国内小説作品一覧
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-〔本文より〕 初めて会って以来一途に思い続け、一時も由布子のことが心から離れなかった…。 〈男子みんなが憧れているあの高嶺の花の由布子が、あのお姫様が、何と、この自分を本当に思っていてくれている。ああ、こんな幸せ、本当にあるのだろうか? 夢ではないだろうか?〉 足が地から浮き上がり、のぼせ上がって有頂天に…。自分のために世界がある…。もう何も怖いものは無い。何でも出来るような不思議な力が湧いてくる。…美しいヒロインを恋人に持つ映画の主人公になったような気分でもある。 どんな言葉を使っても表現し尽くせない心情。決して大袈裟ではない。 こんな満ち足りた幸せが訪れ…高揚する気分になれることも人生にはあるものなのだ…しかも教室で…授業中に…こんな気持ちになれるなんて…学校へ行くのがこれほど楽しいとは…。 晶彦は生まれて初めて、天にも舞い上がるような幸せ感に包まれた。そして、いつまでもこんな気持ちでいられたら…と、祈る思いである。 (中略) 恋うひとに 思われている 幸夢心 (中略) 駅に近付いて、晶彦はハッと一人の女子学生の姿に心を奪われ、視線が彼女を追った。その姿はうららかな陽光を浴びて、人混みとともに駅の中へと消えて行った。晶彦は視線を逸らさず、ただその場に佇んでいた。 出張のことで頭がいっぱいで、一時潜んでいた由布子の存在が、ひょっこり晶彦の心に戻って来た。あの笑顔、明るい声、仕草、そして、教室での彼女など、数々のシーンが、次々と輝き始め、あの至福のステージが蘇ってきたのである。 「どうなさったのですか」 肩を叩く優しい女性の声が聞こえた。 「いえ、何も」 そう応えたものの、同じ所に佇んだまま思いの外、時間は経過していて、目は涙で潤んでいた。最高に幸せな思い出は、最高の辛さにも変わるのである。 いつしか新幹線の窓際のシートに座っていた。晶彦は顔を窓の方を向けている。涙が溢れ出て止まらない。晶彦はまだ、あの至福のステージの中にいた。由布子は咲き始めた花のように、瑞々しいまま微笑んでいる。しかし現実の晶彦の側に、彼女はいないのだ。 髪がたや 似た後ろ影 心を突き なお治まらぬ 鼓動… と、まで詠んだ。しかし、後が定まらない。 悲しくて、切なくて、そして、儚く、空しい思いが入り乱れ、愛しさが止めどなく込み上げてきて、渦を巻いているのである。
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-スキー場の山荘はオイルショックのため未完成で、内外装はおろか床は土のまま木くずが散乱している。そんな中で男女は出会い、二人は楽しみを見つけ、正月休みを過ごす。男は大阪、女は名古屋。付き合ううち恋人の親が経営する会社や家が窮地に陥り、男は全てを捨て名古屋に駆けつける。命を賭け、恋人のため会社の再生に尽くす。会社再生後、恋人の兄に会社を託して一人会社を去り自分の道へ進んでいくが、無理を重ねた男は病に倒れ、人生は思わぬ展開へ…。 〔本文より〕 姫が勘助を困らせることをしても、無理を言っても、温かく見守って、報われるあてのない愛をますます募らせてゆく…。 「女性の美しさは、時には男の魂を変えてしまう悩力を持っているんやな…“のう”は悩む方の…勘助のあのような愛し方も何だか切なく…ロマンが溢れていて…由布姫の美しさとともに印象に残っているのです。ま、これらの内容は、僕の欲求的想像も手伝って、作品よりドラマチックに記憶している感も強いですが…」 「でも、あなたも由布姫さまに恋しているみたい…私、何だか嫉妬している気分」 (中略) 「写真を撮る人は今のうちに撮っておいて下さい。明日は早立ちします。槍や穂高も朝は日陰になってシルエットだけになりますから…それから、山の名称は左から、西鎌尾根、槍ヶ岳、中岳、南岳、大キレット、北穂高岳、唐沢岳、奧穂高岳、西穂高岳…」 指を差しながら美紀は細かく説明してから、付け加えた。 「ここからは見えませんが、槍ヶ岳の北側には急峻な北鎌尾根、東側には東鎌尾根が有ります…上高地は西穂高岳の山向こうの丁度この方向です」 この時、太陽はほぼ南南西にあって、突き上がった槍の穂先や連山の稜線から続いている数々の尾根、谷、沢のヒダは、色々な陰影を作り、見事な立体感を醸し出しながら急峻な深い谷へ落ち込んでいる。しかし穂高連峰と鏡平の間には標高約二四四〇 メートルの奧丸山や中崎尾根があるので谷底までは見えない。 幸いにも空は青く、稜線との対比も美しい。この連山の稜線や山肌は、大小の岩がむき出しで、大きな起伏が多い。丸みの少ない鋭い岩肌は北アルプスの特徴で、険しい雄姿を誇示し、とりわけ大キレットや北穂高岳はより急峻に見える。ともかく雄大である。
