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カレーなる逆襲! ポンコツ部員のスパイス戦記
感動の実話!? 廃部寸前のおちこぼれ野球部員が一念発起、エリート大学とカレー対決! 乾作品の新境地は、読めば腹ペコな青春小説!不祥事で廃部寸前の小樽経営大学(通称・樽大)に残ったのは、 主将・森一郎…甲子園の北海道予選で伝説のエラー。ネット上でも笑い者。 ファースト・恵山光…小太りで童顔。貧乏育ちでいい奴。 コーチ兼マネージャー・白石苗穂…一番野球がうまいアイドル。 入部希望者・砂原健介…36歳で新入生。熱血なだけの空回り男。 というポンコツな面々。 廃部を免れるために教授が持ち込んできたのは エリートの北海道総合大学(道大)とのカレー対決!?ヤル気も希望もゼロのメンバーに、エリート大学生達が火をつける? 3回の対決を経て、樽大のダメダメ部員たちはどのように成長していくのか――。 笑って泣ける、カレーなる青春小説です。 夏といえばカレーの季節! おまけに今年は甲子園100周年。 夏休みの読書に最適の、ピリッとスパイスの効いた青春カレー小説! -
軽やかに齢を重ねる Aging with a light step
ポスト団塊世代の医師が紡ぎ出す、旅・音楽・日常のエッセイ集。 人生を、ゆっくり下ってゆく。 年を重ねることを、嘆くのではなく、楽しみに変える。 「上り坂ではないけれど、下り坂のスピードは少し緩めてみたい」 ――そんな言葉に、未来を生きる力が宿る。 身近な草花の観察、故郷山口県周南市大津島の魚雷発射場跡や、城巡りの途上で出会った土井晩翠や滝廉太郎の足跡、母子健康手帳にまつわるガーナ人とのエピソード、往年のアイドル歌手のコンサートに行った話など。 6度目の干支を迎えた医療人として市井の人として、人生の妙味や歴史探求、文学散策を綴ります。 【目次】 はじめに 第一章 四季を愛で、歴史を探求する 第一節 晩冬から盛夏へ、花と島をめぐって 第二節 「荒城の月」を巡る旅、そして冬暮れの「宮城」にて 第三節 北国に思いを馳せる 第二章 伝える・考える・生きる〜医療人の視点 【パート1】言葉の向こうに見えるもの 第一節 医療の人間模様 第二節 医療に潜む不確実性〜キャッチコピーに惑わされないで〜 第三節 今を生きる若者たちにも刺さる言葉か? 第四節 医の目で読み解く「言い伝え」 【パート2】医療人の現在地 第一節 これまでの歩み、今の自分 第二節 わが道を、われらの道へ〜My wayへの歩み 第三節 自身の今を見つめる 第三章 人生の妙味——いくつかの縁、時を超えて響くもの 第一節 セピア色の時代が結ぶ縁 第二節 時計と時が刻む思い出 第三節 半世紀をこえて、未来に響く青春の旋律 余章 AIとの対話、その先へ 【著者】 松田義雄 1954年、山口県生まれ。山口県立徳山高校、鹿児島大学医学部卒業。医学博士。専門は周産期医学。鹿児島市立病院産婦人科入局後、東京女子医科大学医学部産婦人科学教授、母子総合医療センター母体・胎児科長などを経て現在、聖マリアンナ医科大学臨床教授、東京医療保健大学臨床教授ほか。著書に『Day by Day』シリーズ全4冊、『妊婦診療ガイダンス 新米ママの妊娠・出産の?疑問に答える本』など多数。 -
カワイソウ、って言ってあげよっかw
仲良し5人組が、1人ずついなくなる。「私は悪くない」から始まる「エゴミス」! いわゆる「HSP」であるヒトミは、その繊細な性格のせいで損ばかりしてきた。大学時代からの親友4人を見て劣等感をくすぐられ、また惰性で付き合う彼氏やアルバイト先の人間関係などに辟易していた。ある日Kポップにハマってしまった彼女は、無垢なアイドル達のきらびやかな笑顔を見て、自分もすべてを捨てて渡韓しようとする。 女性5人それぞれが自らの「生きづらさ」を語るが、いつの間にか他人への浅はかな羨望、嫉妬といった黒々とした感情が渦巻き...... 「Cocoon」シリーズの作者が贈る、全く新しい「生きづらさ」文学。 -
