【感想・ネタバレ】梟の城のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年04月14日

重蔵と小萩の恋の行方が気になって、一気読みした。50〜100ページほどは時代背景と人間関係の整理で多少時間はかかったが、誰と誰が対立関係にあるかが分かれば、スラスラと読み進めることができる。

初めての司馬遼太郎。おすすめされて読んだ。自分が司馬遼太郎を読んだことがないと言うと、この『梟の城』を教え...続きを読むてくれたのだ。

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購入済み

意外と面白い司馬の忍者時代小説

2023年09月18日

 司馬小説について、若い頃は明治幕末戦国期を舞台とした歴史群像物を好んで読み、娯楽時代物は食わず嫌いで読んでいなかった。しかし、歳を経て気も変わり、忍者活劇である本書を手に取る。
 戦闘、陰謀そして性愛が溢れる波瀾万丈の物語で、ハリウッド映画のようにストーリが激しく起伏を起こし、片時も飽きることがな...続きを読むい。更に、司馬特有の蘊蓄語りや優れたシーン描写も十二分に堪能できる。
 初読時には、登場人物の中で誰が石川五右衛門なのかを気にしながら読み進めていくと、より面白く読めると思う。

#ドキドキハラハラ

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Posted by ブクログ 2023年06月10日

解説のなかで、女の忍者を「くノ一」というのは、漢字の「女」を分解した
呼び方だというのを、この歳で初めて知った。
武士の心理、戦国時代の忍者の心理、くノ一として育てられた女性の心理などが書かれている。
本書を読んで、自分は封建制度の元に生まれていなくて、ほんとに良かったと思えた。

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Posted by ブクログ 2022年02月06日

中学生のときにこれを読んで、歴史小説(これは時代小説か?)にハマり始めた。二十年経っていまの中学生に紹介するのを機に、久し振りに読み返した。やっぱり面白い。ただ、世の倫理観が、発表された昭和30年代と、私が中学生だった平成10年代といまとでだいぶ変わっているので、司馬のこのいかがわしさを現代の中学生...続きを読むに読ませて良いのかは惑う。少しだけ。

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Posted by ブクログ 2021年09月25日

この時代に生きている人を、忍者を、本当に見てきたかのような見識と描写。
司馬遼太郎にしかなしえない、取材力と想像力を結集した最高傑作。
描かれた一人一人の思考に没入しすぎてしまう中クライマックスの、優しさというか司馬遼太郎らしさが、またカッコよすぎる。

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Posted by ブクログ 2021年08月27日

1960年(昭和35年)
前半期の直木賞(第42回)受賞作

あらすじ
織田信長による伊賀侵攻である天正伊賀の乱から10年後、伊賀忍者・葛籠重蔵(つづらじゅうぞう)は隠遁生活を送っていた。仇としていた信長はすでにこの世の人ではなくなり、生きる希望を失っていたが、かつての師匠・下柘植次郎左衛門から、太...続きを読む閤秀吉暗殺の依頼を受ける。忍者としての生涯を華々しく終えることのみを考えていた重蔵は依頼を引き受け、秀吉暗殺に乗り出す。堺の豪商・今井宗久のもとへ向かう途中、小萩という、宗久の養女が現れ、二人は通じ、密かに愛し合うようになる。だが、彼女は重蔵を見張る役目を持ったくノ一だった。重蔵は木さる、黒阿弥らとともに、伊賀を裏切った風間五平らと対決し、秀吉の居城伏見城へ潜入する。
感想
時代劇では無い、ハラハラドキドキ
記憶に残る一冊。

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Posted by ブクログ 2021年05月10日

忍者ものでは、この作品が一番好きです。派手さはなくても、重厚な感覚と逆の疾走感も味わえる。読み終わるのが残念でした!

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Posted by ブクログ 2021年02月16日

豊臣から徳川へと天下が移り始め、再び戦乱の世へと転じようとしている最中、様々な思惑に振り回されながら、任務を全うする忍者の暗躍を描いた話。

闇討ちはもちろん、一騎討ちなど手に汗握る戦闘場面や、忍び達の偏った男女関係があったりと起伏に富んだ展開が続き、楽しみながら読めた。

歴史小説読まず嫌いを克服...続きを読むさせてくれた一冊。

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Posted by ブクログ 2021年01月11日

何度読んでも面白い。
主人公の葛籠重蔵の飄々とした生き様がよい。
小萩とのつかず離れずの関係もよい。

最終的に二人が平穏に過ごすのもよい。

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Posted by ブクログ 2019年10月09日

中学生の頃に読んでいました

司馬遼太郎さんを知ったきっかけの本です。
とっても面白くて、今でも何回も読み直しています!

