    4.5
    九州の小藩からわずか十七歳で名門・上杉家の養子に入り、出羽・米沢の藩主となった治憲(後の鷹山)は、破滅の危機にあった藩政を建て直すべく、直ちに改革に乗り出す。――高邁な理想に燃え、すぐれた実践能力と人を思いやる心で、家臣や領民の信頼を集めていった経世家・上杉鷹山の感動の生涯を描いた長篇。全一冊・決定版。
  • 風雲 戦国アンソロジー
    4.0
    命懸けの、夢。 黒田官兵衛、前田利家、松永久秀…… 野望うずまく乱世を豪華布陣が描く、傑作小説集! 矢野隆「一時の主」 関ヶ原の戦いを前に、天才軍師・黒田官兵衛が息子に命じたのは―― 木下昌輝「又左の首取り」 傾奇者の前田”又左衛門”利家は、戦の作法などお構いなしで―― 天野純希「悪童たちの海」 大内義隆の重臣の子・冷泉新五郎は、かつて明を目指して船に乗り―― 武川佑「鈴籾の子ら」 上杉景勝に謀反を起こした新発田重家の胸には、亡き兄の言葉が―― 澤田瞳子「蠅」 豊臣秀吉に新大仏建造を命じられた木食応其は、高僧らしくなく―― 今村翔吾「生滅の流儀」 織田信長の大軍に包囲された松永久秀は、信貴山城で死を覚悟し―― ※本書は単行本『戦国の教科書』収録の短編小説を再録したアンソロジーです
  • 乱都
    4.0
    応仁の乱にはじまる《仁義なき戦い》!! 応仁の乱から室町幕府の終焉まで、裏切りと戦乱の坩堝と化した京に魅入られ、争いに明け暮れた男たちの生き様を描く連作集。 ※この電子書籍は2020年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 李嗣源(上)
    3.0
    中国の唐代末期。遊牧民の有力者を父親に持つボギレは、その能力を河東の王・李克用に見いだされ、その仮子となる。やがて、李克用の息子・李存勗が皇帝になるが、彼の政治を顧みない態度に、李嗣源の不満は高まっていく。稀代の名君を描く中国歴史巨編。
  • 若旦那は名探偵 七不思議なのに八つある
    NEW
    -
    おもろい事件、あらへんか? 江戸に居候する大阪の道楽息子が 驚きの名推理で犯人を追い詰める! 人情&ユーモア時代ミステリ! ええ退屈しのぎになったわ―― 居候探偵が難事件を解決!? 歌舞伎役者の中村葱蔵は、親方の名優・市川韮十郎から、韮十郎の息子に自分のハマり役を譲るよう強要されたことを恨み殺害してしまう。 自分の犯行がばれぬよう捜査を攪乱し、韮十郎の死は事故と結論付けられようとするが、 そこへ岡っ引きの伴次のもとで居候する大坂の若旦那・伊太郎が驚きの推理で葱蔵を追い詰めていく…人情&本格時代ミステリ! 〈目次〉 猪はどこに行った 黙って座れば殺される 七不思議なのに八つある
  • 大江戸釣客伝(上)
    3.9
    時は元禄。旗本、津軽采女は小普請組という閑職がゆえ、釣り三昧の日々を送っている。やがて、義父・吉良上野介の計らいで「生類憐れみの令」を発布した、将軍綱吉に仕えることになるが・・・。同じ頃、絵師朝湖と俳人基角は江戸湾で土左衛門を釣り上げた。果たしてその正体は? 釣りの泥沼から覗く元禄時代。(講談社文庫)
  • アメリカ彦蔵
    4.0
    嘉永三年、十三歳の彦太郎(のちの彦蔵)は船乗りとして初航海で破船漂流する。アメリカ船に救助された彦蔵らは、鎖国政策により帰国を阻まれ、やむなく渡米する。多くの米国人の知己を得た彦蔵は、洗礼を受け米国に帰化。そして遂に通訳として九年ぶりに故国に帰還し、日米外交の前線に立つ──。ひとりの船乗りの数奇な運命から、幕末期の日米二国を照らし出す歴史小説の金字塔。

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  • 梟の城
    4.3
    織田信長によって一族を惨殺された怨念と、忍者としての生きがいをかけて豊臣秀吉暗殺をねらう伊賀者、葛籠重蔵。その相弟子で、忍者の道を捨てて仕官をし、伊賀を売り、重蔵を捕えることに出世の方途を求める風間五平。戦国末期の権力争いを背景に、二人の伊賀者の対照的な生きざまを通して、かげろうのごとき忍者の実像を活写し、歴史小説に新しい時代を画した直木賞受賞作品。
  • 沈黙の王
    4.6
    夏、商、周といった古代王朝を舞台にした傑作短編集。 商王朝の王子・丁は、言葉が不自由なため、父王から追放された。しかし苦難の旅の末に、目に見える言葉――文字を創造した。 己のハンディを跳ね返し、普遍的な価値を生み出した高宗武帝を描く表題作「沈黙の王」ほか、四つの短編を収録。
  • あの戦争と日本人
    4.5
    歴史とは、前の事実を踏まえて後の事実が生まれてくる一筋の流れである――明治維新、日露戦争、統帥権、戦艦大和、特攻隊。悲劇への道程に見える一つ一つの事実は、いつ芽吹き、誰の思いで動き出したのか。ベストセラー『昭和史』『幕末史』と並ぶ、わかりやすく語り下ろした戦争史決定版! 日本人の心に今もひそむ「熱狂」への深い危惧が胸に迫る。
  • くろふね
    4.0
    黒船来る! 嘉永六年六月、奉行の代役として、ペリーと最初に交渉にあたった日本人・中島三郎助。西洋の新しい技術に触れ、新しい日本の未来を夢見たラスト・サムライの生涯を描いた維新歴史小説!
  • 木枯し紋次郎(一)~赦免花は散った~
    4.7
    「人間には一生に一度や二度、計算に合わなくてもやらなければならねえことがあるもんだ」三度笠に汚れた道中合羽、手甲脚絆。頑丈一辺倒の長脇差とトレードマークの長い楊枝。……幼馴染みの兄弟分に裏切られ、罠におちた紋次郎の頬の刀傷がひきつった。くわえ楊枝が震えて、木枯しに似た乾いた音が、高く鋭く鳴った。時代小説のスーパー・ヒーロー、待望の登場。
  • 初陣 新剣客同心親子舟
    3.0
    八丁堀同心の長月菊太郎は、今年で二十歳。四年前、直心影流の達人だった父が隠密廻りの役職から身を引いたのを機に、南町奉行所本勤に抜擢され、日々勤めに励んでいた。そんなある日菊太郎のもとに、日本橋本町の呉服屋に押し込みがあり、手代が殺されたと報せが届く。勇んで探索に乗り出す菊太郎。その数日後、南町奉行の遠山より菊太郎と隠居の父・隼人に呼び出しがあった。鬼隼人の異名をとっていた隼人にも探索に加わってほしいというのである。親子で江戸の悪を追う〈新剣客同心親子舟〉シリーズ、堂々の第一作。
  • 功名が辻(一)
    3.9
    天下にむかってはなばなしく起ち上った織田信長の家中に、ぼろぼろ伊右衛門とよばれる、うだつの上らない武士がいた。その彼に、賢くて美しい嫁がくるという……伊右衛門は妻千代の励ましを受けて、功名をめざして駈けてゆく。戦国時代、夫婦が手をとりあってついには土佐一国の大名の地位をえた山内一豊の痛快物語。全四冊。
  • 突きの鬼一 赤蜻
    値引きあり
    3.8
    博打好きの殿様に襲いかかる忍び精鋭4人!  尾張徳川家の北隣、美濃北山三万石の舵取りを誤り、弟・重二郎に藩政をゆだねて出奔した殿さま・百目鬼一郎太は、博打に目がないのが玉に瑕。中山道板橋宿の手前で、江戸三大青物市場のひとつ、駒込土物店を差配する槐屋徳兵衛主従三人を危難から救ったのが縁で根津に身を落ち着けることになる。北山藩上屋敷には、時の将軍・家斉の娘で一郎太が愛して止まない正室静がいたが、表立って顔を見ることは叶わない。重二郎可愛さに、嫡男・一郎太の命を狙う実母桜香院とその腹心の国家老・黒岩監物が江戸入りしたからだ。監物と入れ替わり、国元に戻ることになった江戸家老・神酒五十八によれば、黒岩家の用人が密かに木曽御嶽山の麓にある羽摺りの隠れ里に向かったという。一郎太とともに江戸で暮らす五十八の嫡男・神酒藍蔵は力士と見紛う偉丈夫だが、無類の心配性。あれこれ気を揉む藍蔵を尻目に、江戸の賭場八十八か所巡りを企てる一郎太。一方、監物の放った羽摺りの精鋭4人は、江戸に潜入して虎視眈々と手を打っていた。四天王と異名をとる羽摺りとの死闘、そして、ついに鬼一の秘剣・滝止の由来が明らかになる!
