小説作品一覧

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  • 壁(新潮文庫)
    4.2
    ある朝、突然自分の名前を喪失してしまった男。以来彼は慣習に塗り固められた現実での存在権を失った。自らの帰属すべき場所を持たぬ彼の眼には、現実が奇怪な不条理の塊とうつる。他人との接触に支障を来たし、マネキン人形やラクダに奇妙な愛情を抱く。そして……。独特の寓意とユーモアで、孤独な人間の実存的体験を描き、その底に価値逆転の方向を探った野心作。(解説・佐々木基一)
  • あなたと食べたフィナンシェ
    4.0
    家を出るお父さんが教えてくれたアンキモの味。引っ越す友達と分け合ったグミ。仕事を辞めて久しぶりに作るキュウリのサラダ。恋人に別れを告げられ、目の前で冷めていくビスマルクピザ。子どもと食べる初めてのフライドポテト。恋、仕事、親との別れ――人生の忘れられない場面には必ず食べものの記憶があった。珠玉のショートストーリー+短歌集。
  • 砂の女(新潮文庫)
    4.0
    砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める村の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のうちに、人間存在の極限の姿を追求した長編。20数ヶ国語に翻訳されている。読売文学賞受賞作。(解説・ドナルド・キーン)
  • R62号の発明・鉛の卵(新潮文庫)
    4.0
    会社を首にされ、生きたまま自分の「死体」を売ってロボットにされてしまった機械技師が、人間を酷使する機械を発明して人間に復讐する「R62号の発明」、冬眠器の故障で80万年後に目を覚ました男の行動を通して現代を諷刺した先駆的SF作品「鉛の卵」、ほか「変形の記録」「人肉食用反対陳情団と三人の紳士たち」など、昭和30年前後の、思想的、方法的冒険にみちた作品12編を収録する。(解説・渡辺広士)
  • 第四間氷期(新潮文庫)
    4.2
    現在にとって未来とは何か? 文明の行きつく先にあらわれる未来は天国か地獄か? 万能の電子頭脳に平凡な中年男の未来を予言させようとしたことに端を発して事態は急転直下、つぎつぎと意外な方向へ展開してゆき、やがて機械は人類の苛酷な未来を語りだすのであった……。薔薇色の未来を盲信して現在に安住しているものを痛烈に告発し、衝撃へと投げやる異色のSF長編。(解説・磯田光一)
  • 他人の顔(新潮文庫)
    3.7
    液体空気の爆発で受けた顔一面の蛭のようなケロイド瘢痕によって自分の顔を喪失してしまった男……失われた妻の愛をとりもどすために“他人の顔”をプラスチック製の仮面に仕立てて、妻を誘惑する男の自己回復のあがき……。特異な着想の中に執拗なまでに精緻な科学的記載をも交えて、“顔”というものに関わって生きている人間という存在の不安定さ、あいまいさを描く長編。(解説・大江健三郎)
  • ファズイーター 組織犯罪対策課 八神瑛子
    -
    幹部の事故死や失踪が続き、混乱を極める指定暴力団・印旛会。警視庁上野署の八神瑛子は傘下の千波組に疑念を抱く。ご法度の薬物密売に手を出し、荒稼ぎを始めたからだ。裏社会から情報を得て、カネで飼い慣らした元刑事も使い真相に近づく八神。だが、彼女自身が何者かに急襲され……。手段を選ばず数々の難事件を解決してきた八神も終わりか?
  • コンサバター 大英博物館の天才修復士
    3.6
    世界最古で最大の大英博物館。その膨大なコレクションを管理する修復士、ケント・スギモトのもとには、日々謎めいた美術品が持ち込まれる。すり替えられたパルテノン神殿の石板。なぜか動かない和時計。札束が詰めこまれたミイラの木棺。天才的な審美眼と修復技術を持つ主人公が実在の美術品にまつわる謎を解く、豊潤なるアート・ミステリー。
  • 方舟さくら丸(新潮文庫)
    4.1
    地下採石場跡の巨大な洞窟に、核シェルターの設備を造り上げた元カメラマン「モグラ」。[生きのびるための切符]を手に入れた三人の男女とモグラとの奇妙な共同生活が始まった。だが、洞窟に侵入者が現れた時、モグラの計画は崩れ始める。その上、便器に片足を吸い込まれ、身動きがとれなくなってしまったモグラは――。核時代の方舟に乗ることができる者は、誰なのか。現代文学の金字塔。(解説・J・W・カーペンター)
  • 燃えつきた地図(新潮文庫)
    4.2
    失踪した男の調査を依頼された興信所員は、追跡を進めるうちに、手がかりとなるものを次々と失い、大都会という他人だけの砂漠の中で次第に自分を見失っていく。追う者が、追われる者となり……。おのれの地図を焼き捨てて、他人しかいない砂漠の中に歩き出す以外には、もはやどんな出発もありえない、現代の都会人の孤独と不安を鮮明に描いて、読者を強烈な不安に誘う傑作書下ろし長編小説。(解説・ドナルド・キーン)
  • 叫び
    3.0
    オンライン塾の講師・能見が、「高校生の息子が四十八歳の先生に誘惑されている」というクレームのあと姿を消した。副社長の上谷は彼女を慕う生徒二人に懇願され、捜索に翻弄される。彼を助ける社長の日渡は、能見の実家で二つの死体を見つける。噛み合わない能見の人物像。ストーカーの影。死体は誰なのか? 切ない叫びが胸に響くミステリー。
  • 三淵嘉子 日本初の女性弁護士
    4.0
    1巻850円 (税込)
    時は昭和、「女性は裁判官になれない」という法曹界に怒りを燃やす人物がいた。彼女の名は、和田嘉子──のちの三淵嘉子。「女の法律家など」と言われた時代に、日本初の女性弁護士のひとりとして奔走した嘉子の夢と生き様、戦いを描く傑作評伝。
  • 魔弾の射手 天久鷹央の事件カルテ 完全版
    4.0
    見えない「魔弾」を放ったのは、誰か。 西東京市にある廃病院で、看護師が転落死した。 不治の病を苦にした自殺と見做されたが、彼女の娘・時山由梨はそれを頑なに否定。 母が一人で死ぬはずがないと訴える。天才医師・天久鷹央は由梨の依頼を受け、事件を調べ始めるが、そこに「不可視の魔弾」の謎が立ちはだかる……。 現役医師の著者のみが描ける驚天動地のトリック。その犯人とは? 書き下ろし掌編「幽霊と鴻ノ池」収録。 出版社名「新潮社」より過去に配信された作品に加筆修正し、新たに書き下ろし掌編を加えた『完全版』となります。重複購入にはご注意ください。
  • つながる読書 ――10代に推したいこの一冊
    4.5
    SNSでつながった読み書きのプロたちによる本のプレゼン大会はじまります! 小説家、エッセイスト、研究者、学芸員、書評家、詩人、大学教員、中学高校教員、予備校講師、美術家、編集者──14名の豪華執筆陣が、それぞれの「推しの1冊」を“プレゼン”。それを別の人が読んだら、どう感じる? 人それぞれの思いが、さまざまな言葉に乗って織りなされていく。本で他者とつながることの面白さを実感できる、新感覚の読書体験。本の持つ無限のつながりの中に飛び込んでみよう! 【編者より】副題である「10代に推したいこの一冊」という文言からブックガイド的な本を想像なさる方も多いかと思いますが、いわゆる一般的なブックガイドではありません。豪華執筆陣の方々に、それぞれの「推しの一冊」を、自らの人生や思想、生き方などを踏まえながら“プレゼン”していただきました。そして、そうした“プレゼン”を踏まえての、私と読書猿さんとの対談、さらには詩人・草野理恵子さんの手になるエッセイ等、どのページをめくっても内容のパンパンに詰まった、宝石箱のような一冊です。 【目次】第1部本のプレゼン/第2部 本とつながる、本でつながる 小池陽慈×読書猿/第3部 つながる読書/おわりに 小池陽慈/《特別寄稿》どこにでも落ちているいいものはなーんだ? 草野理恵子
  • 江戸東京《奇想》徘徊記 新装版
    5.0
    1巻1,200円 (税込)
    当代きっての博覧強記にして粋人・種村季弘が、東京の裏町30を厳選して闊歩。ポストモダン臭一色になった東京のアスファルトを一枚一枚剥がすと、江戸や明治の名残が顔をのぞかせる。新装版に際し、森まゆみ氏による「令和版・徘徊の手引き」を収録。
  • 虎と兎
    3.0
    1巻1,999円 (税込)
    幕末。アメリカへ渡った白虎隊の生き残りの少年虎太郎は、インディアンの少女ルルを助ける。虎太郎は南北戦争の英雄カスターに追われるルルを助けながら、アメリカ縦断の旅へ出るが──。歴史の敗者たちを書き続けてきた著者が送る、新世代侍ウエスタン!