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Posted by ブクログ 2019年10月02日

司馬遼太郎氏と言えば、戦後の日本を代表する小説家の一人です。
作品を読んだことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。

本木雅弘・阿部寛主演で『坂の上の雲』が映像化されたり、『竜馬がゆく』、『国盗り物語』、『功名が辻』など、大河ドラマの原作になった作品も多いです。

そちらを観たことがあるという方...続きを読むも多いのではないでしょうか。

その中でも『梟の城』は、1960年に司馬遼太郎が直木賞を受賞して、一躍文壇デビューを果たすきっかけになった作品です。


【秀吉暗殺をもくろむ忍者の生きざま】
本作は戦国末期、豊臣秀吉の天下に陰りが見え始めたころを描いています。

織田信長に家族を殺された、葛籠重蔵(つづらじゅうぞう)という伊賀忍者が主人公です。

重蔵は忍者から足を洗い、長らく隠遁の生活を送っていました。

そんなとき、とある縁から豊臣秀吉暗殺の依頼を受けます。

信長に恨みのあった重蔵は、後継者たる秀吉を誅することで仇討ちをしようと依頼を引き受けます。

しかし、任務を果たそうとするうちに、かつて共に死線を潜った仲間が裏切って敵方に仕官していたり、くノ一と恋仲になり任務と恋の狭間で揺れたり…。

はたまた伊賀忍者永遠のライバルである甲賀忍者の邪魔が入ったりと、多くの試練が重蔵を襲います。

重蔵の敵討ちの想いは結実するのか?

そんなハラハラドキドキの展開を、司馬遼太郎は透徹な筆運びでハードボイルドに描いています。

もちろん、司馬遼太郎作品の醍醐味である”司馬史観”も随所に散りばめられています。


【障害を乗り越える】
本作を読みながら、重蔵が様々な障害を乗り越えようと苦心する姿に、私自身の起業したてのころを重ね合わせました。

私はメンターから、
「例えば、椅子に座っているときは目の前のテーブルは邪魔にならないが、立ち上がって前に進もうとしたら、そのテーブルは障害となる」
と教わりました。

何か新しい行動を起こすときは、今まではなにごとでもなかった事象がくるりと障害に姿を変えることがある、という意味です。

重蔵も、仇討ちの為にときの天下人秀吉を誅するという大望を持つことで、隠遁の生活を続けていたら起こりえなかったであろう障害を体験します。

しかし同時に、重蔵は達成しようとする過程で、隠遁の中では絶対に得られなかった感情の高揚を手にします。

まさに私も重蔵のように、普通の会社員として過ごしていたら無縁だったであろう、精神的な成長、仲間、収入などの価値あるものを、たくさんの試練を乗り越えて得てきました。

『梟の城』は、今なにかを志している人、変わろうともがいている人が読むと、自分を強くすることができる一冊だと感じています。

もちろん、エンターテインメント性も抜群で読み物としても超一流ですので、ぜひ読んでみて頂けると幸いです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年03月22日

国民的大作家・司馬遼太郎の、記念すべき第1長篇にして直木賞受賞作。本作の主人公はともに伊賀で育った葛籠重蔵と風間五平で、忍者を主人公にした小説は初めてだったが、とてもスリリングな展開で楽しく読むことができた。ところでこの主人公、ほとんどの人には耳馴染がないと思う。司馬にはわたしがかつて読んだことがあ...続きを読むる『十一番目の志士』のように、架空の人物を主人公にした作品もあり、本作もそれだと思い最後まで読んでみるとビックリ仰天、なんと風間五平とはあの有名な盗賊・石川五右衛門のことであった。著者によると――余談ながら本作の時点で地の文の途中に突如著者が顔を出すあのスタイルがすでに確立している――葛籠重蔵と風間五平という人物に関する伝承自体は実在しており、それをもとにいまだにその正体をめぐって論争が喧しい石川五右衛門として描いたとのことで、その発想力にはとにかく脱帽である。こんにち忍者小説といえばまず山田風太郎が有名であろうが、司馬も忍者小説ばかりを書き続けていたら、あるいは山風のようにその道の大家となっていたであろう。

