ぬすびと

ぬすびと

小説・文芸
1,870円 (税込)

9pt

かつて喫茶店で働いていた鳴海は、菓子メーカーの創業一家・南雲家から子守役として雇われる。そこで出会ったのは、気難しい少年の栄輝と、美しい年上の奥様・彌栄子だった。次第に心を通わせていく三人だったが、ある出来事をきっかけに、彌栄子から「二度と会わない」と鳴海は突き放され、関係が途絶えてしまう。
それから二十年。大人になった栄輝から、ある日突然「母がそちらに行っていませんか」と電話が掛かってきて……。

きっと、ページをめくるたび、あなたは力を取り戻していく。
傷も時間も刻んだ体で、どこまでも自由に踊り出すための物語。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    双葉社
  • タイトル
    :
    ぬすびと
  • タイトルID
    :
    20172722
  • 電子版発売日
    :
    2026年03月18日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    10MB

閲覧環境

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ぬすびと のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    p72
    多くの人は自分の心を直視しない。認めない。
    隠して押さえつけてそれでも捨て去ることはできず、巧妙なやり方で他人を傷つけてごまかそうとする。
    非難とか陰口とか、意地悪とか、あるいは冷笑とか。

    p120
    なんで本なんか読むの?
    知ってる言葉が増えるのって器が増えることだと思う。
    大き過ぎる感情を小さな器に注げば溢れる。知っている言葉が増えるといままでただ「ムカつく」で処理していた感情をこんな風に言われて恥ずかしかった、傷ついた、みじめだった、でもみじめだと認めたくなかった、だから強い態度を取ったと細分化できる。
    それぞれの器に注げば、溢れ出さない。よく器が大きい、小さいとかいうけれどもおれは自分はきっと器の小さい人間なんだろうと思っている。でも小さい器をたくさん持つことはできると思っている、と暖は言うのだった。

    p126
    彌栄子さんは確かに傷つきやすくて繊細な人です。でもただそれだけの人とも思えません。
    諦めない人です。自分の心をまっすぐに見つめる人です。傷ついて、落ち込んで、それでも、それでも前に進もうとする人です。私が来たから変わったわけじゃなくて、最初からそうゆう人だったんです。
    本当は頭もいいし、強い。あなた達は知らなかったでしょうけど。知ろうともしなかったんでしょうけども。
    p132
    あんたを守りたいんだよ、あんたをあの家から切り離すことで二度と会わないことで、守ろうとしてる
    p140
    みんな、化け物を見てるみたいな顔で僕を見ていた。でも鳴海は違った。鳴海だけが全然違っていた。
    他の人が呆れる時にも面白がっているみたいに笑っていた。でも本当にやっちゃいけないことはちゃんと怒ってくれた。あなたと一緒にいると、僕は自分のことをおかしいと思わずにすんだ。
    自分をダメな子だって思わなくなった。
    あなたは僕のたった1人の仲間だった。なのに突然いなくなってしまった。
    その後父も母も変わった。親戚の連中はみんなあなたを泥棒だと言うよ。あな方がこの家をめちゃくちゃにしたって。何を信じればいいのか、ずっと分からなかった。混乱したまま大人になった。

    p191
    互いに歳を取った。過ぎた時間は戻らないし、死んだ人と関係を築き直す事はできないし、欠けた心は元の形に戻らない。
    それでも悲しい事だとは思わなかった。傷こそが、欠損こそが、その人をその人たらしめる。


    いやあ!!すごく良かった!!ザ寺地はるな!
    何か主人公は悪いことをして追い出されたように最初は感じたけど、全然違かった。
    人生を大きく変えてしまったけど、多分良い方向に鳴海が持って行ってくれたと信じたい。
    20年の歳月を経た書き方が秀逸でした。

