【感想・ネタバレ】ぬすびとのレビュー

あらすじ

かつて喫茶店で働いていた鳴海は、菓子メーカーの創業一家・南雲家から子守役として雇われる。そこで出会ったのは、気難しい少年の栄輝と、美しい年上の奥様・彌栄子だった。次第に心を通わせていく三人だったが、ある出来事をきっかけに、彌栄子から「二度と会わない」と鳴海は突き放され、関係が途絶えてしまう。
それから二十年。大人になった栄輝から、ある日突然「母がそちらに行っていませんか」と電話が掛かってきて……。

きっと、ページをめくるたび、あなたは力を取り戻していく。
傷も時間も刻んだ体で、どこまでも自由に踊り出すための物語。

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Posted by ブクログ

やっぱり寺地さんの小説が好きだと噛み締める。優しいけど強く逞しくあったかい。鳴海と彌栄子、おばさんとおばあさんの友情が素敵で尊く感じる。喫茶店でバイトをしてた鳴海が5歳の男の子守り、しかも住む世界が違うと感じるほどの家で。タイトルの「ぬすびと」は実は大切なものだったんだと感じる。鳴海と暖(夫)の関係ややり取りがすごく好き。この男と死んでも別れたくないと思えるって幸せだよね。特にこの物語の中では強く感じる。彌栄子が現実に向き合うたびに強さを取り戻せる人で良かった。どの言葉もほんと大好きだし心に刻みたくなる。

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2026年03月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

誰もが正しくなんて生きられなくて、もがきながら、まちがえながら、毎日を生きる。そんな日々の中でも、誰かのことを想う気持ちは、とてつもなく尊くて愛おしい。彼女たちの関係性はとても素敵で、歳を重ねてもそれが変わることはなかった。帯に書かれている、「傷も時間も刻んだ体で、どこまでも自由に踊り出すための物語」という言葉が、全てだった。切なさや苦しさを感じながら読み進めているうちに、いつの間にか前を向いていた。大切なものをもらえた気がする。不思議と気持ちが軽くなった。

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2026年03月31日

Posted by ブクログ

鳴海はバイト仲間のエミリに子守りバイトを紹介された。なぐも製菓の社長夫妻の息子さんだ。栄輝は幼稚園児だったがほとんど登園していない。

南雲家ではお手伝いの三枝さんなど、楽しい時間を過ごした。特に奥さんの彌栄子さんとは気が合った。夫の忠雄さんとはうまくいかない。

恋人の暖とはうまくやっている。弟の宏海は問題児だ。トラブルを起こして警察に逮捕された。弟を落ち着かせて南雲家にいってみると、解雇された。忠雄さんが倒れた。

20年経った。母がそちらに行っていないか?と栄輝から電話がある。翌日電話してみると、すぐに帰ってきたらしい。

彌栄子さんを訪ねてみた。お墓に忠雄のお骨を収めたらしいが…

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2026年03月30日

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寺地作品の好きを更新。
明るいだけの話ではないが、
独特のユーモアや造語にクスッとし、
好きな会話や場面もたくさんあった。
子どもも含めた人との距離感やそれぞれを尊重する向き合い方には、いつもハッとさせられる。

過去の失敗も別れも、傷も、それこそが人を作り、いつからだって踊り出せると、押しつけがましくない優しさで、背中をそっと押してもらえた。

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2026年03月24日

Posted by ブクログ

なぜ本を読むのかの問いに
「器を増やすため」
とこたえが示されていて、
すごく印象に残った。

大きすぎる感情を小さな器に注げば溢れる。
知っている言葉が増えると、
いままでただ「むかつく」で処理していた感情を「こんなふうに言われて恥ずかしかった」「傷ついた」「みじめだった」「でもみじめだと認めたくなかった」「だから強い態度をとった」と細分化できる。
それぞれの器に注げば、溢れ出さない。

小さな器をたくさん増やすために本を読むのだ、と。

私は本を読むのが好きだったから、好き以外の理由を考えたことがなかったけど、ほんとにその通りだなとすごく感銘を受けてしまった。

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2026年04月20日

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あらすじを書くのが難しい作品でした。
自分は他人に影響を与える人間ではないと思っていても、少なからず影響を与えているものだと感じました。
その影響により互いに成長していく喜びが描かれているのかなとも思いました。
たぶん、何回か読むことによって読後感は変わる気がします。