  • ラストライン
    3.6
    1~7巻800~880円 (税込)
    定年まであと10年のベテラン刑事・岩倉剛。 その特異な記憶力と勘を武器に、相棒の若い女性刑事とともに事件を追う! 定年まであと10年の岩倉剛は50歳になる誕生日の目前、捜査一課から所轄の南大田署に異動となる。 その直後に管内で独居老人が殺される事件が発生。 彼は、元交番勤務で同じく異動してきたばかりの後輩女性刑事・伊東彩香と共に事件の捜査に加わる。 一方、さらに管内では新聞記者の自殺が発覚し――。 行く先々で事件を呼ぶと言われるベテラン刑事。 アナザーフェイス・シリーズに次ぐ新たな警察小説の誕生! 週刊文春に連載され話題となった、待望の新作第一弾。
  • 卒業のための犯罪プラン
    4.1
    2024年第22回『このミステリーがすごい!』大賞文庫グランプリ受賞作! 「他人からの評価を可視化するアイデアをコンゲームのネタに使っているところがうまい。エンターテインメントとしてたいへんよくできている」大森 望(翻訳家・書評家) 「ユニークな設定、文章力、テンポもよくて一気読み。さまざまな人物が有機的に連なっていく過程も面白かった」瀧井朝世(ライター) 「軽妙ライトノベルタッチで展開するキャンパス・サスペンスで、キャラも立っているし呈示される設定もユニーク」香山二三郎(コラムニスト) ビジネスセンスを備えた人材の育成を目指す木津庭商科大学では、学食等での支払いのみならず、家賃の支払いや単位の売買にも使用できる「ポイント」を獲得するため、学生たちがしのぎを削っていた。そうした大学において、サークルとは、共通の趣味のために存在するのではなく、事業を行うために存在していた。 家庭の都合により、突如残り半年で卒業しなければならなくなった2年生の降町歩は、不正にポイントを稼ぐ者たちを摘発する「監査ゼミ」に所属する。家庭教師サークルを装いガールズバーを運営していると噂が出ているサークルに調査に行くが、逆に取り込まれ……。 単位は買ってでも取得しろ。大学卒業をかけた、一世一代の大仕掛け!
  • 生きとし生けるもの
    4.5
    テレビ東京で2024年5月6日ドラマ放送! 主演:妻夫木聡 渡辺謙 独り身の作家・成瀬翔は転移性肝臓がんによる余命宣告を受ける。 オペに抗がん剤、つらいだけの治療……。 一方、ある事情で外科から内科に移り、妻子とも別れた主治医の佐倉陸は、成瀬の苦しみを丸ごと受けとめる。 人は生きて死んで最後に何が残るのか。二人の人生をかけた最後の旅が始まる。 誰しもの胸を熱くする感動傑作!
  • 殺し屋、やってます。
    3.6
    「安心・安全のシステムで、殺し屋、やってます」 殺し屋が解く〈日常の謎シリーズ〉開幕 コンサルティング会社を営む男、富澤允。 彼には裏の仕事があった。 650万円の料金で人殺しを請け負う「殺し屋」だ。 依頼を受けたら引き受けられるかどうかを3日で判断。 引き受けた場合、原則2週間以内に実行する。 ビジネスライクに「仕事」をこなす富澤だが、標的の奇妙な行動が、どうにも気になる。 なぜこの女性は、深夜に公園で水筒の中身を捨てるのか? 独身のはずの男性は、なぜ紙おむつを買って帰るのか? 任務遂行に支障はないが、その謎を放ってはおけない。 殺し屋が解く日常の謎シリーズ、開幕です。 解説・細谷正充 ※この電子書籍は2017年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 山に抱かれた家
    4.1
    海から山へ。大人気シリーズ新章開幕! 田舎暮らしの夢を叶えた父が遺してくれた「海が見える家」で暮らす文哉。旅の途中で山間にある畑付きの空き家を偶然見つけ、つき合いはじめた凪子と内覧に出かける。そこは野菜作りの師匠であった今は亡き幸吉の親友、猟師の市蔵の故郷だった。しかし文哉にとっては縁もゆかりもない土地で、限界集落でもある。それでも運命を感じた文哉は空き家を買い、古い家屋や長年休耕地だった畑に手を入れながらひとりで暮らしはじめる。自分で選んだ、さらなる田舎において、文哉の望む自給自足的な暮らしは果たして実現できるのか? ベストセラー「海が見える家」シリーズの新たな章がスタートする!