  • 突きの鬼一 岩燕
    値引きあり
    4.0
    最凶の敵、黄龍!お前だったのか!  突きの鬼一こと百目鬼一郎太と供侍・神酒藍蔵の江戸暮らしは風雲急を告げていた。実母桜香院とその腹心の国家老・黒岩監物が放った羽摺り四天王の生き残り3人が虎視眈々と一郎太の命を狙っている。さらに、一郎太と藍蔵が世話になっている草創名主・槐屋徳兵衛の一人娘・志乃の幼馴染みで、女郎屋から逃げ出してきたお竹が助けを求めてきた。もとより窮鳥を放り出すような一郎太ではない。難問山積、今度ばかりは一郎太も、賭場八十八か所巡りを自重するしかあるまいと高を括っていた藍蔵が、がっくりと肩を落とした。船頭・千吉の船で浅草花川戸の壺振り・お艶とともに向かった先は、大身旗本の屋敷の賭場だ。駒札の引き換えに最低十両は要ると聞いて、お竹を身請けする金が工面できると踏んだ一郎太だったが、さらに難問を抱え込む破目に陥る。大枚二十両を懐に、引き上げようと戻った船に武家娘が悲鳴を上げて飛び乗ってきた。窮鳥二羽にかてて加えて、じりじりと包囲網を狭めてくる羽摺りの者との激闘、また激闘。秘剣・滝止が難問すべてを解決したと思われたが、そうは問屋が卸さなかった!シリーズベストセラー!大好評、突きの鬼一シリーズ第4弾。
  • 罪なくして斬らる —小栗上野介—
    NEW
    -
    のちに〝日本近代化の父〟と賞される破天荒な幕臣は、なぜ斬首されなければならなかったのか?——第3回中山義秀文学賞を受賞し、NHKドラマの原作にもなった大島昌宏の傑作歴史小説が30年ぶり待望の復刊! 〝日本近代化の父〟と評価されることになる小栗上野介。 富国強兵の基礎となった横須賀製鉄所創設の立役者になっただけでなく、幕府財政の立て直しに取り組み、タフネゴシエーターとして複雑な外交交渉を切り盛りし、さらには商社の設立に関わるなど、その才覚は外交や経済、軍事などにいかんなく発揮された。 しかし——彼は多彩な能力を持ちながらも、短期間で重要な役職を15以上も渡り歩き、最短で20日で辞めてしまうという破天荒な人物だった! 未来を見据え、家康以来の「祖法」と闘いながら外国と渡り合い、組織を変革し、誰よりも〝義〟を重んじた彼が残したものはいったい何だったのだろうか。 〝上司〟である徳川慶喜との対決、ライバル・勝海舟との見えざる絆、破天荒な夫を支える妻への愛情。激動の幕末、さまざまな人間関係の中で彼が成し遂げたかったことは?そして——《罪なくして》斬首されたのはいったいなぜだったのか? 1995年に「第3回 中山義秀文学賞」を受賞し、2003年1月にはNHK正月時代劇「またも辞めたか亭主殿〜幕末の名奉行・小栗上野介〜」(岸谷五朗主演)としてドラマ化された傑作歴史小説が、30年ぶりに復刊! 【目次】 序章 第一章 露寇 第二章 又一どの 第三章 歩兵奉行 第四章 三度目の勘定奉行 第五章 建設の地は横須賀に 第六章 ヴェルニー来たる 第七章 征長再び 第八章 建設すすむ 第九章 慶喜、将軍に 第十章 フランス人たち 第十一章 大政奉還 第十二章 閑適の日々 第十三章 烏川畔に散る 終章 海戦勝利 あとがき 文庫版あとがき 【著者】 大島昌宏 1934(昭和9)年福井市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。広告会社に勤務し、数多くのテレビCMの企画制作を手掛ける。1992(平成4)年『九頭竜川』(現在「つり人社」から刊行)で第11回新田次郎文学賞を受賞。1994(平成6)年には『罪なくして斬らる 小栗上野介』で第3回中山義秀文学賞を受賞。主な著書に『北の海鳴り 小説・中島三郎助』『幕末写真師 下岡蓮杖』『そろばん武士道』『結城秀康』『炎の如く 由利公正』『海の隼 参謀・三浦按針』などがある。1999年12月没。生誕90年・没後25年に向けて、電子書籍による復刊が進んでいる。
  • 艶お庭番 尾張の蜜謀
    5.0
    徳川吉宗治世の江戸、市中では火事が頻発していた。しかもそれは、ほとんどが火付によるものと思われた。そんな折、町火消の梅次は炎の中に裸で飛び込み、逃げ遅れた幼女を助けだした謎の女と出会う。女は幕府の御庭番・凜。吉宗の密命を受け、火付の首謀者を探っていたのだ。凜は梅次とともに火事の現場にいた怪しい浪人を尾け、ついに尾張藩邸に繋がりがあることをつかむ。事件の背景にいるのは吉宗の政道に批判的な尾張藩主・徳川宗春。敵に迫る凜と梅次だが、その矢先、宗春配下の隠密集団・土居下衆によって、彼らはとらわれの身に……。はたして吉宗は、宗春の陰謀を暴くことができるのか。書下ろし長編時代エンターテインメント。
  • 天馬、翔ける 源義経 上
    4.0
    【第11回中山義秀文学賞受賞作】平安末期。平氏追討の決起を促す以仁王の令旨が兄弟の運命を変えた。奥州藤原氏の下に逼塞していた弟・義経、そして伊豆に流罪となっていた兄・頼朝。黄瀬川で対面を果たし、力を合わせて源氏再興を図る二人だったが、かたや類いまれな政略家、かたや知勇並びなき天才武人。兄弟の溝は深まる一方だった。源平合戦の固定観念を打ち破った歴史大作。風雲急を告げる波瀾の第1巻。
  • 桃華姫と浪人剣客
    -
    犬養辰之進は幕閣の汚職を暴こうとして徒目付の役目を解かれ、禄を失った浪々の身。ある日、お忍びで市中に出ていて、騒動に巻きこまれた桃井藩主の娘・華姫を助けたことから、辰之進は姫の警護役を務めることになる。折りしも、巷で旗本や大店の娘の失踪事件が続く中、大川で女の水死体があがった。亡骸は、華姫の知己である玉造藩のいちこ姫。どうやら、いちこ姫は一連の失踪事件に関わって凌辱され、自害したものと思われた。知友の仇討ちを誓う華姫と辰之進がたどりついたのは、拐かした娘たちを競りにかける一味の存在。だが、その競り場に潜入したふたりは囚われの身に…。しかも、一味の背後には、辰之進の失職の原因となった大物の幕閣の存在が…。
  • 千石鶴
    -
    品川へ向う道中を野暮な身なりだがどこか貴公子然とした侍が歩いていた。侍は、懐具合がいいと見て近づいてきた胡散臭い男と女、勘太とお蝶に「頼みたいことがある」と江戸への道連れを許すのだった。 実はこの侍、浜松藩筆頭家老、津田鶴衛門の嫡子だったが、父親を毒殺され、浪人・今日只今之介となって江戸へ向っていた。藩政を牛耳ろうとする家老一味を追い詰めていく只今之介の活躍を痛快に描く!