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Posted by ブクログ 2023年07月28日

登場人物の腹の中が不透明な状況で敵味方が次々と入れ替わる展開は、理解するのに苦労を要した。しかし読む進めていくと共に、全体像を掴めない感覚そのものが忍者という存在を象徴しているのかなという思いが込み上げ、不思議と納得のいく読後感だった。忍者としての生き様をひたむきに貫いてきた重蔵がクライマックスで選...続きを読むんだ言動は人間味が感じられて温かさがあった。戦いの場面の凄惨さとのコントラストが巧みである。真っ黒なキャンバスに様々な濃淡の同色を重ねたような奥深い色彩を感じる本作品は、とても読み応えがあった。

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Posted by ブクログ 2023年05月23日

ついに司馬遼太郎に手を出してしまった。大御所は、なるべく避けてきたのだけれど。はまってしまうと、抜け出せなくなりそうだから。でも、やっぱり、面白い。

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Posted by ブクログ 2023年02月16日

純粋にエンタメとして楽しめる。構えたところもないし、だらだらと無意味に長くもない。「坂の上の雲」に比べて読むのに疲れない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年09月03日

葛籠重蔵と風間五平を対照的にすることで、正しい日本人としてのあり方を司馬遼太郎は教えたかったのだろう。
最終的に重蔵が生き残り、五平が死んだ。すなわち、重蔵の生き方が司馬にとっては正しいのだろう。
「忠義を全うするも自分なりの答えを出す」、そんな生き方は私にも格好良く映った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年08月31日

昭和34年という高度成長期に差し掛かる頃に書かれた司馬遼太郎の直木賞受賞作。
大衆文化が拡大した時代に提供されたエンタメにも関わらず、移ろいゆく知識人も惹きつけただろう文学的香りのする作品。

本小説の世界は、信長から秀吉の時代の忍者の世界。梟はむろん忍者を指す。
葛籠重蔵と風間五平(石川五右衛門)...続きを読むという伊賀忍者二人に木さると小萩というくノ一の男女が織りなす忍者の世界、独特の人間関係のスパイラルを描く。
忍者の美学に殉じる重蔵が妙に魅力的に映る。伊賀を抜け、武士を志向した五平がよい対比になっている。と同時に、下忍の黒阿弥や敵の甲賀忍者洞玄など魅力的な脇役がよいバランスで描かれる。そしてそこかしこに歴史上の人物が、適切なコンビネーションと対比で配される。千利休、津田宗及とならぶ今井宗久。豊臣秀吉対石田三成。石田と島左近。

解説で村松剛が戦前の宮本武蔵とお通、朱美の関係との対応を書いているが、ある種のヒーロー物の焼き直しではあろう。
ただ、単なるエンタメというのはあたらない。やはり昭和の中期の質の高い文学的表現である。

作者は、時代の動きに敏感だったのだと改めて思う。
本書に限らず、これ以降選択したテーマは、新たなに勃興してきた「大衆」が好む時代小説であり、それでいて一途に生きた人物群の魅力を司馬らしい筆致で描いてきている。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年03月19日

秀作。
司馬遼太郎の直木賞受賞作。初期の作品。
忍者ものだが、司馬遼太郎らしさが出ている。面白い。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年10月29日

『梟の城』司馬遼太郎(新潮文庫)
忍者といえば現代ではショッピングモールで手裏剣教室をやっていたり、城跡でパフォーマンスをしていたりといった存在だけど、実際の忍者はどんなはたらきをしていたのだろうか・・・。
忍の道にいる人の名前が知れ渡ってしまっては忍べないから、歴史の表舞台に出てくることはないんだ...続きを読むけど。

本作は忍者小説でありながら、ひじょうに「人間臭い」忍者の物語だ。
忍の道を極めようとする葛籠重蔵と、忍の道を捨てて士官する風間五平、くノ一の小萩と木さるを中心に話が展開する。
冷酷非情が常であるはずの忍者が相手を殺すことに躊躇したり、色恋沙汰に陥ったりする。
信長に伊賀の里を滅ぼされた恨みをはらすべく秀吉暗殺の仕事を受けた重蔵。
豊臣家家臣の前田玄以の家臣として秀吉暗殺を企む重蔵を捕らえようとする五平。
三成の命で秀吉暗殺の裏で糸を引く黒幕を暴くために重蔵を証人として捕まえようとする小萩。
重蔵と同じ出自で重蔵と行動を共にする木さる。
秀吉暗殺の絶好の機会を得た重蔵がとった行動は・・・。

最後の石川五右衛門のくだりは、本編とは関係ないけれど、いわゆる「歴史探偵」的視点で資料をつなぐとこうなるんだろうなっていうエンタメだね。
長い物語だけど、疾走感のある展開で、闇を舞台にしているのに暗いわけでもない、面白いエンタメ小説だった。ぜひ。