  • 転がる検事に苔むさず
    4.5
    窓際検事の逆転なるか! 夏の夜、若者が高架鉄道から転落し、猛スピードの車に衝突した。自殺か、他殺か。判断に迷う刑事課長は飲み友達の検事、久我周平に助けを求めた。出世レースから外れた久我は日の当たらぬ部署で罰金刑など軽めの事件ばかり扱う一方、遺体の検分には豊富な経験を持つ。久我は靴の傷に他者の関与を疑う。交番巡査、新人の女性検事とともに若者の身辺を探っていくと、海を超えての怪しげな高級外車の取引が浮かびあがった。法務検察内のパワーゲームにも巻き込まれながら、男の正体に迫っていく。窓際検事の逆転なるか。 ◎著者は、検察庁など司法を担当した現役新聞記者 ◎解説は元最高裁判事の甲斐中辰夫氏 ◎第3回警察小説大賞受賞作 真摯に正義を求める“生身の検事”がここにいる―――柚月裕子 氏激賞! ※この作品は単行本版『転がる検事に苔むさず』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • 紙鑑定士の事件ファイル 紙とクイズと密室と
    3.8
    紙業界誌に掲載された〝紙人32面相の推理クイズ〟と、 現実に起きたという密室殺人事件との関係とは――? どんな紙でも見分けられる紙鑑定士・渡部は、懸賞目当てにクイズを解きながら様々な事件に巻き込まれる。 学習塾で起きたカンニング事件の真相とは? 「さわるときけん けがするで」物騒な怪文書を作った犯人は、どうやって密室の建物に忍び込んだ? 事件とクイズを解明していった渡部は、〝紙人32面相〟から協力を請われ、とある怪死事件の謎も解くことに……。
  • ゴースト・ポリス
    4.0
    エクソシストの交番警官、猟奇殺人犯を追う!  桐野哲也は東北大学法学部を卒業後、地方公務員採用で警察官となった。彼が仮配属された神奈川県藤沢市辻堂にある鳩裏交番は、おそろしい ほど美男の班長・小貫幸也をはじめ“ごんぞう――自主的窓際警官“ばかりが集まった交番で、緊急配備の連絡にさえ誰も反応しない。県警で厄介者扱いされている“ごんぞう”たちの好物は巡回連絡で、家に上がり込み世間話ばかりしている。その平穏を脅かすかのように湘南でホームレスばかりを狙った連続殺人事件が発生した。小貫と桐野は近隣住民の協力を得て、真相に辿り着くが…。  第一回警察小説大賞、満場一致の受賞作!  ベストセラー『教場』『震える牛』の著者と、その編集担当者が選んだ超大型新人! ※この作品は単行本版『ゴースト アンド ポリス GAP』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • 結ぼれ
    4.0
    結ぼれ、絡みあい、こんがらがり、袋小路、支離滅裂、堂々めぐり、きずな――異才の精神科医が詩の言葉として書きつけた、人間を束縛する関係性の模様。「詩人」レインの原点たる寓話性に満ちた伝説の書。
  • 恩送り 泥濘の十手
    -
    消えた岡っ引きの父と、溺れ骸を結ぶ謎の器。 おまきは岡っ引きの父・利助を探していた。 火付けの下手人を追ったまま、行方知れずになっていたのだ。 手がかりは父が遺した、漆が塗られた謎の容れ物の蓋だけ――。 いったいどんな容れ物なのか? そして身はどこにあるのか? おまきは材木問屋の息子・亀吉、目の見えない少年・要の力を借りるが、なかなかもつれた糸は解けない。 そんなある日、大川に揚がった亡骸の袂から漆塗りの容れ物が見つかったと臨時廻り同心の飯倉から報せが入る。 しかし、なぜか蓋と身が取り違えられているという。 後に、父の遺した蓋と亡骸が遺した容れ物は一対だったと判るが……。 父は生きているのか、亡骸との繋がりは? 容れ物は誰のものなのか? おまきたちは、新しい手がかりをもとに下手人を探すべく、江戸の町を奔走する! 虚を突く真相に落涙する、第一回警察小説新人賞受賞作。 ※この作品は単行本版『恩送り 泥濘の十手』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • コロナ漂流録 2022銃弾の行方【電子特典付き】
    4.0
    累計1080万部突破 『チーム・バチスタの栄光』シリーズ 厚労省の変人役人 vs 中抜きハイエナ!? コロナ三部作堂々の完結! 「コロナ三部作は、現実の事象をリンクさせつつフィクションでしかできないことをやってのけた」 鈴木エイト(ジャーナリスト・作家) (あらすじ) 2022年7月、新型コロナウイルスの新規感染者数は1日10万人を超えていた。その頃、東城大学医学部付属病院のホスピス病棟とコロナ病棟の責任者を兼務する田口公平は、医師のワークライフバランスを主張し、病棟に「効果性表示食品」を導入しようとする新任の中堅医師・洲崎洋平に手を焼いていた。田口は問題解決のための禁断の一手として、厚生労働省の白鳥圭輔を東城大に召喚するが……。 (著者プロフィール) 海堂尊 1961年、千葉県生まれ。作家、医師。第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2006年に『チーム・バチスタの栄光』で作家デビュー。著書は「桜宮サーガ」と呼ばれるシリーズを成し、本作および『コロナ黙示録 2020災厄の襲来』『コロナ狂騒録 2021五輪の饗宴』(以上、宝島社)も連なっている。他に、キューバ革命のゲバラとカストロを描いた「ポーラースター」シリーズ、北里柴三郎と森鷗外の確執を描いた『奏鳴曲 北里と鷗外』(ともに文藝春秋)などがある。
  • ロング・プレイス、ロング・タイム
    4.6
    超話題のタイムリープ×ミステリ×家族小説!  愛する夫ケリー、18歳のひとり息子トッドと、平凡で幸せな生活を送っていた離婚弁護士のジェン。10月30日に日付が変わったばかりの深夜、その人生が一変する。帰宅したトッドがジェンとケリーの目の前で、見知らぬ男性を刺し殺したのだ。トッドは逮捕され、呆然としながら眠りについたジェンが目覚めると、カレンダーは10月28日の朝に戻っていた。それ以降、ジェンは眠るたびに時間を遡っていく。やがて事態を把握したジェンは、何とかして息子の事件の原因を探り事前に食いとめようとする。自分の子育てや人生そのものに問題があったのではないかと思い悩みながら、時を遡って「2度目の今日」を体験していくジェンが最後に辿り着いたのは……。  リース・ウィザースプーンがブッククラブで激推し、NYタイムズ、サンデータイムズ等主要メディアのベストセラーリスト入り。「一気読み必至」「超ページターナー本」「主人公に共感!」と欧米で話題の、タイムリープ×ミステリ×家族小説! (底本 2024年3月発売作品)
  • 密航者
    3.7
    連続殺人事件の陪審員を務めたマリアは休暇を取って船の旅へ出る。ところが船上で次々と人が殺され、怪しい影がマリアに迫り……。
  • 捨てたい人 捨てたくない人
    3.4