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  • 戦百景 大坂夏の陣
    -
    慶長20年(1615年)3月、戦乱の気配が再び漂い始める。前年の暮に成った、いわゆる「大坂冬の陣」の和議が早くも崩れようとしていた。和議の条件で棄却された二の丸、三の丸の堀や柵が再建され始めていたのだ。それに対し徳川方は、牢人の解雇か豊臣家の移封を求めるが、豊臣家はそれを拒否。徳川と豊臣はついに手切れとなった。総勢15万を下らない徳川方に対し、豊臣方はその約半分。しかも「冬の陣」のときと違って、堀のない城では豊臣方は打って出るしかないのだ。──緒戦で命を懸けて戦う後藤又兵衛や藤堂高虎、浅野長晟。豊臣を滅亡させることを躊躇う徳川家康。牢人集を制御できない大野治長。乾坤一擲を狙う真田信繁。呪縛を乗り越えようとする豊臣秀頼。諸将の思惑が入り乱れるなかで、いよいよ戦乱の世の終止符が打たれる!
  • おくり絵師
    5.0
    故郷の仙台で母親を亡くし天涯孤独となったおふゆは、母の最期の言葉を頼りに江戸に行き、縁あって、絵師歌川国藤のもと、住み込みで修行中の身である。思うような絵が描けず、悩んでいたある日、亡くなった役者の姿を描いた「死絵」に出会う。一方、幼少時に仙台で知り合った昔馴染みで役者の三代目富沢市之進が、浅草の芝居小屋の夏興行でついに主役を張るという。おふゆは市之進の母親お京に誘われ、初日の舞台を見に行くことになるが……。憂き世を照らす、一途な愛と親子の絆に涙する、書き下ろし時代小説。
  • 縁結び代官 寺西封元
    4.3
    幕府御徒組頭の寺西封元は、突然、老中首座の松平定信に呼び出された。ただごとではないと、不安を胸に定信の元へ向かうと、封元は驚くべきことを命じられる。陸奥国白川郡塙の代官になれというのだ。そこは、飢饉で困窮し、民が逃げ出しているという。定信からの信頼に応えるため、封元は代官を引き受けるが、塙の地は赤子が捨てられる絶望の地だった──。苦しむ民のために自らの半生を捧げた、名代官の知られざる感動の物語。
  • 男の真剣勝負
    値引きあり
    -
    織田信長、徳川吉宗、渋沢栄一、金子直吉、山岡鉄舟、宮本武蔵ら歴史に名を残した男たちは、剣が峰に立たされた際、乾坤一擲の大勝負に出て、逆境を切り抜け、己の意地を貫いた英雄たちである。時代が混迷化する今こそ、彼らに学ぶ点は多い。「今、最も求められるリーダー」「官僚が学ぶべき人」「晩年にも機あり」など、歴史小説の第一人者が、現代によみがえる16人の英雄(サムライ)の実像とその魅力を描き切る。
  • 採薬使佐平次
    値引きあり
    4.0
    大川で惨死体が上がった。吉宗配下の御庭番にして、採薬使の佐平次は探索を命じられる。その死体が握りしめていたのは、昇降図。一方、西の方でも蝗害の被害が報告されており……亨保の大飢饉の謎に迫る!!
  • 天の光
    3.5
    博多の仏師・清三郎は木に仏性(ぶっしょう)を見出せず、三年間、京へ修行に上る。妻のおゆきは師匠の娘だ。戻ると、師匠は賊に殺され、妻は辱められ行方不明になっていた。ようやく妻が豪商・伊藤小左衛門の世話になっていると判明。お抱え仏師に志願し、十一面観音菩薩像を彫り上げた。しかし、抜け荷の咎(とが)で小左衛門は磔(はりつけ)となり、おゆきも姫島に流罪になってしまう。おゆきを救うため、清三郎も島へ…。
  • 虹の翼
    4.3
    人が空を飛ぶなど夢でしかなかった明治時代―― ライト兄弟が世界最初の飛行機を飛ばす十数年も前に、 独自の構想で航空機を考案した男が日本にいた。 奇才・二宮忠八の、世界に先駆けた「飛行器」は夢を実現させるのか? ひたすら空に憧れた忠八の波瀾の生涯を、 当時の社会情勢をたどりながら緻密に描いた傑作長篇。 解説・和田宏
  • 乱愛剣豪 美女めぐり秘譚
    -
    六千三百石の大身旗本・藤岡家の剣術指南役、五味源十郎──。年は四十二、樽のように逞しい巨漢で、無骨な凄腕剣豪であった。 そんな源十郎が、同家の腰元を手籠にした咎で出奔することに……。が、これはあくまで世間を欺く絡繰り。 多額な借金を背負い、お取り潰し寸前の藤岡家には、実は一万両という隠し金があるといわれ、その在り処を探索するため、白羽の矢が立った源十郎が浪人となったのだ。 しかしその秘密は、十八娘の背中に“白粉彫り”で記され、女悦の極みで浮かび上がるという。 剣は一流なれど、堅物で閨事には疎い源十郎が、果たして三人の美女に近づくことはできるのか──!? 新たに書下ろし番外篇「裸女の剣法」を収録した傑作が甦る!!
  • 鯨分限(くじらぶげん)
    3.7
    幕末から明治へ――。捕鯨集団「太地鯨組」の若き棟梁・太地覚吾を、激変する時代の荒波が襲う。外国船の乱獲による鯨の不漁、南海地震による大津波、村を救うため画策した蝦夷地での操業も頓挫する。そして、巨鯨を追うあまりに引き起こされた海難事故「大背美流れ」では、100名以上の生命が奪われる。時代に抗い、度重なる苦境に、何度も立ち向かい続けた男の物語。
  • 出世商人 (一)
    3.6
    遺されたのは借財、託されたのは店の再建 急逝した父が遺したのは借財まみれの小さな艾屋(もぐさや)。 再建を志した文吉は、荒波を乗り越え立派な商人へとなれるのか。 薬種問屋に奉公していた文吉は、父が急逝し、家業の艾屋を継ぐ事となった。 形見は古い店と十両を超す借財。 文吉は店を再興しようと決意するが、艾売りだけでは金は返せそうにない。 しかも、借金の形(かた)に己の命までもかけられてしまい――。 絶体絶命の返済期限が迫る中、文吉に一発逆転の策はあるのか? 書き下ろし新シリーズ、第一弾!
