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ロンドン万博殺人事件 男爵令嬢カラの事件簿
発明家令嬢、謎を解く。 19世紀、ロンドン万国博覧会・水晶宮【クリスタルパレス】。 出品した自動人形【ルビ:オートマトン】の部品で男が刺殺され、 容疑者になってしまった令嬢カラが、 天才細工師と共に事件に挑む―― 〈あらすじ〉 1851年、ロンドン万国博覧会。発明家で男爵令嬢のカラは自動人形【ルビ:オートマトン】を出品し、鉄細工師ナイアルと知り合う。ところがカラの(「カラの」トル)人形の腕部が会場の水晶宮【ルビ:クリスタルパレス】から盗まれ、その部品で刺された男の遺体が見つかったことから、カラに容疑がかけられてしまう。カラはナイアルの力を借りて殺人事件の真相を探るが……。変わり者の令嬢と天才細工師が解き明かす謎とは――? 世界初の万博を舞台に描かれる、ヒストリカル・コージー・ミステリ。 -
クジラに落ちた男
2026年10月16日より全国公開! ピュリッツァー賞作家の傑作海洋小説が映画化! 映画「クジラに落ちた男」原作。巨大クジラに丸呑みされ、酸素残量は1時間。生還する唯一の鍵は、憎んでいた父に叩き込まれた教え──卓越したダイバーだが不器用な生き方しかできなかった父が、海で自ら命を絶った。17歳の息子ジェイはその遺骨を求め、海に潜るが……。ピュリッツァー賞作家が放つ傑作海洋小説。全米図書館協会アレックス賞受賞、2023年ニューヨーク・タイムズ年間ベストブック選出。/解説=渡邊利道 -
俺とおまえの夏の陣
「一生、あなたの右目となる」誰にも愛されなかった孤独な少年・政宗に小十郎が誓った日から、人生の最後まで深く支え合った二人。実母による毒殺未遂、天下人・秀吉との命懸けの心理戦……押し寄せる罠を機転で切り抜けていく! 破天荒な“独眼竜”伊達政宗と、その気高き誇りを誰よりも信じ抜いた小十郎。生涯を通して紡がれる純粋な絆に胸が震える、極上バディ群像劇! 稀代のストーリーテラー・吉田恵里香が仕掛ける、 戦国乱世に深く刻まれた、至高のバディ・ドラマ! ※本書は2014年に東京書籍株式会社から単行本として刊行されたものを加筆修正し、文庫化したものです。 -
花菱夫妻の退魔帖
大正9年の東京。侯爵令嬢の瀧川鈴子はとある事情から浅草出身で、怪談蒐集を趣味としている。ある日、室辻子爵邸に呼ばれて芸妓の悪霊を目撃した際、花菱孝冬という青年に出会う。彼は十二単を纏う謎の霊を使い、悪霊を「食わせた」のだった……。掴みどころのない孝冬を気味悪く思う鈴子だったが、なぜか孝冬に求婚され――! 逃れられない過去とさだめを背負う二人が結ばれることで、動き出す未来とは。 -
お梅は呪いたい
500年の眠りから覚めた呪いの人形・お梅。 現代人を呪うつもりが、間違えて次々に幸せにしてしまう!? 『逆転美人』で話題の著者による、笑いと涙と伏線回収の“呪われ人生喜劇” 古民家の解体中に発見された謎の日本人形。それはかつて戦国大名を滅亡させた呪いの人形お梅だった! 興味本位の底辺ユーチューバーに引き取られたお梅は、早速彼を呪い殺そうとするが、500年のブランクは長すぎた!? 呪いが効かないどころか、お梅の心霊動画がバズってしまい……果たしてお梅は無事に現代人を呪い殺せるのか。 笑いと涙のオカルトハートフルコメディ! -
獣君と厄災の姫
双子の長子は不吉という理由で世間から隠され育てられたアルステット王国のルレア・フレイヴォリツ。長く小康状態が続くクロファール皇国から「フレイヴォリツ家の娘」を皇太子・ラーシュの妻として迎えたいという書状が届く。冷酷で「獣君」と称されるラーシュのもとに嫁ぎたくない妹の身代わりになったルレア。居場所のなかった少女が身代わりに嫁いだ先で愛され自分らしさを取り戻していく王道のシンデレラロマンス。 -
僕とあいつの関ケ原
時代を動かしたのは、あまりに一途で残酷な愛。口下手で不器用な主君・三成の夢にすべてを捧げる左近。美しき義父・直政に認めてもらいたい一心で、闇へ堕ちる忠吉。大好きな伯父・義弘を生きて帰すために、捨て身の盾となる豊久。裏切りと野望が渦巻く戦場で、彼らが最後に選んだのは、天下でも名誉でもなく、たった一人の男だった。切なくて熱い戦国バディ群像劇! 稀代のストーリーテラー・吉田恵里香が仕掛ける、 戦国乱世に深く刻まれた、至高のバディ・ドラマ! ※本書は2014年に東京書籍株式会社から単行本として刊行されたものを加筆修正し、文庫化したものです。 -
貸し物屋お庸謎解き帖 なべてこの世は
知恵も力も貸すと評判の江戸のレンタルショップの暖簾を、 今日も秘密を抱えたお客がくぐる── 口は悪いが心根の優しい娘店主の人情たっぷり謎捌き! そしてついに明かされる娘店主お庸をめぐる秘密とは……? 人気シリーズ、感動の完結! 江戸庶民の暮らしを支える貸し物屋・湊屋両国出店の娘店主お庸は、物だけでなく知恵も貸してくれると評判の江戸娘。口は悪いが心優しいお庸のもとには、今日もわけありのお客がやってくる──。 老舗呉服屋の店の地下室に現れる幽霊の正体は? 祝言を控え婚礼衣装を借りに来た若旦那が抱く思いとは? そして、お庸をつけ狙い続けた藩主の真の目的とは……? お庸の謎捌きが痛快な大人気書き下ろし時代小説、待望の第8弾。いくつもの秘密が明かされる感動の完結巻! 【著者】平谷美樹(ひらや・よしき) 1960年、岩手県生まれ。大阪芸術大学卒。中学校の美術教師を務める傍ら創作活動に入る。 2000年『エンデュミオンエンデュミオン』で作家としてデビュー。同年『エリ・エリ』で小松左京賞を受賞。二〇一四年、「風の王国」シリーズで歴史作家クラブ賞・シリーズ賞を受賞。 著書に「草紙屋薬楽堂ふしぎ始末」「貸し物屋お庸謎解き帖」(だいわ文庫)シリーズのほか、「修法師百夜まじない帖」(小学館文庫)シリーズ、「貸し物屋お庸」(招き猫文庫)シリーズ、「採薬使佐平次」「よこやり清左衛門仕置帳」(角川文庫)シリーズ、『新装版百物語 実録怪談集』(ハルキ文庫)、『岩手怪談』(竹書房怪談文庫)、『安倍宗任伝 前九年・後三年合戦』『柳は萌ゆる』『国萌ゆる 小説 原敬』『虎と十字架』(実業之日本社)、『鍬ヶ崎心中 幕末宮古湾海戦異聞』『天酒頂戴』(小学館文庫)、『大一揆』(角川文庫)等、多数がある。 -