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2026年04月19日

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現在清掃の仕事をする45歳。20年前に金持ちの5歳の息子の子守をしていた。その家庭との絶妙な距離感を描く。

粗筋の説明が難しい。↑ので合ってるか心許ない。話はなかなか面白かった。言葉を人を試すために使っちゃダメだよという言葉が突き刺さる。

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2026年04月16日

Posted by ブクログ

交わらないはずの二人の人生が少しの間重なったことによるつながり。主人公が働きにいくことになる屋敷の子供栄輝がかわいい。お金持ちはお金持ちなりの悩みがあるんだなと思った。当たり前だけど。
鳴海と弥栄子の関係性も良かった。二人の友情が素敵。
鳴海の夫の本を読むのは「器を増やすため」というのが印象深かった。幸せは他人が決めることじゃないんだな。

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2026年04月12日

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本の核となる感情•行動は醜い描写が多いのに、なぜかほっこりする話。その醜さこそ人間らしくて、その醜さの中に人間の温かさを感じるのだろうか。
登場人物が傷つけ合いながらも、お互いに信じ合って、少しずつ成長していく姿に希望を感じた。
合わない月日があっても、そういう時を過ごした人はずっと特別で、必要なタイミングで再会するのかもしれない。

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2026年04月06日

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もうすでに2回読みました…
この短期間でも、1回目と2回目で感じることが少し違っていて、なんだか不思議。

それだけ、読む側の状態によってさまざまな受け取り方ができる物語なんだと思う。

寺地はるなさんが描く女性は、いつもどこか物事から一歩引いて、俯瞰しているところがある気がする。

この物語の主人公・鳴海も、どんな出来事にも冷静に向き合える女性。だからこそ、誰もが手を焼いていた少年・栄輝の子守が務まったんだと思う。

けれど、そんな彼女が栄輝の母・彌栄子に対してだけは見せる、普段とは違う一面――。その心の動きの描き方が、またすごく良くて…!

そして、この物語の核は、タイトルと装丁に込められていると思う。読み終えたあと、もう一度じっくり見てほしいです。

血のつながりとか関係なく、人と人はこんなにも深く繋がれるんだなって、心の奥深くに刺さった作品でした。

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2026年04月04日

Posted by ブクログ

傷ついた人たちの人生を描いているのに、全体としてやさしい光がある本だった。

人と人との関係は立場ではなく、その人自身の魅力や相性によって作られていく。それを体感させてくれた。

鳴海と彌栄子は、雇われ人と雇い主という関係ではあるけれど、それだけでは言い表せない特別なつながりがあったように感じた。お互いが、立場ではなく相手の人となりそのものに惹かれているところが印象的だった。

私はもともと、人との関わりの中で
立場や役割よりも、その人自身とのつながりを大切にしたいと思うタイプなのだと思う。
だからこそ、現実の中で「ここから先は踏み込まない」という線引きを感じると、少し寂しくなることがある。
そんな自分にとって、この作品の中にある、立場を超えて相手に惹かれ、関係が少しずつ育っていく様子はとてもあたたかく感じられた。

また、過去に傷ついた人でも、誰かとの関わりによって少しずつ前を向けるのだというところに、この物語のあたたかさがあると思う。読み終えたあと、静かだけれど力をもらえる作品だった。

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2026年03月29日

Posted by ブクログ


子どもの気持ち
子どもを思う大人の気持ち
どちらも大袈裟じゃなく、愛情深い。

親子の関係性、愛情や友情を描くとなると、寺地はるな先生は1番なんじゃないかと思ってます。
先生の作品はいつも適度な距離で子供と向き合う大人が描かれ、自分もこうありたいと思わせてくれます。

ストーリーは明るく楽しい内容ではありません。厳しい現実、恵まれない家族環境、それぞれに抱え悩みながらも最後は糸口を見つけ希望が見える。

主人公鳴海の芯のある性格や、彌栄子さんのやわらかさ、栄輝のやんちゃぶりが、本当によくわかり共感しました。最後のほうは…涙が堪えきれません。
(唯一、暖…格好良すぎるのでは…)

