国内小説作品一覧

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  • ヘダップ!
    3.7
    1巻1,408円 (税込)
    桐山勇、18歳。かなりの天狗。J1所属のチームに入団が内定していたが、“ある噂”により取り消される。仕方なくこの春から、JFLの武山FCへ腰掛けのつもりで入ることになった。父と姉を残し向かった新天地で、天狗の鼻はぽきりと折れる――。汗と涙と泥にまみれ成長する勇を、好きにならずにいられない。ザ・青春小説金字塔!
  • 父、断章
    3.5
    1巻1,408円 (税込)
    怒りに駆られ、私の胸ぐらをつかんだ父。旅先の宿で、ふと姿を消した母。混雑するプラットフォームで、私を探し続けた恋人――。訪れた土地や手に取った書物の中に息づく過去の断片が、作家自身の記憶を揺さぶるとき、もう二度と会うことのない人への思いが湧き上がる。自伝的要素の強い表題作ほか、全7篇を収める短篇集。
  • 眠れない夜は体を脱いで
    3.9
    1巻1,408円 (税込)
    手が好きなので、あなたの手を見せてください――不思議なノリで盛り上がる、深夜の掲示板。そこに集う人々は、日々積み重なっていく小さな違和感に、窮屈さを覚えていた……。静かに心を揺さぶる連作短篇集。
  • サラバンド・サラバンダ
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    差出人にも、故人の名前にも、まったく心当たりのない香典返しの小包が自分宛てに届いた。むろん通夜も葬儀も行っていない。いったい何故、何のために。記憶を整えると、遠い昔に別れた女の名前が蘇り……。老いの入り口に立った男の憂いと怒り、焦燥、絶望、狂気、そしてエロス。芥川賞作家が円熟の筆で描く珠玉の短篇小説集。
  • 装いの王朝文化
    3.5
    1巻1,408円 (税込)
    衣服は、いつの時代も、着用している人物の位や性格など、様々な情報を示してきた。『源氏物語』『枕草子』などの作品の記述を手がかりに装束の記号性を読み解き、作品の新たな解釈と古典を読む楽しみを味わう!
  • ホラベンチャー!
    3.3
    1巻1,408円 (税込)
    洞山真作は30歳、無職。法事で帰省中に、口うるさい親戚たちに責められ煽られ、弾みでついベンチャー起業を宣言してしまう。やんやの喝采に焦るものの、時すでに遅し。やむなく起業という荒波に漕ぎだすことに……。はたして、真作の人生を賭けた航海の行方はいかに!?涙と笑いのエンターテインメント起業小説。
  • 学校の近くの家
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    先生たちのキャラクター。男子と女子の攻防。隣の学区への小さな旅。PTAと子ども会。行事をめぐる一喜一憂。父との微妙な距離感。連続誘拐殺人事件の影。深まる母の謎――。小学生自身の視点で克明に立ち上がる、ノスタルジーも無垢も消失した、驚くべき世界像! 三島賞作家による、スーパーリアルな「小学生小説」。
  • 鬱屈精神科医、占いにすがる
    3.9
    1巻1,408円 (税込)
    心の医者にとって救済とは? 「わたし」を救ったという「透明な裁縫箱」が数十年をかけて結晶化し、本という姿になって今ここに現れた。 私小説にして哲学書、文学にいざなう力に満ちた、豊かな本だ。 小池昌代(詩人・作家) 精神科医は還暦を迎えて危機を迎えていた。無力感と苛立ちとよるべなさに打ちひしがれる。しかし、同業にかかるわけにもいかない。それならいっそ街の占い師にかかってみようと思い立つ。はたして占いは役に立つのか。幾人もの占い師にあたっていって、やがて見えてきたもの……。人間が“救済”されるとはいったいどういうことなのか。私小説的に綴られる精神科医の痛切なる心の叫び。
  • レールの向こう
    -
    1巻1,408円 (税込)
    沖縄に生きて、その風土を呼吸しながら創作を続けてきた八十九歳の作家の、初の私小説。時の移ろいを生き抜く老年の日常。妻の入院をきっかけに、出会ってきた人々の面影とともに、遠い記憶が鮮明に蘇り、いまを生きる私を、強く激しく揺り動かす――川端康成文学賞を受賞した表題作と新作『病棟の窓』を収録する作品集。
  • 夫からもらうもの
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    大人になったら結婚して誰かの妻となり、幸せな人生を当たり前に送ると考えていた夏帆。しかし、大人になった夏帆は美人ではあったが、なかなか結婚の機会に恵まれず、気がつけば年齢も30歳を超えてしまっていた。夏帆自身も、このまま結婚しない人生もいいかもしれないと考え、一人で生きていけるようにとOLとして働き始めることにした。そんな生活を始めてから半年。仕事も楽しいと思い始めた矢先のこと。母親の行きつけの呉服屋の勧めで、夏帆はもう何度目にもなるお見合いをすることになる。そこで夏帆は、田中和夫と知り合った。和夫は夏帆の理想の相手とはかけ離れた人物だったが、彼の押しの強さ、そして結婚が決まった時の母親の喜びように流され、二人は夫婦となった。しかし田中家の妻となった夏帆を待っていたのは、同居の姑のいじめ、働かずにギャンブルをしてばかりの夫の世話だった。夏帆は自分の独身時代の貯金を切り崩しながらの生活をすることになっていく。離婚を考えながら生活を送っていた夏帆だったが、息子の誠太が生まれたことで気持ちを新たにし、和夫と共に幸せな家庭を築こうと、様々な努力を始める。夏帆は夫をなだめてどうにか自動車修理工場に就職させたり、理不尽なことで姑に辛い思いをさせられながらも、姑を立てることを心がけて生活を送る……。それらは夏帆にとって、間違いなく「夫からもらったもの」だったのだ。