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Posted by ブクログ 2020年11月22日

初めて読んだのは中学生の頃。私には感情の複雑さも官能シーンも刺激がかなり強かった。
その刺激が読書好きの今の私を作っている一つの要因。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年08月04日

【内容】
織田信長による伊賀侵攻である天正伊賀の乱から10年後、伊賀忍者・葛籠重蔵(つづらじゅうぞう)は隠遁生活を送っていた。仇としていた信長はすでにこの世の人ではなくなり、生きる希望を失っていたが、かつての師匠・下柘植次郎左衛門から、太閤秀吉暗殺の依頼を受ける。忍者としての生涯を華々しく終えること...続きを読むのみを考えていた重蔵は依頼を引き受け、秀吉暗殺に乗り出す。

堺の豪商・今井宗久のもとへ向かう途中、小萩という、宗久の養女が現れ、二人は通じ、密かに愛し合うようになる。だが、彼女は重蔵を見張る役目を持ったくノ一だった。重蔵は木さる、黒阿弥らとともに、伊賀を裏切った風間五平らと対決し、秀吉の居城伏見城へ潜入する。


【感想】
重蔵は常に冷静沈着、
時に非情な忍者というイメージが無く、
全体的に忍者なのか武士なのか、よく分からない。
一方で、自らが伊賀者であることを憎み、
一族を裏切った風間五平の方が話が進むに連れ、
体も心も忍者の側面が露わになってきた感じがした。

2人は対照的で、2人を主体に話が描かれていることで、
それぞれの違いが際立っていた。
五平の死に様は気の毒だが、
重蔵と小萩が一緒になり、
仕合わせになれて良かったと思う。


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Posted by ブクログ 2019年05月07日

寡黙で己の弱さを知っていて、それでいて状況ごとに的確に判断をし、そのときのべストを尽くす、チャラくないおじさん伊賀忍者さんがシブくて素敵なお話。

自分なりのポリシーを持っていて、節制ができる人間は魅力があるなぁ!
ラストが案外ハッピーエンドで読後感も良かったです。

この分量(約650ページの1冊...続きを読むもの)で、やや物足りなさも感じたけれど、ちょうどよくまとまったお話でした。

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Posted by ブクログ 2019年03月15日

ストイックです。ハードボイルドです。忍者の世界。仕事に生きる職人。それでいて風流。滅びの余韻。男女の情愛。こういうものが溶け合っていないけど一体化していた。

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Posted by ブクログ 2019年01月16日

「梟の城」司馬遼太郎
戦国歴史小説。特になし。

自分は、普段歴史小説は読まない人なのでどれだけまともなレビューが書けるかわかりませんが・・・
映画も見てませんので、とんちんかんなことを書いてたらご容赦下さい笑

太閤秀吉の世も末、束の間の天下泰平の中に生きる最後の伊賀者、葛籠重蔵と風間五平...続きを読むを軸に回る忍法帳 ってところですか。
葛籠重蔵の人間味溢れるキャラクターがとてもいいです。
それとは裏腹な忍びの冷酷さ。仲間を裏切り裏切られ、自らの選んだ道にのみ生きる伊賀者の生き様が格好良い。
こんな世の中もあったんですねー。

とはいえここで敢えて物語ではなく文章としてのレビュをするならば、一昔前の時代小説、対象年代層が高めの文章であることは否めないかと。
若年層にとっては、読みにくくはないけどとっつきやすくもない。のかな。
今は素晴らしい漫画文化も築かれちゃっていますからね・・・。

ってことで自分の中の評価では「ニッポン~昭和の名作集~」入りの☆4つです。
ふと奥付を見たら、通算195刷のロングセラーは伊達じゃない!!直木賞作品ですし・・・汗
ファンの方すみませんm(_ _)m

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Posted by ブクログ 2024年02月12日

司馬遼太郎 菜の花忌
菜の花みたいな黄色花が好きだったみたい。
「中外日報」連載 1960年

織田信長により一族惨殺された伊賀忍者。
忍者の夜行性と単独性を梟と見立てる。
伊賀者として生きる重蔵と武士への道を模索した五平。対照的な生き方を選んだ二人の忍者。
豊臣秀吉の暗殺の依頼を受けた重蔵は相弟子...続きを読むだった五平と敵対する事になる。
戦乱の世のスパイ合戦。
戦国末期の暗闇の争い。
伊賀と加賀の忍者の気質の違い。
金で動く表に出ない忍者を小説の中央に置く。
この二人に二人の女性がたびたび絡むのだけど、思いの外、女性に甘めなのではと思ってみたり。
ラストは、五平を囮として秀吉を追い詰めた重蔵。孤高の伊賀風を貫いた重蔵が振り返る人生。