    まだ読みたい寺地はるな作品↓
    リボンちゃん、名もなき生活は続く、世界は君が思うより、そういえば最近

    0
    2026年09月21日

    Posted by ブクログ

    栄輝と鳴海の電話で、時間が少しづつ巻き戻っていく様が泣ける。でも過去には戻れない。前を向くしかないんだね。若い時はわからなかったことでも歳を重ねてわかることってあるよね。
    私ももういい大人だけれど、小さい器をたくさん持てるようにしていきたいな。
    p104.『わたしたちは「よその人」が教えてくれた知識を煉瓦のように積み上げて自分たちの生活を守ってきた』
    ここすごく好き。謙虚に、まっすぐ、生きていきたい

    0
    2026年09月08日

    Posted by ブクログ

    オーディブルにて。
    不覚にも大泣きした。自分を大きく変えてくれた人は大きな自分の支えになる。憎んでも恨んでもよくて、でも自分の足で歩くことが生きることそのものだとも思えてくる。誰かに心を開いてみたいと、猛烈に思う。

    0
    2026年07月27日

    Posted by ブクログ

    かつて子守をした男から20年ぶりに電話が。言葉にならないもどかしさが、すれ違いを生んでいく。

    暖の言葉を通して、本を読むことは言葉を増やし、自分の中の器を増やすことなのだと感じた。小さな器をたくさん持つほど、人の気持ちを受け止められるのかもしれない。

    0
    2026年07月24日

    Posted by ブクログ

    この年齢になってから読んでよかったなと思えた本。過ぎた時間も欠けた心も決して元には戻らない。でも流れた時間のその時その時に感じたものや欠けた部分こそが自分を自分たらしめているのですね。そして時を経たからこそ再生できる絆もあると思えた

    0
    2026年09月26日

    Posted by ブクログ

    連作短編集ではない寺地さんの作品を初めて読んだ。この形式の方が個人的に好みかもしれない。

    泥棒、と言われた鳴海は一体過去に何をしたのか?と不穏な雰囲気で物語が始まったが、スラスラと読み進めることができた。

    読み終わって表紙を見て、20年越しに叶ったささやかな関係性が感じられて良かった。

    0
    2026年09月18日

    Posted by ブクログ

    まず表紙が美しい、、、

    主人公鳴海の20代と現在40代のお話。
    20代の頃に働いていた喫茶店でとあるお家の家政婦をしないかと、鳴海は快諾する。
    そこで出会った5歳のやんちゃな男の子栄輝とお上品な奥様の彌栄子。
    この3人のやりとり微笑ましかったなぁ、、、
    彌栄子は鳴海と出会いどんどん新しい扉を開ける。
    とあるきっかけで鳴海は南雲家の家政婦を辞めることになる。
    そして現在40代になった鳴海に1本の電話が。それは大人になった栄輝からの電話だった。

    久しぶりにあった鳴海、栄輝、彌栄子。
    まだまだこの3人を見ていたい1冊でした。

    0
    2026年09月11日

    Posted by ブクログ


    貧困層の女が経歴を詐称して裕福な家庭の子守りとして雇われる話

    なんだこれぜんぜん共感出来ない!笑、と読み始めたが後半に向かうにつれ激しく動揺した。私はこの感情を知っている。涙が止まらなかった。正確に思い描けない感情で泣かせる描写力に度肝を抜かれる

    ここを辿るとこの感情に行き着くのか!と身に覚えのない経路から気持ちを引き出された不思議な感覚を覚えた本だった。他の本も読みたくなる、吸引力すごいな

    0
    2026年09月04日

    Posted by ブクログ

    寺地はるなさんを、リボンちゃんに続けて読みました。ぬすびとは、鳴美さんの悪態つきつつも、一緒に寄り添っていくところが好きだなーと思いました。

    0
    2026年09月03日

    Posted by ブクログ

    わたくしめはこのような、成人した女性同士の友情とも愛情とも言い難い、代替不可かつ心に深く刻まれた人生のごく僅かな、しかしそうとは思えないほど濃密な日々を記した物語を主食とさせていただいております。

    0
    2026年08月31日

ぬすびと の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    双葉社
  • タイトル
    :
    ぬすびと
  • タイトルID
    :
    20172722
  • 電子版発売日
    :
    2026年03月18日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    10MB

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  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
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