    これは、捨てる! あれも、捨てる……? 溢れかえる洋服、本、フィギュア、溜め込んだカップ麺、レトルトカレー、非常食、密かに隠した写真に手紙……。他人事ではありません! 身内の身の回りを“断捨離”しようとする人たちの、右往左往に大共感の連作小説。 「捨てられない姉 捨てさせたい妹」 43歳・独身のトモコは引っ越しのため洋服を処分しようとするが、あれこれ思い出してなかなか進まない。14歳下の妹・マイ(元セレブ妻)は手伝わないくせに口は出し、どんどん捨てさせようとし、捨てる代わりに新しい洋服をプレゼントすると言う。 「息子の嫁の後始末」 息子の妻が突然、姿を消してしまった。彼女が残した荷物を整理するハメになったタダシは、ため息をつきながら、心でツッコミを入れながら、大小雑多な“ゴミ”と格闘するのであった。 「本好きとフィギュア好きの新居問題」 フィギュア好きの同僚・ヨシノリと結婚することになった、本好きのサエコ。2LDKの新居を決めたけれど、それぞれの本とフィギュアはある程度処分しないと、到底収まりそうにない。週末ごとに本を整理するサエコだったが、ヨシノリは作業している様子がまるでない。 「溜め込みすぎる母」 母に呼び出されて実家に帰ったトモミ。用件は大量に溜め込んだ食料品の整理だった。ミネラルウォーター、各種缶詰、レトルトカレー……極めつきは396個のカップ麺。トモミは母を説教したり機嫌を取ったりしながら、片っ端から片付ける。 「夫の部屋」 娘のナオミが中学受験の頃、アイコの夫の不倫疑惑が持ち上がった、それからもずっと疑惑が払拭されないまま60歳で退職した夫が検査入院することになった。ナオミはこの機会に父親の部屋に入って不倫の証拠を暴いてやろうと、アイコをけしかける。夫の部屋から出てきたのは……。
  • 板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh
    4.2
    原田マハ3年ぶり長編アート小説がついに単行本に! 「ワぁ、ゴッホになるッ!」 1924年、画家への憧れを胸に裸一貫で青森から上京した棟方志功。 しかし、絵を教えてくれる師もおらず、画材を買うお金もなく、弱視のせいでモデルの身体の線を捉えられない棟方は、展覧会に出品するも落選し続ける日々。 そんな彼が辿り着いたのが木版画だった。彼の「板画」は革命の引き金となり、世界を変えていくーー。 墨を磨り支え続けた妻チヤの目線から、日本が誇るアーティスト棟方志功を描く。 感涙のアート小説。
  • ボストン図書館の推理作家
    3.0
    ハンナは作家志望のレオに助言を仰ぎ、四人の男女が図書館で起きた事件を追う推理小説を執筆していた。だがレオは暴走を始め……
  • 紅珊瑚の島に浜茄子が咲く
    -
    辻原登、髙樹のぶ子、角田光代の選考委員3氏の全会一致で選出された第15回日経小説大賞受賞作は、江戸時代後期の奥州を舞台に繰り広げられる極上の歴史ミステリー。 時は江戸時代後期、文化文政の世。遠州浜名藩主の四男、部屋住みの響四郎と町方の女房との根津権現での出会いから物語は始まる。互いに名も身分も明かさずひとつになり別れた。 響四郎は羽州新田藩に継嗣として迎えられることになっていた。外様とはいえ大藩である羽州藩支藩への異例の末期養子は、幕閣の出世頭である浜松藩主・水野忠邦の斡旋によるものだった。新田藩が預かる幕府直轄の島では、蝦夷地の花として知られる浜茄子が咲く。小藩とはいえ譜代の響四郎に白羽の矢が立ったのは、その秘密を探らせるためでもあった。 響四郎に江戸から付き従ってきた浜名藩士が、次々と島で不審の死を遂げる。沖合で見られる怪異現象がささやかれ、忍びや隠密が暗躍する島で何が起こっているのか。その真相が明らかになったとき、そして一夜の情事で刻まれた恋の行方は……。
  • サンドリヨンの扉
    -
    1巻1,980円 (税込)
    美しくも最凶の女刑事、爆誕! 事件は殴って解決、頭が切れて口達者!腕力無双、喧嘩上等のニューヒロイン!! 美しすぎる女子アナとして地元テレビ局で有名な広瀬愛理。彼女の挙式目前に起こった殺人事件。捜査を担当する友永は「狂犬」と呼ばれる女性刑事だった。
  • フェスタ
    4.8
    北海道浦河町で生産牧場を営む三上収、三上徹の親子。 パリ・ロンシャン競馬場で開催される世界最高峰の「凱旋門賞」の舞台で力を発揮できるのは、ステイゴールドの血統に違いない――と確信していた。 そう結論づけた収はその産駒であり、かつて凱旋門賞で二着となったナカヤマフェスタの種付けを続けていた。そうして収が自信を持って作り出した仔馬は、調教師・児玉健司の目に留まり、将来の可能性を信じた馬主の小森達之助に引き取られることに。 二歳となりカムナビと名付けられたかつての仔馬は、美浦の児玉厩舎に引き取られ、その気性の荒さから厩務員である小田島雅彦らに手を焼かせていた。 一進一退しながらも着々と結果を残していくカムナビ。 目指すは、日本競馬界の悲願である凱旋門賞制覇。 生産者、厩務員、調教師、馬主、ジョッキー……ホースマンたちの夢を一頭の競走馬に懸けた熱き物語。
  • 少年泉鏡花の明治奇談録
    値引きあり
    4.1
    【文豪・泉鏡花の少年時代を綴る、明治怪奇ミステリー!】 時は明治21年――。 古都・金沢で働く人力車夫の義信は、英語を学ぶために訪れた私塾で、寄宿生ながら英語を教える風変わりな美少年・泉鏡太郎(のちの泉鏡花)と出会う。 高い受講料に断念しようとする義信に、鏡太郎はあるものを提供することで受講料を免除にすると持ち掛ける。 それは”怪異の噂”を持ってくること。 義信は鏡太郎とともに明治の金沢で起こる不可解な噂の真相を調べに、様々な場所へと出かけることに。 お化けのでる武家屋敷、雨乞い後に必ず死ぬ巫女、金沢城跡に現れる幽霊など……はたして本物の怪異は存在するのか――? おばけ好きな偏屈美少年と人力車夫の青年による、明治怪奇ミステリー開幕!
  • 雪代教授の怪異学 魔を視る青年と六角屋敷の謎
    値引きあり
    4.3
    【教授の裏の仕事は、異形のモノを祓うこと―】 雪代宗司は星那多大学の客員教授であり幻想作家である。宗司はケガレを祓う力を持っており、そのケガレを利用して物語を綴っていた。大学一年生の宇佐見椎奈は、過去のある出来事から異形のモノを視ることができ、宗司のもとで助手のアルバイトをしている。 ある日、いわくつきの事故物件「六角屋敷」の噂を聞いた二人は、怪異の真相を確かめに向かうが――?
  • 君が残した365日
    値引きあり
    3.5
    幼馴染の和泉楓を亡くし、毎日を無気力に生きる僕、大野夕吾はあるとき無彩病を発症する。無彩病とは色彩が失われ、やがて死に至る病だが、僕は生まれつき色が見えないため、死ぬまでに一色ずつ見える色が増えていく。残された365日で、僕は楓が遺した「死ぬまでにやりたいことリスト」を1つずつ叶えることに。やがて視界の全てが色づいたとき……? 衝撃のラストに心が震え、景色が鮮やかに輝き出す、最高のラブストーリー!
  • 呪われ皇子と茶博士の娘 幻国後宮伝
    値引きあり
    4.0
    死を振りまく呪いの緋目を持つ、清香茶館の娘・朱梨は父と母、兄を目のせいで亡くしたと思い込んでいた。せめて茶館は守ろうとするも、養父に店を取られ、給金目当てに後宮に行かされる。朱梨は幻国の第一皇子・伯飛の前で茶を入れるが、傑女には選ばれなかった。が、その後、伯飛に茶を入れてほしいと言われて仮初めの妻になり、皇子のある秘密を知ってしまい――。後宮に巣くう怨霊退治に乗り出す呪われ皇子と娘の運命は……?