シルバー川柳
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「恋かなと思っていたら不整脈」「万歩計半分以上探しもの」――「シルバー川柳」は、シニア世代を中心とした、まさに人生の達人たちによる川柳傑作選です。社団法人全国有料老人ホーム協会が主催し、毎年1万を越える応募作のなかから、敬老の日にあたり、ユニークな作品が選ばれてきました。本書は、2012年夏の入選作を含む傑作川柳を、イラストとともに紹介。 -
バリキャリの子
あの頃、私は母の部下だった―― バリキャリの母が自分を産んだ年齢を迎え、婚活を始めた理佳子。 次第に理想の家族の形が揺らぎ始め…… 令和の婚活と母娘の関係を描く渾身作! 化学メーカーで研究員として勤める田口理佳子は、家でも土日でも仕事をする母に育てられた“バリキャリ”の子だ。母が自分を産んだ27歳を迎え、周囲には結婚ラッシュが訪れた理佳子は、婚活を始める。 女は結婚したら派遣社員になるべきと考える専業主婦家庭の男。子の教育方針は親がすべて決めるべきだと言う理系男子。子育てを投資と考える外資コンサルの男。 それぞれの理想を掲げる男性との対話を経て、理佳子が辿り着く答えとは何か――。 「わたし、定時で帰ります。」シリーズ朱野帰子さん絶賛! バリキャリの母に育てられた娘たちが、「母」について書く時代がはじまった。 働きまくってきた「母」は、我が子を幸せにすることができたのだろうか? そのアンサーの一つがこの小説にはある。 -
月刊「潮」2026年10月号
月刊「潮」2026年10月号 主な内容 【特別企画】 災害大国ニッポンの「備え」を問う 「熊本地震」と「南海トラフ地震」はどう関連するか。 鎌田浩毅 「いつの間にか備わっている」フェーズフリーという発想。 佐藤唯行 ペット防災の本質は「平時の過ごし方」にある。 冨士岡 剛 能登半島地震の教訓と「防災庁」創設の意義。 中川宏昌 【ルポ】 熊本地震――再びの災禍に見舞われた現場へ。 粟野仁雄 【特集】 人生後半を豊かにする「終活」 「クオリティ・オブ・デス」から人生を考える。 樋野興夫 後悔しない選択で「幸齢期」を楽しく生きよう。 和田秀樹 生前整理の本質は“これからの人生”を元気に暮らす準備。 上東丙唆祥 人生のバトンを確実につなぐ「ライフリレー」。 黒澤史津乃 【連載】平成の回廊――創価学会と日本社会 昭和の左右対立のはざまで――貧困と戦争を越える対話。 與那覇 潤 【連載ドキュメンタリー企画】 民衆こそ王者 〈識者の声〉篇 核ミサイル発射台を残した沖縄研修道場の価値。 仲地 清 【特集】 課題山積の高市政権 「防衛費増額」の財源を冷静に議論せよ。 佐藤主光 巨大与党の驕りと死角――高市国会をどう見るか。 吉田 徹 「国民の総意」なき皇室典範改正の危うさ。 原 武史 【新連載小説】 赤じい七十五騎 今村翔吾 【対談】 桑野和泉 VS 篠原文也 地域の魅力を未来へつなぐ観光のかたち。 【人間探訪】 イッセー尾形 【ルポ】 アルゼンチン紀行――軍事政権下のW杯と母たちの行進。 山口由美 【ルポ】 ブーゲンビリアと「もうひとつの沖縄戦」。 澤宮 優 三一年ぶりの大相撲パリ公演観戦記。 フローラン・ダバディ その他 -
小説 ブルーロック
2022年10月、テレビアニメがスタートする大人気サッカー漫画、待望のノベライズ!! 2018年、W杯で日本代表はベスト16敗退。これを受け日本フットボール連合はW杯優勝のため育成寮・ブルーロックを設立。300人の高校生FWを集め「エゴイズムにあふれるストライカー」の育成に乗り出した。育成の指揮を執るのは謎の男・絵心甚八。無名のFW、潔世一をはじめ300人はたった一つの椅子に座るため非情なセレクションに挑む!栄光かそれとも永遠の敗北か!?くたばれ日本サッカー! 青い夢を見るために!! <小学上級・中学から すべての漢字にふりがなつき> -
弾丸とヒマワリ
第72回江戸川乱歩賞受賞 交錯する現在と過去。 勇気と誇りとやさしさの物語。 女子高生が自宅で銃殺され、その手には国連平和維持活動(PKO)に参加した自衛隊員に授与された名誉のメダルが握られていた。自衛隊を退官し、ピザ屋の配達員として働く本庄恵梨香は重要参考人として警察にマークされる。一方、恵梨香と同じ戦地でのトラウマから退官し、クスリに手を出し売人にまで落ちぶれた野島武のもとへ、ある日「人を殺せるクスリを用意できなか」と元地下アイドルだという南川杏子が訪ねてきたーー。 物語をぐいぐいと進めて読ませる力がある。 ーー有栖川有栖 自然なセリフに好感をもった。 ーー黒川博行 リアリティが最大の長所。 ーー貫井徳郎 多くの人に届いてほしいと願える作品です。 ーー湊かなえ 最初のトリガーが秀逸。 ーー横関大 -
ワル・ドクター 矯正医官シロウ
「犯罪者かどうかなんて知るか。俺の患者だ」 同僚の尊厳を守るため教授をブン殴り、 大学病院を追われた外科医・神志那士朗(こうじなしろう)。 職を失った士朗に舞い込んだのは、 刑務所で受刑者を診る医師”矯正医官”への誘いだった。 すべてのドアや引き出しに鍵がかかり、 医療者同士で名前を呼ぶことも避けられる。 これまでの病院とは全く違う環境に足を踏み入れた士朗を さっそく待っていたのは、受刑者による刑務官刺傷事件。 十年を過ごした刑務所を出たくないと零す患者、 罪を犯した弟のために治療同意はできないと言われ、死に瀕している患者……。 塀の外からは「犯罪者を救うべきなのか?」と問われるが、 患者であり受刑者である彼らと向き合ううち、 士朗の瞳には再び医師としての矜持が宿る。 己の正義のためには力づくでも道を切りひらく 型破りなニューヒーロー、誕生! 『このクリニックはつぶれます!』の著者による、かつてない刑務所医療小説。 《もくじ》 一話 来訪者 二話 大和医療刑務所 三話 塀の外へ 四話 家族 五話 矯正医官・神志那士朗 六話 Dr. プリズン -