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  • お供え
    3.6
    毎朝、何者かに家の前の「カド」にお供えを置かれ、身に覚えのないまま神様に祀り上げられていく平凡な未亡人。山菜摘みで迷い込んだ死者たちの宴から帰れない女。平穏な日常生活が、ある一線を境にこの世ならぬ異界と交錯し、社会の規範も自我の輪郭さえも溶融した、人間存在の奥底に潜む極限の姿が浮かび上がる七作品。川端康成文学賞受賞。
  • マイクロバス
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    口のきけない青年は、入り組んだ海岸線に沿って、ただバスを走らせ続けることしかできなかった。まるで、世界を縫い合わせるかのように――。芥川賞候補となった表題作と、自身が人魚であると信じる老婆の物語「人魚の唄」を収録。寂れた漁村が特異な輝きを帯びる、神話的な二篇。三島賞受賞作家、渾身の野心作。
  • 少女のための秘密の聖書
    3.8
    1巻1,408円 (税込)
    楽園を追放されたアダムとエヴァ、兄弟殺しのカインとアベル、ノアの箱舟、神に滅ぼされた悪徳の町・ソドムとゴモラ、父と娘が子をなすロトとその娘――少女がお兄さんに誘われて扉を開いたのは近親相姦、殺人、男色、何でもありの世にも奇妙な聖なる書物。鬼才の芥川賞作家が描く、残酷でみだらで魅惑的な旧約聖書の世界。
  • 美女と男子
    3.7
    1巻1,408円 (税込)
    NHKドラマの原作。笑って泣ける恋愛小説 大河ドラマ『篤姫』や『江』の脚本家、田渕久美子による書き下ろし新感覚恋愛小説。NHKでのドラマ化も決定! 一流企業から弱小芸能プロダクションへと左遷されたアラサー女性と、わけありの新人俳優との苦くておかしい奮闘記を軽快なタッチで描く。 [内容] 第一章 春のほころび 第二章 きらめく糸 第三章 選ばれし者 第四章 はるかな歌声 第五章 ある告白 第六章 もつれる心 第七章 迷路のゆくえ 第八章 夢のあとさき 終 章 いつかどこかで
  • 魔術師の視線
    3.3
    1巻1,408円 (税込)
    ビデオジャーナリスト楠瀬薫の前に突然現れた少女。それはかつて“超能力少女”として世間を騒がせた諏訪礼だった。あの時薫の取材で姿を消した礼が今なぜ? 過去を贖うため礼を匿った薫を襲う不審な追跡者、協力する知人の怪死、大物政治家の影。本当の標的は誰なのか。礼が抱える秘密とは。二人の逃避行は想定不能の結末へ――。
  • 元外務省主任分析官・佐田勇の告白
    4.3
    1巻1,408円 (税込)
    対米関係の悪化の反面、日露関係は徐々にではあるが、歩み寄りを見せる。悲願の北方領土返還に向けて奔走した佐田勇は、とある政治闘争に巻き込まれたことで、外交の一線から身を引き、今は作家だ。しかし、政権交代、さらに再交代と政変が続く中、いずれの内閣も佐田の情報分析力を頼ってやってくる。ロシア大統領の何を衝けば交渉はスムーズに行くのか、詳細なレポートで佐田は政権を助けてきたが、そんな佐田を逆恨みする連中が霞が関にいて……。
  • 問う女
    3.8
    あたし、だんだん嘘がうまくなる。愛する者にささやく言葉さえ、時には鋭利なナイフになってしまう…。傷つけ傷つくことを恐れ、自分の言葉を捨てたアナウンサー・綾瀬まりあ。あるタイ人女性との出会いをきっかけに、彼女は言葉が生み出す真実を知る。中島みゆき書き下ろし小説第二作。
  • 最後の贈り物
    -
    1巻1,408円 (税込)
    友和は弟を列車事故で喪った。自分のせいで死んだと苦しむ友和を、小料理屋を営む妻は懸命に支える。そんな時、開発計画が持ち上がり、小料理屋は追い立てに遭う。黒幕は最愛の母を自殺に追い込んだ伯父だった。友和は闘うことを決意するが……。家族はついに砕け散ってしまうのか? 注目の劇作家が、絆の意味を問う!
  • 鐘の渡り
    5.0
    1巻1,408円 (税込)
    呪いめいた言葉をつれて、女と暮らすつもりの男が、女を亡くした友と旅に出る。彼らの視るものは、紅葉が燃えて狂ったように輝く山と、女人の匂い立ちのぼる森。そして夜には、谷を流れるあの鐘の音が、昏い峠に鳴り渡って――。三十男二人の妖うい山路を描く表題作ほか全八篇。現代日本最高峰の作家による言語表現の最先端。
  • あなたにつながる記憶のすべて
    3.7
    1巻1,408円 (税込)
    過去に愛した、今は会えないあなたへ――『欲しいのは、あなただけ』『美しい心臓』……恋愛の真実を追い求め続ける著者による鎮魂歌。「未来から現在へ、現在から過去へと時の流れを遡り、立ち上がってくる記憶と声に身をゆだねながら、愛しい人の不在を、私は「存在」として書く――」。職場の後輩だった女の子、はじめての仕事をくれた編集者、何通もの手紙をやりとりして別れた人、若くして旅だった詩人、亡き祖母、大好きな仕事のパートナー……亡くなってしまった、音信不通の、今はもう会うことのできない人々への思いを、記憶だけをたよりに綴る私小説的短編集。
  • かがやく月の宮
    3.5
    1巻1,408円 (税込)
    かの有名な竹から産まれたという逸話も、五人の公達の尋常ならざる貢物も、すべて竹取翁の仕掛けた罠だった――? 翁の術中にはまった帝は禁裏を抜け出し、竹取館へ向かう。愛しのかぐや姫と邂逅を果たした帝は、しかし、病に伏してしまった。天照大御神の末裔は一体、何を見たのか。姫が昇天する夜、月が真実を照らし出す。
  • ピアノの音
    -
    小高い丘の家に住まう晩年の夫婦の穏やかな生活。娘や息子たちは独立して家を去ったが、夫々家族を伴って“山の上”を訪れ、手紙や折々の到来物が心を通わせる。夜になれば、妻が弾くピアノに合わせ、私はハーモニカ……。自分の掌でなでさすった人生を書き綴る。師伊東静雄の言葉を小説作法の指針に書き続けてきた著者が、自らの家庭を素材に、明澄な文体で奏でる人生の嬉遊曲。
  • 見送ル―ある臨床医の告白―
    3.8
    1巻1,408円 (税込)
    医者だって人間だから、患者の好き嫌いは当然あるし、贔屓もすれば、外科と内科の対立も日常茶飯事。ほとほと疲れる日もあるけれど、輝く笑顔で退院する患者を、見送る。力を尽くしてもひっそりと消えゆく命を、見送る。どちらも私が選んだ仕事……。現役医師だからこそ「小説」でしか描けなかった、命の現場のいま。
  • 暗殺者たち
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    安重根による伊藤博文暗殺。大逆事件で処刑された幸徳秋水、管野須賀子、大石誠之助。生きのびた荒畑寒村……。日本近代史のなかの人々が、いまそこに生きている人として語りなおされ、歴史の記述にはおさまらないいきいきとしたポルトレとして浮かびあがってくる。小説ならではの達成として動乱の時代を語る画期的な長篇。
  • 武士喰らい
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    主君、父、兄弟、そして妻。戦場での突然の裏切りにより、全てを失った小次郎。男に残されたのは、復讐の道だけだった。命じられるまま仇討ちを繰り返しているうち、「武士喰らいの黒鬼」と恐れられるようになる。だが、小次郎は知らされてはいなかった。その殺戮に隠された真の目的を。そして、本当の仇が誰なのかを――。破天荒かつ号泣必至の戦国綺談!
  • ピコラエヴィッチ紙幣
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    島田商会が極東ロシアの小都市で発行していた紙幣「ピコラエヴィッチ」は人々から歓迎され、ロシア人社会に深く浸透していた。しかし、永遠にも続くように思われたそのシステムは、当地の鮭鱒漁の不漁と共産革命の嵐によって大きな悲劇へと発展する。「通貨とは何か?」「経済とは何か?」を問う問題作。
  • 復讐
    3.8
    1巻1,408円 (税込)
    北九州の小さな町に赴任してきた教師・舞子。最初の登校日の朝、暗い目をした少年に出会う。教室では明るく優等生として振舞う彼をどうしても目で追ってしまう舞子。二人がそれぞれに抱えた闇が、夏祭りの夜、花火のように暴発する。映画『ふがいない僕は空を見た』の監督が放つ次なる代表作、緊迫サスペンス長編小説。
  • 株価操縦
    3.5
    1巻1,408円 (税込)
    株の乱高下の背景にある仕手筋の暗躍、風説の流布、未公開株を使った詐欺事件。マネー犯罪の闇は、あなたの背後に迫っている。
  • ザ・ロスチャイルド
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    19世紀、ヨーロッパ全土を震撼させた2人の怪物、ナポレオン・ボナパルトとネイサン・マイヤー・ロスチャイルド。2つの正義、2つの理想、男たちが目指したものは何だったのか? 世界を牛耳る金融王国の原点がここに!
  • デフォルト〔債務不履行〕
    3.7
    1巻1,408円 (税込)
    「不良債権問題が終わったなんて嘘じゃないか」。真実を暴いたあるエコノミストの死をきかっけに、新聞記者、凄腕ファンドマネジャー、ハッカーらが手を組んで復讐に立ち上がる。日銀をデフォルトに追い込み、腐敗の構造の上にあぐらをかく金融セレブたちに一泡吹かせることはできるのか。第2回ダイヤモンド経済小説大賞受賞作。
  • 憂国始末
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    スポーツとして発展させれば良いのか、それともあくまで武道なのか――空手・至一流の改革論議のさなかを襲った一報は、一同を混乱に陥れるに十分だった。身内からテロリストが出るとは――。壮大な疑問符に答えを出すべく、創始者一族の若者が白装束で姿を現した。伝統とは何か、継承とは何か。右翼も沈黙する長篇小説。