  • 月刊「潮」2024年4月号
    -
    1巻719円 (税込)
    月刊「潮」2024年4月号 主な内容 【特別企画】 若者たちの未来は 可能性に満ちている 村木風海 VS 向井千秋 「宇宙視点」で考えよう! 生命の神秘と地球の未来を。 室橋祐貴 VS 能條桃子 VS 河西宏一 青年世代が考える、この国の問題点と大人たちの責任。 坂本 達 人間の素晴らしさを思い知った自転車世界一周。 【特集】 3・11から13年 避難所に彩りを!ダンボールが繋いだ励ましの連鎖。 遠藤昭三 南相馬市の今――住民の健康を守る「絆一座」の復活。 鎌田 實 【特集】 「日本を変える」ヒント 小木曽麻里 VS 内田 舞  女性が働きやすい職場のほうがみんな幸せになれる! 今井紀明 VS 田原総一朗 「トー横」「グリ下」若者の孤独と困窮をどう支えるか。  【特集】池田大作第三代会長と月刊『潮』の63年。 【連載ドキュメンタリー企画】 民衆こそ王者 池田大作とその時代 道を開く人篇 (7) 【特別インタビュー】 ゴルバチョフと池田大作――今こそ求められる平和への遺訓。 副島英樹 能登半島地震――公明党はどう動いたか。 中川宏昌 【特集】 スポーツの“春”が来た! ≪特別対談≫ 塙 宣之 VS 門脇 誠 こんなに違う!ダバディが見た日仏スポーツ事情。 フローラン・ダバディ 【特集】 世界に平和を広げゆく「先駆」の福岡 「シルクロード 仏の道をゆく」法華経と我が人生を語る。 安部龍太郎 一人一人のドラマが大きなうねりとなった「五万人の第九」。 塩田明弘 性的マイノリティの人権を確立した公明党県議の戦い。 星乃治彦 人口減少を乗り越える多文化共生の社会へ。 酒井順一郎 “サダコの折り鶴”――「核なき世界」の構築へ。 佐々木雅弘 【好評連載】 世界への扉 三浦瑠麗/トクサンの「人間野球」日誌(最終回) トクサン/他 その他
  • 裁判官 三淵嘉子の生涯
    4.0
    1巻829円 (税込)
    2024年ドラマ主人公のモデル「三淵嘉子」。 日本史上、女性で初めて法曹の世界に飛び込んだ 彼女の人生を綴った長編小説。 嘉子は、明治大学専門部女子部で学び、日本初の女性弁護士の一人となる。 世間からも注目をされていたが、戦争に突入する時代に弁護士となった嘉子は、 活躍の場を得られないまま終戦を迎える。 戦争で全てを失った彼女に残されたのは、かつて学んだ法律の知識だけだった。 多くの困難を乗り越え、念願の裁判官に就任した嘉子と彼女を慕う仲間たちは、 苦境から抜け出せない人々を救うために、政治の力だけでは解決できない 問題に向き合っていく。
  • 死にたがりの君に贈る物語
    4.5
    全国に熱狂的なファンを持つ、謎に包まれた小説家・ミマサカリオリの訃報が、人気シリーズの完結目前に発表された。同時に作品は批判に晒され、さらに作家に心酔していた高校生・純恋が後追い自殺を図る。未遂に終わったが「完結編が読めないなら生きる意味がない」と語る純恋。やがて山中の廃校に純恋を含む作品のファン、七人の男女が集まった。小説をなぞる生活をし、結末を探ろうとしたのだが、ありえない事件が起きて――。
  • ぐるぐる、和菓子
    4.3
    ランチの煮魚を食べながら、その作り方を科学的に検証してしまうほどの理系大学生・涼太。変わり者の彼が出会ったのは、あまりに美しい和菓子だった。そのおいしさにも魅せられた涼太は、大学院に進まず和菓子職人になることを決意して製菓専門学校へ。個性豊かな仲間とともに和菓子作りにのめり込むが、餡子ひとつとっても一筋縄ではいかず――和菓子の魅力あふれる、温かくて心においしい物語。【解説/坂木司】
  • 花屋さんが言うことには
    4.0
    24歳、ブラック企業勤務。身も心も疲れ果てていた紀久子が深夜のファミレスで出会ったのは、外島李多と名乗る女性だった。彼女は「川原崎花店」という花屋さんを駅前で営んでいるらしく、酔っぱらった勢いで働くことに。 やたらカレー作りがうまい青年や、おしゃべり好きの元教師、全体的に適当な李多。バラエティに富んだ従業員と色とりどりのお花に囲まれながら、徐々に花屋さんの仕事に慣れていくが――。
  • 掌編 源氏物語
    -
    1巻1,239円 (税込)
    2024年、大河ドラマの主人公・紫式部が紡いだ長編物語『源氏物語』 全54帖の華麗にして深遠な世界を一冊に凝縮! わが国最古の長編小説といわれる『源氏物語』。 本書はそんな『源氏物語』全部54帖を円熟の歌人・馬場あき子が、 歌人ならではの深い洞察力と感性から掌編として紡ぎ出し、 『源氏物語』を充分に堪能できる一書! 加えて本書には、香老舗 松栄堂提供による京都画壇で活躍する日本画家54名が、 『源氏物語』各帖をテーマに描き出した美しいカラーの挿絵を配しており、 気品に満ちた文章と華麗なる日本画によって、より一層『源氏物語』の深遠な世界観を 愉しめるものに。 巻末には、文庫化のための著者による「あとがき」も新たに収録。 本書は『源氏物語』に初めてふれる方から、改めて読み直そうという方まで、 あらゆる読者に充分に満足いただけるお薦めの一冊。
  • うらはぐさ風土記
    3.8
    30年ぶりにアメリカから帰国し、武蔵野の一角・うらはぐさ地区の伯父の家にひとり住むことになった大学教員の沙希。 そこで出会ったのは、伯父の友人で庭仕事に詳しい秋葉原さんをはじめとする、一風変わった多様な人々だった。 コロナ下で紡がれる人と人とのゆるやかなつながり、町なかの四季やおいしいごはんを瑞々しく描く物語。
  • 殺める女神の島
    3.5
    リゾートアイランドに集められた、外見と内面の美を競い合うコンテストの最終候補者。メンバーは女子高生モデル、経営者、小説家、医師、シェフ、インフルエンサー、大学院生の七人。これから二週間、互いを知りながら、高め合いながら、助け合いながら、最終選考の準備を行う。その日々を見守ってグランプリを決めるはずだった主催者が、二日目の朝、瀕死で見つかった。次々と殺人が起きるなか、巧妙に隠された参加者たちの「嘘」も明らかになっていく――。この中で、一番嘘つきの殺人鬼は誰? 最高に後味の悪いイヤミス長編!