ママはもういないんだ
かつて戦隊ヒーローの一人として活躍していた朝井蒼太。しかし、今ではすっかり売れない俳優となってしまった。生活のためにバイトを続ける蒼太だが、常に彼を応援してくれていた妻の真白をステージⅣの胃がんで亡くしてしまう。時を同じくして、バイトも解雇された彼は、保育園に通う息子・空を養うため、俳優業にも見切りをつけ、定職を探し始める。そんなままならない生活に失望する彼の35歳の誕生日に、亡き妻から手紙が届いた。そこには、「箪笥に私のへそくりが隠してあるから、それをぱーっと使ってください」というメッセージとともに、チェックポイントを示した手書きの地図が入っていた。不思議な思いを抱えながら、蒼太は空とともに車でチェックポイントとされた場所を訪ねて行く。そこで出会った人たちと語り合ううちに、彼は自分の本当にやりたいこと、そして、息子に伝えなければならないことを見つけていく。息子と旅するロードムービーの合間に、妻との恋愛時代を回顧していく、感動の家族小説。 -
取り違えた封筒 ティモシー・トラント警部補の事件簿
ニューヨーク市警殺人課きっての伊達男、トラント警部補が出くわす、謎また謎の華麗なる冒険―― 上流階級に生まれ、法曹界での栄達を約束されていたティモシー・トラントは、輝かしい将来をすべて擲ち、大学卒業後、ニューヨーク市警への奉職を決めた。それは尋常ならざる謎、そして抜け目ない犯罪者との知的闘争を愛するがため。刑事らしからぬ優雅なファッション、そして上流階級へのコネクションに不満を抱き「上流階級専門の刑事」と陰口を叩く同僚たちなどどこ吹く風、トラント警部補は今日も趣味の殺人事件捜査に勤しむのであった。 トラントが殺人事件と遭遇するのは……大金持ちの誕生パーティ、上流階級専門の女子学校、往年の名女優のアパートメント、友人たちと興じるカードのテーブル、劇場のオープニング・ナイト……すなわち、ニューヨークにおいて、優雅と上品が極まった場所だ。あるいは、アルプスのスキーリゾート、ヴェネツィアの豪邸、リビエラの、煌びやかなカジノとは対照的に静まり返った港湾区画……どんなに麗しい場所であっても人と人とが交わる限り、殺人は決してなくならない。上流階級の殺人の、フーダニット/ハウダニット/ホワイダニットは、ティモシー・トラント警部補の論理きらめく頭脳におまかせあれ! エラリー・クイーンに続く、もう一つの合作コンビ《Q・パトリック=パトリック・クェンティン》によって第二次大戦後に展開された、謎解きミステリの精華たるシリーズ二〇編を集成。 合作者たちに祝福を。トラント警部補こそ、エラリー・クイーンと刑事コロンボをつなぐアメリカ本格の「失われた環」なのですから! ――作家・法月綸太郎 推薦! ◎海外識者の評価 アメリカ犯罪小説界のNo.1はパトリック・クェンティンだ。 ――フランシス・アイルズ 「今日最良の犯罪小説短編の作家は誰か」と問われたときにはただ一言、「パトリック・クェンティン」と答えるつもりだ。 ――ジュリアン・シモンズ パトリック・クェンティンの短編集は「探偵小説のプロット技術」を学ぶための最良の教本の一つとなるだろう。 ――アントニイ・バウチャー -
身柄送検
殺人事件に自首が5人。全て同じ凶器を持ち被害者との関係と動機も。謎の事件を警視庁捜査一課が紐解いていく。 警視庁恵比署管内で殺人事件が発生。一人が物証の凶器を持ち自首。それで解決と思われたが、そこから四人が自首。被害者の血痕と一致する凶器を持って。だが、それぞれの供述には、なんだかの不自然さが。捜査一課の滝川がその解決に挑む。 【目次】 表紙 身柄送検 第1章から第4章 奥付 【著者】 村上浩志 1962年生。実名は上田浩良。東京都渋谷区広尾在住。 1980年代から音楽業界の仕事を始める。 その後、音楽以外に広告や舞台制作の事業も。1990年代に、音楽プロダクション「株式会社アーティマージュ」を設立し、会長として本格的に音楽事業へ。「m-flo」など、CDアルバム販売累計100万を越すアーティストを輩出。 数年前に音楽業界を引退し、10代の頃からの作品100作ほどの小説をまとめ始める。 2022年、長編小説「最終小節のダルセーニョ」を出版発売。 -
たまゆら堂書店の本好き姉妹
あなたのお悩み、お聞かせください。 とある住宅街に佇む小さな書店「たまゆら堂」。一度は閉店したこの店を復活させたのは、おしとやかな姉・灯と、天真爛漫なギャルの妹・夏音の姉妹だ。 敬語禁止など夏音が作った独自のルールが異彩を放つ書店だが、一際目立つのは「あなたのお悩み、お聞かせください」と書かれた貼り紙。その貼り紙に引き寄せられるように、今日も店には悩みを抱えた人々がやってきて……。 仕事に誇りを持てず、むなしさを覚える女性や、娘の結婚を素直に喜べない父親など。困り事を抱えた人々へ本好き姉妹が人生を変える1冊を届ける。人生が好転する、ハートフル書店ストーリー。 -
ウバステ
幸福な孤独死とは?真梨流「終活」ミステリ。 逗子の実家に独りで暮らす駒田世津子は小説家。20年前、自身の小説『ウバステ』がTVドラマ化された縁で、元プロデューサーの小野坂哲子、シナリオライターの舘川信代、女優の千田友枝、監督の妻だった谷崎寿々の5人で食事会を続けている。世津子の還暦パーティから3年たった冬、寿々が千駄木のアパートで孤独死したという知らせが入った。謎多き死に一同は憶測をめぐらす。年が明けると、今度は寿々の元夫である梶谷が不審死を遂げた。食事会のメンバーには、2人から遺書めいた年賀状が届いていた――。 2人の死に疑問を覚えた世津子は、信代に引きずられるように、寿々のアパートに向かう。そこは、世津子が若かりしころ交際していた梶谷が住んでいた部屋だった。過去の記憶がフラッシュバックする。やがて世津子は『ウバステ』のモデルとなった高級老人ホーム「ユートピア逗子」と、自身の出生の秘密に触れることに……。 “イヤミスの女王”が新たに描くミステリーの裏テーマは「老いと死」。昭和歌謡をBGMに「おひとり様の老後」「幸せな最期の迎え方」を描き出す、著者の新境地。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『ウバステ』 の文庫版となります。 -