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4.0今日は食べます?仕事を終えて、気持ちよく美味しい晩飯を食べよう。芦屋の古い一軒家に暮らす眼科医の遠峯、そこに転がり込んできた高校時代の後輩・白石。小説家になっていた白石は、スランプだという。気分転換しに来ましたという彼と突然始まった同居は、なかなかに快適で……。事情説明の焼肉、男飯な弁当のみそ炒り卵、誕生日祝いで前菜がメインな中華コース、脱稿明けの分厚いハムとふわふわ卵の贅沢サンドイッチ、コロッケが乗った遠峯の「理想のカレー」、気分転換の単調作業で白菜と豚肉のミルフィーユ鍋、遠峯の帰省土産ジンギスカン、白石の人生初フォアグラ様、そうそう、甘党の遠峯はデザートも欠かせない。くりきんとんにモンブラン、クリームパンに桜餅──。ご飯が美味しければ、一年なんてあっという間。椹野先生のお気に入りがいっぱい! 美味しい歳時記。
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3.05分27秒の楽曲が7万7千の文字に転成! スネオヘアーによる書き下ろし小説『カナシミ』 これまでに多数のアルバムを発表してきた傍ら、YUKIさん、新垣結衣さん、坂本真綾さんらへの楽曲提供やサウンド・プロデュース、サントラ/CM音楽の制作や映画出演などでも幅広く活躍中のスネオヘアーさん。彼が、自らの代表曲「悲しみロックフェスティバル」をもとにして小説を書き下ろしました。5分27秒の楽曲が、心に染みる泣き笑いの7万7千字に転成したのです。 ◎内容紹介 大学の卒業式を目前に控えた時期、田辺高次は東京に引越してきました。音楽での成功をなんとなく夢見ていますが、これといった活動をしないまま、怠惰な日々を送ります。そんな時に現れたのがカナシミです。高次を導くかのように、あるいはもてあそぶかのように、カナシミは自在に振る舞います。高次はカナシミに反発しつつも、やがて惹かれていくのですが……。
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3.0【NHKオーディオドラマ FMシアター「光点」、2019年1月5日 午後10時~全1回放送!出演:石井杏奈、森口瑤子ほか】汚れた手で彼に触った、どうしたいのかもわからないまま。工場しかない閉じられた町で暮らす実以子。中学を卒業して以来、手帳に職場の弁当工場にいく時間を記すだけの日々。自宅では母親が実以子の持ち帰るにおいに顔をしかめて、娘を追いつめる。「結局あんたみたいなのが、人に迷惑かけても顔色変えずに生きられるのよね」(本文より)。ある日実以子は「八つ山」と呼ばれる裏山で、カムトと名乗る青年と出会う。二人は共に時間を過ごすようになり、それは行き場のない者どうしのささやかな交流であったはずが……。母のいらだち、父の無関心、遠ざけられた現実――。不穏な日常をふりきり、二人が求めた光点とは。第41回すばる文学賞受賞作。
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-美術大学の写真学科に通う僕は、映像学科の少し変わった女の子、小夜と出会う。彼女はなぜか、限られた人としか仲良くなろうとしない。撮ることは好きなのに、自分が撮られることは頑なに嫌がる。まるで、自分の記録が残ることを恐れるかのように。避けられていると感じながらも、僕はきみに惹かれていく。きみも、少しずつ心を開いてくれるように思えた。しかし告白した僕に、きみは言った――「誕生日まで、待って」。その時はまだ、きみが抱えている秘密を、僕は知らなかった。5つの質問が、きみを殺さなければいけないテストになるなんて、僕は知らなかった。『小説家になろう』で連載、人気を博した号泣必至のピュアラブストーリー。
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3.8叶えよ。 吾が身をもって、 吾が血をもって。 叶えよ。 叶えよ。 叶えよ――。 化生の血を引く、稀代の陰陽師―安倍晴明。 ある日、宮腹の中納言と呼ばれる帝の血を引く貴族から、禁域の沼で瀕死の状態で見つかった息子を助けて欲しいと依頼がくる。 「夢に出てきた不動明王が、安倍晴明に助けを乞えと告げた」という中納言の言葉をいぶかしむ晴明の前に、禁域の沼の主・みずちが現れ!? 辺り一面を埋め尽くす屍――そこに数多の命が在ったことすら、消えていく。 命尽きるその時、「それら」はいったい何を望んだのか。 その願いとは。その願いを聞き届ける者は、誰なのか――。 新説・安倍晴明伝第5弾!