  • 1面、降版します 特命記者の事件簿
    -
    「他社にネタを流している裏切り者を探せ」。 全国紙の毎朝経済新聞で見出しとレイアウトを担当する整理記者、藤崎桃果に下ったまさかの密命。桃果は取材記者1年目に起こした誤報記事が原因で、整理部に「左遷」されていた。すっかりやる気を無くしてしまい、転職活動に夢中になっていた桃果だったが、編集局ナンバーツーの権座に呼び出され、裏切り者探しを始めることに。裏切り者を特定できた暁には、取材記者として返り咲けることを約束された。 もともと競合する2社が合併してできたこの新聞社では、派閥争いが続いていた。怨嗟、嫉妬、陰謀が渦巻く社内で、桃果がたどり着いた衝撃の真実とは? どんでん返しの連続の新聞記者小説。
  • 蜘蛛の巣の罠(上)
    -
    サーガに届く謎の小包。 醒めぬ悪夢が始まる。  ユレック・ヴァルテルという凶悪な殺人鬼との闘いは、ヨーナ・リンナとサーガ・バウエルの捜査によって終止符が打たれた──はずだった。心に深い傷を負って療養するサーガのもとに、連続殺人をほのめかす絵葉書が届くまでは。「ヨーナを救えるのはきみしかいない」。署名は「ユレック・ヴァルテル」のアナグラム。その葉書をサーガが受け取ってから三年が過ぎたある日、国家警察長官マルゴット・シルヴェルマンが突如失踪、後日遺体で発見される。現場には葉書の記述どおり残された純白の薬莢。それは新たな殺人鬼が練りあげた計画の始まりを告げる声だった……
  • 後宮の不憫妃 転生したら皇帝に“猫”可愛がりされてます
    -
    初恋の皇帝に嫁いだところ、彼に疎まれ毒殺されてしまった翠花。気が付くと、彼女は猫になっていた! しかも、いたのは死んでから数年後の後宮。焦る翠花だったが、あっさり皇帝に見つかり彼に飼われることになる。幼い頃のあだ名である「スイ」という名前を付けられ、これでもかというほど甘やかされる日々。冷たかった彼の豹変に戸惑う翠花だったが、仕方なく近くにいるうちに彼が寂しげなことに気づく。どうやら皇帝のひどい態度には事情があり、彼は翠花を失ったことに傷ついているようで――
  • ある夜、ぼくはガモラに出会った
    -
    1巻275円 (税込)
    ある夜、何者かに誘われるようにして、その海へ海釣りに出かけた少年は、その夜、ガモラに出会う。幻想と現実の狭間を行き交う中で、少年はガモラに象徴される海の危機、人間社会の危機を悟るのだった――。

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  • 文藝MAGAZINE文戯24 2024 Winter
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    文藝MAGAZINE文戯24 Winter 巻頭企画は「Silent」。 語られずとも記された言葉がある限り。 語りえるものと語りえぬもの、静けさをテーマとした7作品と連載1作品が掲載。
  • 摩周湖 黒衣の女
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    美しい人妻から、夫を探す依頼を受けた私立探偵・岩波は、神秘の湖と呼ばれる摩周湖へ飛んだ。地道な調査により、黒づくめの服装の女と一緒であったことをつかんだが、男は遺体となって発見された。黒を纏う女は誰か。どこへ消えたのか―。
  • 夜叉の断崖
    -
    岩波淳哉は一匹狼の私立探偵。全国各地で未発見の巨木を見つけようという巨木探しグループの“組長”でもある。今回の目的地は八ヶ岳山麓の蓼科高原。別荘に着いた一行は管理人夫婦と出会うが、数日後、警察らしい人間が管理棟を張り込んでいるのに気づく。やがて二人は岩波にボストンバッグを預け、別荘地から姿を消した。訪ねてきた刑事から、男が自分の妻殺しの容疑者として追われていることを知り…。
  • 松江・出雲 密室殺人事件
    -
    出雲に嫁いだ一人娘の雪路を連れ戻してほしい―一匹狼の調査員・岩波惇哉の許に、松平と名乗る男から依頼があった。浮気性の夫と別れたいが、相手が承知しないという。前金は100万円。岩波は、彼を「組長」と呼んで慕う巨木探索グループの一員・20歳の真那津と共に出雲へ飛んだ。雪路を訪ねたが彼女は留守。そしてその家で女性の絞殺死体が発見された!警察に疑われる岩波。無実を証明できるのか。
  • 白神山地殺人事件
    -
    世界遺産に登録された白神山地の秋は美しい。調査員の岩波惇哉をリーダーとする一行は、日本一のブナを求めて原生林を歩く予定だった。出発前夜、東京に降った黒い雨。それは不吉な事件の前兆だった!赤石川と滝川の合流地点で、一行は女性の死体を発見した。軽装だったことから、岩波は同行者の存在を疑う。被害者は東京の資産家の娘。しかも父親も二年前に行方不明になっているという…。長篇山岳推理。
  • 星砂の島殺人事件
    -
    私立探偵・岩波をリーダーとする探検グループに西表島行きの話がもちあがった。そんな折、メンバーのひとり真那津が、阪神大震災で被災し身寄りのない少女・花を連れて神戸から帰京した。花の出奔中の父親が石垣島にいることがわかり、岩波達は沖縄へ飛ぶ。しかし、父親は三年前から再び行方不明だった。グループは西表の密林で謎の死体を発見する。遺体は花の父なのか、彼の過去には何が…書下し長篇推理。
  • 立山連峰殺人事件
    -
    上高地から岳沢へ登攀中、雪洞に貯蔵していた食糧を口にした三人パーティの一人が急死した。青酸毒であった。半年後、またメンバーの一人が立山で墜落死した。彼らは十五年来の岳友だという。豊科署刑事道原伝吉は、二つの事件を結ぶ糸を探ったが、徒労に終わった。そしてさらに半年、今度は冬の剣岳で、メンバーの長男が遭難するに及んで、道原の脳裏には意想外の仮説が浮かんでいた。長篇山岳サスペンス。
  • あやかし旅籠 ちょっぴり不思議なお宿の広報担当になりました
    -
    動画配信で生計を立てている小夏。ある日彼女は、イケメンあやかし主人・糸が営む、あやかし専門の旅籠に迷い込む。糸によると、旅籠の経営状況は厳しく、廃業寸前とのことだった。山菜を使った薬膳料理、薪風呂、癒しオーラ全開のイケメン主人……たくさん魅力があるのだから、絶対に人気になる。そう確信した小夏は、あやかし達に向けた動画を作り、旅籠を盛り上げることを決意。工夫を凝らした動画で宿はどんどん繁盛していき、やがて二人の関係にも変化が――
  • 京都式神様のおでん屋さん
    4.0
    京都の路地にあるおでん屋『結(むすび)』。その小さくも温かな店を営むのは、猫に生まれ変わった安倍晴明と、イケメンの姿をした二体の式神だった。常連に囲まれ、お店は順調。しかし、彼らはただ美味しいおでんを提供するだけではない。その傍らで陰陽道を用いて、未練があるせいで現世に留まる魂を成仏させていた。今日もまた、そんな魂が救いを求めて、晴明たちのもとを訪れる――。おでんで身体を、陰陽道で心を癒す、京都ほっこりあやかし物語!
  • 怠け狐に傾国の美女とか無理ですから! 妖狐後宮演義
    -
    主神によって、地上に降り増長した国を滅ぼすよう命じられた、ぐうたらな狐の従属神・末喜。渋々とお仕事に取りかかろうとしていた彼女は地上で滅ぼすべき国・夏の王子である癸と出会い、なんと一目惚れをされてしまう。一度は彼を撒き、夏の後宮へ潜り込んで国を滅ぼす算段を立てていた末喜だが、その後も何かと癸に関わるはめになったり、夏の大王の寵姫として我が物顔に振舞う従属神・妲己と争ったりする間に計画はあらぬ方向へ向かい……異彩の中華ファンタジー、開幕!
  • 大正あやかし契約婚 帝都もののけ屋敷と異能の花嫁
    -
    時は大正。あやかしが見える志乃は親を亡くし、親戚の家で孤立していた。そんなある日、志乃は引き立て役として生まれて初めて出席した夜会で、由緒正しき華族の橘家の一人息子・桜虎(おうこ)に突然求婚される。彼は絶世の美男子として名を馳せるが、同時に奇妙な噂が絶えない人物で――警戒する志乃に桜虎は、志乃がとある「条件」を満たしているから妻に選んだのだ、と告げる。愛のない結婚だと理解して彼に嫁いだ志乃だったが、冷徹なはずの桜虎との生活は予想外に甘くて……!?
  • 神さまお宿、あやかしたちとおもてなし  ~鈴の恋する女将修業~
    -
    あやかしと人間が共存する天河村。就職活動がうまくいかなかった大江鈴は不本意ながら実家に帰ってきた。地元で心が安らぐ場所は、祖母が営む温泉宿『いぬがみ湯』だけ。しかし、とある出来事をきっかけに鈴が女将の代理を務めることに。宿で途方に暮れていると、ふさふさの尻尾と耳を持つ見目麗しい男性が現れた。なんと彼は村の守り神である白狼『白妙さま』らしい。「ここは神たちが、泊まりにくるための宿なんだ」突然のことに驚く鈴だったが、白妙さまにさらなる衝撃の事実を告げられて――!? 心も身体も癒す、胸キュンあやかしファンタジー開幕!