昭和奇譚 窓辺の怪物
昭和四十九年秋、関西の田舎町。小学3年生のマモルは、寝たきりの美しい姉・サリエを「怪物」と囃し立てるクラスメイトたちに何も言えず、無力感を抱えていた。やがて町で猟奇的な連続首なし殺人事件が起こり、マモルの周囲の人間が次々と犠牲になっていく。謎の腹話術師・賀茂が町に現れ、事件の真相はマモルとサリエの深い絆へと辿り着く。 -
O脚の膝
2003年刊行の第一歌集を新装版として18年ぶりに復刊。電子版だけで流通した第二歌集『星か花を』(66首)も併せて収録。 【収録歌より】 「水菜買いにきた」 三時間高速を飛ばしてこのへやに みずな かいに。 そこにいるときすこしさみしそうなとき めをつむる。あまい。そこにいたとき うすむらさきずっとみていたらそのようなおんなのひとになれるかもしれない 濃い。これはなんなんアボガド? しらないものこわいといつもいつもいうのに たくさんのおんなのひとがいるなかで わたしをみつけてくれてありがとう 【目次】 O脚の膝 星か花を たくさんのおんなのひとがいるなかで 世界の関心 そらをとぶかも ―テーマ「義経忌」― せ、せ、せかい スクンビットソイ33 28の女のあし わかった あとがき 【著者】 今橋愛 1976年大阪生まれ。大阪在住。歌人。一児の母。大学在学中に岡井隆の授業で現代短歌に触れ、23才で短歌をつくりはじめる。他の歌集に『としごのおやこ』。共著に『いまドキ語訳越中万葉』『トリビュート百人一首』がある。 -
印象・スケッチ
好意も性愛もその喪失も 地球上でずっとくり返されてきたことで、 誰もがみなワンオブゼムであるのだ。 ――江國香織氏(書評より抜粋) 砂浜で出会った言葉の通じぬ異郷の二人。 共に陸の上を夢見る海藻と一匹の魚。 資源の少ない島内を旅しながら生計を立てる宝石拾いと真珠採り。 湖の対岸の大きな山に想いを寄せる小さな山。 人と人、生物と生物、自然と自然。 一対一の関係のなかで交わされ、育まれる「好意」という感情。 目に見えぬその内実をゆたかな言葉で描き出した、 芥川賞作家によるかつてない恋愛小説集。 生まれ持った寿命が大きく異なる二人の恋をつぶさに写し取る「大差螺旋のスケッチ」を収録。 【著者略歴】 井戸川射子(いどがわ・いこ) 1987年兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。2018年に第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。19年に同詩集で第24回中原中也賞、21年に小説集『ここはとても速い川』で第43回野間文芸新人賞、23年に『この世の喜びよ』で第168回芥川龍之介賞、25年に『無形』で第75回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞、同年、第10回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞を受賞。他の著作として、詩集に『中座を横から見たscene』、小説に『曇りなく常に良く』『移動そのもの』『私的応答』『舞う砂も道の実り』などがある。 -
凍てつく河
伝説の助産婦を描く傑作胸熱歴史ミステリー。 1789年11月、アメリカ・メイン州。 凍結したばかりのケネベック川で男性の遺体が見つかった。男は地域の鼻つまみ者バージェス。町の医療を担う助産婦で治療師のマーサは、検分を依頼され殺人と断定するが、治安判事ノースの差し金でやってきた若いエリート男性医師は溺死を主張する。一方、マーサはバージェスの死を牧師の妻レベッカに知らせに行く。その年の夏、マーサは全身に怪我を負ったレベッカの手当をした時に、バージェスとノースから性暴力を受けたと聞いていたのだ。マーサはバージェスの死因を問う件、そしてレベッカの性暴力被害の真偽を問う件と、ふたつの裁判で証言をすることになる。当時レイプは死刑に該当する重罪であったが、実際には男性に有利な判決が下されることがほとんどだった――。 建国初期の米国に実在した伝説の助産婦マーサ・バラード、その日記と並外れた生涯に着想を得た、傑作胸熱歴史ミステリー。2026年CWAゴールドダガー賞最終候補作! (底本 2026年9月発売作品) -
〈メディア〉シリーズ
140年の歴史を誇る全国紙・日本新報が発行を停止した。世間の新聞離れに歯止めがかからず、経営改善の努力も虚しく倒産してしまったのだ。 同僚たちが次の就職先を模索するなか、社会部の記者・南康祐にはある画策があった。それは志を同じくする同僚と、日本新報の後継としてネット専門メディア「日新ネットS」を立ち上げることだった。 新聞社やテレビなど「オールドメディア」との確執、人員・人材不足、記者クラブ問題、広告収入の減少・・・・・・立ちはだかる諸問題を乗り越え、ネット専門メディアとして成立させることができるのか。 『警察(サツ)回りの夏』『蛮政の秋』『社長室の冬』に続く〈メディア〉シリーズ、真の完結編! 【著者略歴】 堂場瞬一(どうば・しゅんいち)1963年生まれ。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年、野球を題材とした「8年」で第13回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。スポーツ小説のほか、警察小説を多く手がける。「ラストライン」シリーズ、「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズ、「警視庁追跡捜査係」シリーズなど、次々と人気シリーズを送り出している。ほかに『弾丸メシ』『幻の旗の下に』『デモクラシー』『ポピュリズム』「ボーダーズ」シリーズなど著書多数。 -
