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「カラスの親指」シリーズ 合本版
人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。やがて同居人は増え、5人と1匹に。「他人同士」の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。各々の人生を懸け、彼らが企てた大計画とは? 息もつかせぬ驚愕の逆転劇、そして感動の結末。道尾秀介の真骨頂がここに! 最初の直木賞ノミネート作品、第62回日本推理作家協会賞受賞作品。(『カラスの親指』) 「久々に、派手なペテン仕掛けるぞ」 詐欺師から足を洗い、実演販売士として生きる道を選んだ武沢竹夫に、訳ありの中学生・キョウからとんでもない依頼が。 母親が残酷な詐欺被害にあったのを境に、厳しい現実を生きることになったキョウ。 武沢は彼女を救うため、かつての仲間を再集結、大仕掛けを計画する。(『カエルの小指』) 累計70万部突破の「カラスの親指」シリーズ 合本版 『カラスの親指 by rule of CROW's thumb』『カエルの小指 a murder of crows』 -
烏羽色のふたりシリーズ
【櫻いいよ初の本格ファンタジー小説シリーズ第1巻】明日はいい日になる、世界は素敵だ。――そんなの、嘘だ。中学1年生の少女が迷い込んだのは、異種族とひとが共存する、残酷な世界。 【あらすじ】学校からの帰り道で川に落ちたことをきっかけに、人間とは異なる見た目の“じゃない者”と、いわゆる人間“ひと”が共存する不思議な世界に迷い込んだ、中学1年生の冥(めい)。真っ黒な制服姿で突然現れた冥は「言い伝えにある、この国を滅ぼすカラスだ」と考えられ、この国の王族たちから命を狙われる身になってしまう。一緒に川に流されたはずの双子の弟・涅(くり)の行方を探すべく、冥はこの世界で出会った“じゃない者”たちや、奴隷の少年の助けを借りて世界を旅することになるが……。 【目次】0:それは、終わりのはじまり/1:冥と涅、カラスと蒼衣/2:カラスと奴隷と水の者/3:カラスと“ひと”と“じゃない者”/4:カラスとメイと、これから/0:おわりはもう、はじまっている -
体の中を風が吹く
章子は、ぐうたらな夫と別れ、2人の子供をかかえて働く、婦人記者である。わが子の成長を楽しみに生きる章子にも、女としての心のひもじさに耐えきれぬ夜もあった。彼女には、年下の恋人・省吾がいた。誠実な彼は結婚を迫るが、章子は自分の境遇を負い目として応じられない。愛しあい、逢瀬を重ねながら、章子の心は、かたくなに閉されてしまう。そして、上役の世話で、省吾に若い笹子との縁談が起こるのだが……。年上の女の情熱と哀しみを主題に、定年を迎えた隣りの山崎家、そこに同居する共稼ぎの安川夫妻など、善意をもって生きる人々の生活の哀歓を描く、長編傑作。 -
カラット探偵事務所の事件簿
あなたの頭を悩ます謎をカラッと解決いたします! 浮気調査や信用調査などを扱う普通の私立探偵とは異なり、謎解きだけを専門に扱うカラット探偵事務所。探偵・古谷と助手・井上は毎回事件現場を訪れ、持ち込まれた事件を鮮やかに解決する! ファンとのメールのやりとりから作家の夫の浮気をあぶり出す「卵消失事件」、武家屋敷と呼ばれる豪邸で建物に突き刺さった矢が次々と見つかる「三本の矢」、祖父が作ったという三つの和歌から屋敷内に隠されたお宝を掘り当てる「兎の暗号」、差出人不明の手紙に同封された写真から父の居場所を見つけ出す「別荘写真事件」、団地内に配られた住人の不倫を告発する怪文書の謎を解く「怪文書事件」、古谷と井上の同級生の結婚式で、新婦の父親から風変わりな相談をされる「三つの時計」の6つのファイルを収録。 『イニシエーション・ラブ』『リピート』で大反響を巻き起こした、乾くるみの連作短篇ミステリ。 -
カラフルヒーロー
お城にドラゴン、色とりどりのヒーローが大活躍! 小学3年生の男の子による冒険譚! 小学生ならではの自由でキュートな発想を楽しんでください。 この世界には、やく四つの界があります。 イエロー界、レッド界、ブルー界、悪ま界です。 イエロー界には、イエローヒーローがいます。 イエロー界、レッド界、ブルー界は、すごく仲がよいのです。(本文より) -