  • 蛇神様の不都合な運命
    -
    「あたしはお姫様じゃない。『運命の番』にも選ばれなかった……」 天ツ国から追放された沙彩と蛇喰。 番(つがい)という絆がないふたりが選び取る答えとは――? 神様×人間の恋愛ファンタジー第二弾! 序章 一章 二章 三章 四章 五章 六章 終章 ■著者 御守いちる(みもり・いちる) 2016年『お前を、祝ってやろうか!?』で第5回講談社ラノベ文庫新人賞の佳作を受賞し、作家デビュー。2018年第1回小説家になろう×スターツ出版文庫大賞で『あやかし食堂の思い出料理帖』がほっこり人情部門を受賞。 著書に『白龍神と月下後宮の生贄姫』(スターツ出版)、『鬼束くんと神様のケーキ』(アルファポリス)、『狼様の運命の花嫁』(マイナビ出版)などがある。 ■イラストレーター 白谷ゆう(しろや・ゆう)
  • 期間限定皇后
    -
    君との約束を、必ず守る 都でやり手の商人として勤しんでいたら、スカウトされて皇后に!? 蕣の統明帝が迎えた皇后――は仮の姿、梁青蓮は国家の窮状を救うため強制採用されたやり手の「牙人」。見た目はいいのにどこかのほほんとした統明帝と側近だけが正体を知る中、青蓮は持ち前の商賈としての閃きで国庫を立て直してゆく。しかしこの危機の裏には思わぬ陰謀が潜んでいて!? 役目を終えたら放免という約束で引き受けたのに、青蓮はいつしか自らの意思で統明帝の力になりたいと思っている自分に気づき…。 SNC・装画
  • 小林一茶
    -
    誰にでもわかる言葉、細やかな心理描写……近代俳句は一茶からはじまる。生涯で詠んだ約二万句から百句を精選し、俳人・長谷川櫂が解説を付す。波乱に満ちた人生に沿いながら見えてくる「新しい一茶」像。
  • 平家物語 1
    4.0
    1~4巻880円 (税込)
    混迷を深める政治、相次ぐ災害、そして戦争へ──。栄華を極める平清盛を中心に展開する諸行無常のエンターテインメント巨篇を、圧倒的な語りで完全新訳。文庫オリジナル「後白河抄」収録。
  • 崎義一の優雅なる生活 愛しきリインカーネーション【電子特典付き】
    3.0
    「タクミくん」シリーズに続く、大人になったギイとタクミの物語! 容姿端麗、頭脳明晰、莫大な個人資産を有しながら 29歳にしてすべての仕事をリタイアし、日本にやってきた崎義一、通称・ギイ。 晴れて最愛の恋人・託生と甘い同居生活を送っている。 桐嶺学園高校で新卒の音楽教師の無断欠勤が続き OB繋がりの託生が授業と吹奏楽部の指導を代理で行うことになった。 そこへ、加々見タケルという名の優秀な生徒が編入してきて……。 累計500万部突破「タクミくんシリーズ」に連なる新たな物語! 大人気シリーズ第6弾! ※電子書籍版特典として、直筆コメント&サインを収録しています。
  • ニャンダフル! 100名言
    -
    1巻1,320円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 おもしろネコ写真×古今東西の名言集。迷ったとき、悩んだとき、ネコが教えてくれる! 古今東西の「名言」を面白ネコ写真と組み合わせた、マイナス思考に陥りがちな現代人にとって、明日を生き抜くためのヒントが満載のフォトブック。 投稿誌『ネコまる』に寄せられた傑作ネコ写真は、癒され効果も抜群です。
  • ありがとう 猫が贈ることば
    -
    1巻1,320円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 猫は人生の師匠。猫のように生きよう。 媚びない、欲望に正直、休みたい時は休む、年をとってもずっと可愛い……、そんな猫のように生きたい! と願う人々に向けて、猫が贈ることばを集めたメッセージ・フォトブック。 「ありがとう」「お疲れさま」「あせらない」「ずっといっしょ」など、テーマ別に描くメッセージをお届けします。その日の気分でページを開けば、ハッとさせられたりホッと癒されたり、元気をもらえること間違いなしです。 著者プロフィール / 新美 敬子(にいみ けいこ) 1962年生まれ。犬猫写真家。20年以上に渡り、世界中の猫や犬と人の温もりあふれる写真を撮り続けている。『旅猫』(講談社)、『職業犬猫写真家』(日本カメラ社)、『すて猫カテキン』(河出書房新社)、『マルタの猫』(河出書房新社)ほか、著書多数。
  • 殺人は太陽の下で フロリダ・シニア探偵クラブ
    3.3
    平和な高齢者向け住宅で起きた事件に、4人の元刑事が挑む! 刑事魂に火はつくのか!? Amazon.com編集者が選ぶ、この1冊!(2022年3月) 元ロンドン市警刑事で、過去の潜入捜査のせいでパニック障害に悩む58歳のモイラは穏やかな生活を送ろうとフロリダの高齢者向け高級住宅に家を購入するが、ある早朝、敷地内で若い女性の遺体を発見する。警察に通報したものの、発作のせいでふらふらしていると警官に続いてやってきたのはフィリップという隣人だった。元刑事で71歳のフィリップは殺人事件と聞いていても立ってもいられず現場に押しかけてきたのだが、元麻薬捜査官リックと元科学捜査官の妻リジーも巻き込んで、4人は高齢者の話には耳も貸してくれない警察を尻目に独自の調査を開始する……。
  • 魚を抱いて 私の中の映画とドラマ
    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 約束をすべて果たして水になる今ほんとうにあなたに会えた 『ビッグ・フィッシュ』より 忘れられないとびきりの映画とドラマについて、歌人・東直子が短歌と絵を添えて心で観た世界を綴るエッセイ集。 33本の映像作品、22点のイラスト、41首の短歌を収録! 花を掬うように魚を手のひらに ひとときの芯したたるばかり 『火の魚』より 風がふいてふりかえったらもういない君は花びらそのものだから 『パリ・テキサス』より うつくしい一瞬だけでよかったの 川を流れてゆく柩たち 『いつか読書する日』より 映画やドラマに触発されて作った短歌は、その細部を新しく記憶でき、自分の感覚をまじえてその世界を胸にしまっておけるような気がします。さらに、映像として体験した世界を、そこに生きている人をいとおしく思い、讃えるような気持ちで絵を描きました。 ――「はじめに」より 目次より はじめに 『火の魚』         本のめぐりを生きる緋 『2001年宇宙の旅』     未来を見る未来 『アンという名の少女』   フェミニストとしてのアン 『耳に残るは君の歌声』   忘れないで、でも、忘れて 『野のなななのか』    「やさしさ」のための遺言 『ビッグ・フィッシュ』   ありったけの愉快な嘘を 『山の郵便配達』      見たことのない懐かしい道 『すいか』         居てもいい場所で、生きる 『はちどり』        14歳、意志の火をともす。 『平清盛』          ひたむきに夢みた海の都 『パリ、テキサス』     砂地をつらぬく長い道 『トニー滝谷』       あなたに足りないものはなに? 