5秒で完全犯罪を生成する方法
重岡大毅が主演を務める映画『5秒で完全犯罪を生成する方法』(2026年9月11日全国公開)を「シナリオブック」として刊行。 人間の選択とAIの完璧さが交錯する新たな完全犯罪サスペンス。AIを誰もが手軽に使える時代に忍び寄る便利さの裏側にある恐怖。かつてSFの世界だったAIが、日常の暮らしに溶け込もうとしている今こそ読むべき最も危険な物語。 そんな緊迫感あふれる本作において、主演の重岡大毅はじめ、共演の原菜乃華、田中みな実の場面撮影写真を、印象的なシーンを中心に巻頭カラーで16ページ掲載します。 脚本は『ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ』(2010年)や『マスカレード・ホテル』(2019年)など多くのヒット作を手掛ける気鋭の脚本家・岡田道尚が担当。映像では捉えきれないト書き、台詞の“間”、演出意図、感情の揺らぎを読書体験できる一冊です。 また、本書では巻頭カラーの場面写真、シナリオに加え、この物語がどのように生まれたのか、脚本家自らが解説。本作が動き出すことを導いた企画書第一弾や脚本執筆のために試行錯誤したAI生成文などの資料も公開。その物語とともに、制作過程にも迫ります。 シナリオ制作の過程がわかる資料を収録することで、映画を“観た後”にも“観る前”にも楽しめる立体的な構成の一冊となっており、映画ファンはもちろん、脚本・演出・映像制作に関心の高い読者層まで幅広く楽しめます。 -
月とワンテイク
山内昌人第一歌集 永遠の青年は、山内昌人という名前の仮面をかぶり、「顔なき男」として泣いて笑うのだ。――山田航(歌人) 山田航解説『素顔のピエロ』収録 〈5首選〉 今日という異物を包み込むために受け取っているデイリーニュース 遠回りすることでしかたどり着くことのできない青空がある 我という入り江に寄せてまた返す喜びと哀しみにようこそ まもなくの夜に向かいて木漏れ日のひかり溜め込む夕暮れのバス 影としてコンクリートに溶けていくことだけが許された夕暮れ 【目次】 序奏~プロローグ 合わせ鏡 ポケット 空回りする役回り 表札以前 音階のカルテ 役名 解説 素顔のピエロ 山田航 あとがき 【著者】 山内昌人 1966年北海道生まれ 「辛夷」に所属 -
敵
デビュー句集『膚』で田中裕明賞と俳人協会新人賞をW受賞した俊英・岩田奎。今年、Forbesが選ぶ「30 Under 30 Asia 2026」にも選ばれた著者による待望の第二句集! 叫ぶおやすみとか氷るおやすみ 挽肉のあらければ咲く辛夷かな 辛夷が咲くのは、この挽肉が粗いからだったのだ。ひとつの死である挽肉が、粒の粗さのために口の中で弾ける逆説的な生命感。辛夷が咲くことはまさにそのような現象ではないか。私たちの世界の、思いもよらないきらきらしさと残酷さを、『敵』はこうして取り出してみせるのである。──服部真里子(歌人) 【収録句より】 蟻地獄蟻がはこびしものも落ち 「皆」 星祭われら虚業のビル灯す 「舌や腸」 春の雨いのちちぢめの飯を食ふ 「力」 鹿啼けり無数の黒い扉のやうに 「ライフ」 枯木コロシアムかならずだれか勝つ 「敵」 氷柱落ち砕けてそこにありつづけ 「水の熱」 残るあぢさゐこれからも見て暮す 「冗談」 【目次】 1 皆 2 舌や腸 3 力 4 ライフ 5 敵 6 水の熱 7 冗談 あとがき 【著者】 岩田奎 一九九九年京都生。二〇一五年、開成高校俳句部にて作句開始。櫂未知子、佐藤郁良に師事。第一句集『膚』(二〇二二、ふらんす堂)にて田中裕明賞、俳人協会新人賞。ほか著書に『田中裕明の百句」(二〇二四、同)、受賞に石田波郷新人賞、俳人協会新鋭評論賞、角川俳句賞など。「群青」「オルガン」同人。俳人協会幹事。日本文藝家協会、現代俳句協会、パフォーマンスコレクティブ「やる」に所属。NHK文化センター青山教室(オンライン開講)、梅田教室講師。二〇二六年現在大阪在住。 -
泡
飲食店で働く〈しゅう〉は、恋人〈アカリ〉と、雑居ビル最上階のプレハブで暮らしている。彼女の様子が最近おかしいことに気づいた〈しゅう〉が思い切って理由を訊いてみると、まったく想像していなかったような、衝撃的な答えが返ってくる。〈しゅう〉は大きなショックを受けるが、その後も謎めいた〈アカリ〉の行動を必死に追っていく。すると、さらに思いがけない展開へと結びついていき・・・・・・。 大都市の片隅で真摯に生きる二人を描いた、待望の長編小説。 【著者略歴】 辻仁成(つじ・ひとなり) 東京都生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。作家・詩人・画家・ミュージシャン・映画監督と幅広いジャンルで活躍している。1997年「海峡の光」で第116回芥川賞、1999年『白仏』の仏語版Le Bouddha blancでフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『オキーフの恋人 オズワルドの追憶』『日付変更線』『父Mon Pere』『十年後の恋』『パリ情景 動かぬ時の扉―Vision de Paris―』他、著書多数。 -
楽園の子どもたち