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3.5【第157回芥川龍之介賞候補作】“四歳の私は、世界には二つのことばがあると思っていた。ひとつは、おうちの中だけで喋ることば。もうひとつが、おうちの外でも通じることば。”台湾人の母と日本人の父の間に生まれ、幼いころから日本で育った琴子は、高校卒業後、中国語(普通語)を勉強するため留学を決意する。そして上海の語学学校で、同じく台湾×日本のハーフである嘉玲、両親ともに中国人で日本で生まれ育った舜哉と出会う。「母語」とはなにか、「国境」とはなにか、三人はそれぞれ悩みながら友情を深めていくが――。日本、台湾、中国、複数の国の間で、自らのことばを模索する若者たちの姿を鮮やかに描き出す青春小説。
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3.5ハレー彗星は、宇宙をめぐり76年毎に地球へ接近して、その雄大で美しく、そして威厳のある姿を人々の前に現わします。 小説の舞台は、1910年、1933年、1986年。 そして2061年。 1910年、1986年、ハレー彗星の出現とともに恋が始まります。 1910年、天文台で出会った不思議で美しい女性、晴海。売れない小説家志望の國善。 ふとしたキッカケで麻布にある天文台で出会い、惹かれあい、すれ違う二人。 なかなか進まない晴海にかくされた謎を感じ始める國善。 時代は流れ1933年、1986年、そして次にハレー彗星が地球に接近する2061年。 晴海の謎が解かれ、再び想いが時代を超えてつながる予感が…。 ※月刊誌「月刊天文ガイド」初の連載小説「麻布ハレー」に加筆し、書籍化したものです
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4.0【第40回すばる文学賞受賞作】千景とまゆ子。高校の同級生である二人は、10年ぶりに偶然再会し、思いがけず一緒に暮らし始める。薬剤師の千景は、とある男との逢瀬を重ねながらも、定年退職した大学の恩師「先生」に心を寄せている。叔母のスナックでアルバイトをするまゆ子は、突然家に尋ねてきた「先生」の孫とカタツムリの飼育を巡り交流を深めつつ、千景をそっと見守る。すれ違いの生活ながら、長く離れていた二人の距離は徐々に縮まっていく。そんな中、高校時代の友人の結婚式が近づき、二人はかつての自分たちの深い関係と秘密とに改めて向き合うことになる。そして……? 一番近くにいるのに、わかり合えない二人。なのにもかかわらず、寄り添う二人。愛と性、心と体の狭間で揺れ動く孤独な心象風景を、瑞々しい文体で描き出す。
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5.0魚屋のおじさんに追われて飛び乗った長距離トラックで、大都会東京に運ばれてしまった子猫のルドルフ。そこで出会ったのは、大きなボス猫・イッパイアッテナ。町でもっとも恐れられているイッパイアッテナは、ひとりぼっちのルドルフに、のら猫として生きていくすべを教えます。しかし、そのイッパイアッテナにもなにか秘密があるようで……。はたしてルドルフは大好きな飼い主の元に戻ることができるでしょうか!?※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
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-プロレス、鮎釣り、そして棋士。それらの王道を歩めなかった男たちはどのような顔をして道を歩くのか。 さまざまな感情を押し隠した男たちの横顔を描く短編小説アンソロジー。 【目次】 真剣勝負・シュート(『仕事師たちの哀歌』より) 暗烏(『鮎師』より) 拳屋・ナックルビジネス(『仕事師たちの哀歌』より) 銀狼(『風果つる街』より) 夕映(『鮎師』より) 私怨(『餓狼伝I』第二章より) 浮熊(『風果つる街』より) 解説 大倉貴之 初出データ 【著者プロフィール】 1951年、神奈川県小田原市生まれ。77年に作家デビュー後、“キマイラ・吼”“魔獣狩り”“闇狩り師”“陰陽師”シリーズ等人気作品を発表し、今日に至る。 89年『上弦の月を喰べる獅子』で、第10回日本SF大賞を、98年『神々の山嶺』で第11回柴田錬三郎賞を受賞。日本SF作家クラブ会員