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  • 修羅ゆく舟
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    種痘普及を念願する豪放磊落な蘭方医・玄齋と彼を愛する千草と沙穂。二人の女が織りなす奇妙で穏やかな妻妾同居は、玄齋が幕命により蝦夷地へ旅立つと同時に均衡を失う。嫉妬と我欲に翻弄され、ついに起こる悲劇の果てに彼らは何を見出したのか。己れの愛と生を一途に貫く男女の数奇な運命を描ききった圧巻の時代長篇。

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  • 不法愛妻家
    3.0
    イタリア人のファブリは、大阪生まれの和泉と出会い、恋に落ち結婚する。せっかちでドライな和泉と、どことなく要領が悪く、ロマンチストなファブリ。「大阪人vsイタリア人」とも言える二人は、惹かれ合ったり反発し合ったりしながら、日々を送り、やがて子供も生れる。爆笑の中で、夫婦、家族、日本を問う、新鮮な、書き下ろし長編。

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  • 脱獄者は白い夢を見る
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    祭太鼓が轟くなかで、一人の模範囚が忽然と消え失せた。四十八時間以内に脱獄者を確保せよ――女子刑務所は騒然となった。異変に気づいていたのは若手刑務官のみ。「白い夢」にアクセス出来る彼女だけが、逃亡先を知っていた……。仰天の仕掛け、感泣のラスト。内部を知悉する作家だけが成し得るサスペンス長篇。

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  • 片桐酒店の副業
    3.4
    1巻1,408円 (税込)
    「法に触れない限り、何でもお届けします」。冴えない酒店の片手間仕事のはずが、最近ワケあり注文が多い。「アイドルに手渡し」「上司に悪意を」等の難題に直面する無愛想な店主にも大きな遺失物があった……。ボイルドエッグズ新人賞作家が二作目でストーリーテラーの本領を発揮、ほろ苦く心温まる絶対オススメ長篇。

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  • 青にまみえる
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    酒にではない、お茶に酔ったのだ。中国有史五千年のはるか以前より、福建省の深山に自生し続ける、大地自然の気をたっぷり吸い込んだ悠久の茶。この、水に次ぐ命の飲み物に酔った時から、「私」の運命はゆったりと動き始め……。混迷を深める人の世の底なしの泥沼に、疲れはてた心と体を温かくうるおす、大人のための小説。

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  • 中野トリップスター
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    身内にだけはちょっと甘い、武闘派極道の山根。組長から押しつけられた今度のシノギは、韓国スリ団相手の旅行代理店!義理も人情も通じねえわがまま放題の顧客、やくざよりも自分勝手な堅気の部下たち。正直、すぐにでもこんな会社潰してえ。だが待てよ、人のために働くって、案外楽しいかも!?ポップでシリアスな、極上エンタメ!

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  • 四龍海城
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    夏休みの最初の午後。中学生の健太郎は、海に浮かぶ謎の城に閉じ込められてしまう。城には同じように迷い込んだ十数人の大人たちと、暗い目をした少年、貴希がいた。次第に覇気を失う大人を尻目に、健太郎と貴希は城を出ようともがき続ける……。孤独で清らかな二つの魂がからみあう、ひと夏のファンタジック・サスペンス。

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  • 普天間よ
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    在日米軍基地の約75%が集中する沖縄。いまも「日常のなかにいつも戦争がある」基地のある町に暮らす祖母、父、娘、三世代それぞれの「普天間」。轟音の中での日常を切実に描き出す書下ろし中篇「普天間よ」を収録、戦前戦後を生き抜いて沖縄文学を牽引し続ける作家が沖縄の魂を織り込んで、「沖縄と戦争」をあぶりだす7篇。

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  • 桜風堂夢ものがたり
    3.5
    1~2巻1,400~1,699円 (税込)
    「会いたかったひとに会える奇跡」があるなら、あなたは誰に会いたいですか? 小さな町の書店と、そこに関わる優しいひとびとの姿を描く、本屋大賞ノミネート『桜風堂ものがたり』シリーズ! 月原一整がいる桜風堂へ向かう道。それは「会いたい人に会える」、という奇跡の起こる道。今回も「温かい涙」が流れます! ●第一話「秋の怪談」桜風堂に月原一整がやってきたことで救われた少年・透。彼は友人たちと、町外れにある「幽霊屋敷」に冒険に出かけるのだが…… ●第二話「夏の迷子」一整のかつての上司、銀河堂書店の優しい店長・柳田。彼は桜風堂書店を訪ねた帰り道で迷子になる。不安に襲われた彼に語り掛けてきた声とは。 ●第三話「子狐の手紙」一整のかつての同僚、三神渚砂は桜風堂へ向かう途中、両親の離婚でもう何年も会っておらず、今は病床にいるはずの父と出会う。 ●第四話「灯台守」かつて家族と哀しい別れをして天涯孤独の一整。しかし、彼と暮らす猫は、ずっと一整のことを見守っている人物の気配に気づいていた。
  • 《小説》辞令・自宅待機を命ず
    -
    1巻1,400円 (税込)
    リストラ人事が社内を駆け巡る! 不安と焦りを抱き、特別な夜をそれぞれ過ごした、サラリーマン7人。千差万別な働き方をしてきた彼らは、ある想いを秘め、各々が新たな一歩を踏み出した! 混沌の中にいる現代の会社員に贈る1冊。
  • 平岩弓枝「御宿かわせみ」の世界(文春ムック)
    -
    2023年6月9日に逝去された平岩弓枝さん。 1932年に代々木八幡宮の宮司の娘として生まれた平岩さんは、劇作家の長谷川伸に師事。1959年、「鏨師」で直木賞を受賞しました。73年に始まった「御宿かわせみ」シリーズは、続編の「新・御宿かわせみ」シリーズにいたるまで、全34冊、30年以上にわたる長大シリーズとなりました。 また、平岩さんには脚本家としての顔もありました。主な作品には「肝っ玉かあさん」「ありがとう」、そしてNHK大河ドラマ「新・平家物語」などなど。 すばらしい物語を紡ぎ続け、さまざまな形で私たちに届けてくださった91年の生涯。ここに、平岩さんと「御宿かわせみ」の世界を振り返る、永久保存版のムックをお届けします。 【目次より】 秘蔵写真で振り返る平岩弓枝の軌跡 感動講演「日本のこころ」――小説家としての原点が語られる 直木賞受賞作「鏨師」全文掲載 「御宿かわせみ」傑作選 初春の客/白萩屋敷の月/祝言 「御宿かわせみ」座談会――るいや東吾を演じる歓び 新珠三千代×田村亮×小野田正 名取裕子×沢口靖子 高島礼子×中村橋之助 真野響子×黛りんたろう 対談 華麗なる交遊録 山田五十鈴/八千草薫/若尾文子/曽野綾子/阿川佐和子 特別インタビュー 作家人生五十年を語る 傑作エッセイ「わが来し方の記」 天皇の松/卒寿の春 蓬田やすひろの挿絵で見る「御宿かわせみ」登場人物 「御宿かわせみ」全作品リスト
  • メタボラ
    4.1
    1巻1,400円 (税込)
    “自由”を求めて、僕らは逃げ続ける 記憶喪失の「僕」と島を捨てた昭光の、行くあてのない逃避行。社会から疎外された若者たちを通じて現代の貧困を暴き出した問題作! ※この電子書籍は2010年7月に朝日新聞出版より刊行された朝日文庫(上・下巻)を1冊にまとめた二次文庫(2011年刊)の新装版です。
  • 炎と苗木 田中慎弥の掌劇場
    3.3
    1巻1,400円 (税込)
    7年にわたり書き続けてきた田中文学の結晶。 〈掌の小説〉集大成、衝撃の44篇! 1篇1600字に世界が凝縮。生と死、過去と未来、絶望と希望、作家のイマジネーションが、いま、あらゆる境界を突破する。 〈田中慎弥の聖書〉とも言える標題作はじめ、小説の醍醐味に満ちた作品が織りなす圧巻の文学体験。2012年に出版界の話題をさらった『田中慎弥の掌劇場』の第2弾。 「作家が死んでも小説は残る。つまり自分の命より価値のあるものを自分で書かねばならないのが作家であり、一日で一気に仕上げる「掌劇場」の場合は特にそれを実感させられた。作家の自分が人間の自分を徹底的に痛めつける時間だった。私自身と死について扱ったものがあった。自殺に関するものもあった。私が何度も実行しようとしたのは事実だ。生涯他人に言えないことを見たり体験したりした末のことだった。また、身近な人がいなくなり、自分一人が生きていていいのかと悩んだ結果でもある。死に接近し、死を描くことが私の道になった。明日死ぬとしても今日のところは小説を書こう、という意識は、一日で仕上げる「掌劇場」の形式に添ったものと言えた。それと同じ時期に、現実の政治や、私の地元選出の総理大臣を反映させて書いたものもある。あの総理大臣に私が感じる反発は政治的、社会的背景のものではない。それだけに、私は私自身の今後が恐ろしい。死への恐怖より怖いのは、生きる恐怖だ。そして、この二つの距離はいまや、ほとんどない。」――「連載を終えて」毎日新聞西部本社版より ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • てっぺんっ!!! ~君に出会うための7日間~
    -
    1巻1,400円 (税込)
    コミック『てっぺんっ!!!』のストーリー原案いぬじゅん自身によるノベライズ お笑いの頂点を目指す女子高生トリオが出会うまでを描いた、笑いと涙の青春ガールズストーリー お笑い芸人を志して京都から単身で華月高校への進学を決めたやよい。しかし夢に向かって一歩前進したことで、逆に心に迷いが生じてしまう。そのせいで、地元に残る親友との間がぎくしゃくしてしまい――。(「阪本やよい編」) 同じく高校入学を目前に控えた「高橋よもぎ編」「細野ゆず編」、そして本書のエピローグともコミック&アニメのプロローグともいえる、幼馴染同士のやよいとよもぎの再会、ゆずとの出会いを描く「当日編」を収録した、まさにファン必読のノベライズ作品。 原案コミックの漫画家・なまむぎ氏による描き下ろしカバーイラストにも要注目の、楽しみな1冊になっています!
  • N/A