カラマーゾフの兄弟
ドストエフスキー作品の謎に最も迫った翻訳者・江川卓による魂の訳業、初文庫化。 大審問官の問い、ゾシマ長老の死…… カラマーゾフ(黒塗)家の一族をめぐる壮大な愛憎劇は、やがて殺人事件へと向かう。(第2巻) カラマーゾフ家の人々の間にさまざまな思惑が入り乱れる中、ついに父フョードルが殺害される。はたして犯人は―(第3巻) 父フョードル殺害事件の裁判が進展する一方で、カラマーゾフの兄弟たちはそれぞれに転機を迎えていた。やがて、あの夜の真相が明らかになる。 彼らは、ロシアは、そして人類の運命は――「現代の予言書」として読み継がれてきた一大叙事詩はついにクライマックスへ!(第4巻)。 ※本コンテンツは、中公文庫『カラマーゾフの兄弟』1~4巻を合本化したものです。 -
カラマーゾフの兄弟
フョードル・カラマーゾフは金と女にしか興味のないような悪魔的な男だったが、彼には3人の息子と1人の私生児があった。長男ドミートリイは27歳の退役士官で、婚約をむすんだ娘がありながら、妖婦グルーシェンカに恋慕して父親の恋敵になる。次男のイワンは合理主義者、無神論者である。三男のアリョーシャは幼いときから僧院に入って修業し、キリストの愛によって肉親を和解させようとする。私生児のスメルジャコーフは癲癇の発作もちで、悪がしこく、自分の出生に恨みを抱いて生きている。入り組んだ愛憎のもつれのなかで、フョードルが何者かによって殺害される。あらゆる証言からみて状況はドミートリイにとって不利なことばかりで、結局彼は起訴され裁判にかけられる……人間の獣性と神性をみごとに描きつくした大作。 -
からみ合い
「遺産相続争い」小説、決定版! この財産、めったな奴にやれるものか--。 河原専造は余命半年と宣告された。唯一の相続人は年若き後妻。 しかし彼女が遺言状の有無を弁護士に問い合わせていたことを知り、専造は激怒。過去付き合っていた四人の女が生んだ子供たちを探し出し、遺産の相続人に加えることにした……。 莫大な遺産をめぐって人間のあくなき欲望が絡み合う著者の代表作。江戸川乱歩が激賞した名作、ついに復刊!(解説:縄田一男) これは私が書いた最初の推理小説である。 それまではわずかの現代小説を除き、ほとんど時代小説であったが、たまたま、故江戸川乱歩氏から、推理小説を書いてみないかとの誘いがあり、かなり躊躇してから、執筆にとりかかった。(中略) 第一回が載ると、すぐに江戸川氏から、非常に面白い、従来の本格スリラーとは全く別のものができそうなので大いに期待していると云うお手紙を頂き、少々良い気分になって書きつづけたのを覚えている。 (本文「あとがき」より) -
殻割る音
涙も愛も包み込む、奇蹟のオムレツ! 室本さくらは中学受験生の女の子。ある日、家庭科の調理実習で作ったスクランブルエッグが友人たちに絶賛されたことがきっかけで、料理の楽しさに目覚める。そんなさくらの母・泉は料理が苦手。「家でも料理をしたい」と訴える娘に、受験勉強と両立させることを条件に、母はしぶしぶキッチンを使うことを許してくれた。さくらの願いは「お母さんと一緒に料理をすること」。そのために、家族の思い出に残るオムレツを作ろうと決意する。プロが作るトロトロふわふわのオムレツを目指して孤軍奮闘するが、なかなかイメージ通りに作ることができない。両親へ料理を振る舞う日は、すでにさくらの中で決まっていた。その日に向け焦りが募るあまり、母とのある約束を破ってしまう。母の逆鱗に触れ料理禁止を言い渡されたさくらは意気消沈するが、祖母が作ってくれた温かな料理に心を揺り動かされ、もう一度挑戦してみようという気持ちを取り戻す。 さくらは受験勉強とオムレツ作りの両方をクリアすることができるのか。そして、母と一緒にキッチンに立つという夢はかなえられるのか。引っ込み思案な少女がその殻を打ち破っていく姿に、心が熱くなる成長物語。 -
カラヴィンカ