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4.0妖アパファンから、是非読みたいリクエストが多かった稲葉夕士の世界旅行。その過酷でファンタスティックな日々が、ここに明らかになります。古本屋と一緒の世界旅行の途中で、ラスベガスに立ち寄った稲葉夕士。そこに住む、千晶先生の兄・恵のところにお世話になることになったのだが・・・。さらに、妖アパミニガイド&るり子さんのお料理日記も収録の3冊合本版。妖アパの魅力が、とことん味わえます。
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5.0愛、夢、金・・・何かを売るには何かを失わなければならないのでしょうか?映画、舞台、ドラマで活躍する脚本家・小説家のオリジナルの青春小説が登場! 「ぽちょん。恋に落ちる音が聞こえた。」 地方の大学を卒業後、映画監督を夢見て上京、映像制作の専門学校に入ったが、自分の撮りたいものが何か分からないままでいる学生、拓郎。 ある日、置き忘れられていたアイディアノートを見て衝撃を受ける。そのノートの持ち主は、「やばいバイト」をしていると噂されクラスの中でも距離を置かれている学生、花音。 その彼女の左腕には、顔のない「星の王子さま」のタトゥーがあった。 花音への恋に落ちた拓郎は、ベテランの映画監督の話にも触発され「映画を撮りたい」と創作意欲が湧き上がる。 そして、ある日、花音を呼び出した拓郎は… 夢に、仕事に、そして恋に、揺れ動きながら時は流れ、やがて この恋に終わりはないのかもしれない。
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3.9※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 両親の離婚により転校することになった音和。野川の近くで、彼と父との二人暮らしがはじまる。新しい中学校で新聞部に入った音和は、伝書鳩を育てる仲間たちと出逢う。そこで変わり者の教師・河合の言葉に刺激された音和は、鳥の目で見た世界を意識するようになり…。ほんとうに大切な風景は、自分でつくりだすものなんだ。もし鳥の目で世界を見ることが、かなうなら…伝書鳩を育てる少年たちの感動の物語。
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4.0詩人兼絵本作家と若年性認知症の画家が、 一人の女性をめぐり繰り広げる、遅れてきた青春――。 詩人で絵本作家の笹原、画家の石黒、40代後半の美しい珠代という名の女性の三角関係を描く長篇小説です。 笹原は編集者に紹介され石黒と出会います。 二人はたまたま中学の同級生であると分かり距離が縮まっていきます。 石黒は愛想は極めて悪いが憎めない魅力的な男です。 一冊の絵本を一緒に仕上げますが、その後、石黒は突然仕事をすべてやめてしまった。 石黒は若年性アルツハイマーを病んでいるのでした。 そして、ナックルボールを投げることだけに異常に執着します。 ナックルボールを仲立ちにして、マドンナたる珠代に出会った二人は、まったく違ったように仲良くなるのでした。 笹原はじりじりしながら友人と珠代の間を行き来しますが、ある日石黒は失踪してしまい、笹原と珠代は必死で石黒を探し始めるのでした。 中年男女三人に遅れてやってきた青春を描く、さわやかで感動的なドラマです。
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-秘剣をあやつる18歳の少女が、やくざの親分に、殺し屋に、渾身の一撃を見舞う! 松本清張賞作家が描く、痛快アクション・コメディ 十八歳の若さで鷹月流剣術第三十二代当主となった鷹月つぶらは、かつての兄弟子、桜庭廉を探すため、山形から上京する。東京・原宿で偶然知り合った有村依子と、代々木に住む叔父の鷹月賢秀を訪ね、廉の居場所を訊くが、「お前は、廉と関わるな」と言われてしまう。「あの者とお前は、とうに道を違えてしまった」と。その後、依子が、やくざの事務所に拉致されてしまう。それを知ったつぶらは、依子の救出に駆けつけ、“光る刀”を武器に、やくざ者を次々に倒していく。本人も知らぬ間に、彼女は極道の抗争に巻き込まれていたのだった――。