    N/A

    3.8
    1巻1,400円 (税込)
    選考会で異例の満場一致!  第127回文學界新人賞受賞作 松井まどか、高校2年生。 うみちゃんと付き合って3か月。 体重計の目盛りはしばらく、40を超えていない。 ――「かけがえのない他人」はまだ、見つからない。 優しさと気遣いの定型句に苛立ち、 肉体から言葉を絞り出そうともがく魂を描く、圧巻のデビュー作。 ★★★ 文學界新人賞・全選考委員激賞!! ここには誰のおすみつきももらえない、肉体から絞り出した言葉の生々しい手触りがある。――青山七恵 安易なマイノリティ表現への違和感の表明であり、同時にそのような表明の安易さへの批判でもあるという点で、まさにいま求められる文学なのではないか。――東浩紀 本作には紛うことなき現代を生きる人間が、そして現代がぶち当たっている壁が克明に描かれている。――金原ひとみ 世界が傷つくとみなす事項に対する、最初からの「傷ついてなさ」が、ぐっとくるのだ。――長嶋有 満場一致の受賞となり、今後の活躍を楽しみにしている。――中村文則 主人公にとって、また小説にとって、とても重要なもの、安易に言語化できないものたちが、物語の力によって、この小説の中に確かに存在している。――村田沙耶香
  • レジェンドアニメ!
    4.3
    1巻1,400円 (税込)
    映画『ハケンアニメ!』公開記念 『ハケンアニメ!』スピンオフ小説集 誰にだって負けたくない人がいる! ともに働きたい人がいる! 夢と希望。情熱とプライド。愛と敬意―― アニメ制作に情熱を傾ける仕事人たちの 熱血エンタテインメント『ハケンアニメ!』には、 心震えるさらなる物語が隠されていた!  ◆九年前のクリスマス ◆声と音の冒険 ◆夜の底の太陽 ◆執事とかぐや姫 ◆ハケンじゃないアニメ ◆次の現場へ 書き下ろしを含む6作品を完全収録。 全国の書店員にも愛された『ハケンアニメ!』の世界が再び!
  • 赤と青とエスキース
    4.5
    1巻1,400円 (税込)
    2021年本屋大賞2位『お探し物は図書室まで』の著者、新境地にして勝負作! メルボルンの若手画家が描いた1枚の「絵画(エスキース)」。日本へ渡って30数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく――。2度読み必至! 仕掛けに満ちた傑作連作短篇。 ●プロローグ ●一章 金魚とカワセミ メルボルンに留学中の女子大生・レイは、現地に住む日系人・ブーと恋に落ちる。彼らは「期間限定の恋人」として付き合い始めるが……。 ●二章 東京タワーとアーツ・センター 30歳の額職人・空知は、淡々と仕事をこなす毎日に迷いを感じていた。そんなとき、「エスキース」というタイトルの絵画に出会い……。 ●三章 トマトジュースとバタフライピー 漫画家タカシマの、かつてのアシスタント・砂川が、「ウルトラ・マンガ大賞」を受賞した。雑誌の対談企画のため、二人は久しぶりに顔を合わせるが……。 ●四章 赤鬼と青鬼 パニック障害が発症し休暇をとることになった51歳の茜。そんなとき、元恋人の蒼から連絡がきて……。 ●エピローグ 水彩画の大家であるジャック・ジャクソンの元に、20代の頃に描き、手放したある絵画が戻ってきて……。
  • おはようおかえり
    3.6
    1巻1,400円 (税込)
    真面目な姉と自由奔放な妹。二人の姉妹に訪れる思いがけない出来事とは――北大阪で70年続く和菓子屋「凍滝」の二人姉妹、小梅とつぐみ。姉の小梅は家業を継ぐため進学せず、毎日店に出て和菓子作りに励む働き者。妹のつぐみは自由奔放。和菓子屋を「古臭い」と嫌い、大学で演劇にのめり込みながら、中東の国に留学したいと言って母とよく喧嘩をしている。そんなある日、43年前に亡くなった曾祖母の魂が、何故かつぐみの身体に乗り移ってしまう。「凍滝」の創業者だった曾祖母は、戸惑う小梅に「ある手紙をお父ちゃん(曾祖父)の浮気相手から取り戻してほしい」と頼んできた。手紙の行方を辿る中で、少しずつ明らかになる曾祖母の謎や、「凍滝」創業時の想い。姉妹は出会った人々に影響されながら、自分の将来や、家族と向き合っていく。「ビストロ・パ・マル」シリーズの近藤史恵が描く、少し不思議であたたかな傑作家族小説!
  • 矢印
    3.5
    演出家、劇作家、俳優、映画監督、小説家とマルチに活躍する松尾スズキ、三年ぶり待望の新作小説。 放送作家見習いの「俺」は、十年間師匠と仰いでいた人物が自殺した日、映画館で偶然出会った女・スミレにいきなり結婚を申し込む。スミレは離婚したばかりだった。 することのない俺とスミレは、酒浸りの日々を送るようになる。 そんな中、俺を捉えて離さないのは、師匠が手首に入れていた矢印形の刺青のことだった――。 次々と地獄の扉が開いていくような男女の転落物語でありながら、どこかに人間存在を見つめる苦い笑いがにじむ松尾ワールドの真骨頂。 (本文より) 今、自分に必要なのは、人生をなめている女だ。 酔っぱらってくれ、俺のそばで。 あと一時間でもいい。一五分でもいい。 いや、今わかった。 俺には俺より酔っ払ってくれている人間が、隣に、必要なのだ。 もう、ずっとそうだったし、きっと今日からもずっと。
  • オーバーロードの街
    -
    1巻1,400円 (税込)
    パワーローダーによる無差別殺人が続発。鎮圧に向かった軍隊の動力甲冑も暴走し互いに殺し合いを始めた。ネット環境が破壊され、電子データも蒸発、金融システムも崩壊した。これは人類滅亡の予兆なのか? コロナ禍時代に世に問う、大災厄SF巨編。
  • コロナ移住のすすめ 2020年代の人生設計
    3.5
    1巻1,400円 (税込)
    働き方・暮らし方の概念が変わった2020年。様々な理由で地方へ移住した20事例を紹介。都会を脱出し、地方での生活を考える人のための地方移住ガイドの決定版。 新型コロナウイルス感染症の影響で、働き方・暮らし方が大きく変わった。「満員電車が嫌になった」「家業を継ぐために」など、様々な理由で地方移住した事例を紹介、地方移住の背景にある3つのパラダイムシフトを解明する。さらに著者自身が長野県に移住した18年間の経験から、地方移住の前に考えたい3つのポイントと、地方移住のリアルな暮らしと生活費についても解説。
  • 未来の自分に出会える古書店
    4.4
    1巻1,400円 (税込)