売れないギタリストの多聞は、音楽誌に穴埋めコラムを書いて生計を立てている。最近、離婚して、妻のつくった借金を抱えて困窮していた。ある日、彼のもとに仕事の依頼が入る。カリスマ的な人気歌手、実菓子のロングインタビューだった。義理と借金のためやむなく引き受けたものの、二人は幼い頃同じ家で育ち、しかも、多聞の亡父と亡兄はともに実菓子の夫であった。二人はかつて共に住んでいた田舎の家で再会し、インタビューを開始する。実菓子への憎悪と愛情という相反する二つの感情を抱えていた多聞だったが、実菓子は多聞の知らなかった過去を語りはじめた。かつて多聞の家とともに村の二大勢力と言われた実菓子の実家の忌まわしい過去。二人の母が突然姿を消した謎。実菓子が10歳の時に起こした冤罪事件と、二度の結婚の秘密。数々の出来事の裏に隠されていた凄惨な真実が解き明かされたとき、あらたな事件が起こる――。 -
カラーオブトーキョー
カラー オブ トーキョー 昭和と平成の時代、実直かつ丁寧に生きる人々の慎ましい日々が綴られた短編小説集。 浅草、足立区、六本木、各街を生きる主人公の瞳には色が映る。 赤と青、暗闇 新潟・村上から上京し、浅草で油屋を営む健一に嫁入りしたみち。義母にいびられながらもひたむきに生きている彼女は、家のはす向かいにあるソープランド・乙女シルクの赤と青のネオンに照らされながら佇む女を見るとなぜかほっとする。夫である健一、落ちこぼれた義弟・勝二、故郷に置いてきた飼い犬・シロ…。誰もが弱さを持ちながらも生きている――。戦後、高度成長期の中、浅草を舞台とした人間模様が描かれた、互いが互いを想いあうストーリー。 ひょうたん沼と黄色いカエル 時は、昭和の初夏の朝、濃霧の中、近所のひょうたん沼にお父さんと釣りに行った小学生の知子。そんな時でもお酒をあおるお父さんを見ると嫌な気持ちになる。そこで不思議な黄金のおたまじゃくしをみつけ、おうちに持って帰り育てることになるが――。ありふれた暮らしの中で紡がれるお話。 ふち取りは灰色と白 高速道路沿いの歩道で女性ホームレスが襲われる事件が発生した。OLだった知子はそのニュースを見て、遠い昔の記憶がよみがえってくる。時はバブル崩壊後。再開発前の六本木、高速道路下の公衆トイレの横に座っている女性ホームレス。彼女の髪はグレイヘアで長い三つ編みをしていた――。 赤と青、暗闇 ひょうたん沼と黄色いカエル ふち取りは灰色と白 -
カラークロウ COLOR CROW
「命をかけて守りたいものが、ある。」 忍者+戦士=鴉(クロウ) 絶望から這い上がった彼らに 日本は守れるのか――!? 映画化&舞台化! メディアミクスで展開する人気作「COLOR CROW(カラークロウ)」。 そのすべての物語の根幹をなす原作小説、ここに登場!! 男たちの戦いと絆を描く、最高に熱いエンタメ冒険活劇!! 防衛省・国家特別防衛課(トクボウ)内に、ひそかに生まれた「COLOR CROW(カラークロウ)」。 それは過酷な試練を乗り越えて戦闘に特化した能力を身につけ、国を守る戦いに身を投じると決めた男たちの総称だった。 妹を殺された「阿佐美煉」、祖母と母を失った「乃木杏莉」、悲運の父母と死に別れた「羅生聖護」、家族を惨殺された「蒼田三月」。 そして、彼ら若き「鴉(クロウ)」を束ねる指揮官「椿泰親」。 それぞれの抱える過去の悲運と昏い闇の向こうに、果たして希望の光は輝くのか。 役者・内田裕也 = 作家・中原裕也 衝撃のデビュー作!! -
[カラー新装版]マジック・ツリーハウス
本をひらいて「ここへ行きたい!」って言うだけで、いろんな世界へひとっとび! ジャックとアニーはふしぎなツリーハウスで、恐竜の時代へまよいこむ――わくわくドキドキの大冒険がはじまった!! 全小学生必見の大ベストセラー、もっと読んでまなべる〈カラー新装版〉が登場! ☆カバーイラストも挿絵も、全イラスト描き下ろし ☆巻末には、たっぷり学べる資料つき 小学校全学年に対応、教材としての利用もオススメ。 たのしく読んで、地理、歴史、自然科学の知識が自然に身につきます!! [収録] 第1話 恐竜の谷の大冒険 第2話 黒い馬の騎士 -
カリオストロ伯爵夫人