乾いた湖
大学生の卓也は左翼運動崩れ、女子大生を相手に怪しげな闇斡旋をしている。一方、財閥の御曹司・道彦は、怠惰な生活を送っている。汚職の責任を取らされる自殺した父を持つ葉子は、世の中を見返すために、女優として成功するも、道彦が運転する自動車で事故死してしまう……。卓也が相手をする女たち、ゲイ・バーのジャニー、クラブのマダム・文枝など、多彩な人物が登場する、長篇風俗小説。 -
かわいないで
人気お笑い芸人、初の中編小説集 柚木麻子さん絶賛! 「勇気を出して誰かの心にふれてみた時の手触り。心にさわられた時のかすかなざらつきと温度。どうしてこんなに思い出させてくれるんだろう。この本がどうしようもなく好きだ。」 人気お笑い芸人にして注目の著者の初の中編小説集。 「黄色いか黄色くないか」 高校生の頃からお笑いに魅せられて、お笑いライブハウスに就職した主人公・唯(ゆい)。ある年末年始、賞レースが集中して芸人の悲喜こもごもが色濃くあらわれる、その季節に繰り広げられる、華やかな「笑い」の舞台裏の人間ドラマに迫る。 「かわいないで」 高校の日本史の授業中、千尋は必死に耳を研ぎ澄ます。隣席の香奈美がひそひそ声で後ろの席のふたりに語る、昨日のデートの一部始終に。千尋がどうしても聞きたいのは、聞き手の透子から香奈美に放たれる「かわいないで(笑)」という絶妙な相槌の一語なのだ。誰もが覚えのある、教室内で織りなされる関係の機微を見事に浮かび上がらせる。 -
かわうそ堀怪談見習い
わたしは「恋愛小説家」と肩書きにあるのを見て、今のような小説をかくのをやめようと思った。 恋愛というものにそんなに興味がなかったことに気づいたのだ。これからなにを書こうか。 環境を変えるため、三年住んだ東京を離れ、中学時代に住んでいた区の隣り、かわうそ堀に引っ越した。 そして、考えた末に怪談を書くことにした。そう決めたものの、 わたしは幽霊は見えないし、怪奇現象に遭遇したこともない。 取材が必要だ、と思い立ち、たまみに連絡をとった。 中学時代の同級生・たまみは、人魂を見たことがあるらしいし、怖い体験をよく話していた。 たまみに再会してから、わたしの日常が少しずつ、歪みはじめる。 行方不明になった読みかけの本、暗闇から見つめる蜘蛛、 こっちに向かってきているはずなのにいっこうに近くならない真っ黒な人影、留守番電話に残された声……。 そして、たまみの紹介で幽霊が出るとの噂がある、戦前から続く茶舗を訪れる。 年季の入った店内で、熊に似た四代目店主に話を聞くと、 絶対に開けてはいけないという茶筒、手形や顔が浮かぶ古い地図があるという。 そして、わたしはある記憶を徐々に思い出し……。 わたしの日常は、いつからこんなふうになっていたのだろう。 別の世界の隙間に入り込んでしまったような。 柴崎友香が、「誰かが不在の場所」を見つめつつ、怖いものを詰め込んだ怪談作品。 -
川が流れるように
1948年、コロラド州アイオラ。ヴィクトリアは17年間、家と農園の外にほとんど出たことがなかった。母を早くに亡くし、桃農家の父と叔父、弟のために家事をこなすだけで日々は過ぎていく。そんな彼女の人生が突然変わる。謎めいた青年ウィルと出会ったのだ。ウィルは故郷をもたず、各地を放浪しているという。自由な彼といるとき、ヴィクトリアは自分も変わったように感じた。だが、町の人々はよそ者を疎んだ。それでも、ヴィクトリアはウィルを選ぶ。初めて父に嘘をついてまで、逢瀬を重ねる。だが、背後には悲劇が迫っていた――。大切なものを失いながらも、自分の道を進み、再生を遂げる女性の姿を描く感動作。アメリカ、イギリス、ドイツなどで続々とベストセラーリスト入りした米国作家のデビュー長篇小説 -