    著書発行部数1000万部を超える齋藤孝・明治大学教授がはじめて小説スタイルに挑戦。 現代版『君たちはどう生きるか」。 サッカーに熱中する中学二年生の「メッシ君」と、絵を描くことが大好きな高校二年生の「ゴッホ君」の兄弟。 二人の家の近所に、古書店「人生堂」が開店した。 その店主「サイトウさん」は、二人がさまざまな悩みを相談するたびに、さりげないアドバイスとともに、何冊かの本を教えてくれる。 コンプレックス、いじめ、進学、恋愛、身近な人の死……思春期の少年なら誰しも突き当たるような問題に、本は道しるべを与えてくれ、成長に誘ってくれる。 またそれらの本を読んでいるうち、格差社会や環境問題など、未来を生きていく上での指針も見つかるだろう。 あまり読書が好きではなかった二人だが、サイトウさんの店に通う半年弱の期間に、みるみる本が好きになっていった。 カバー絵は「漫画 君たちはどう生きるか」の羽賀翔一氏。 ポストコロナの時代を生き抜く青少年に贈る決定版の読書・人生の手引きです。
  • 赤い砂を蹴る
    3.8
    1巻1,400円 (税込)
    社会派作品で評価の高い劇作家・石原燃による小説デビュー作にして、第163回 芥川賞候補作! 「――お母さん、聞こえる? 私は、生きていくよ。」 幼くして命を落とした弟。 心ない世間の声に抗い、それでも母は自由に生きた。 画家の母・恭子を亡くした千夏は、母の友人・芽衣子とふたり、ブラジルへ旅に出る。 芽衣子もまた、アルコール依存の夫・雅尚を亡くした直後のことだった。 ブラジルの大地に舞い上がる赤い砂に、母と娘のたましいの邂逅を描く。 渾身のデビュー小説!
  • 望みがかなう 魔法の日記
    3.7
    小学5年の竜也は、自分より運動も勉強も苦手な友達の光平が、25メートルを泳げるようになって、読書感想文も早く終わらせたことに驚いていた。光平は、おばあちゃんからもらった日記を書くようになって、別人のように変わった。そこで竜也は、光平の「未来のことを過去のように書く」というのをまねして日記を始めた。最初は、「お年玉を2万円ゲットした」とか、「書き初めで『一念発起』と書いて提出した」など簡単な願いを書いて、6つの望みをすべてかなえた。そして、「運動会で、色組対抗の応援団長になった」と書いたら、ラッキーなことがあって実現した。ところが、「校内なわとび大会で三位内に入った」は、去年、得意のあやとびでも21位だった竜也には高すぎる目標だった……。努力して望みをかなえるなんてかっこ悪いと思っていた竜也が、友達の影響で少しずつ努力し、成長していく姿を描いた物語。『願いがかなうふしぎな日記』の続編。
  • ゆっくりおやすみ、樹の下で
    4.4
    1巻1,400円 (税込)
    小学5年のミレイちゃんが「さるすべりの館」で過ごす夏休みの物語。隠されていた遠い過去の謎がつぎつぎに……。赤の部屋には誰がいるの? なぜ止まっていた時計が動き出したのか? 小学生から大人まで楽しめる著者の新境地。今日マチ子さんの絵も90点収録。
  • 私小説
    3.9
    1巻1,400円 (税込)
    ぼくは彼女とふたりきり。不安と危険に満ちたこの世界で、繊細すぎるこの神経を持て余しながら、苔や羊歯に囲まれて小説を書いている。愛妻家で発達障害を抱えた恋愛小説家の、日々追想発作に苛まれるスリリングで感傷的な日常を描く、刺激的な「私小説」。
  • 帝都探偵奇譚 東京少年D団 明智小五郎ノ帰還
    -
    『ニンジャスレイヤー』の著者チーム、本兌有&杉ライカ+ブラッドレー・ボンド&フィリップ・N・モーゼズ最新作! 乱歩×スチームパンク=猟奇! 秀麗! 退廃! 蒸気と狂気と暗雲に包まれた、1920年の帝都東京! 怪人二十面相の挑戦を受けた資本主義の獅子・羽柴壮太郎は、伝説の名探偵・明智小五郎を呼び寄せた。しかし彼のもとに現れたのは明智ではなく、恐るべき美貌と眩しいばかりの知性を輝かせる妖しき天才美少年・小林芳雄であった。「僕の知能指数は平常時の明智先生の2倍です。ご存じないかもしれませんが、探偵の能力とは、カラテ段位ではなく知能指数で測るものなのです」 猟奇! 闇の近代日本を舞台に、爆発寸前のアドレナリンと知能指数が火花を散らし、七つ道具が飛び交う! 狂気に次ぐ狂気! 変装に次ぐ変装! カラテに次ぐカラテ! 帝都東京で繰り広げられる探偵と怪盗の知能指数バトル!!

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  • 大林くんへの手紙
    -
    1巻1,400円 (税込)
    成績優秀ではあるものの、あまり目立たなかった大林くんが、ある時から学校に来なくなった。クラスの男子数名と、非常階段を使って立ち入り禁止の屋上に勝手に入ったため、担任の先生にひどく叱られた。さらに反省文を書かされることになったが、大林くんだけ書けなかった、といううわさもあった。そこで、大林くんに、クラス全員で手紙を書くことになった。その際、適当に「作文」してしまったことを後悔した主人公の文香は、悩んだ末に、まずは「いつかちゃんとした手紙を書きます」というだけの、ウソのない手紙を出すことに。その後、文香は休み時間になると、大林くんの椅子に座るようになった。「たぶん、大林くんがこの椅子に座って見ていたのと同じ景色を、わたしも見ている。」果たして大林くんの心が動く日はくるのだろうか。本当のやさしさや友情とは何かについて、ヒントを与える一冊。

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  • 卒業の歌 ぼくたちの挑戦
    4.0
    1巻1,400円 (税込)
    入院中のおばあちゃんに歌をつくった翔太と麻里絵。その話を聞いた友だちの滝田が、校内合唱コンクールの自由曲もクラスの創作曲で挑戦したいと言い出した。何をやってもビリで、やる気もまとまりもない6年3組。だれもが無理だと思っていた。ところが、いつもはやる気のないボスが滝田の提案にのって、創作曲をつくることが決まった。歌の作詞は翔太、作曲は麻里絵。しかも歌詞は、クラス全員が一言ずつだしあってつくることになり……翔太は思わぬ展開に頭を悩ませる。歌ができると、今まではサボってばかりの受験組も歌の練習に参加するようになり、次第に盛り上がっていく。そして、今までまとまりがなかったクラスが初めて一つになった。ところが、麻里絵はみんなに隠していたあることを話し……。家族、クラス、そして友達。それぞれのつながりのなかで成長していく翔太。卒業を迎えるクラスの姿、子供たちのさまざまな思いを描いたさわやかな作品。