  • 武田信繁 信玄が最も信頼した名補佐役
    3.5
    江戸時代において「まことの武将」と評されるとともに、その家訓が武士の心得として読み継がれるなど、後世の武士に大きな影響を与えた仁徳の武将、武田信繁。父・信虎に廉直な気質を愛され、次代の後継者とも目されていた信繁だったが、家臣・領民のために兄・信玄に従って父を追放。兄弟、親族同士が争う戦国時代にあって信玄を献身的に支えた。家臣の統制と領国経営に力を発揮するとともに、権力の大きさゆえに道をはずれそうになる信玄を、自身を犠牲にしてでも正す役目を負う。そして川中島の合戦では、信玄を守るために壮烈な戦死を遂げた。信玄は遺骸を抱いて号泣し、武田家臣団からは「惜しみても尚惜しむべし」といわれるだけでなく、敵である上杉謙信さえもその死を悼んだという。武田二十四将、随一の副将の生涯を爽やかに描く長編小説。

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  • 巡洋艦入門 駿足の機動隊徹底研究
    -
    条約制限下、英米に対抗する強力な艦隊を編成するため、個艦優越に賭けた日本海軍がその性能を極限まで追求した精強無比の巡洋艦―排水量に比して膨大な装備を搭載し、驚異的な航続力と高速力を優美な姿に秘めた連合艦隊の軽騎兵の竣工時から最終状態までの全てを、写真・図版二百点と共にビジュアルに詳解。
  • 江戸っ子出世侍 お目見得
    4.5
    花の吉原に派手な宴を愉しむ若造がいる。峰近香四郎を名乗るこの男、朝帰りでいかにも気楽な身分のようだが、その身は五百石の旗本家の侍であった。が、四男坊で部屋住の冷飯食い。剣術の腕は優れていながらも、将来への望みは途方もなく薄かった……。そんな香四郎に運が向いてくる。御家人ながら当主として入婿する話が舞い降りたのだ。しかも目付心得を拝命、武州葛飾郡への巡検という御役まで頂戴する。意気軒昂に旅立つ香四郎。ところが任地で大事件に巻き込まれる。果ては、生か死か──!?宿命を呪う香四郎であったが、江戸へ戻され、想像を絶する人物と対面することに!出世への道は続くのか。型破りの江戸っ子侍が剣を握り、自らの命運を斬り開いてゆく!!
  • 玄鳥さりて(新潮文庫)
    3.8
    富商の娘を娶り、藩の有力派閥の後継者として出世を遂げる三浦圭吾。その陰には、遠島になってまで彼を守ろうとした剣客・樋口六郎兵衛の献身と犠牲があった。十年後、島から戻った六郎兵衛。だが、二人は敵同士として剣を交えざるを得なくなる……。派閥争いに巻き込まれ、運命に翻弄されていく男たち。彼らは、何を守るために刀を振るうのか。真に大切なものを問う、葉室文学の円熟作。(解説・島内景二)
  • 殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安(一)
    4.1
    品川台町に住む鍼医師・藤枝梅安。表の顔は名医だが、その実、金次第で「世の中に生かしておいては、ためにならぬやつ」を闇から闇へ葬る仕掛人であった。冷酷な仕掛人でありながらも、人間味溢れる梅安と相棒の彦次郎の活躍を痛快に描く。「鬼平犯科帳」「剣客商売」と並び称される傑作シリーズ第1弾。
  • 死ぬことと見つけたり(上)
    4.5
    常住坐臥、死と隣合せに生きる葉隠武士たち。佐賀鍋島藩の斎藤杢之助は、「死人」として生きる典型的な「葉隠」武士である。「死人」ゆえに奔放苛烈な「いくさ人」であり、島原の乱では、莫逆の友、中野求馬と敵陣一番乗りを果たす。だが、鍋島藩を天領としたい老中松平信綱は、彼らの武功を抜駆けとみなし、鍋島藩弾圧を策す。杢之助ら葉隠武士三人衆の己の威信を賭けた闘いが始まった。

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  • 戦争と人間 1~運命の序曲1、2~
    -
    その夜、新興財閥伍代(ごだい)家では新築披露パーティが華やかに行なわれていた。そこに集(つど)った人々の愛と希望と夢と野心を呑み込んで、戦争の歯車はゆっくり回りだした。激動の中国大陸、ファシズムの日本を舞台に、綿密な取材と圧倒的な筆力で描かれる戦争の構造、人間の条件。戦争文学の一時代を画す、不滅の金字塔、待望の文庫化!
  • 戦う石橋湛山 昭和史に異彩を放つ屈伏なき言論
    4.4
    日本が戦争へと傾斜していった昭和初期にあって、ひとり敢然と軍部を批判し続けた石橋湛山(後の第55代内閣総理大臣)。その壮烈なる言論戦を、戦火を煽りに煽った大新聞(朝日新聞、毎日新聞……)との対比で描いた名作。 ――暴走する軍部に自らとすっぽりと身を寄せ、国際的孤立へと世論を導いたマスコミ。長引く閉塞感から、「乱」を望んだ一般大衆……。満州事変に端を発して、破局への道を踏み出した日本の一大転回期の真相を、“歴史の証人”湛山を通し、大ベストセラー『昭和史』の著者が初めて明らかにする。 ※本書は2008年1月に東洋経済新報社より刊行された『戦う石橋湛山(新装版)』を電子書籍化したものです。

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  • 日日平安
    4.5
    織田裕二主演の映画『椿三十郎』の原作「日日平安」を収録。無一文の浪人・菅田は、“切腹のマネ”をして通りすがりの男に飯を乞うがあえなく失敗……。しかし、この通りすがりの男、なにやら騒動を抱えている。聞くと、仲間9人で悪徳政治を行う家老らへの斬り込みを企てていた。これはいいツルだ……!! 菅田は仲間入りを志願。狙うはもちろん礼金! だったのだが……。無一文の空腹浪人の活躍をユーモラスに描く表題作をはじめ、ヒューマニズムあふれる名作全11編。「粋」が伝わってくる、時代小説初心者にもオススメの一冊!

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  • はぐれ長屋の用心棒 : 華町源九郎 江戸暦
    3.9
    1~53巻506~693円 (税込)
    鏡新明智流の遣い手、華町源九郎は家督を息子に譲り、自由気侭な長屋暮らし。ある日、なにやら訳ありの迷い子を長屋に連れてくる。五千石のお家騒動に巻き込まれてしまった源九郎に襲いかかる謎の凶刃……。老いを感じ始めた中年武士の矜持をしみじみと描く長編時代小説。

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  • はぐれ長屋の用心棒 : 5 深川袖しぐれ
    4.1
    1~53巻506~693円 (税込)
    幼馴染みの女がならず者に連れ去られ、命を賭けてまで女を助けようと奔走する研師の茂次が狙われた。下手人糾明に乗り出した華町源九郎の前に三人の刺客が立ちはだかるが、なんとその背後には、闇社会を牛耳り町奉行所の役人までも手なずける大悪党が…。危うし華町源九郎!好評シリーズ第五弾!!

