織田信長によって一族を惨殺された怨念と、忍者としての生きがいをかけて豊臣秀吉暗殺をねらう伊賀者、葛籠重蔵。その相弟子で、忍者の道を捨てて仕官をし、伊賀を売り、重蔵を捕えることに出世の方途を求める風間五平。戦国末期の権力争いを背景に、二人の伊賀者の対照的な生きざまを通して、かげろうのごとき忍者の実像を活写し、歴史小説に新しい時代を画した直木賞受賞作品。
Posted by ブクログ 2022年02月06日
中学生のときにこれを読んで、歴史小説(これは時代小説か?)にハマり始めた。二十年経っていまの中学生に紹介するのを機に、久し振りに読み返した。やっぱり面白い。ただ、世の倫理観が、発表された昭和30年代と、私が中学生だった平成10年代といまとでだいぶ変わっているので、司馬のこのいかがわしさを現代の中学生...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年08月27日
1960年(昭和35年)
前半期の直木賞(第42回)受賞作
あらすじ
織田信長による伊賀侵攻である天正伊賀の乱から10年後、伊賀忍者・葛籠重蔵(つづらじゅうぞう)は隠遁生活を送っていた。仇としていた信長はすでにこの世の人ではなくなり、生きる希望を失っていたが、かつての師匠・下柘植次郎左衛門から、太...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年02月16日
豊臣から徳川へと天下が移り始め、再び戦乱の世へと転じようとしている最中、様々な思惑に振り回されながら、任務を全うする忍者の暗躍を描いた話。
闇討ちはもちろん、一騎討ちなど手に汗握る戦闘場面や、忍び達の偏った男女関係があったりと起伏に富んだ展開が続き、楽しみながら読めた。
歴史小説読まず嫌いを克服...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年10月02日
司馬遼太郎氏と言えば、戦後の日本を代表する小説家の一人です。
作品を読んだことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
本木雅弘・阿部寛主演で『坂の上の雲』が映像化されたり、『竜馬がゆく』、『国盗り物語』、『功名が辻』など、大河ドラマの原作になった作品も多いです。
そちらを観たことがあるという方...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年11月05日
天正伊賀の乱による伊賀国の滅亡。一族を惨殺された葛籠重蔵(つづらじゅうぞう)は秀吉暗殺に忍者としての生涯を賭ける。一方、伊賀の国を裏切り、秀吉配下の前田玄以に仕官した風間五平は、重蔵を捕らえることによって自身の出世を企むが…
忍者が駆けて跳ねる本書は、司馬遼太郎の直木賞受賞作にして、著者を新聞記者...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年12月06日
忍びの者 伊賀忍者の物語。
乱波(らっぱ)。
物語でつかわれている言葉がわかりにくいが、物語としてはよく練られている。
織田信長から 秀吉が関白となり,朝鮮へ征伐しようとしている時の話である。
重蔵は、下柘植次郎左衛門の命により,秀吉を討つように言われた。
信長による伊賀の征伐は,
伊賀ものたちの...続きを読む