渇き、海鳴り、僕の楽園
その島には、哀しい秘密があった――。 自分の代わりに「楽園」で働いてほしい――。夏休み、同級生にそう頼まれたウィル。アメリカの田舎町で過ごす退屈な日々、身勝手な父との生活にうんざりしていた彼は、なにもかも投げ打って異国へと旅立つ。着いた先で待っていたのは、グレイと呼ばれる墓守と、墓地しかない美しい島だった。やがて周囲で不思議な出来事が起こり始め、ウィルは「楽園」の秘密を解き明かしていく――。 『英国幻視の少年たち』『この夏のこともどうせ忘れる』の著者が、少年の鬱屈した苛立ちとやるせなさを描き切った傑作小説。 -
川崎怪談
神奈川県では横浜市の次に人口が多い川崎市は、工業地帯として発達した一方、怪異や人の業が渦巻くダークな都市でもある。各地の土地の因縁話の蒐集をライフワークとする著者が川崎の膨大な資料・文献から厳選した奇妙な話の行方を綴ったマニアックな実話ご当地怪談集。大手自動車工場に勤める男のもとに奇妙な電話がかかってくる「水底から」(川崎区)、橋脚に現れた少女の姿にまつわる土地の怪異「橋脚の少女」(高津区)など。また、川崎市出身の平山夢明がとっておきの川崎怪談を寄稿。自殺が多発する団地の近くにある食堂では…「とんかつ豚次」(幸区)ほか収録。 -
川崎警察
不審死の背後に広がる予想外に深い闇沼 ぬかるみに足を踏み入れた刑事たちの苦闘 魂を震わせる長篇警察小説! 1970年代の川崎。 京浜工業地帯として発展する裏で、ヘドロで漁ができなくなった漁師たちが、漁業権や船舶の買い上げと、補償金をエサに立ち退きを迫られ、漁民の間に分断と対立が生じていた。 また新興工業地帯には朝鮮や沖縄からの流入者も多く住み、住民感情は複雑化していた。 そんな土地で、多摩川河口に溺死体があがった。 遺体は元漁師の矢代太一と判明。 彼は漁業権問題で漁民をまとめる折衝役だった。 だが遺体には複数の打撲痕が認められ、漁師の溺死という不自然さと併せて事件性をうかがわせた。 そして遺品にはなぜかキーホルダーがふたつあり、自宅以外にもうひとつ家の鍵を所持しているようだった。 川崎警察署刑事課のデカ長、車谷一人は、ベテラン捜査員たちや新米刑事の沖修平らを叱咤しながら捜査に乗り出す。 矢代は漁師をやめて得た補償金で、夫婦で食堂を始めたが、妻の死によって店をたたみ、いまは次男と暮らしていた。 居酒屋やクラブで酒を飲むだけが楽しみだったという。 漁業権放棄問題では対立する漁師グループから恨みも買っていたことがわかった。 被害者の足取りを追ううちに、矢代は居酒屋で飲んでいるところに若い女性から電話がかかり、慌てたようにして店を出て行ったことがわかった。 事件が報道されると、矢代に離れの部屋を貸していたという夫婦から川崎署に電話が入った。 しかも義理の娘とふたりで借りていたという。 矢代には息子が二人いたが、ともに独身で、義理の娘などはいなかった。 手がかりを得た車谷たちは、不審死事件の背後に横たわる予想外に深い泥沼に足を踏み入れることになるが…… -
川崎警察 真夏闇
第26回大藪春彦賞候補にノミネートされた「川崎警察 下流域」の第2弾。 神奈川県警川崎署のデカ長・車谷一人(くるまだにひとり)の活躍を描く、長篇警察ミステリー。 京浜運河沿いで死体があがった。身元は暴力団員、伊波肇の母親照子。 陰部をナイフで抉られ、腹部から腸がはみ出る陰惨な殺しだ。対抗する組の犯行か? だが、家族には手を出さないのがヤクザの掟だ。それが破られたとなると、報復の連鎖で大変なことになる……。 発見現場に臨場した川崎警察署捜査係デカ長の車谷一人は、軽のバンの荷台から不審な荷物を下ろして走り去ったふたり組の男がいたことを聞きつける。男の一人は足を大きく引きずっていたという。 被害者は故郷の沖縄に里帰りし、事件当日午後二時着の飛行機で羽田空港に帰ってきた。だがその後の足跡が不明だった。 