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  • 忘れられた叡智 詩的寓話 目に見えない資本主義
    4.0
    1巻1,400円 (税込)
    遠い昔、21世紀の初頭――。グロバリアという王国で、人々が「野蛮な資本主義」というシステムの下に暮らしていた頃。ある日、サブプリモというアメリア村の商人によって、大量の偽商品が販売され、王国全体が深刻な経済危機とパニックに陥った。ジャポニア村の智恵子と賢治は、破産によって悲しみのどん底にあえぐ両親を可哀想に思い、この危機を繰り返さないためにはどうしたらよいか、ジャポニアの村長や名高い経済学者、さらに森の聖人に教えを請いに行く。最後に、智恵子と賢治が見い出した叡智は、まるで予期していなかったものであり、同時に、深く、腑に落ちるものだった――。2010年5月の「TEDx Tokyo」で著者が英語で朗読を行い、大きな反響のあった「目に見えない資本主義 詩的寓話」を、新たに日本語と英語の両方で読める書籍として編集。この国の復活と資本主義の成熟を祈りつつ発刊する。

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  • マリモ
    3.8
    1巻1,400円 (税込)
    大山田マリモ。中堅食品会社に勤める25歳の独身OL。彼女はこの一年余り、酒浸りの日々を送っていた。元凶は新商品『納豆伝説』。それは無能な上司によって捻じ曲げられた彼女の初めての企画だった。発売後、案の定寄せられた苦情の嵐。打ちひしがれ、今日も飲み潰れた彼女は、真夜中に『死には、人間的な死と、そうでない死が存在するのですよ』という声を聞く。それは懐かしい「先生」の声だった……。心の傷を覆う術も知らず、生きることに不器用な主人公が人生と自分の価値に気づくまでを描いた笑いと涙の物語。

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  • はじまりの谷
    4.3
    昭和初期の上州の農村を舞台に、現代では失われてしまった、美しい風景、自然への畏怖、家族や近隣の人々のぬくもりなどを瑞々しい筆致で描く。 少年はまっさらの心で、いくつかの出来事を通して成長する。そして、死の淵から還ってなお反骨の精神を失わない老人との絆を通して、自らの生涯を切り開いていく「思考の礎」ともいうべき精神性を養ってゆく。 つかみ取れ! じぶん。 【推薦文】 「映像化の成功を確信させる名作。人間が自然が泣けるほど美しい」(田渕久美子/脚本家・作家) 【内容】 ウサギ罠 春の雪 はじまりの谷 夏の終わり 残光 白い谷 入学の朝 【著者】 丸橋 賢(まるはし・けん) 1944年、群馬県生まれ。東北大学歯学部卒業。同学部助手を経て、1974年、丸橋歯科クリニック開業。1981年、「良い歯の会」活動開始。2004年、群馬県高崎市に「丸橋全人歯科」を開設。現在、丸橋全人歯科理事長。アメリカ歯内療法学会、日本歯内療法学会を中心に、日本全身咬合学会、日本口腔インプラント学会等で活動したが、現在は退会し、全人歯科医学に全力を投入している。主な著書に『観察力──確信を育てる』(NTT出版)、『全人的治癒への道』『心とからだが変わる〈全人歯科〉革命』(ともに春秋社)、『新しい歯周病の治し方』『歯 良い治療悪い治療の見分け方』(ともに農山漁村文化協会)、『歯を疑え! 医療の常識を変える全人歯科医学の力』(幻冬舎)『退化する若者たち』『心と体の不調は「歯」が原因だった!』(ともにPHP新書)などがある。

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  • 透明になれなかった僕たちのために
    3.4
    1巻1,397円 (税込)
    アリオとユリオ、幼馴染の深雪は、自分の中に潜むある欲望に苦しみつつ成長する。ユリオの自殺、連続する殺人事件を契機に驚愕の真相が明らかになっていくが… 著者渾身の青春サスペンス。
  • 悪魔のコーラス
    3.6
    由緒あるミッション系中学へ転校してきた透花は、母との葛藤を抱えながら、合唱部の異様な活動に呑み込まれていくが―― 大ヒット『御伽の国のみくる』に続く渾身の青春サスペンス。
  • 独白シネマ ―DUSTCELL小説集―
    4.0
    1巻1,397円 (税込)
    DUSTCELLのヒット曲をもとに、MVを手がけた映像作家が贈る感動の長編小説! 荒んだ生活を送る想に、七夕伝説の残る町で奇跡は起こるのか?
  • クロスの行方 ―DUSTCELL小説集―
    -
    1巻1,397円 (税込)
    DUSTCELLの大ヒット曲と響き合う衝撃と感動の小説集! 鮮烈のデビュー曲から、爆発的人気となったCM曲、新曲までをもとにした5話収録。 奥深い世界観が明らかになる公式の物語。
  • 上と外 完結上下巻セット【電子版限定】
    4.0
    1巻1,394円 (税込)
    恩田陸のノンストップエンターテイメント『上と外』上下巻が電子版限定で、合本になって登場! ※本書は、『上と外(上)』『上と外(下)』を1冊にまとめた電子書籍限定の合本版です。 ■『上と外(上)』 両親の離婚で、別れて暮らす元家族が年一度、集う夏休み。中学生の練は妹・千華子、母とともに、考古学者の父がいる中米のG国までやってきた。密林と遺跡と軍事政権の国。すぐさま四人はクーデターに巻き込まれ、避難中のヘリから兄妹が落下、親子は離ればなれに!? 疲労困憊でさまよう二人の身に、異変が……。息もつかせぬ面白さの新装版上巻。 ■『上と外(下)』 千華子を人質にとられ練は、ニコと名乗る少年から危険なマヤの儀式への参加を強制された。それは生死をかけて争う苛酷なレース。刻一刻と過ぎる時間。制限時間まで残りわずか――。しかし、そのとき国全体をさらに揺るがすとんでもないことが起こった。神は二人を見捨てるのか。兄妹は再会できるのか。そして家族は? 緊迫と感動の新装版下巻。
  • パパは塾長さん 父と子の中学受験
    4.3
    1巻1,388円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人生のハードルに立ち向う我が子と過した体験を学校選び、勉強方法など、ハウツーのデータも揃えて綴ったベストセラー。五年後、我が子の成長と受験勉強の意味を問い直す待望の増補版!
  • 愛の行方
    4.0
    1巻1,388円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 あの政治の季節、なぜ若者たちは革命へと飛び込んでいったのか。運命の女に出会い、破滅に魅せられていく二人の青年。爆弾闘争を通じ、過ぎゆかぬ痛みと愛の形を問う渾身の青春小説。
  • 椿説弓張月5
    NEW
    -
    絶体絶命の危機を脱出した為朝と寧王女は巴麻島へと渡り、神仙の導きで舜天丸と家来の紀平治と再会する。また鶴と亀は因縁の敵である託女、阿公を天孫廟で討ちとる。こうして為朝と舜天丸はふたたび首里を攻めて曚雲と雌雄を決する。その後為朝は八頭山にのぼって神仙と出会い、また残った舜天丸はついに琉球王となる。登場人物それぞれの因縁、生前と死後のことなどがすべて明かされる最終巻。全5巻完結!
  • 北国の片隅で
    NEW
    -
    1巻1,386円 (税込)
    終戦後、樺太引揚者の両親のもと、自然豊かな北海道の富良野・麓郷で育った少年は、受験の失敗や父の死など、様々な苦労を経て教員となった。教員としての苦悩や社会経験、家族との絆を通じて、主人公の波乱の半生を綴る成長物語。戦後の歴史的背景、政治や社会問題への考察、平和への願いなど、主人公の人生を通じて社会の変遷と課題も見つめている。
  • ガラス細工のショパン
    -
    1巻1,386円 (税込)
    すずが健一郎から戦場の話を聞いたのはこれが初めてだった。「そして覚悟を決めた時、声が聞こえたんです。とにかく走れ、日本に帰る為に走れと。その声はすずさん、あなたの声でした。その時はっきり気づいたんです、自分の本当の気持ちを。もう一度あなたに会いたい、いやあなたに会う為に必ず日本に帰るのだと」「西崎様」健一郎の言葉にすずはそれ以上かける言葉が見つからなかった。
  • 人生いまだ殻の中
    -
    1巻1,386円 (税込)
    藤沢幸吉は高校卒業後、両親が営む農業を手伝っていたが、友人の多くが都会へ出てしまい、自身の将来について悩んでいた。思案の末、電子専門学校に入学、新たな日々が始まった──。授業の難しさや友人との交流、工場でのアルバイト、そして学校事務員・島崎への淡い恋など、多彩なエピソードを通して、青春期の葛藤や希望を描く、どこか懐かしさを感じさせる青春物語。
  • 過去が追いかけてくる
    -
    1巻1,386円 (税込)
    歳を重ねると誰もが過去に思いを馳せるようになります。人生の岐路で下した決断の後悔、別れた異性への秘めた思い、屈託のない青春時代の思い出などが脳裏を過ります。そんな過去と向き合い、残り少ない人生に向かって力強く一歩を踏み出そうとする主人公。“心に染みる短編集”です。若い人にもこの気持ち、分かる日が来るはずです……。
  • 鎌近 一九八四-一九八六 〈作品一〉
    -
    1巻1,386円 (税込)
    美術館に転勤となった事務員の潮田。初仕事となる「ドイツ表現派展」の開幕は、着任の5日後に迫っていた──。1984年から1986年にかけての神奈川県立近代美術館(鎌近)での展覧会準備や運営、職員の日常を、主人公・潮田了二の視点で描く。展覧会の盛況と個人の葛藤、成長が交錯し、来館者にとっては静謐な美術館の舞台裏、リアルな現場の様子と人間模様が描かれる。
  • 屍の街・夕凪の街と人と
    4.0
    1巻1,386円 (税込)
    「いつかは書かなくてはならないね.これを見た作家の責任だもの」広島で被爆した大田洋子(1903-63)は,その体験をもとに原爆を告発する作品を多数著した.人や街が屍と化した原爆投下直後の惨状を記した『屍の街』,原爆に人生を壊され戦後八年を経てなお苦しむ人々を描いた『夕凪の街と人と』を収める.解説=江刺昭子