ようやく得た職場は、前任が5日で精神を病んだという、古い映画館〈パラダイス〉。ある日私は、閉館後の館内で夜毎起きていることを知り──。英語圏で最も注目を集める作家の鮮烈長編作。 この国に越してきたばかりのサリーが働き始めたのは、前任者が5日で精神を病んだという映画館──。GRANTA「若手作家ベスト20」選出、英語圏最注目作家による傑作長編。王谷晶、朝宮運河推薦。 ここは人間の臓器のように 暗闇に捨て置かれた映画館〈パラダイス〉 ほとんど何も持たずに、この国に引っ越してきたばかりのサリーが働きはじめたのは、前任者が5日で精神を病んだという映画館。同僚の誰からも話しかけられない日々を過ごしていたが、ある日閉館後の館内を覗くとそこには──。 ******** 暗闇の中で倦み腐り歓喜することが唯一赦される場所。美しく悍ましい映画館に魂を食われる痛みと悦びが、読み終えた後もいつまでも疼く。 ──王谷晶(『ババヤガの夜』) グルドーヴァが描く青春の姿はこんなにも歪で、薄汚れていて、美しい。この場所では、幻想が現実を呑みこみ、虚構が本当になる。 ──朝宮運河(『現代ホラー小説を知るための100冊』) ******** 〈映画×労働×グロテスク〉 『人形のアルファベット』のカミラ・グルドーヴァによる傑作長編! 2016年「ワクシー」(『人形のアルファベット』収録、2025年河出書房新社刊)でシャーリイ・ジャクスン賞受賞 2023年GRANTA「若⼿作家ベスト20」選出 2026年『人形のアルファベット』で「このホラーがすごい!」海外編第6位 そして本書『楽園の子どもたち』で、英語圏で最も権威ある文学賞の一つである女性文学賞ノミネート 英語圏最注目作家の傑作長編がついに邦訳! ======== 『楽園の子どもたち』目次 真夜中のカーボーイ 七人の侍 何がジェーンに起ったか? ミツバチのささやき タクシードライバー テオレマ 月光石 獣人 天国への階段 カビリアの夜 オズ ファニーとアレクサンデル 天使の復讐 ポップコーン おもちゃの王国 赤い影 ファントム・オブ・パラダイス ヘザース/ベロニカの熱い日 ローズマリーの赤ちゃん ラスト・ショー 赤い靴 ベニスに死す 謝辞 訳者あとがき -
レオーネが荒野を駆ける時
バハ1000レースに賭ける男たちの夢と熱い魂! 四輪駆動車の生産に力を入れてきたスバル本社は、その性能を全世界にアピールするため、カリフォルニア半島を縦断する過酷なレース「バハ1000」への出場を決定した。レオーネ4WDに荒地走破性能を備えたスーパー・レオーネを開発し、オフロードレースに出場したいというテスト・ドライバー、尾島龍一郎の長年の夢がかなうことになったのだ! 長篇レース小説。 ●高斎 正(こうさい・ただし) 1938年、群馬県生まれ。作家、自動車評論家。日本SF作家クラブ第3代事務局長を務め、名誉会員に。『ホンダがレースに復帰する時』『ミレミリアが復活する時』(いずれも徳間書店)、『パリ~ウィーン1902』(インターメディア出版)など、自動車レース小説を多く書く一方、ノンフィクションとして、ミドシップの歴史を追った『レーシングカー・技術の実験室』(講談社)や『モータースポーツ・ミセラニー』(朝日ソノラマ)などの著作もある。 -
ニッサンがルマンを制覇する時
1周13.46キロ、ミドシップ5000ccが轟然と吠える! 10年余の沈黙を破って、ニッサンが「ルマン」に挑戦する。24時間を走りきる苛酷な耐久ロードレースにのぞむのは、人間尊重の新兵器を装備したミドシップ5000ccの大排気量車、ニッサンR384。このクルマを駆るワークス・ドライバーは、公募に応じて厳しいテストとトレーニングに耐えた6人の男たちだ。轟然と吠えるエンジンの響きに満たされた1周13.46キロのコースをR384が唸り、跳び、走る……! 長篇レース小説。 ●高斎 正(こうさい・ただし) 1938年、群馬県生まれ。作家、自動車評論家。日本SF作家クラブ第3代事務局長を務め、名誉会員に。『ホンダがレースに復帰する時』『ミレミリアが復活する時』(いずれも徳間書店)、『パリ~ウィーン1902』(インターメディア出版)など、自動車レース小説を多く書く一方、ノンフィクションとして、ミドシップの歴史を追った『レーシングカー・技術の実験室』(講談社)や『モータースポーツ・ミセラニー』(朝日ソノラマ)などの著作もある。 -
ロータリーがインディーに吼える時
轟音! インディー500マイルに賭けた男たちの死闘 マツダ・ロータリー車が米国最大のレース「インディー500マイル」に出場が決まった瞬間から、技術者たちの不可能を可能にする戦いが始まった。世界の名車が一堂に会する5月のインディアナポリス……。轟音と共にスタート、マシーンに魅せられた男たちの強烈なドラマが開始された! 長篇レース小説。 ●高斎 正(こうさい・ただし) 1938年、群馬県生まれ。作家、自動車評論家。日本SF作家クラブ第3代事務局長を務め、名誉会員に。『ホンダがレースに復帰する時』『ミレミリアが復活する時』(いずれも徳間書店)、『パリ~ウィーン1902』(インターメディア出版)など、自動車レース小説を多く書く一方、ノンフィクションとして、ミドシップの歴史を追った『レーシングカー・技術の実験室』(講談社)や『モータースポーツ・ミセラニー』(朝日ソノラマ)などの著作もある。 -
蟻地獄の子
あの土地に生まれた女衆は、産声あげた瞬間に見えない鎖で繋がれる Kさんは、その見えない糸のことを「土地の鎖」と呼んでいた。地名も風景もよく分からず、まるで実態が見えてこない、「X県の海の近く」にある集落。「お姉さんに、何があったの?」思いきって聞いてみた。Kさんは視線を上げ、静かな眼差しで私を凝視した。「私を逃がす代償に、崖下で、むごく潰されてん」Kさんの目は、今まで見せたことのない黒々と鈍い光を湛えていた。(「蟻地獄の子」より) 得体の知れない因習村から逃げてきた少女、夏になると四人の轢死体を作り出す急行電車、家の中に棲みついた気味の悪い黒虫……。文芸誌などに掲載されたのち、単行本未収録だった短篇作品を厳選。電子オリジナルの怪奇・ホラー短編集。 *蟻地獄の子 *枕木嘔吐 *母とクロチョロ *中古獣カラゴラン *いきなおし *きたぐに母子歌 *しゃり坊 *下魚 *死にパパたちの矜持 *死にママたちの告げ口 *Z村は見ていた ●雀野日名子(すずめのひなこ) 石川県で生まれ、福井県と大阪府で育つ。ゴーストライターやノベライズライターから物語執筆へと移行し、『機械仕掛けのアン・シャーリー』でジャイブ小説大賞入選。『あちん』で「幽」怪談文学賞短編部門大賞を受賞し、同作で小説家デビュー。『トンコ』で日本ホラー小説大賞短編賞受賞。「雀野日名子」名義での単著に、『太陽おばば』『幸せすぎるおんなたち』『終末の鳥人間』『かぐや姫、物語を書きかえろ!』などがある。カルト映画と80sをこよなく愛する、文壇アレルギー症。 -