翌年五月に沖縄は本土返還を控えており、帰郷はそれからの方が便利ではという大家に「返還されてからでは、遅い」と伝えたという。 捜査を進めるうちに、空港から照子を軽バンに乗せたのが、死体発見現場で目撃されたふたり組で、どうやら照子の知り合いらしきことがわかった。 有力容疑者として浮かびあがった男を、全力で探す車谷。 だが、予想外のところで別の殺人事件が起きた。被害者は沖縄の開発や本土との交流に尽力しているという大阪の会社社長。 本土復帰を目前にした沖縄を食い物にしようする者たちの暗躍が明らかになるにつれ、ふたつの事件が絡み合っていく…… 好評『川崎警察 下流域』が第26回大藪春彦賞候補となった著者による、書下ろし長篇警察サスペンス第2弾! -
変わったタイプ
月旅行を目指す高校からの四人組。西部戦線帰還兵のクリスマス。変わり者の億万長者とその忠実な秘書。男と別れたばかりの女がつい買ったタイプライター。ボウリングでセレブに上り詰めた男――。「良きアメリカの優しさとユーモアにあふれる短篇集」と各紙で賞賛された、人生のひとコマをオムニバス映画のように紡ぐ17の物語。 -
川の怪談
文明と繁栄の源、命を育む大いなる水の流れ、川。 そこには古来、ヌシと呼ばれる神が居り、異形のモノたちが隠れ棲まう。 たゆまなき流れの中に幾多の生命を生み出す一方、時に命を喰らい、淀みの中に闇を飼う。 我々が死して最後に渡るのもまた、三途の川である。 川底から西瓜を掴む青白き手。水が赤く染まる川。舟を沈ませる亡霊。 死を予言する川のせせらぎ。異界に通じる川面…… 体験者から丁寧に聞き集めた、全国三十河川の怖い話。 怖ろしくも神秘的な〈川の世界〉へようこそ―― ◆岩田川(三重県) 川の傍の刑務所。刑期が7年以上の者だけに聞こえる川の音が途切れると、誰かが死ぬ… ◆ウッペツ川(北海道) 川で溺れて運ばれてきた男。自分は異界から来た者で、川から元の世界に戻れると言うが… ◆球磨川(熊本県) 水、生物、砂、石。球磨川にある物を盗んではならぬという曾祖父の遺言の恐ろしき意味… ◆長尾川(千葉県) 川から飛び出した水滴が皮膚を破り体内に侵入する。透明な水の粒に似た謎の生き物は… ◆牛津川(佐賀県) 蕎麦の実をひく水車小屋。未明に川から子どもが這い上がってきては石臼の上に何かを… …ほか、、川に呼ばれてしまった人たちの怖ろしき体験を取材した全国30河川の怪異談! -
川は静かに流れ
「僕という人間を形作った出来事はすべてその川の近くで起こった。川が見える場所で母を失い、川のほとりで恋に落ちた。父に家から追い出された日の、川のにおいすら覚えている」殺人の濡れ衣を着せられ故郷を追われたアダム。苦境に陥った親友のために数年ぶりに川辺の町に戻ったが、待ち受けていたのは自分を勘当した父、不機嫌な昔の恋人、そして新たなる殺人事件だった。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。 -
川端康成『伊豆の踊子』を読む(文芸漫談コレクション)
「では、ここで質問。『伊豆の踊子』は恋愛小説なのでしょうか?」(奥泉)今回は、「私」と旅芸人の一座との淡いかかわりを描いた『伊豆の踊子』を読む。芥川賞作家と希代の仕掛人が捨て身でおくる“漫談スタイル”の超文学実践講座。本電子書籍は、文芸誌「すばる」2010年11月号に掲載された作品の電子版シングルカットです。 -
川向うの白い道
女子学園の先生を今は嘱託でしている老男性教師の、六甲山麓の家に下宿する卒業生2人のところに、同級生たちが集まってくる。そこに出入りする男たちとの出会い、そして様々な恋愛……。それぞれの成長と恋愛の物語。 -
かわりに嘘