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  • ラバウルで待っていて
    -
    1巻1,386円 (税込)
    大学浪人中の翔は、太平洋戦争時に零戦隊員だった祖父の雄太から、当時世話になった上官と学徒士官の知り合いを探してほしいと頼まれる。戦争によって志半ばで散っていった若者たちのことを知り、なんとなく大学を目指していた翔の気持ちにも変化が……。ニューヨーク、東京、ラバウル、広島。時代を超えて思いは受け継がれる。史実を基に描くファンタジーロマン。
  • シバの女王と12チャンネルの怒れる男たち
    -
    1巻1,386円 (税込)
    スマホもネットもない、テレビが「主役」のあの時代。杉山雅人が入社したのは、弱小テレビ局「関東12チャンネル」だった。「個性の塊」とも言うべき先輩の姿を追いながら、他局に負けないコンテンツ作りに苦闘する雅人。そして巻き込まれた「事件」に、弱小局はどうやって巨大テレビ局に立ち向かったのか? テレビも歌謡曲もキラキラしていた昭和の1ページを、実話を基に描いた小説。
  • 月の雪路 不適切な今日子と不機嫌な黒桃
    -
    1巻1,386円 (税込)
    東京から城下町雪路に移り住んできた雅子。彼女がふと入った老舗寿司店で出会ったのは、若き女性寿司職人今日子と、その恋人の黒桃だった。二人の先進的な考え方に触発された雅子は、今日子の夢である実家の『月寿司』を継ぐこと、黒桃と家族になること、の実現のために協力することになるが……。より拓けた未来を模索する二人と、それを支える周囲の人々をスタイリッシュに描いた一冊。
  • 自虐伝「死ぬまで生きたい」 ─昭和編
    -
    1巻1,386円 (税込)
    「渉は大学を卒業して、本来の『夢や希望』は一旦、大切な記憶の箱の中にしまい、現実を直視せざるを得なくなった。当時の就職戦線はそれほど過酷だった。渉が就職した1977年の翌年から、一変して大手企業が一般公募を再開すると分かっていたら──」。主人公・七海渉が昭和という激動の時代に揉まれながら成長していく様子を描いた小説作品。
  • 時の代に抱かれて
    -
    1巻1,386円 (税込)
    元小学校校長の短編小説集。天皇に対する当時の農民の見方を記した「昭和天皇の仙台巡幸記」。戦中・戦後の朝鮮人への民族・人種差別、そして現代のいじめを描く「椿の木の下で」。社会党委員長・浅沼稲次郎の刺殺の瞬間に近づいていく少年と、東北の街で暮らす、同じく十七歳の少年を描く「瞬殺の秋(とき)」。「風樹」は3・11の東日本大地震の自然災害を扱う。
  • フィルハーモニア東都物語 ここに泉あり21
    -
    1巻1,386円 (税込)
    日本の地方都市における最初のプロフェッショナル・オーケストラである群馬交響楽団の約十年にわたる活動を描いた、今井正監督の名作映画『ここに泉あり』への限りないオマージュをこめて……。メセナ活動に情熱を燃やし、芸術文化活動を守り継承する大切さを熟知する著者が、舞台を21世紀の東京に移し、音楽の泉を掘り清らかな水を湧き出させる人々を描いた長編小説(装画/雨田光弘)。
  • あの事件を乗り越えて今がある 高志と佳世の歩み
    -
    1巻1,386円 (税込)
    それぞれ家庭に悩みを抱える幼なじみの高志と佳世。仲の良い高校生の二人が進路の選択という岐路に立たされているさなか、事件は起きる。被害者家族と加害者家族という関係に置かれた二人が、彼らを取り巻く人々の再起を促す応援の声にこたえ、諦めずに生きていく姿を描いた物語。思い描いていた未来とは違っていても、身の丈に合った生き方に幸せが訪れると教えてくれる。
  • 歯軋り 楕円と四角形
    -
    1巻1,386円 (税込)
    民間人校長は教員にとって「敵」なのか──。ビジネスの世界から教育界へ、そこは特殊な理論がまかり通る保守王国だった。理想と現実が相対するヒューマンドラマ。「理事長室に小寺鳳子の来訪を受けた。『ご心配とご不安をおかけしています。不徳の致すところです』小寺鳳子の左指に光る大きな瑠璃色の瑪瑙の指輪が、純平に睨みを利かせているように思えた」(本文抜粋)
  • 脱福祉国家 ~福祉国家やめます~
    -
    1巻1,386円 (税込)
    203X年、福祉政策を重要視した結果、労働力と生産力が低下し、日本経済は財政破綻。そんなとき、自らの政策を推進すべく日本から独立した「ダンカイ日本」の建国を宣言する人物がいた。福祉か自己責任か、団塊世代か若者か、何が正しいのか。何を守ろうとしているのか。政治の裏側、メディアと政治の関係、宗教との癒着、未来の日本のリアルを描く政治エンターテインメント小説。
  • 日本の妖怪たち 妖怪出現略年表・妖怪分布地図付
    -
    妖怪とは人間にとってどのような存在なのか――。歴史、風俗、伝説にあらわれ、日本人の心に明滅した妖怪の諸相を生き生きと描く。妖怪出現年表・妖怪分布地図附!
  • 下垣内教授の江戸
    値引きあり
    3.7
    1巻1,386円 (税込)
    ほんとうに人を斬ったのか──幕末から戦前までを駆け抜けた、日本美術家の生涯。近代美術のすごみが横たわる圧巻の長篇時代小説! 東京美術学校の発足に携わり、帝国博物館でも要職を務めるなど、「日本美術」の目利きと称された下垣内邦雄が、関東大震災、金融恐慌、世界恐慌に襲われたあとの1931年、歴史の大きなうねりの中で亡くなった。思い起こされるのは、ある新聞記者による4年前の単独取材だった。美術に関する意図とおりの質問のあと、下垣内教授は自らの半生について語り始める。「俺は人を斬ろうとしたことがあるんだよ」。凡百の出世物語とは似ても似つかぬ、幕末活劇とはまったくちがう話に、記者はかっさらわれたのだった……。
  • メロディアス~異形コレクションLVIII~
    5.0
    〈音〉や〈音楽〉をモチーフに異形な物語を集めた15篇を収録。読者の皆様を《世にも異形》でメロディアスな世界にご招待! 全篇書下ろしシリーズ、58作目。〈収録作家〉阿泉来堂 井上雅彦 空木春宵 坂崎かおる 澤村伊智 篠たまき 斜線堂有紀 田中啓文 梨 西崎憲 久永実木彦 平山夢明 宮澤伊織 木犀あこ 芦花公園
  • 診療所の大事件
    -
    1巻1,386円 (税込)
