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Posted by ブクログ
裕福な商家に生まれたが火事で一文無しになり、奉公に出された米屋を出奔、旅の砂絵師に師事して絵師となった、豊蔵・深山筝白。
武士の家に生まれるが家族との軋轢を抱え、家督を弟に譲って円山応挙の弟子となった、彦太郎・吉村胡雪。
片や、“変人”“狂人”と罵られ、片や尊大で身持ちが悪いと評判の『ごんたくれ』
会えば憎まれ口、皮肉の応酬で、喧嘩ばかり。
しかし、相手の絵には大きな魅力を感じるのを認めざるを得ない。
悔しいがうっかり褒めてしまう。
読んでいくうちに、だんだんと二人が可愛らしく感じられてきた。
絵を描くことに限らず、芸術は孤独な作業であり、憎しみと区別のつかないほどのライバル心があってこそ上達するものだ。
その人物評がどうであれ、作品がすべてなのである。
しかし、「職人でいい。職人でありたい」と言った応挙の言葉も、悪くはないと思う。
人が喜んでくれれば、それは絵師の喜びでもあるだろう。
最後に、彦太郎、豊蔵というごんたくれたちが、それぞれ仕掛けた、一世一代の“悪戯(イタズラ)”が、なんとも素晴らしく人を食っており、それでいて、実に愛おしいものだった。
とても気持ちのいい幕切れである。
Posted by ブクログ
面と向かえば罵詈雑言を浴びせ合うくせに、互いの作品を通して誰よりも多くを語り合える。
ふたりの絵師の、対極にいるようでいて、心の奥底の本質で響き合う様が、愛おしい。
巻末の解説で、絵師を題材にした傑作時代小説が奇跡的に同時期に刊行された、とあった。
そんな事は知らなかったが、『若冲』面白かった。
本作も、面白かった。
ので、そこに挙げられていた3冊目も早速「読みたい」本に登録。
虚実とり混ぜて、さまざまな絵師の姿を、さまざまな作品から読むうちに、脳内でジオラマのように世界が立体的に立ち上がってくるような感覚が楽しめる。現在に残る作品で、その世界と現実に繋がる感覚感覚も楽しめる。
面白いなぁ。
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小説・文芸
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