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Posted by ブクログ
読み終わった後に、その人たちの人生があり、いろんな場所で生きていて、感じる感情。当たり前のことだけど、なぜかそれを眩しいと思わずにはいられなかった。
それは、自分に対する悲観的な感情ではなく、物語に登場する人物同様に自分にもあの時にしか存在しなかった光のようなものがあり、それが切なくもあり敬意のようなものを感じたかもからかもしれません。
他人にたいして感じる感情を各自がラベルを貼って見ている。
私は、 自分が誰かを見るとき、また誰かに見られる時にどれだけ本物に触れているだろうかとふと怖くなりました。
とても素敵な本に出会えてよかったです。
Posted by ブクログ
「わたしが他の誰かになれないように、他の誰かもまたわたしにはなれない。残念だが、わたしはわたしを引き受けて生きていくしかなさそうだ」
友達をうらやんでばかりいた若い頃の、劣等感とか自意識過剰ぶりを思い出しほろ苦い。年齢を重ね、自分が見たい面だけでなく、多角的に相手を見ることができるようになるにつれてこの境地に至る。うらやましさを感じるのはきっと、様々な面があって輝く一面、様々な面によって生み出される一面。そこだけちょい、と、つまみとれるものではないのだ。
お互いがお互いに何かしら屈折した思いを抱いていた10代の頃を過ぎ、30代になった天、藤生、ミナ。自分と言うものを受け入れて、これから3人の関係はどうなってゆくのだろう。
Posted by ブクログ
「どうして私はあの子じゃないの」
という気持ち、誰しもが思ったことがあるのでは?
そこまでいかなくても、「あの子になりたい」とかならもっとたくさんの人が感じたことがあるのでは?
「あなたはあなたにしかなれないのよ。どこにいたって」これは100点満点の回答だと思う。私は私、あなたはあなた。でもそういうことじゃないと思う。言葉を選ばずに言うと、そんなのは綺麗事だ。
自分のことを「可哀想」と思い、周りの人みんなを「嫌なやつ」と思うのは確かに快感で、自分中心に世界を回すのは実に気持ちがいいかもしれない。
結局、ここではないどこかに行きたい気持ちや
この場所から抜け出したら変われるかも……!という思いがあっても、私は私であなたはあなた。
隣の芝生は青く見えるという言葉があるけれど、まさしくその通りなんだと思う。環境を変えれば変わる人も中にはいるけど、そんなのは少数派な気も。ずるくないやつなんていない。どんなに周りが羨ましくたって、私は私として生きていくしかないのだ。
個人的に私は解説が好きです。笑
Posted by ブクログ
自分の思春期の頃を思い出した。
学生の頃って、他者を通して自分を見るしかなくて、
自分は自分、これでいいんだってなかなか思えないよね。
周りを見て、わたしも頭良くなりたいなとか、可愛くなりたいなとか。諸々。
今でこそ、人は人、自分は自分と思えるけど、
自分のいいところも、悪いところもわかってきたのは
お恥ずかしながら、
社会人3年目になった今ぐらいからで、
本当最近だなと思うんですよね。。
他者からの評価と、自己の内省を繰り返して、
自分とはなにか、分かっていくんじゃないかなと思っているわたし。
実は寺地はるなさんの作品は初めてですが、
他にも読んでみたい。
装丁をみると、
自分を中心として花が広がっているイラストが、可能性の広がりにも見えるし、女の子(主人公の天かな?)の眼差しは、花々に囲まれているのに、ここではないどこか遠くをみていて、苦しさを感じている表情にも見えて。人の多面性を表してるのかなとか、考えてみたり。
Posted by ブクログ
閉鎖的な村社会から飛び出して十数年、久しぶりに集まって会うことになった三人の幼馴染の、悩みや葛藤、その先に踏み出す未来を描いた物語です。
メインの主人公は、高校を卒業すると同時に家出して十数年、まったく地元に寄りつかなかった作家志望の天。この先も喧嘩別れした家族の元には戻る予定がなかったのだが、ある日幼馴染のミナから幼馴染で当時よく一緒にいた三人で会おう、という連絡をもらう。中学を卒業した時に、お互いに宛てて書いた手紙が見つかったのだという。三人でそろって開封しようと言われたが、その手紙に書いた文章を思い返すうち、彼女の中に当時の記憶が蘇ってきて――。
このお話は、何人もの目線から多角的に物語が進むオムニバス形式になっています。視点が違えば、同じ物事でも捉え方が違う。こんなにも人は見事にすれ違っていくことができるのか、と思う部分もあれば、ああ私もこんなこと考えてた時期があったかも、と共感できることもあり、この作者さまは本当にもやもやとして捉えどころのない感情の動きを落とし込むのが上手いなあと感じます。十代の正しい感情に上手く置き換えることができないもどかしさや、もやもやとしてすっきりとしない、あの感覚。するりと読めるのに色々と考えさせられる内容でした。
自分が羨んでいる『誰か』は、自分が思うほど自分の優位に立っているわけじゃなく、自分も全く気付かないうちに誰かにとっては羨ましく思われる部分があるのかもしれない。けれど、結局自分には他人から見た自分のことは見えないし、自分が自分であることしかわからない。だからこそ、この答えのない物語が心の中に沈んでいくのかもしれない。そんなことを考えながらラストまで読み切らせて頂きました。
多角的に物事を捉えること、理解しようとすることは難しいことだと思うけれど、自分が見えるものが全てではないと知っているだけで、人は少しだけ周りとのすれ違いにも寛容になれるのかもしれません。私も、そうありたいと思います。
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小説・文芸
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