棺一基 大道寺将司全句集

棺一基 大道寺将司全句集

1,732円 (税込)

8pt

5.0

確定死刑囚として37年に及ぶ獄中生活を送る大道寺将司の全句集

棺一基(かんいっき)
四顧(しこ)茫々と
霞みけり

十七字において、かれは塗炭の苦しみをなめつづけ、十七字においてのみかれは、極限の個として、ひと知れずやっと自由なのだ。供述調書より起訴状より判決文より、較べるもおろか、句群にこそかれの真情は巧まず塗りこまれている。俳句にいまや全実存を託したのだ。――辺見庸「〈奇しき生〉について 序のかわりに」より

大道寺将司は、東アジア反日武装戦線の“狼”部隊のリーダーであり、お召し列車爆破未遂事件(虹作戦)及び三菱重工爆破を含む3件の「連続企業爆破事件」を起こし、1975年逮捕、1979年東京地裁で死刑判決、1987年最高裁で死刑確定した。本書は、30年以上も死刑囚として、また血液癌と闘いながら獄中生活を送る大道寺将司が詠んだ1200句を収録した全句集。本書出版にあたっては、作家であり(芥川賞受賞)詩人でもある(中原中也賞、高見順賞受賞)辺見庸が全面的に動き、実現させた。また辺見庸自身も脳溢血で倒れた後遺症と大腸癌と闘っている。
辺見庸による跋文では、二人が句を介して知り合い、面会を実現させ、血液癌から来る痛みに句を詠むことを諦めかけた大道寺を「とにかく書け」と励まし、全句集を実現させるまでの経緯が感動的に描かれている。

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棺一基 大道寺将司全句集 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2012年07月29日

    「死刑囚の句集」というセンセーショナルなうたい文句を知らず、ただ純粋にタイトルに惹かれて書店で手に取った。
    CDアルバムの評で、「全曲捨て曲ナシ!」という褒め言葉を目にすることがあるが、それがこの本には当てはまる。
    凛とした凄みがある句が多く、末永く手元に置いておきたい一冊である。

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