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  • 大江戸艶捜査網
    NEW
    -
    真木風太郎――南町奉行所の元定橋掛同心。女好きで悪所通いなどの不行状を咎められ、風紀紊乱改め方同心に役替えさせられた。 だが、市中の悪所を探るうち風太郎は、女が体を売る湯屋、女賭博、博打で大店の主人をはめて娘を売る女衒などが跳梁していることを知る。 時は天保十一年。十一代将軍を退いた家斉が、西の丸で絶大な権力を誇るなか、現将軍家慶のそば近い老中首座・水野忠邦は、実権を取り戻すべくある謀略を画策していた。 それは世間を「色」で混乱させ、毒をもって毒を制す大改革だった。 裏同心となった風太郎は、水野の手先をつとめる弁天党のつわものたちを相手に苛烈な戦いを挑む! エンターテインメント小説で人気沸騰の著者が贈る痛快時代長編!
  • 藪の奥―眠る義経秘宝
    3.0
    後にトロイア発掘によって世界的な名声を得ることになるシュリーマンは、「黄金郷ヒライズミ」の地図を預かる。一攫千金と名声獲得の野望を胸に、シュリーマンは奥州藤原氏の財宝探しに幕末の日本に渡る。稀少な手がかりを元に財宝の在処を平泉北西の北上山地と割り出し、山道険しい藪の奥を分け進む。財宝目当ての争いに、シュリーマンも短銃を手に持ち構える。はたして財宝は見つかるのか、そして義経北行伝説の真相とは?(講談社文庫)
  • 草雲雀
    3.0
    りり、りり、りり……草雲雀は恋の歌を唄う――。媛野藩の藩士、栗屋清吾は女中のみつと深い仲になるが、妻として娶ることは周囲から認められていない。そんな折、道場仲間の山倉伊八郎から自分の用心棒になるよう頼まれる。伊八郎が藩の筆頭家老になるには清吾の剣の技が必要という。子を持ちたいというみつの願いに応えるため引き受けた清吾を、伊八郎と対立する派閥からの刺客が次々と襲う。秘太刀「磯之波」で迎え撃つが……。
  • 浄土の帝
    3.9
    平安時代末期、末法の世。貴族たちの権力抗争は、皇位継承をめぐる骨肉の対立と結びつき、頂点に達した。鳥羽院の崩御を機に噴きあがった戦乱は、容赦なく帝をも巻き込む。崇徳院の悲劇、失墜する摂関家、寵臣たちの暗躍、そして美貌の后妃の思惑…。混迷を深める政情は、新たな権力者の登場を予感させる。朝廷が、帝が、権力を失っていく中で、自らの存在意識を賭けて理想を追い求めた後白河帝、激動の半生を描く歴史巨編。
  • 宇喜多の捨て嫁
    4.4
    五冠達成! 驚異の新人、衝撃のデビュー作 戦国時代の備前の国で宇喜多直家は権謀術策を縦横無尽に駆使し、成り上がっていった。 腐臭漂う、傑作ピカレスク歴史小説見参! 娘の嫁ぎ先を攻め滅ぼすことも厭わず、権謀術数を駆使して戦国時代を駆け抜けた戦国大名・宇喜多直家。 裏切りと策謀にまみれた男の真実の姿とは一体……。 高校生直木賞、オール讀物新人賞、舟橋聖一賞、咲くやこの花賞、歴史時代作家クラブ賞の5冠達成! 特別収録・高校生直木賞ルポ。 【目次】 宇喜多の捨て嫁 無想の抜刀術 貝あわせ ぐひんの鼻 松之丞の一太刀 五逆の鼓
  • 仕舞屋侍
    3.7
    かつて御小人目付(おこびとめつけ)として剣と隠密探索の達人だった九十九九十郎(つくもくじゅうろう)。だがある事情で職を辞し、今は「仕舞屋」と称してもみ消し屋を営んでいる。そんな九十郎の家を、ある朝、七と名乗る童女が賄いの職を求めて訪れた。父母を失ったという七は断っても出て行かず、父仕込みの料理で九十郎を唸らせる。「侍」のもとで働きたいという七の真の目的とは? 九十郎の情と剣が、事件と心の綾を解く!
  • 弾正星
    値引きあり
    4.5
    心蕩かす悪の爽快感! 花村時代小説の至宝。 時は戦国、下剋上の世。京都・相国寺近くある三好家の屋敷に、その男松永久秀はいた。得体の知れぬ出自でありながら、茶の湯に通じ、右筆として仕える野心家である。気に食わぬ者は容赦なく首を刎ね、殺害した女を姦通し、権謀術数を駆使して戦国大名へと成り上がっていく。さらには将軍足利義輝を斃し、東大寺大仏殿を焼き討ちにしてしまう。信長ですら畏れた稀代の怪人・松永弾正を突き動かすものは、野望かそれとも……!?  戦国時代を彗星のように駆け抜けた武将の生きざま・死にざまを、「弟」として仕えた丹野蘭十郎の眼を通して活写する。 芥川賞作家・花村萬月氏が戦国時代を舞台に「悪とは何か」を問う新感覚時代小説。皮膚感覚を狂わせる暴力に戦慄を覚え、匂い立つようなエロスに耽溺する物語世界はますます磨かれ、かつまた、悪業の限りを尽くす主人公を愛嬌たっぷりに描き、読了後に寂寥感すら抱かせる筆運びは圧巻です。「突き抜ける悪の爽快感」はまさに花村時代小説の至宝といえます。 単行本が発売された2014年には、「この時代小説がすごい! 2015年版」で4位に、また、週刊朝日の「決定! 歴史・時代小説ベスト10」で3位にランクインしました。 カバーイラストは人気イラストレーター・寺田克也氏です。
  • 地の日 天の海(上)
    3.8
    若き日の天海は光秀、秀吉、信長ら戦国の俊傑と出会い、動乱の世に巻き込まれていく。その中で彼が見たものとは。「本能寺の変」に至る真相と、秀吉の「中国大返し」という戦国最大の謎を解き明かす渾身の歴史大作!
  • 養生所見廻り同心 神代新吾事件覚  指切り
    3.3
    書き下ろし時代小説、神代新吾事件覚シリーズ第1弾! 北町奉行所小石川養生所見廻り同心、神代新吾。南蛮一品流捕縛術を修行する、若く、未熟だが、熱い心を持つ同心である。新吾が、幼馴染みの養生所医師小川良哲、臨時廻り同心白縫半兵衛、手妻の浅吉らと共に、様々な事件にぶつかり、悩みながらも成長していく姿を描く。
  • 鬼平犯科帳[決定版](一)
    4.0
    江戸の盗賊たちに「鬼の平蔵」と恐れられている、「鬼平」こと火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵。 火付盗賊改方とは、江戸の特別警察。その長官を務める旗本の平蔵は、いまでこそ人あたりもよく、笑顔を絶やさないが、若い頃は「本所の銕」と呼ばれ、無頼の者からも恐れられた男だった。「悪を知らぬものが悪を取りしまれるか」と言い、人情の機微に通じた鬼平が悪を退治する時代小説の金字塔だ。 中村吉右衛門が鬼平を演じたテレビ版をはじめ、映画、舞台、マンガと様々な形で愛されてきたが、2017年1月からはアニメ「鬼平 ONIHEI」も放送され、大きな話題になった。 2017年は池波正太郎の「鬼平」誕生50周年にあたる。これを記念して人気絶大のロングセラー「鬼平犯科帳シリーズ」全24巻を、ふりがなを増やした決定版で順次刊行。 第一巻収録作品は「唖の十蔵」「本所・桜屋敷」「血頭の丹兵衛」「浅草・御厩河岸」「老盗の夢」「暗剣白梅香」「座頭と猿」「むかしの女」の8篇。 伝説の粋人・ジャズ評論家で晩年は大の鬼平ファンでもあった植草甚一(1908~1979)の解説も収録。
  • 浪人上さま 織田信長 覇王、江戸に参上!
