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Posted by ブクログ
p72
多くの人は自分の心を直視しない。認めない。
隠して押さえつけてそれでも捨て去ることはできず、巧妙なやり方で他人を傷つけてごまかそうとする。
非難とか陰口とか、意地悪とか、あるいは冷笑とか。
p120
なんで本なんか読むの?
知ってる言葉が増えるのって器が増えることだと思う。
大き過ぎる感情を小さな器に注げば溢れる。知っている言葉が増えるといままでただ「ムカつく」で処理していた感情をこんな風に言われて恥ずかしかった、傷ついた、みじめだった、でもみじめだと認めたくなかった、だから強い態度を取ったと細分化できる。
それぞれの器に注げば、溢れ出さない。よく器が大きい、小さいとかいうけれどもおれは自分はきっと器の小さい人間なんだろうと思っている。でも小さい器をたくさん持つことはできると思っている、と暖は言うのだった。
p126
彌栄子さんは確かに傷つきやすくて繊細な人です。でもただそれだけの人とも思えません。
諦めない人です。自分の心をまっすぐに見つめる人です。傷ついて、落ち込んで、それでも、それでも前に進もうとする人です。私が来たから変わったわけじゃなくて、最初からそうゆう人だったんです。
本当は頭もいいし、強い。あなた達は知らなかったでしょうけど。知ろうともしなかったんでしょうけども。
p132
あんたを守りたいんだよ、あんたをあの家から切り離すことで二度と会わないことで、守ろうとしてる
p140
みんな、化け物を見てるみたいな顔で僕を見ていた。でも鳴海は違った。鳴海だけが全然違っていた。
他の人が呆れる時にも面白がっているみたいに笑っていた。でも本当にやっちゃいけないことはちゃんと怒ってくれた。あなたと一緒にいると、僕は自分のことをおかしいと思わずにすんだ。
自分をダメな子だって思わなくなった。
あなたは僕のたった1人の仲間だった。なのに突然いなくなってしまった。
その後父も母も変わった。親戚の連中はみんなあなたを泥棒だと言うよ。あな方がこの家をめちゃくちゃにしたって。何を信じればいいのか、ずっと分からなかった。混乱したまま大人になった。
p191
互いに歳を取った。過ぎた時間は戻らないし、死んだ人と関係を築き直す事はできないし、欠けた心は元の形に戻らない。
それでも悲しい事だとは思わなかった。傷こそが、欠損こそが、その人をその人たらしめる。
いやあ!!すごく良かった!!ザ寺地はるな!
何か主人公は悪いことをして追い出されたように最初は感じたけど、全然違かった。
人生を大きく変えてしまったけど、多分良い方向に鳴海が持って行ってくれたと信じたい。
20年の歳月を経た書き方が秀逸でした。
まだ読みたい寺地はるな作品↓
リボンちゃん、名もなき生活は続く、世界は君が思うより、そういえば最近
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