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-【カルロス・ゴーン、衝撃の脱走後、初の著書】 日産の問題は、日本の問題。 カルロス・ゴーン事件が投げかけたのは、実は日本企業の本質を深く抉ったものだった。 日本の本質的な問題は太平洋戦争のときから何も変わっていないー。 なぜ日本企業は世界で勝てないのか? なぜ同盟関係は壊れてしまったのか? 本書で明かされる日産の陰謀・人質司法・サディズムな裁判官…。 「地獄にいた私は決行することにした。もし作戦が成功すれば人生を取り戻すことができる」 序章 第1章 一一月一九日 第2章 冷たい地獄のような小菅 第3章 "日本版"モスクワ裁判 第4章 なぜ? 第5章 譲歩 第6章 アライアンスのふたつのビジョン 第7章 龍と舞い、熊と踊る 第8章 アメリカン・ドリーム 第9章 なんとしてもグローバリゼーション 第10章 どうやって世界一になるか? 第11章 人的資本 第12章 偉大な経営者たちの市場 第13章 明日 エピローグ(現在のところは)
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4.3「この国の岐路を、異国に委ねちゃあならねぇ」――黒船来航によって鎖国から開国へと急展開した幕末。江戸に呼び戻された若者・田辺太一は、幕府が新設した外国局での書物方出役を命ぜられるが、前例のないお役目に四苦八苦。攘夷を叫ぶ世間からは非難され、上役の水野忠徳は気難しい。朝廷が反対する日米修好通商条約を勅許を待たず締結したため、おさまりを知らぬ攘夷熱と老獪な欧米列強の開港圧力という、かつてない内憂外患を前に、国を開く交渉では幕閣の腰が定まらない。そんな中、鼻っ柱の強い太一は、強腰の異人たちと渡り合ってゆく――。史実を背景に日本外交の幕開けを描く長編。
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-【第1回ハナショウブ小説賞 長編部門大賞受賞作品】負け組だと思っていた、ずっと。元介護士の著者が描く、新米介護士の葛藤と成長の物語。 就職活動が難航し、やむなく有料老人ホームで介護士として働くことになった大石正人。介護の仕事に意義を見出せず退職を考えるも、今後の転職活動に支障が出ることを恐れ、せめて半年、その間だけの辛抱だと自分に言い聞かせている。 利用者に寄り添う優しい介護士になんてなれないし、なるつもりもない。人気のある職業に就いた友人の話を聞いては劣等感を抱き、今の自分を「負け組」だと卑下する日々が続く。 どうせ半年で辞めるのに。新しい業務を覚えながらもそう考えていた正人は、現場で働く職員たちの姿を見て、とある疑問を抱いた。どうして、この人たちは介護の仕事を選んだのだろうか――。 〈反響続々!〉 この作品を読んで、介護の可能性、未来を信じたい気持ちになった。(深谷 守さん/テレビ東京プロデューサー) 介護業界に興味を持っている人に勧めたい一冊。もしくは就職活動をする前の学生にもお勧めしたい!(フラノさん/レビュアー) 大石は悩み抜きいったいどんな結論をだすのか。介護に必要なこととはいったい何なのか。どれだけきつくても、私は底辺の仕事だとは思わない。(あおいさん/レビュアー) 【目次】 CARE1 俺の仕事は◯◯ CARE2 介護職なんて底辺でしょ? CARE3 尊厳の保持が私の使命 CARE4 人生に、彩りを添えて CARE5 求める人が、いるのなら エピローグ 【著者】 小原瑞樹 1991年生まれ。京都市出身。元介護士。2023年に『ハートレス・ケア』(旧題:Why do you care?)が第1回ハナショウブ小説賞 長編部門大賞を受賞。
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5.0※本書は『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 前編』 『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 後編』を収録した合本版です。 北宇治高校吹奏楽部の活躍を描いた、人気青春小説シリーズ! 久美子たちは三年生となり、部長=黄前久美子、副部長=塚本秀一、 ドラムメジャー=高坂麗奈の新体制で新・北宇治高校吹奏楽部は始動する。 またもや少々クセのある新入部員に加え、今年は強豪・清良女子からの転入生である 三年生のユーフォニアム奏者、黒江真由が入部したことにより、部内にまたもや波乱が巻き起こる。 はたして久美子たちは悲願の「全国大会金賞」を成し遂げることができるのか……?