    続巻入荷
    5.0
    関ヶ原の大戦から六年が過ぎた、慶長十一年。 江戸の通りで巻き起こった武士と町人の争いに、割って入った素浪人がいた。老いてはいるものの身体つきはたくましく、因縁をつけてきたごろつきどもを、即座に斬り伏せてしまう。 それもそのはず、この浪人……かつての天下人、織田信長その人であった。 本能寺の変をからくも生き延びた信長は、生死の境をさまよったあと、天下統一の野望に興味をなくし、世捨て人として江戸の片隅で浪人暮らしをしていたのである。 だが、稀代の英雄を周囲は放ってはおかぬ。同じくひそかに生きていた明智光秀……天海をお目付役として、信長は気のおもむくまま、悪党どもを退治していく!
  • 沢庵
    3.0
    「わしが死んでも墓をつくるな、経も読むな、伝記も書くな」と遺言して70余年の生涯を終えた沢庵宗彭…どこまでも「一僧侶」として生きることを貫いたが、当時は徳川幕府が権力を安定させようと仏教を管理した時代であり、その人生はまさに波瀾万丈だった。
  • 紅い月 浮世絵おたふく三姉妹
    NEW
    -
    三社祭で選ばれた“小町娘”三人のうちふたりが惨殺された。もうひとりの小町・お篠も狙われる恐れがある。 娘たちはなぜ殺されたのか!? 真相を探るべく、浅草一の人気水茶屋「おたふく」を切り盛りする看板三姉妹、 桜・梅・竹は同心・加納らの協力を得て、お篠を囮に下手人を誘き寄せるが……。 悪事や不正を暴くため、危険を顧みず敵の懐に潜入、暗躍する“お江戸版キャッツアイ”ともいうべき美人三姉妹の姿を鮮やかに描く。 痛快時代小説、最新作!
  • 橘花抄(新潮文庫)
    4.0
    両親を亡くした卯乃は、筑前黒田藩で権勢を振るう立花重根に引き取られたが、父の自害に重根が関与したと聞き、懊悩のあまり失明してしまう。前藩主の没後、粛清が始まった。減封、閉門、配流。立花一族は従容として苦境を受け入れるが追及は苛烈を極め、重根と弟・峯均に隻腕の剣士・津田天馬の凶刃が迫る。己の信ずる道を貫く男、そして一途に生きる女。清新清冽な本格時代小説。
  • 蔦重
    4.3
    2025年、大河ドラマの主人公。 絵師、戯作者の才能を巧みに操り、次々と流行を生み出した 蔦屋重三郎の光と影を描く。 細谷正充さん絶賛! ――吉森大祐、長篇だけでなく短篇の名手でもあったのか。   喜びと悲しみ、希望と絶望、令和の日本人と変わらぬ人間の姿がここにある。 喜多川歌麿、東洲斎写楽、恋川春町、山東京伝、曲亭馬琴…… 鋭い閃きと大胆な企てで時代を切り開いた稀代の出版プロデューサー・蔦屋重三郎が世に送り出した戯作者や絵師たち。 江戸の精華として誰もが知る彼らの人生の栄光と悲哀を描いた、連作短編集。
  • 敗者烈伝<文庫版>
    4.0
    信長も光秀も皆敗者だ―― “敗れた英雄”に学べ! 歴史に学び、現代を勝ち抜くヒントがこの一冊に!! 河合敦さん絶賛!(『早わかり日本史』著者) 本能寺で織田信長を討った明智光秀は、なぜ数日で勝者から敗者へ転落したのか―― 歴史小説界の旗手・伊東潤が、古代から戦国、幕末・明治まで、 日本史上に燦然と輝きを放ち、敗れ去った英雄たち25人の「敗因」に焦点を当て、 真の人物像、歴史の真相に迫る歴史エッセイ。 源頼朝、徳川家康ら、最後まで勝ち抜いた歴史の勝者を語る「勝者烈伝」併録。 【本書で取り上げた人物】 蘇我入鹿――頂点から一気に没落した国際派 平 将門――調子に乗りすぎた野心家 藤原頼長――厳格に過ぎた摂関政治の護持者 平 清盛――事を急ぎすぎてすべてを失った独裁者 源 義経――己の力量を過信した天才武将 高 師直――建武の新政をぶち壊した婆娑羅者 足利直義――愚兄への甘えから墓穴を掘った賢弟 足利義政――戦国時代を招いた無気力将軍 太田道灌――己の手腕を頼みにしすぎた大軍略家 今川義元――一瞬の油断が命取りになった海道一の弓取り 武田勝頼――人間洞察力に欠けた最強の侍大将 織田信長――己を克服できなかった史上最強の英傑 明智光秀――白と黒の二面性を併せ持った謀反人 北条氏政――慎重さが足枷となった名家の四代目 豊臣秀次――独裁者に操られた悲劇の後継者 石田三成――有能でありながらも狭量な困った人 豊臣秀頼――時代の波に押し流された賢き人 天草四郎――勝算なき戦いに駆り出された美少年 徳川慶喜――思いつきで動き回って自滅した小才子 松平容保――将軍に利用されて捨てられたお殿様 大鳥圭介――最後まであきらめない理系指揮官 榎本武揚――薩長政府に徹底抗戦した気骨の人 江藤新平――正義を貫きすぎた硬骨漢 西郷隆盛――肥大化した人望にのみ込まれた人格者 桐野利秋――西郷への敬愛に殉じた最後の志士 コラム「勝者烈伝」 源頼朝――恐妻家の墓穴 足利尊氏――気分屋天下を取る 徳川家康――敵を知り、己を知れば―― 大久保利通――そして誰もいなくなった
  • 神風超空母「大和」(1)異次元交錯!日本海の激闘
    3.0
    2011年、さまざまな軋轢を繰り返し、ついに日本は中国と全面戦争に突入する。出撃した日本海軍JF1〈ゼロ〉航空部隊の前に突然現れたのは、なんと太平洋戦争時に活躍した名機・零戦であった。だが、異変はこれだけにとどまらず、ふたたび繰り返される過去の旅客機事故や、連合艦隊司令長官・山本五十六の目撃事件など、奇怪な現象が頻発していた。そして、日本軍兵器にも原因不明の不具合が連発し、優位に展開していた対中国戦に暗雲が立ちこめる……。この異常事態に対処すべく、日本海軍初の原子力イージス戦闘空母〈大和〉を主力とする第一艦隊が、海洋調査に乗り出す。しかし、〈大和〉を待ち受けていたのは、過去と未来が交錯する恐るべき時空移動であった。かくして空母〈大和〉と昭和の戦艦「大和」が遭遇する!架空戦記の第一人者・野島好夫が描く、待望の新シリーズ、ここに始まる!