世紀の怪人物の末裔を称し、絶世の美貌で男たちを魅了するカリオストロ伯爵夫人ことジョジーヌ。彼女は権謀術数を駆使する怪人ボーマニャンを相手に、普仏戦争のどさくさで失われた秘宝をめぐる争奪戦にしのぎを削っていた。その闘争の最前線に一人の若者が割り込む。その名はラウール・ダンドレジー。彼こそは、のちの怪盗紳士アルセーヌ・ルパンその人だった。妖艶なる強敵を相手にした若きルパン、縦横無尽の大活躍! -
カリスマ 完結上中下巻セット【電子版限定】
新堂冬樹が人間の狂気を描く『カリスマ』上中下巻が電子版限定で、合本になって登場! ※本書は、『カリスマ(上)』『カリスマ(中)』『カリスマ(下)』を1冊にまとめた電子書籍限定の合本版です。 ■『カリスマ(上)』 妻の病を治したい、子供を一流中学に入学させたい……。人の弱みにつけこむ勧誘方法で、「神の郷」は設立から十年、二千人の教徒を有する宗教法人に成長した。教祖の神郷宝仙は、金銭欲や性欲などあらゆる欲望の滅失を説く一方、自身は三百五十億の金を教徒から毟り取り、六百人の女性教徒と関係を持つ。金や情欲に溺れる神郷の過去に何があったのか? ■『カリスマ(中)』 六欲滅失を誓うマントラ唱和、過去の罪を詰られる懺悔の行、全裸で赤子や動物になりきる自我滅失の行……。一日二十時間の修行を強いる神の郷の洗脳セミナー。参加者の一人、城山麗子は自殺した神郷の母親に似すぎていた。麗子を自分のものにすべく神郷は、心身困憊、意識が朦朧とする中で帰依心を抱き始めた彼女を出家させるよう幹部教徒に命じた。 ■『カリスマ(下)』 乱れる髪、墨を塗ったような隈、黄色く澱んだ白目。セミナーで変貌した麗子は息子にマントラ唱和を強要し、夫の信康に神の郷への金を無心した。信康は脱会カウンセラーに助けを求めて麗子の洗脳を何とか解くも、二人は神郷に拉致される……。信康はかつての家庭を取り戻せるのか。新興宗教の内幕を凄まじく抉った暗黒エンターテインメント! -
カリスマvs.溝鼠 悪の頂上対決
登場人物、全員が欲まみれ! 狂気・変態モードのノンストップ暗黒小説! かつて、カリスマと呼ばれたカルト宗教の教祖がいた。 カネと女に目がないイケメンだ。 そして、溝鼠の異名を持つ復讐代行屋がいた。 誰もが振り向く絶世の美女だ。 二人は住む世界は違ったが、ともにドス黒い欲望にとらわれた悪の化身だった。 あれから十七年。二人を継ぐ者が現れた。 一人は男、もう一人は女。 教祖の超悪オトコを極悪オンナの復讐代行屋が追い詰める。 闘いの中で次々と増殖してゆく悪意と悪行。 悪党小説の代表者・新堂冬樹が描く『カリスマ』『溝鼠』の続篇となるノンストップ暗黒エンターテイメント! -
狩りの時刻
悪夢か? 現実か? 「侍従」と称する中年男に、毎夜、誘(いざな)われて、平凡なOL・小金井依理子がさまよいこんだ、不可思議な性の世界……。そこで、謎の美女・徳乃本夫人に、女同志の愛を教えられた依理子は、突然姿を消してしまった夫人のあとを追って、徳乃本もと侯爵の宏大な邸に忍びこんだ。逞しい青年を愛撫する侯爵、犬を相手に孤独なセックスを楽しむ料理女、奇怪な蝋人形館に閉じこめられた少年……。悪魔の館に棲む人々を垣間みた依理子を最後に待ちうけていたものは、残酷な初夜の儀式だった……。女性の欲望を利用して巧妙に仕組まれた犯罪の罠を描く長編小説。 -
狩りの時代
【逝去直前まで推敲を重ねた津島文学の到達点】 「津島さんはまだこの小説の中に生きていて、読む私たちとともに、奮闘している」――星野智幸(解説) でもあのことばだけは消え去らない。 忘れていたはずなのに、ひどいことばを聞かされたという感触だけは残されていた。 その痛みだけは忘れられなかった。(本文より) 15歳で早逝したダウン症の兄との思い出、ヒトラー・ユーゲントの来日。 「あこがれ」、障害、病気、戦争、差別、「不適格者」……大家族二世代の物語はこの国の未来を照射する。 『火の山―山猿記』で第34回谷崎潤一郎賞・第51回野間文芸賞を受賞した著者による、絶筆長編。 ※この電子書籍は二〇一六年八月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
狩りのとき
