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Posted by ブクログ
『日本のいちばん長い日』の半藤一利氏が日露戦争から太平洋戦争までの歴史の流れを日本人の資質とともに解説したもの。『日本人のいちばん長い日』が素晴らしく質の高い本であったのと同様この本も読む価値のある本である。
「あの戦争」とは太平洋戦争のことだが、どう呼ぶかによってイデオロギーの問題が生じるからとの説明だが、「あの戦争」という呼び方がこの本にはふさわしいように思う。
本書では、日露戦争の「勝利」が、「あの戦争」への道筋に与えた影響は大きいと論じる。さらに、日露戦争とあの戦争における指導者の覚悟と責任感の違いが、状況をさらに悪いものにしたのだという。
最後に「新聞と日本人」として、長いあとがきを書いているのだが、世論形成においてマスコミが果たした役割についての考察は心に留めておくべきだと思う。後世からは、新聞によって民衆が踊らされたという印象があるが、事実はむしろその逆で、部数の確保のために民衆が求める記事を書いていたというのがより真相に近いようだと。このことは現代でもまったく変わっていない。新聞がテレビになっても、そしてWebになっても変わらないということは肝に銘じておくべきことだ。
以下に章立てを書いておく。そうしておく価値があるように思えるから。
第一章 幕末史と日本人
第二章 日露戦争と日本人
第三章 日露戦争後と日本人
第四章 統帥権と日本人
第五章 八紘一宇と日本人
第六章 鬼畜米英と日本人
第七章 戦艦大和と日本人
第八章 特攻隊と日本人
第九章 原子爆弾と日本人
第十章 八月十五日と日本人
第十一章 昭和天皇と日本人
新聞と日本人 - 長い「あとがき」として
自らを歴史探偵と任じ、当時書かれた文書や当人へのインタビューを元に何が起きたのかを再構成をしていく。著者は戦後あまり時間が経っていない時期に雑誌記者としてインタビューをしているので、そこで聞いた言葉をもとにした語りには説得力がある。自身で行ったインタビューや多くの一次資料に当たっているので信頼感が持てる。現代は、より多くの記録された情報で溢れている。フーコーがそうやったように、また著者もそうしたように、未来の誰かがよりテクニカルに洗練された形で「文書」を掘り起こしてこの時代がどのような時代であったのかを語ることになるのだろうなと思う。ぜひともそういったものを読んでみたい。
Posted by ブクログ
この数日、太平洋戦争に関する書籍を連続して読んでいる。太平洋戦争での戦いの変遷、周辺国での戦いの経緯と顛末と読んできて、本書で、日本が太平洋戦争に至るまでの因果関係を幕末の時代から遡って時系列でたどりながら(半藤解釈のもとで)紐解いて受け止めることができて、前よりも立体的に「あの戦争」のイメージが掴めてきているように思う。その上で改めて、自分の中で都合が良い日本のイメージをどこかで勝手に作り上げていたところがあるのでは率直に思う。他国の行為がどうこうという話は置いておいて、日本が行ったことを反省し、熱狂することなくリアリズムに立って、戦争を起こさずいかに国を守るのか、真面目に考えないといけないと思った。
本書は口語で語られた内容をまとめた本なので、全編通して堅苦しくない文章体になっておりスルスルと読めた。
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