  • 悪道 最後の密命
    -
    伊賀忍者の末裔・流英次郎とその一統は、影将軍に隠密の護衛役として仕え、幕府の危機を幾度も救ってきた。その影将軍が正統の血筋に返すため、後代家宣に将軍職を譲ることを決意する。だが、幕閣、大奥、御三家と思惑と野心が交錯し、すさまじい抗争が勃発する。闇の世界で刺客と刃を交える英次郎一統は、影将軍の治世を護るため、最後の戦いに向かう。そして英次郎を慕うものの、生き方を異にする天才女医おそでとの結末は!?
  • 黄金の日日
    4.5
    戦国の争乱期、南蛮貿易によって栄える堺は、今井宗久、千利休ら不羈奔放な人材によって自治が守られ、信長や秀吉たちもその豊かな富に手を出すことができなかった。今井家の小僧、助左衛門は危ない仕事を何でも引受けることで戦国武者たちの知遇を得、大船を仕立てて幾度かルソン(フィリピン)に渡り巨利をなす。――財力をもって為政者と対峙し、海外に雄飛していった男の気概と夢。

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  • 黒幕
    3.8
    徳川家康のめぐらす謀りごとを実現すべく働き抜いた山口新五郎は、江戸開府後、六十歳を過ぎて初めて女体に接した。そして二度も十代の嫁を娶ることになる、この男の生涯を描いた「黒幕」。夫の仇と襲った相手が従容として、己れの左腕を斬り落とさせる姿に心を打たれ、その男の妻となる戦国の女を描いた「猛婦」。他に「勘兵衛奉公記」「槍の大蔵」など、初収録4編を含む11編を収録。

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  • ごんたくれ
    4.3
    安永四年、京都。当代一の絵師を目指す豊蔵と彦太郎は、ひょんなことで奇跡の出会いを果たす。喧嘩しながら才能を認め合い、切磋琢磨し腕を磨く若きふたり。鼻つまみ者の「ごんたくれ」と呼ばれた彼らは、求めた道の先に何を見たか? 京画壇の華やかなりし時代、実在した二人の奇想の絵師をモデルに、芸術を探求する人間の性と運命を描き出した、傑作時代長編。
  • 血脈 新・剣客太平記(一)
    完結
    3.5
    直心影流の継承者を決める大仕合から四年。三田に剣術道場を構える峡竜蔵は幼馴染である綾を妻に迎え、その翌年には長男・鹿之助を授かっていた。順調に門弟も増え、賑わいを見せる峡道場。そんなある日、綾は、竜蔵が幼い頃から生活の面倒をみてきた内弟子・雷太の様子にどこか翳りがあることに気づく。いつもは明るく道場の人気者、雷太の変化の理由とは……。夫となり父となっても己が剣の道を生きる峡竜蔵が、今度は信愛する弟子たちを厳しく温かく育てていく――。大好評「剣客太平記」シリーズ、新たなる始動。
  • 同日同刻――太平洋戦争開戦の一日と終戦の十五日
    4.1
    太平洋戦争中、人々は何を考えどう行動していたのか。敵味方の指導者、将軍、兵、民衆の姿を、著者の蒐集した膨大な資料を基に再現。開戦の日、昭和16年12月8日と終戦にいたる昭和20年8月1日から15日までの、同日同刻の記録が戦争に翻弄された人間の狂気、悲劇、愚かしさを焙り出す。
  • 籬の菊
    完結
    3.0
    兵部の君こと源基子は、東宮・尊仁親王の第一王女に仕える女房。ある日乳姉妹の中納言の君から「京極殿(右大臣藤原師実)の子を授かった」との手紙が届く。乱れた世相の中、東宮御所には怪物・鵺が現れ、妊娠した中納言の君はやつれ果て、兵部も御所に「穢れ」を持ち込む。事態は人智を超えて錯綜し、愛憎の糸は複雑に絡み合う。時代を超えて紡ぎ出される平安デウス・エクス・マキナ劇。
  • 明智光秀をめぐる武将列伝
    4.0
    2020NHK大河ドラマ「麒麟がくる」をより面白く! 名著『武将列伝』から光秀ほか六人の武将を抜粋した特別編集版。 戦国史上最大の逆臣と言われる明智光秀。 信長に仕えて以降は詳しく伝えられているが、その出自と最期は判然としない。 そこに改めて光を当てたのが海音寺潮五郎。 名著『武将列伝』から光秀自身と、彼に関わる武将の列伝を新たに編んだのが本書である。 斎藤道三、織田信長、 豊臣秀吉、前田利家、明智光秀、黒田如水、徳川家康の七人を収録する。
  • お江戸けもの医 毛玉堂
    値引きあり
    3.9
    ここは、動物の病を癒し、飼い主の心も救う場所。 動物たちとの触れ合いを通じ、私たちを究極の感動へと誘う激アツの一巻! ――縄田一男(文芸評論家) 江戸の世に、夫婦で営む動物専門の養生所があるという――。 日本歴史時代作家協会新人賞、細谷正充賞受賞の気鋭がおくる、心温まる時代小説の傑作。 谷中感応寺の境内に居を構える「毛玉堂」は、けもの専門の養生所。腕は確かだが不愛想な医者の凌雲と、しっかりもので動物好きなお美津を頼りに、今日も問題を抱えた動物たちがやってくる。治療を通して浮かびあがる、人と動物の温かな絆は、悩める飼い主たちの心も癒していき――。
  • 巨鯨の海
    4.0
    江戸時代、紀伊半島の漁村・太地に、世界でもまれな漁法「組織捕鯨」を確立した人々がいた。磨かれた技を繰り出し、集団で鯨に立ち向かう「鯨組」は、仲間との強い絆と厳しい掟により繁栄を極めた。命を削る凄絶な戦いゆえに、鯨にも畏怖の念をもって立ち向かう彼ら。江戸末期から明治へ、共同体の熱狂の季節と終焉を躍動感溢れる筆致で描く、全6編の一大クロニクル! 「山田風太郎賞」「高校生直木賞」受賞作!
  • 黄砂の進撃
    3.8
    不死身の義和団と列強の激闘! 驚愕の真相が今、明かされる。清朝末期、辮髪と纏足で自由を縛られ、満州族に虐げられていた漢人は、宣教師にも生活を蹂躙され不満は頂点に達していた。彼らは扶清滅洋の旗印のもと蜂起し、駐在武官・柴五郎らの立て籠もる北京公使館区域に攻め入る。中国近代化の萌芽となった「義和団の乱」の内幕を描く、『黄砂の籠城』と対をなす面白さ抜群の歴史小説。
  • 平成講釈 安倍晴明伝
    3.0
    安倍仲麿の子孫・安倍晴明尾花丸は、帝の怨病を知り都に上った。幼き身ながら陰陽頭・蘆屋道満との問答対決を制し、御悩平癒の祈祷を拝命する。だが、道満は邪悪な陰謀を巡らせ、仲麿に恨みを抱く唐土の妖狐も加わって、京を揺るがす呪法合戦が──平成の講釈師・夢枕獏秀斎が語ります大バトルの顛末!

