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――職人気質の先輩と、芸術家肌の後輩。
性格も能力も正反対のアラサー男子が、“10年前の夢”を叶えることにした。――
椅子作りの才能があるのに、実家のじいちゃんと修理屋をしている徳井。
椅子への情熱を持て余し、大手工房を飛び出して、徳井のもとへやってきた魚住。
違うタイプのふたりが、学生時代の約束にしたがって、小さな工房を始める。
不器用なふたりは、友情でも恋でも仕事でもギクシャク……。
それでも、お互いの能力を誰よりも認め、お互いの存在を誰よりも求めていた。
正反対のふたりだから、かなえられるものがある! 夢を失いかけたふたりが、つまづきながらも、同じ未来に向かって歩き始める。
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Posted by ブクログ
魚住と徳井の関係性にほっこりし、椅子職人という珍しい職業に魅了されているうちに、気づいたら読み終わっていました。椅子ってそんなに買い替えることがなく、当たり前のように毎日使っているため、空間の一部として捉えがちですが、一つの椅子として見ると、座面や背面のデザイン、脚の数など椅子の見た目の面に加えて、誰が座るのか、どこに置くのかなど、相手によって場所によって、適している椅子が異なるんだなということを感じ、今後椅子をみた時、新たな視点で見られるのではないかと思います。あと、魚住がモテると言うのは、何となくわかる気がしました。私も甘えられる徳井が少し羨ましかったです。それぞれの強みを活かして椅子作りを続けていく二人が、いつか虹に座れるように応援したい、そう思わせてくれる温かな物語でした。
Posted by ブクログ
魚住くんの椅子への愛があふれ過ぎていて、たまらなく愛おしい。
あらためて、「椅子っていいな」と思った。
人は常に居場所を求めるものだけれど、その一番小さなスペース、単位?…が椅子なのではないかと思った。
それが、心と体に添う物ならなおさら。
徳井律と、一つ下の魚住光は、10年前、大学の選択科目の木工の授業で知り合った。
卒業後、建築学部だった徳井は住宅メーカーに就職して営業職となり、造形学部だった魚住は老舗の家具工房に弟子入りした。
10年を経て、徳井の故郷で二人は再会。
徳井は年老いた祖父が心配(という名目)で故郷に帰り、そこへ、親方の方針と対立して家具工房を飛び出した魚住が転がり込んできた形だ。
徳井は、魚住の情熱に引きずられる形でオーダー家具の製作に携わっていくが…
芸術家になり損ねた人たちも出てくるが、過去を引きずることはしない。
進藤先生の「建築家はアーティストではない」というのも分かる。
芸術家の作品は、あくまで己のみの嗜好で作られ、その人に属するが、建築と内装はあくまでそこに住う人のためにある。
“民藝運動”の“用の美”に通じるものかもしれない。
この頃気になって読んでいる「手仕事」に関わる作品。
ドロドロは無く、対立や喧嘩も素直な気持ちの吐露で、下心や駆け引きもなく。
あたたかい、木肌の温もりのような作品。
デザインの魚住、技の徳井、二人なら完璧!
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小説・文芸
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