とても素敵な作品でした。

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2026年03月20日

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若い頃、子守に行くことになった家庭で巡りあったやんちゃな子供とその母親。
お互い気持ちを通わせ合うが突然関係が途絶える。20年後再会して話してみれば、あの頃の気持ちの通い合いが懐かしく心地よい。
ぬすびとと呼ばれても何てことない、そんな感じだったかな。

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2026年04月19日

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鳴海(なるみ)が、20年来疎遠となっていた栄輝(えいき)から母親彌栄子(やえこ)の行方を尋ねる連絡を受け、そこさら過去を再生させていく物語りだったと思います。人の成長には、家族関係、貧富などの周辺環境が多大に影響するものと思われます。多くの場合人はそれを避けてやり過ごしていくのですが、時には抵抗して戦い、アイデンティティを守ろうとする、そんな市井の人々を丁寧に描いた作品と感じました。見方によるのかもしれませんが、毒がない予定調和に感じられる部分が少しだけあって、星3つの評価といたしました。

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2026年04月14日

Posted by ブクログ

人が自分らしく生きることは、何故こんなに困難なのだろう。

家や家族に縛られ思うように歩けない人達がいる。

菓子メーカー創業一家に生まれ長く自分を押し殺してきた南雲彌栄子。
ひょんなことからこの家で子守役として働くことになった鳴海。

環境も立場も異なる二人の、偶然の出会いに心躍る。

だが、関係が結ばれそうだった矢先、ある出来事を機に二人は離れてしまう。
二十年の歳月が流れ、再び向き合うことになった二人。

世の中は不公平と不条理に満ちている。

それでも、あちら側とこちら側を分ける境界線なんていらない。
世界はひとつなのだから。

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2026年04月13日

Posted by ブクログ

あんまり、よくない人が出てこない。みんな、ダメなところがあり、弱いところがあり違う正義感で生きている。そのそれぞれが丁寧に描かれている。

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2026年04月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

鳴海と彌栄子の物語、でいいのでしょうか。
あの環境だったからこそ会えたけれど、
あの環境だから2人は一緒にいることができなかった。鳴海が本当に盗んだものは彌栄子の気持ち。偽りの気持ちを盗んでいったのだと感じました。
2人の関係は一体なんなのか。
友情では足りない。愛が近い。けれど恋人に対する愛でも家族に対する愛とも違う気がする。
わたしが鳴海の年になればわかるのか、
それとも彌栄子のような存在に出会った時に気づけるのか。2人の存在は尊いもののように感じました。
そしてp194の「わたしたちは踊れる。まだ、こんなに踊れる。音楽がなくても。腕がうまく上がらなくても。息が切れても。通りかかる人に指をさして笑われたとしても。」「わたしたちはいつだって踊り出せる。わたしたち自身がその気になりさえすれば、どこででも、誰の前でも。」
この文章がすごく好きだと思いました。

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2026年04月06日

Posted by ブクログ

鳴海と夫の暖の生き方がまずつらい。このまま読んでて大丈夫?って思いに。そこを耐えて終盤にむかうと”ぬすびと”の何たるかがわかっていくことに。自分では意識せずいった言葉で人の人生を誤解させ狂わせてしまうことがありながらもその誤解が解けていくこともあるのですね。自分にとってはすこし暗くて悲しくとらえられてしまったタイトルのぬずびとと表紙がなんか違うな?と感じた。

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2026年04月03日

Posted by ブクログ

なるみちゃんがとてもよかった
すんごいいい人とかじゃなく
ちょっと嫌なとこもあったり
人!って感じがしてよかった

「こんな清らかなやつ、いねーよ」
って思っちゃう登場人物とか
どんなファンタジー??ってとんでもキャラとか
まぁそういうのもいいんだけど
リアルな人!って感じのなるみちゃん
好みである

お話自体はなかなかしっかりフィクションしてるけど
なるみちゃん得点により
星は3つ

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2026年02月22日

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