司馬遼太郎は、ひまわり師匠にお任せしようと思う。よろしくおねがいします。

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Posted by ブクログ 2023年12月31日

豊臣秀吉の時代の伊賀忍者が主役の物語。堺の豪商今井宗久に秀吉暗殺を依頼された葛籠重蔵、忍者として生きることに飽き武士として出世することにした風間五平、近江の佐々木氏の子であるが甲賀忍者にやって育てられ石田三成に間者として宗久に送り込まれた小萩が主な人物。重蔵は忍として幸せな生活よりも仕事を優先する考...続きを読むえだったが小萩とあい小萩の愛に触れることで少しずつ考えが変わる。秀吉のところまでたどり着くも殺さなくてもそれに相当する暴力で自身の憂鬱が晴れることに気づき重蔵は生きて伊賀に帰り、最終場面では小萩と共に生活をする。伊賀を裏切った風間は重蔵を捕まえることで出世を企むも伏見城で捕まってしまい秀吉暗殺の首謀者として殺されてしまう。その際使った偽名が石川五右衛門で作者は風間五平が石川五右衛門なよではないかと考えているっぽい。
忍の術とかほんとに存在したのか不思議だけど作中ではとても鮮明に描かれていて面白かった。太平の時代では忍びの活躍できる場はないから廃れるのもしょうがないかな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年04月08日

司馬遼太郎の実質的なデビュー作で直木賞受賞作。
忍者ものは然程好みでなかったのでこれまで手に取らずにいたが、いよいよ未読作品が減ってきたので手に取った。

敵味方が入り乱れて、気を抜くと筋が追えなくなりそうだったが、何とか読み終えた。

ラストの方で、伊賀忍者の葛籠重蔵が太閤秀吉を弑するのではなく、...続きを読むポカリと殴りつける場面は、それまでの緊迫感からのズレにニヤリとしてしまった。

最後の四頁を読む迄、石川五右衛門をモチーフとした話と気付かず。。(途中、風間五平が「石川五右衛門」と咄嗟に偽名を出す場面があっても)

気持ちよくしてやられた感あり。

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Posted by ブクログ 2020年05月03日

忍者同士の矜恃をかけた、命のやり取り。
味方でも、気を抜けば命を取られかねない。
緊迫感のある中で、小萩と木さるの女の矜恃も読み応えあり。忍者とは、何か。
男とは何かを教えてくれる。

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Posted by ブクログ 2019年12月01日



織田信長から抹殺の限りを尽くした天正伊賀の乱から時は流れ、時の天下は太閤秀吉の時代。
かつて、伊賀甲賀が入り乱れ跳梁跋扈していた時代は百地や上野のヒダリであったが、時代が下るとその子孫に移る。
下柘植次郎左衛門は爺さんになり、その弟子、葛籠重蔵、風間五平が物語の軸に。後の世に石川五右衛門と呼ばれ...続きを読むる男だな。
戦後、忍者が主役となる小説は昭和30年あたりの本作が初であろう。
しかし、天正期またそれ以前の忍びの世界は、平成の超ブラック企業に社畜として従事するように見えるし、戦乱の世が終わり泰平の世になると忍びの需要はなくなり、忍びとしての働き方に違和感を覚え
新たな生き方に向かうも...この辺り社畜からの脱却をするも、ノマドライフでは結局食ってゆけず社畜に戻る姿にダブってしかたない。

とは言え、いつの世もどこの世も男と女というのは、求め方、与え方が違えど、まあ、そういうことだ、と。この辺りは男目線での描き方だな。
重蔵のハードボイルドながら、やっぱり女にほだされつつ、それでも捨て、でもやっぱり瀕死になり意識がなくなると気付けば、その女の元に。しかし、女の命を殺めようとするが、最後は...
さすが、司馬遼太郎作品でした。

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Posted by ブクログ 2019年01月01日

司馬遼太郎の作品を初めて読んだ。時代小説は食わず嫌いをしていてほとんど読んだことがなかった。この本は忍者が主人公になるが、どこまでが事実でどこからが架空の話なのかが分からないところが、逆に想像力を掻き立てられた。今後、様々なジャンルの本を読んで、知見を広げたいと思えた1冊となった。

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Posted by ブクログ 2020年04月03日

伊賀上野に行き、忍者に関心を持つ。
要するに、忍者がどういう暮らしをして、どういう術を持っていたのかは分かったのだが、
なぜ、そんなことをしていたのか分からなかったので。
だいたい分かったので良かったと思う。

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