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  • 悪魔のウイルス 陸自山岳連隊 半島へ
    4.0
    今、日本に迫る危機を描く、超リアル軍事サスペンス!生物兵器を奪取せよ!北朝鮮崩壊の時、政府は?自衛隊は?拉致被害者は? 「自衛隊が北朝鮮で極秘作戦を展開中!?」独裁者の求心力低下で北朝鮮に崩壊が迫る中、政府はミサイル発射拠点を撃墜するノドンハント、及び拉致被害者の救出を計画。さらに地球上から絶滅したはずの天然痘ウィルスから極秘に開発された、恐るべき致死量の生物兵器を奪取すべく”山岳連隊”を半島東北部に潜入されたのだが…。日本の危機を描く迫真の軍事サスペンス! ※本書は過去に単行本版として配信された『半島へ 陸自山岳連隊』の文庫版です。
  • 味ごよみ、花だより
    4.2
    小石川御薬園同心の岡田弥一郎は、同輩の佐々木六郎太に誘われ上野の小料理屋にやってきた。そこで弥一郎は、思わぬ人物に再会する。数日前、彼は、女性のお供を連れた老爺が道端で苦しんでいたのを助け、小料理屋まで運んだのだった。その時の女性が、目の前にいる時枝だった──。優しさを秘めながらも、言葉にできない弥一郎と、自らの苦境に耐え続ける時枝。二人の再会は偶然か、それとも運命なのか。書き下ろし時代長篇。
  • はなとゆめ 電子ビジュアル版
    4.5
    なぜ彼女は、『枕草子』を書いたのか――。28歳の清少納言は、帝の妃である17歳の中宮定子様に仕え始めた。華やかな宮中の雰囲気になじめずにいたが、定子様に導かれ、その才能を開花させていく。機転をもって知識を披露し、清少納言はやがて、宮中での存在感を強める。しかし幸福なときは長くは続かず、権力を掌握せんとする藤原道長と定子様の政争に巻き込まれて……。清少納言の心ふるわす生涯を描く、珠玉の歴史小説! ○本電子書籍は新聞連載時のカラー挿画(遠田志帆/画)全198点を収録しています。 ○本文内容は、通常版の「はなとゆめ」と同一です。
  • 柴田勝家 「鬼」と呼ばれた猛将
    3.0
    「秀吉を倒して、この日本を守らねばならぬ。この大義を遂行せんがために、わしとともに戦ってはくれぬか」鬼とまで呼ばれた男、柴田勝家は家臣の前で深々と平伏した。…信長亡き後、織田家の実権は秀吉が握った。しかし本能寺の変の裏に隠された恐るべき事実を知った勝家は、大義のために秀吉と戦うことを決意する。新しい解釈で戦国の謎に大胆に迫った書き下ろし歴史小説。

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  • 北条時宗 元寇に挑んだ若き宰相
    -
    日本が初めて体験する海外からの侵攻―元寇(文永・弘安の役)。日本の存亡をかけたこの最大の国難に、鎌倉幕府8代執権・北条時宗はいかに悩み、そして決断をくだしたか…。蒙古侵攻をひかえながら、北条一族の政権争い、朝廷の分裂に巻きこまれる時宗。さらに暗躍する海商、そして日蓮の不気味な予言。内憂外患の中で一国を預かるリーダーの姿を描く長編歴史小説。

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  • 花冠の志士 小説久坂玄瑞
    4.1
    2015年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」で、主人公はこの若き志士を愛した! 幕末の乱世、尊王攘夷派の志士たちの中心人物として短い人生を駆けぬけた久坂玄瑞。長州藩医の子として生まれ、黒船来航から間もなく家族を喪い、攘夷の志に燃えた。松下村塾の双璧として高杉晋作と並び称され、師・吉田松陰の妹を妻とした。詩を愛し、武に生き、もののふとして散ったその生涯を描いた決定版。
  • 源内なかま講
    3.3
    平賀源内がその昔、故郷の讃岐で拵(こしら)えさせた源内焼。その稀少な焼き物1000個、額にして2万両分が土中に埋蔵された儘(まま)になっている! このお宝を掘り出さんと、自由の身となった源内は、春朗(葛飾北斎)、蘭陽と海を渡り、一路、讃岐へ。道中降りかかる怪事件も何のその、痛快なる探索行を描く、大好評「だましゑ歌麿」シリーズ。
  • 弦月の風 八丁堀剣客同心
    完結
    4.0
    日本橋の薬種問屋に賊が入り、金品を奪われた上、一家八人が斬殺された。風の強い夜に現れる賊――隠密廻り同心・長月隼人は、過去に江戸で跳梁した兇賊・闇一味との共通点に気がつく。そんな中、隼人の許に綾次と名乗る若者が現れた。綾次は両親を闇一味に殺され、仇を討つため、岡っ引きを志願してきたのだ。綾次の思いに打たれた隼人は、兇賊を共に追うことを許すが――。書き下ろし時代長篇。
  • 武者とゆく(一)
    値引きあり
    4.3
    剣術指南役を解かれ、手習い所を開いた桜井俊吾。大火で妻子を失い、今は拾った子犬とつましい暮らしを送っていた。だが男にさらわれる寸前、川に飛び込んだ女を助けたことで生活は一変。執拗な男は、周囲の人間の命を容赦なく奪いながら2人の身近に迫ってくる。時代小説に新しい風が吹く!
  • 東洲しゃらくさし
    3.0
    江戸へ下ると決めた上方の人気戯作者・並木五兵衛。道具方の彦三は、五兵衛から「一足先に行って様子を報せてほしい」と頼まれる。江戸へ向かい、蔦屋重三郎のもとに身を寄せる彦三。まず彦三に己を描かせた蔦屋は、顔の癖を容赦なくとらえた絵に息を呑む。これは……! 彦三の絵を大きく仕掛ける肚を決めた蔦屋。一方、彦三からろくな報せのないまま江戸へ向かった五兵衛には、思わぬ挫折が待っていた――。
  • 秋山久蔵御用控 煤払い
    4.0
    大川に簀巻にされた土左衛門があがった。どうやら本所と浅草の、博奕打ちの一家同士の揉め事らしい。南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵は、わざと静観して双方を争わせ、年末の“煤払い”とばかりに一網打尽にしようと企てる。一方、秋山家では長男の大助が成長ぶりを見せ、妻の香織にも変化が……。 好評シリーズ第28弾!
  • 秋山久蔵御用控 花見酒
    4.0
    言い交した娘を襲おうとした浪人を殺した丈吉は、久蔵の情状酌量もあって遠島ですみ、さらに赦免で江戸に戻ってきた。丈吉はその娘・おふみの行方を探すが、おふみは今は長屋の隣人の浪人で、一人で娘を育てる夏目佐内と互いを思いあっていた。そんな折、丈吉に弟を殺された博奕打ちの清蔵が、丈吉に賞金を懸けたという。それを知った左内は意外な行動をとる。さらにおふみの気持ちを知った丈吉は、身を引こうとするが……。 好評シリーズ第29弾!
  • 耳袋秘帖 浅草妖刀殺人事件
    4.2
    刀屋ばかりを狙う盗人「おたすけ兄弟」が、近所の神社に金を隠すのを見た町奉行所の中間・与之吉は、娘の薬代にとこれを奪うが、やがて兄弟に嗅ぎつけられ、身の回りに危険が迫る。根岸肥前守が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第3弾。坂巻が、初めて江戸見物をした日を描いた書き下ろし短編「ずぼんぼ」を特別収録。
  • 耳袋秘帖 八丁堀同心殺人事件
    3.4
    与力同心組屋敷がある八丁堀で、立て続けに、同心が殺された。地元・八丁堀での同心殺しは、威信にかかわると、北町奉行の小田切は気が気でない。だが、白昼堂々、次なる同心殺しが起き……。根岸肥前守が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第2弾。若き日の根岸を描いた、書き下ろし短編「河童の銭」を特別収録。

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