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-心を揺さぶる5つの寓話 この世界はすこし切なくて、不思議で、あたたかい。 子どもから大人まで世代を超えて楽しめる、珠玉の短編小説集。 おしゃべりがうまくできずに学校に行けないネムは、子犬のジドといつも一緒。 村の人たちは、獲物一匹取ってこないジドのことを「役立たず」といった。 「息子に手がかかるのに、あんな犬までかかえたんじゃ、さぞたいへんだろうよ。」 でも、ジドにはひみつがある。耳を羽のように動かして、空をとぶことができるのだ。 ある日、空とぶ犬のうわさを聞きつけた村の旦那が、ネムの元にやってきて―― 表題作「ネムとジド」ほか、優しく沁みこんでいく全5編の物語。
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-イケメン獣医はスーパーマン!? たぐいまれなるリーダーシップで、”人も動物も癒す動物病院”を形にしていく「メグ先生」。 彼を中心に巻き起こる日常を、軽快に描いたエンタメ小説。 大学生のあたし・あやがバイトしている中華料理店「久松」に、毎日六時に現れるイケメン・メグ先生。彼はご近所の動物病院の院長で、ドッグランもあるマンションのオーナーさん! 学生時代の仲間と理想の動物病院をつくることを目指してずっと頑張ってるんだって。 病院のスタッフさん達、幼なじみやご近所さん、あたしはみんなと仲良くなって、先生のお話をたくさん聞くことになった。 夢を実現させながら、周りの人もどんどん巻き込んで、そしてみんなから感謝されちゃう先生はホントに凄い! 恋人の朱美さんとも良い関係みたいだけど、なんだか最近ちょっと変……?
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-『富山大空襲』1945年8月2日未明 富山市街 全滅 富山の市街地が焼夷弾により焼け野原となったのは、たった80年ほど前のこと。 この悲惨な出来事を風化させてはならぬと、語り部として人々へ訴え続けた一ノ瀬文子。 病に冒された文子が、孫の華音やその教え子たちに、最後に伝えたかった本当の思いとは。 【富山大空襲を語り継ぐ会事務局長 柴田恵美子氏推薦】 軍靴の音が聞こえてくる。 いつも犠牲になるのは、お互いの国民なのに。愚かな為政者達。 戦争は最大・最悪の環境破壊。 78年前、富山大空襲で無念の死を遂げたあの世の犠牲者と戦後も心を痛めてきた体験者達の叫び「二度と繰り返さないで!」 その声を平和しか知らない私達は今こそ他人事ではなく聞く時だ。 蠟燭の灯が消えないうちに……。
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-共に暮らす富生の家の押し入れで偶然見つけてしまった短刀の謎に怯えるやすよ。でも、文壇のドンにそんなこと聞けない…… 「先生とのお待ち合わせは?」 「やすよこちらへおいで――」 青海波 寄する潮の 幾重にも 煌く幸こそ 永かれと 一年後に二人が迎える衝撃の結末とは。
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3.0ギターを手に歌う少女のシンデレラストーリー。 彼女のデビュー・活躍の裏には、1人の男の子の存在があった―― 「私の音楽でだれかを救う『英雄』になりたい」 YOASOBI「夜に駆ける」の原作が生まれた小説・イラスト投稿サイト「monogatary.com」(運営:ソニー・ミュージックエンタテインメント)から、 新たなアーティストが誕生! 「普通がいちばん」をモットーに生きてきた高校3年生の智也。 代わり映えのしない日々を過ごしていたが、ある日の放課後、通学路の土手で、ギターを手に歌うリカに出会った。 リカの歌は、もっと多くの人に聴かれるべきだ。 彼女のために力を尽くす智也だったが――。 青春時代、かけがえのない相手と出会った2人の感動の物語。 「monogatary.com」主催「モノコン2020」優秀作品、待望の書籍化。
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3.0「PSYCHO-PASS Sinners of the System」のノベライズ、上下巻で発売! 劇場公開された「PSYCHO-PASS SS」シリーズのノベライズが発売。上巻はCase.1~2を収録!
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-藤市悠希は、学内でかなり知られた人気者の大学三年生。高校の同級生だった、“かけがえのない存在”である五十嵐麻由美という恋人とも順調で、全てにおいて満足できる日々を過ごしていた。そんな彼が、“理想通りの美しさを誇る”新城麗伽と、“長い黒髪がよく似合う”櫻しおりの新入生二人と出会い、物語が動き出す。一方、歪んだ考えを持つ謎の女性が、悠希を陥れようと静かに忍び寄っていた──。学園を舞台に繰り広げられる、4人が織りなす恋愛模様。そして、その背後で暗躍するミステリアスな謎の女性。一体、この謎の女性は誰なのか? 出会いと別れ、友情と恋愛。いつかは消える、だからこそ美しく輝く青春と、迫り来るミステリーを鮮烈なタッチで描き出す、著者渾身の長編青春小説が、今始まる。
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