    命と健康を守るために日々奮闘すべき、神聖な職業であるはずの「医師」の中に紛れ込んだ、仲尾琢磨医師による数々の奇怪な「大事件」。そんな医師がいるとも知らずに、診療所に赴任した山口アキラ医師が事件解決に奔走する、あまりにも「喜劇的」な物語。医療業界の「アナザーフェイス」。偏差値の高い医師が、必ずしも「有能で親切な医師」というわけではないことが分かります。
  • 彼岸の家
    -
    1巻1,386円 (税込)
    昭和から平成に変わる頃、新宿上落合で畳屋を営んでいた孝平と妻の志津は、三人の娘が嫁いで二人暮らし。孝平の提案で、娘たちは婿を連れて新年と初午、秋祭りに孝平の家に集まるのが長い間の慣例であった。やがて志津、そして孝平が年を重ねて徐々に衰えていき、時代の流れとともに、一家の姿は静かに変わっていく。新婚夫婦の日常を描いた『待つということ』を含む二編を収録。
  • フラミンゴのピンクの羽
    -
    1巻1,386円 (税込)
    閉店間際に1個のエクレアを求める老女の秘められた過去に主人公の女子高校生が思いを重ねる「フラミンゴのピンクの羽」、菓子箱に入っていたものは──沖縄を訪れた女性がかつての恋人とその父親との断絶を解消していく「菓子箱」など5作品を収録。戦争、アメリカ支配、本土への夢……苦難の歴史を背景に沖縄に生きる人々を描きながら、沖縄の戦後史と現代の青春を結んだ短編小説集。
  • 議会の正義
    -
    1巻1,386円 (税込)
    すべての国民から責任のある仕事を負託された象徴である「議員バッジ」。しかし、人々のために無心で仕事をする覚悟のない議員は、果たしてバッジをつける資格があるのだろうか。元地方議員が赤裸々に語る、選挙、政治を巡って繰り広げられる衝撃の問題作。「正義を重んじる地方議会が、日本国中に伝染すればいい」と、よりよき政治を目指そうとする地方議員がどれほどいるのだろうか。
  • 大田南畝 江戸に狂歌の花咲かす
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    天明期、江戸で狂歌が大流行した。狂歌とは、五七五七七の形式に載せて滑稽な歌を詠む文芸である。ブームの仕掛け人・大田南畝の昂揚感のある狂歌は多くの人を惹きつけ、誰もが気軽に参加できるその狂歌会は流行の発信源となった。楽しい江戸のまちの太鼓持ち「狂歌師」という役どころは、いかにして人びとを魅了したのか。平賀源内や山東京伝にも一目置かれ、蔦屋重三郎の良き助言者であった大田南畝の人物像がわかる決定版。
  • 大きな玉ねぎの下で
    4.0
    1巻1,386円 (税込)
    今夜、武道館で。切なく響く約束の物語。 80年代。小田原の高校で放送部に所属する虎太郎は、部長の大樹がFM雑誌の文通コーナーに気まぐれで募集をかけた高校生・今日子との文通の代筆を頼まれる。お互いの写真交換をしてテンションのあがる大樹に、書道二段の虎太郎は断れなかった。まわりで話せない好きなハードロックの話でしだいに盛り上がるふたり。やがて、虎太郎は今日子に好意を抱くようになっていた。 現代。都内の美大に通う美優は、卒論制作に気持ちを傾けることが難しくなっていた。まわりのレベルの高さと自分を比べてしまい、心の支えになっていたはずの恋人の彰も社会人になり、距離を感じる日々が続いていたのだ。そんな美優は、あるラジオ番組に耳を傾け続けていた。 映画『大きな玉ねぎの下で』ストーリー原案者が贈る、もうひとつの約束の物語。 (底本 2024年8月発売作品)
  • シャガールに恋して
    -
    1巻1,386円 (税込)
    マルク・シャガールの作品が好きな「私」が偶然出会った彼は画家の卵だった。その彼との語らいやさまざまな出来事は、本当に「私」自身の体験なのか、それとも……。「真実の愛」とは何か、というテーマをシャガールの作品と重ね合わせた展開は、複層的で重厚な物語を生み出した。理由もなく人が惹かれ合うことや、ありのままの自分を受け入れることの意味を考えさせられる。
  • 小鳥は鷹に包まれて
    -
    1巻1,386円 (税込)
    縁というのは、本当に不思議なものである。「そーでもないぞ、さすがに、このたびは新しい家族を、二組も作ったんでな、疲れたぞい、しばらく骨休めじゃ」と、どこかから聞こえたような、風の音のような……(本文より)。両親を失った孤独のなかで、精神的な病を抱えるコトリは、精神科医の鷹山と受付の安子に支えられ、「カウンセラー」という仕事を通して、自分の居場所を見出していく。
  • ピロロポリルンッ
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    1巻1,386円 (税込)
    眞気澤恭弥は、16年間勤務した市役所を辞めて半年、引きこもり同然の生活をしていた。しかし、たまたまテレビのキャンプ場中継を見たことをきっかけに、久しぶりにキャンプに行ってみようと思い立った。そして、訪れた湖畔のキャンプ場で出会った謎めいた老人に、どんな願いも叶う呪文を伝授されるが……。不思議な呪文に翻弄される恭弥が遭遇する事件や、ロマンスを描く。
  • 世に出る前
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    1巻1,386円 (税込)
    昭和40年、富山で小さな時計店を営む家に生まれ、病弱ながらも野球に熱中した小学生時代。中学・高校ではレギュラーではなかったが懸命に野球を続けた。新聞奨学生として大学に進学し、ひそかな野望であった小説家になることを志して文芸部に入部。そして大学卒業後は出版社に就職──。自身の体験を下敷きに、少年時代、青年時代の夢とときめき、葛藤と挫折、出会いと別れなどを描いた小説。
  • (百花繚乱)暇人クラブ ふぁいなる ~地底の太陽とビリケンさん之巻~
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    1巻1,386円 (税込)
    「馨子から初代ビリケン、TARO君から『地底の太陽』と、立て続けに捜索依頼を受け、一週間余り経った。僕たちは連日、ここ大阪新世界のド真ん中、通天閣下の雑居ビルにある、『イマジンクラブ』のオフィスで額を突き合わせている」(本文より)。行方不明のふたつのお宝を探し出すミッションを任された「暇人クラブ」の面々は、二手に分かれて捜索を開始する。

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