おんぼろ荘でも猫はまどろむ
“人生につまずいた時、隣にいたのは猫でした” 先読みサービス「NetGalley」にて「癒されました」と大反響! 東京・谷中のおんぼろ下宿を舞台に描かれる、悩める若者たちと看板猫の優しい物語。 大学受験に失敗し実家に居場所がなくなった恵麻は、東京・谷中にあるオンボロ下宿「灰猫荘」に入居することに。そこに居たのはふてぶてしさ全開の巨猫・ヌシ。管理人には「ここでは誰もヌシの行動を邪魔してはならん」と忠告され、他の下宿生も癖のある者たちばかりで不安を抱く恵麻。しかし、自由気ままのヌシとの繋がりが恵麻の日々を変え――。 これは猫から人のあたたかさと夢を教わる、優しい物語。 (装画・嶽 まいこ) -
まどろみの殺意
『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作家最新作 人気作家推薦! 欲しかったのは上質な睡眠。与えられたのは永遠の眠りと上質な謎。 ――今村昌弘 ようこそ、睡眠と推理のめくるめく迷宮へ。伏線の数々に痺れました! ――方丈貴恵 (あらすじ) 森の中にある睡眠外来専門の「水巻ねむりのクリニック」にて、睡眠導入剤の治験が開始された。しかし、ほどなくして患者の一人が不審死を遂げる。 殺人の可能性が示唆されるも、患者は全員、治験用の機器により動きが把握されていたためアリバイが成立。医療者側にも不審な動きはなかった。 治験は中止、豪雨により街と隔絶されたクリニックで救助を待つなか、さらなる事件が起き――。 【著者について】 香坂鮪(こうさか・まぐろ) 1990年、熊本県生まれ。大阪府在住。現在、循環器を専門とする特定機能病院に勤務。第23回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞し、『どうせそろそろ死ぬんだし』で2025年にデビュー。他の著書に『みんななにかに縋りたい』(宝島社文庫)がある。 -
夜の海をゆく人よ
最愛の人は〝善き人″ではなかったのか? 利他とは。善とは。勇敢さとは。 ほろ苦くも優しい、再生の物語。 むつみの婚約者だった春臣は、通り魔から妊婦をかばい、〈英雄〉として死んだ。その死を引きずる彼女のもとに、春臣の弟・真央が転がり込んでくる。「エディ・ウッド・ゴー」を信条に善い生き方を心掛けていた春臣をなぞるように、二人は日常の中で「善いこと」を実践し、報告し合っていた。駅で真央を待ち続ける「募金ちゃん」、ノンデリな職場の同僚・松下、高校の同窓会で再会した春臣の死を知らない同級生……。彼らとの関わりの中でむつみと真央は、春臣の死を、自らのもとへ取り戻してゆく――。 -
Re:Visual
「後悔してる人、やり直したいけど勇気が出ない人に、贈りたい。この物語は、きっとあなたの背中を押してくれる」大矢博子(文芸評論家) 授かり婚を機に音楽から離れて約20年、夢と引き換えに手にした家族も離婚で失い、今や見た目も冴えない独身中年となった宏弥。しかしある朝、宏弥の身体は、かつて実力派ヴィジュアル系バンドのボーカルとして鳴らした頃のそれに若返っていて――。見た目一つで、世界は大きく態度を変える。それは、宏弥が家族と、そして人生と、向き合い直す日々の始まりだった。「中身まで、若返ったわけじゃない。なのに、どうして世界がこんなに鮮やかなんだろう?」「レゾンデートルの祈り」シリーズ著者入魂の一作! -
悔恨
〈刑事マシュー・ヴェン〉シリーズ第三作 嵐の夜、船乗りジェムの死体がノース・デヴォン沖合で発見された。彼はなぜ嵐のなか船を出したのか。マシュー・ヴェンが謎に挑む -
9割の日本人のための「ゆる読書」入門 :“活字マッチョイズム”の終わりと新しい読書推進
活字本だけが読書と思い込んでいませんか? 『「若者の読書離れ」というウソ』の著者がすすめる、新しいかたちの読書論。 日本は読書後進国!? 活字だらけの紙の本だけを読書と思い込んでいませんか? 子どもの活字離れを嘆く前に、日本人の大人が無意識で持つ“せまい読書観”の押しつけが、子どもや人々を読書から遠ざけているのである。 『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』『「若者の読書離れ」というウソ』の著者が、マンガもライトノベル、雑誌、オーディオブック、読み聞かせなども、立派な読書とみなせることを、豊富な海外の統計資料から綿密に分析し、その“せまい読書観”を斬り、今の時代に合った新しいかたちの読書論を提言する。 「活字マッチョ」とは「ほとんど字で書かれた紙の本」が好きな人が、無意識のうちにそうではない人に自分と同じような読書観や読書量、読書のレベルを期待し、求めてしまうことだ。私の造語である。 本や読書自体がマッチョ、つまり他者に対して攻撃的なのではない。 本や読書のかたちを広げていけば、とどく範囲もずっと広がるからだ。 (本書「はじめに」より) 目次 はじめにー活字マッチョはもうやめよう 第1章 観る読書 欧米で急拡大する児童向けコミック市場 「児童書出版社」が子ども向けコミック市場を開拓した コミックがほんものの読書と認められ、図書館が歓迎し、入れやすくなった理由 ① コミック読書に関する調査 、研究が進展し、ポジティブな効果が確認され、共有された ②レイティング(年齢区分)制度を確立した ③選書基準に活かせる賞や書評が整備された ④ 文字や読書が苦手な子、第二言語として英語を学ぶ読者にとってよい媒体として認められた ⑤ 絵があったほうがイメージしやすく、学びやすい ⑥ 受け身ではなく主体的・対話的にビジュアルリテラシーを学べる ⑦「スクリーンタイムよりはマシ」という思想の広がり アメリカの学校図書館団体による調査結果 第2章 聴く読書 アメリカの公共図書館ではオーディオブック利用者の4分の1は「それしか借りない」 「YouTubeを〝聴く〞」UKの子ども・若者たち 英語圏でのポッドキャストではトゥルークライム、ドキュメンタリー、スリラーも強い 「ラップは読書」 ①発達障害や学習障害当事者であるラッパーとリスナーの言語実践 ② 学校的な価値観とは隔絶した世界で生きる人たちにとどく言葉 ③ 小説よりもはるかに古くからある、詩や演劇、口承文芸の継承者 第3章 デジタル読書 Hi- Lo 「デジタル×やさしい本ほん」 小学生 好奇心を刺激するノンフィクションとキャラクターを好む 中学生 古典をグラフィックノベルで読む 高校生 Hi—Loを読む ①読み上げ機能やフォント変更が標準装備されている ②他人に見られない、なにを読んでいるのか知られたくない 本がある場所に行けない、行きたい場所ではない 待てない 雑誌や新聞の代替物ーウェブ小説、デジタルコミック、Substack ①ウェブ小説 ②マンガアプリ、ウェブマンガ、ウェブトゥーン ③Substack 第4章 読書推進の拡張 スペイン オーストラリア ①視覚的な文法の解読 ②グラフィックノベルの分析 ③マルチモーダルな創作 北欧(スカンジナビア) 第5章 読書観の整理 PISAのなんでも「リテラシー」として取り込むReading一元論 「勉強のための読書」( 課題図書)と「楽しみのための読書」( 自由読書) 読解指導、読書指導、読書教育、読書推進 探究的な読書の強制が、自由読書を阻害する矛盾 「ひとりで読む」と「みんなで読む」 実利でも娯楽でもない読書―教養・人文・良書 規範的な読書論と記述的な読書論ーポストクリティークと「生活読み」 BookTokー批評のHi-Lo化か 韓国のテキストヒップ現象 これまで否定されてきた読書も肯定する 第6章 読書の図り方 識字率の調査しかほぼしない国もある 期間の設定 過去1か月、3か月、1年 「完読」と「一部読了」を分ける 冊数と分数を分ける 「本」をどこまで分けるか 紙の本編 「本」「読書」をどこまで分けるか デジタル編 国際比較から考える おわりに -
刑事葛城
【電子版限定特典!】 電子版には、シリーズ第二弾「刑事葛城 届かない警告」の冒頭試し読みを収録しています。 〈どんでん返しの帝王〉が放つ新シリーズ! 緊迫の警察×心理ミステリー 「戦場に物的証拠は存在しない」 年がら年中、人を殺す方法ばかり考えているミステリー書きが絶えず念頭に置いていたテーマがこれだ。今回、やっと使えることと相成った。他のシリーズでちょくちょく顔を見せている葛城公彦。優しいが平凡極まりない男が非凡な事件に挑む。 乞うご期待。 ――中山七里 【人物紹介】 ・葛城公彦 警視庁捜査一課の刑事。暴力団とトクリュウの銃撃戦で死亡した警察官の死に違和感を覚え、捜査を進める。 平凡な風貌と柔らかな物腰で相手の懐に入り込み、本音を引き出す。罪は憎んでも、犯人は憎まない。 ・紅島雛多 新宿署刑事課の刑事。警官殺しが発生した「新宿騒乱」の現場に出動し、壮絶な銃撃戦を潜り抜けた。 葛城とコンビを組み、事件の真相を追うことに。 戦場と化した歌舞伎町で額を撃ち抜かれた警察官。 誰もが殉職を疑わなかった。葛城を除いて―― -
可燃物
ランキング3冠! 警察×本格ミステリ傑作 【ミステリーランキング3冠】 米澤穂信、初の警察×本格ミステリーがついに文庫化! 【内容紹介】 群馬県警捜査第一課の葛警部は、上司にも部下にも煙たがられる存在だ。 だが、葛の捜査能力を疑う者は一人もいない。 連続放火、見つからぬ凶器、遺棄されたバラバラ死体、不可解な立てこもり―― 難事件の奥に潜む真実を、葛警部だけが見抜く。 ミステリランキング三冠に輝いた、警察×本格ミステリの金字塔。 解説=有栖川有栖 単行本 2023年7月 文藝春秋刊 文庫版 2026年9月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
夜明けのはざま
人生で間に合ったことと、 間に合わなかったこと、どちらが多いだろう。 大切な人との別れと自分自身の心の解放を描いた 本屋大賞受賞作家の感動作! 寂れた町にある、家族葬専門の葬儀社「芥子実庵」。大切な人を亡くし後悔や痛みを抱えながらも、「いつか」がいつ来てもよいように、「今」を生きようとする人々を力強く描き出した希望の物語。 -
サツ飯
『銀座「四宝堂」文房具店』著者の異色作! 「もうガマンできませんっ。いただきます!!」 満腹度120%、「銀座「四宝堂」文房具店」シリーズが大人気の著者による、異色グルメ小説。 PR会社に勤める桜花(さくら・はな)・30歳は、大食いで食べっぷりがいいところを認められ、Y県警の職員向け広報誌「桜花(おうか)」の人気連載〈サツ飯! 拝見〉を担当することに。サツ飯を作る人・食べる人に話を聞き、その料理に絡んだ出来事や思い出を聞くコーナーだ。 取材初日、県警総務部の長山修二と、町のそば屋・長寿庵を訪ねる。 丼のふちまで盛られた、ふんわり甘じょっぱい香りのカツ丼を、笑顔で噛みしめる「食べる人」警部補・西田。その光景を嬉しそうに見つめる店主夫婦。 警察についてステレオタイプ的な知識しかなかった桜花が、そこで見て聞いて食べて、呟いた意外な一言とは――。 事件は起こらずとも、腹はすく。“警察のごはん”を食べて驚きの“内部事情”を知る、どこにもないグルメ小説! 文庫書き下ろし。 カバーイラストはイシヤマアズサさん。 -
晴明の娘
時は平安。 安倍晴明の元に生まれた待望の娘である煌子は、祖母譲りの狐耳と尻尾を持つ妖狐であった。家族の愛を一身に受け、好奇心旺盛でおてんばに育った煌子は、気付けば様々な騒動の渦中に。 男装して陰陽寮を見学したり、鞍馬の大天狗に求婚されたり、五節の舞姫に選出されたり。 騒動のかたわら式神を増やし、困難を乗り越え、やがて無比の美貌と妖力を持つ「白狐姫」として都にその名を知られるようになるが!?