大学生の夏目は、実際に起きたら嫌なことを逐一スマホにメモする極度の心配性。リマインダーには700件の心配事が登録されており、彼女の統計によれば、そのリストの7割は現実になる。 祖母の死によって住む場所を失った夏目に手を差し伸べたのは、親戚から数々の怪しい噂を流されてもはや正体不明の存在となっている東京のおば、宇曽川ひかりだった。 東京・錦C町にある宇曽川の自宅は、かつて眼科医院だった。そこには、宇曽川曰く「開けたら別の世界に繋がる」という緑色の「開かずの扉」があり、夜な夜な正体不明の足音がしたりWiFiが激重になったりする。無責任な親戚から、「死体が隠してあったりして」と言われたひと言が次第に頭から離れなくなる夏目。 宇曽川は夏目の問いかけを常に煙に巻くような嘘で受け流すが、バイト先で出会った幼馴染の南海や、生意気な小学生・千理との交流を通じ、夏目は街に伝わる晴れ男の伝説と、ひかりの過去が繋がっているのではと疑い始める。 果たして、開かずの扉の向こうに隠されているのは「死体」か、それとも――。心配事が尽きない夏目と、嘘つきのおばが織りなす、少し不思議でかなりユーモラスな日常を唯一無二の筆致で描く、第69回メフィスト賞受賞のデビュー作。 -
皮を剥く女
「パンティをはくな。テスト中にオナニーしろ」。小学校教師の淑恵は、校内で陵辱されて以来、謎の男に脅されている。教え子の前でそんなこと、許して…。でも男がどこかで視ている。怖くてそっと触れると、そこはすでに溢れ、少しの刺激でイキそうなほど敏感になっていた。―もっと刺激が欲しい。真面目な女教師が、被虐の悦びで壊れていく。 -
観
天性の美貌と才能を持つ猿楽師の三郎は、父の死をきっかけに兄の一座を離れた。そして自分の一座を建て、将軍の前で舞いたいという野望を抱く。能楽の大成者・観阿弥が新たな芸術の創造に向け試行錯誤する若き日の姿を鮮烈に描く。 -
棺一基 大道寺将司全句集
確定死刑囚として37年に及ぶ獄中生活を送る大道寺将司の全句集 棺一基(かんいっき) 四顧(しこ)茫々と 霞みけり 十七字において、かれは塗炭の苦しみをなめつづけ、十七字においてのみかれは、極限の個として、ひと知れずやっと自由なのだ。供述調書より起訴状より判決文より、較べるもおろか、句群にこそかれの真情は巧まず塗りこまれている。俳句にいまや全実存を託したのだ。――辺見庸「〈奇しき生〉について 序のかわりに」より 大道寺将司は、東アジア反日武装戦線の“狼”部隊のリーダーであり、お召し列車爆破未遂事件(虹作戦)及び三菱重工爆破を含む3件の「連続企業爆破事件」を起こし、1975年逮捕、1979年東京地裁で死刑判決、1987年最高裁で死刑確定した。本書は、30年以上も死刑囚として、また血液癌と闘いながら獄中生活を送る大道寺将司が詠んだ1200句を収録した全句集。本書出版にあたっては、作家であり(芥川賞受賞)詩人でもある(中原中也賞、高見順賞受賞)辺見庸が全面的に動き、実現させた。また辺見庸自身も脳溢血で倒れた後遺症と大腸癌と闘っている。 辺見庸による跋文では、二人が句を介して知り合い、面会を実現させ、血液癌から来る痛みに句を詠むことを諦めかけた大道寺を「とにかく書け」と励まし、全句集を実現させるまでの経緯が感動的に描かれている。 -
関越自動車道 殺意の逆転
関越道沿いに展開される事件に警視庁・八木沢警部補が挑む! 高崎で実業家として財をなした芦野老人は、現在は息子に会社を譲り、悠々自適の生活を送っていた。老人には、過去、愛娘を暴漢に惨殺されるといういたましい記憶があった。そんな彼が娘の復讐を思い立ったのは、ある青年との出会いがきっかけだった。数日後、東京練馬区でOLが殺害され、事件は川越、高崎、そして新潟と、関越道に沿って展開していくが…。長編旅情推理サスペンス。●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
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