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幕末から明治へ――。捕鯨集団「太地鯨組」の若き棟梁・太地覚吾を、激変する時代の荒波が襲う。外国船の乱獲による鯨の不漁、南海地震による大津波、村を救うため画策した蝦夷地での操業も頓挫する。そして、巨鯨を追うあまりに引き起こされた海難事故「大背美流れ」では、100名以上の生命が奪われる。時代に抗い、度重なる苦境に、何度も立ち向かい続けた男の物語。
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Posted by ブクログ
本作は覚吾という人物が、幕末期から明治期の「大きな時代のうねり」という中で、個人的な事や仕事の様々な問題、時代の動きの中で生じた出来事に「飽くまでも諦めずに、果敢に挑む」という姿が描かれる…覚吾の“後半生”とでも呼ぶべきか、“区切り”とでも呼ぶべきか、或いは“曲がり角”となって行くのが「明治11年の...続きを読む冬の日」の出来事である。その出来事の顛末と、そこまでの道程が語られる訳だ… 「産業、経済、社会の構造を創る営為」を束ねて行く立場の人物…小説の劇中人物として登場する場合、色々な描かれ方が在るのであろう…本作の覚吾は、「なかなかに惹かれる人物」で“力”を分けてもらえそうだ… そういう愉しさが在るのだが、本作には「産業、経済、社会の構造を創る営為」の中心人物、換言すると「地域に糧をもたらすことに懸命な人達」の目線で、「揺れた幕末期」を鳥瞰するような感も在って興味深い…
太地での鯨漁を生業としていた人達の明治維新前後の話。特に史実を元にした大背美流れの話は迫力があった。
伊東さんの本は初めて。 導入から一気に惹き込まれる。 鯨の棟梁の物語。 私も祖父や叔父が伊勢で漁師をやっていたので 結構共感できるところ多し。 蝦夷地のくだりは新鮮で面白い。 しかし最近鯨は食べられなくなりましたね。 昔給食で「クジラのノルウェー風」とか おでんだねで「コロ(くじらの脂)」を よ...続きを読むく食べたのを懐かしく思いました。 面白いけど、ちょっと散漫なのと感動はしないので★3つ。
伊東潤『鯨分限』光文社時代小説文庫。 『巨鯨の海』に続く太地・鯨シリーズの第2弾。江戸時代末期から明治時代までの紀伊半島の漁村・太地で組織捕鯨に携わる若き棟梁・太地覚吾の生き様を描く。 はっきり言って『巨鯨の海』の方が迫力があり、断然面白かった。
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鯨分限(くじらぶげん)
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伊東潤
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