1971年ワシントンDC。二十二歳になる海兵隊所属ダニー・フェンはかの地ヴェトナムでの軍務をはたし本国へ帰還、退役まで一年余りとなっていた。その彼に海軍情報部の人間が接触して来た。ダニーと同じ隊に所属する一等兵の行動を監察し報告せよと言うのだ。彼は反戦活動家に情報を流していると言う。拒否すればヴェトナム送りと脅されダニーはしぶしぶ従うが、証言を求められると決然とそれを拒否した。再びヴェトナムに赴いたダニーは狙撃ティームに編入され、その上官が練達のスナイパー、ボブ・スワガーだった。 -
狩場の悲劇
「五月の朝に詩的な《赤いワンピースの娘》に出会って以来、おびただしい数の犠牲者が、人生の暗い波間に、永久に姿を消し去った」……モスクワの新聞社へ持ち込まれた、ある殺人事件をめぐる小説原稿。そのテクストの裏に隠された「おそろしい秘密」、そして読み終えてなお残り続ける「もう一つの謎」とは何か? 近代ロシア文学を代表する作家が若き日に書いた唯一の長篇小説にして、世界ミステリ史上に残る大トリックを駆使した恋愛心理物語の古典。巻末に、江戸川乱歩による評論を収録。 江戸川乱歩――「チェーホフともあろう作家の、こういう作品を知らなかったのだから、われわれの全く気づかない面白い探偵小説が、まだどれほど残っているかと思うと楽しくなる。……探偵小説のトリックの歴史から考えても、相当大きな意味を持つ」。 解説・佐々木敦 -
カリフォルニアのジル・ブラス
サッター大尉の蒸気水車で、おそらく世界の様相を一変させるであろう数個の金の粒が飛び散ってから三年が経過しました。カリフォルニアは今日、あらゆる国から二十万人の移民を受け入れ、世界で最も美しく最も大きな湾の近くの太平洋沿岸に、ロンドンやパリに対抗する役割を果たす運命にある都市を建設した。 そうこうしている間に、スエズ鉄道のおかげ、ニカラグアの運河のおかげで、私たちは十年以内に、三カ月で世界一周ができることになる。友よ、それがカリフォルニアに関するこの本は絶対に印刷する価値があると私が信じている主たる理由です。 アレクサンドル・ デュマ。 -
カリプソ
深夜の嵐のなか、黒人のカリプソ歌手が黒ずくめの服装の男に射殺され、数時間後、87分署管轄区外で、黒人の売春婦がやはり黒ずくめの人物に射殺された。通り魔的な二つの殺人事件の背後には、どんなつながりが? 刑事たちをも震撼させた恐るべき事件の驚愕の真相を描く衝撃作。 -
かりゆしの島のお迎えごはん
沖縄の南西外れにある小さな島、嘉例吉島にひっそりと佇む民宿「カリー!」。 どこか変わった雰囲気を醸し出すそのお宿では、宿を預かる不思議な女主人・金魚さんが、愛情を込めた美味しい沖縄郷土料理のおもてなしでお客様の心も身体も優しく解きほぐしていく――。 人情薫る沖縄料理とやさしい気持ちが、人とあやかしの縁を結ぶ――。 -
軽いめまい
郊外の住宅地にある築七年の中古マンションで、夏実は夫と小三と幼稚園児二人の息子と暮らしている。専業主婦の暮らしに何といって不満もなく、不自由があるわけでもない。けれど蛇口から流れる水を眺めているときなどに覚える、放心に似ためまい――。 1990年代の東京。「中産階級」の変わることのない日常? 2023年にポリー・バートンによって英訳され、ニューヨークタイムズやアトランティック誌で書評されるなど話題となった。 生活という日常を瑞々しく、シニカルに描いた傑作中編小説。 ケイト・ザンブレノ 「あまりに退屈で売春を始める主婦たちの話が気の利いた挿話として登場するように、たとえばブニュエルの、たとえばゴダールの、たとえばシャンタル・アケルマンの、売春する主婦たちについてのあらゆる映画への目配せがこの小説には見られるのだが、ただしこの小説の中では何も起こらず、退屈そのものがポイントで、じゃがいもの皮はただ剥かれ、皿はただ洗われ、けれど時々、ほんの時折、家事にまつわる瞑想的な瞬間、クラクラするような、あるいはぼうっとするような感覚がふと訪れることがあり、たとえば洗い物をしているとき、蛇口から紐のように絶え間なく流れ出す水や、流れていく水のきらめきに心を奪われてしまう、それこそがポリー・バートンによって「軽いめまい(ルビ:マイルド・ヴァーティゴ)」と訳出された感覚で、この言葉は小説の八番目のセクションのタイトルにもなっている。」 「解説」より
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