『過去のない男』      人生は後ろには進まない 『あのこは貴族』      窓を見る、ドアを開く 『リリーのすべて』     身体の奥から生まれた願い 『あまちゃん』       一人残らず好きになる 『サイダーハウス・ルール』 生きていくための儀式 『スナック キズツキ』    ノンアルコールスナックの自由 『友だちのうちはどこ?』   ジグザグ道に希望を託して 『歩いても 歩いても』    確かに生きていた 『いつか読書する日』    長い長い階段と恋 光の名前 ~映画短歌~ 『81/2』   『地球は女で回ってる』 『あ、春』 『富江』 『夢』  『日の名残り』 『火火』 『ミス・ポター』 『転々』   『アダムス・ファミリー2』   『オアシス』  『バベットの晩餐会』 著者紹介 東直子(ひがし・なおこ)著 歌人・作家・イラストレーター。1996年歌壇賞受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』など。小説に『とりつくしま』『さようなら窓』『階段にパレット』ほか。2016年『いとの森の家』で第31回坪田譲治文学賞受賞。
  • たった1日もキミを愛さなかった日はない
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    ★★韓国で10万部突破! チェ・シウォン(SUPER JUNIOR)など韓国著名人が絶賛!! キム・ジェシク翻訳作品第2弾★★ 泣かせるのは愛だけど、 笑顔にするのも愛だから、 私たちはまた愛を始めなくちゃならない。 キム・ジェシク 翻訳は『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』『いい人にだけいい人でいればいい』の藤田麗子が担当。イラストは、高田真弓による描き下ろし。 忘れられない愛を忘れるための117のメッセージ。 《目次》 第1章 迷子のように 第2章 恋が近づいてきたとき 第3章 キミじゃなきゃダメな気がして 第4章 もうすぐ懐かしくなる季節 第5章 こらえていた涙があふれ出した 第6章 愛が遠ざかっていく小さなサイン 第7章 キミは沈まない月 第8章 生きるために知っておきたいこと
  • 源氏物語 紫の結び 一
    3.8
    1~7巻1,760円 (税込)
    死んだ母に似ているという、父の新しい妃に対する思慕。山里で源氏は、その妃の面影を持つ少女を垣間みます。紫の上との出会いでした。
  • 遠い波濤 忘じがたき日本人の肖像
    -
    1巻1,760円 (税込)
    千葉県・南房総の「仲良し4人組」は、長じて第一次世界大戦やシベリア出兵、米騒動、農村の疲弊と飢餓、上海事変など、歴史の大波に洗われながら、数奇な運命の糸にあやつられていく。 大正から昭和に至る激動の近代日本の歩みに重ねながら、幼馴染み4人の友情と慟哭、その生と死の物語をたどる。先達たちの「魂の軌跡」を壮大なスケールで描く歴史小説巨編。 聖なるものが薄れ、あてどなく漂流する21世紀。羅針盤を失いがちな、すべての日本人に問う。 ※通常版と電子書籍版では一部の記載が異なります。
  • 憶 藤沢周連作短編集
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    芥川賞受賞作家・藤沢周が『Web新小説』に初連載した書下し短編小説、待望の書籍化。 短編小説、 待望の書籍化。「ブエノスアイレス午前零時」119回芥川賞受賞の藤沢周が贈る自分の過去(記憶)をたどりながら現在と交錯する私小 説風書下し作品集。著者の故郷である新潟を舞台に、主人公の幼い頃の「過去」と感染症がはびこる「現在」が交錯する。 人間にとって記憶の本質を問いかける作品。
  • コン・ティキ号探検記
    -
    ポリネシア人のルーツを解明すべく、古代風の筏を操ってペルーからタヒチまでの漂流を敢行、謎多き太平洋民族の研究に貴重な一石を投じた漂流探検の古典的名著。
  • 愛国百人一首
    -
    1巻4,395円 (税込)
    新羅の城砦に立って日本へ向い領巾を振った烈婦の歌から、明治の大君の御あと慕いて自刃した軍神の辞世まで、忠君愛国の短歌一百首を選び、仮りに「愛国百人一首」と名づく。日本精神の言葉の花は、その背景なる歴史的事件と相まって、一巻の絵巻の如く繰り展げられるであろう。日本歴史の一冊を座右に置きながら、この「百人一首」を読んでいただきたい。1941年(昭和16)の名著復刊。
  • 川の怪談
    -
    1巻1,430円 (税込)
    文明と繁栄の源、命を育む大いなる水の流れ、川。 そこには古来、ヌシと呼ばれる神が居り、異形のモノたちが隠れ棲まう。 たゆまなき流れの中に幾多の生命を生み出す一方、時に命を喰らい、淀みの中に闇を飼う。 我々が死して最後に渡るのもまた、三途の川である。 川底から西瓜を掴む青白き手。水が赤く染まる川。舟を沈ませる亡霊。 死を予言する川のせせらぎ。異界に通じる川面…… 体験者から丁寧に聞き集めた、全国三十河川の怖い話。 怖ろしくも神秘的な〈川の世界〉へようこそ―― ◆岩田川(三重県) 川の傍の刑務所。刑期が7年以上の者だけに聞こえる川の音が途切れると、誰かが死ぬ… ◆ウッペツ川(北海道) 川で溺れて運ばれてきた男。自分は異界から来た者で、川から元の世界に戻れると言うが… ◆球磨川(熊本県) 水、生物、砂、石。球磨川にある物を盗んではならぬという曾祖父の遺言の恐ろしき意味… ◆長尾川(千葉県) 川から飛び出した水滴が皮膚を破り体内に侵入する。透明な水の粒に似た謎の生き物は… ◆牛津川(佐賀県) 蕎麦の実をひく水車小屋。未明に川から子どもが這い上がってきては石臼の上に何かを… …ほか、、川に呼ばれてしまった人たちの怖ろしき体験を取材した全国30河川の怪異談!
  • 魂消怪談 怪ノ目
    4.0
    「玉目! おまえ怪談は金輪際やらねえっ!って云ってたけど、出汁きいてんじゃねえかよッ!」 ――平山夢明 「人間って内臓が穴からこぼれちゃうんだね。製麺機からにゅるにゅる出てきた生麺みたいに…」  収録話「事故物件じゃないの?」より 目を凝らせばそこここに浮かび上がるのは、夥しい怪異と救われない恐怖――冨士玉目の目にはなにが見えているのか。 ・廊下に充満した悪臭の原因…母子による絶望のメッセージの行方「会議で言いたかったこと」 ・夜中に突然、娘の口から発せられるしわがれた男の声「縁もゆかりもない」 ・山が啼くという奇妙な言葉の驚愕の真実「アがなく」 ・叔父が描いた絵に隠された忌むべき秘密「女神の絵」 ・いつも旨いお茶を入れる事務所の子の様子がおかしい、やがて知る不可解な出来事「茶の味」など。 人気シリーズ「怪談四十九夜」の掲載作の再録とともに書下ろしを加えた48話を収録。
  • 令和怪談集 恐の胎動
    5.0
    「ネジのぶっ飛んだ大胆な怪異の連続! 最高!」――怪談家ぁみ 新世代最恐怪談 ここに登場! 彗星のごとく現れた新世代が刻む腸(はらわた)が軋む恐怖! ・旅の途中で立ち寄った小さな寺での凄惨な体験「御厨子開帳」 ・深夜残業中、タバコを吸おうと喫煙室入ろうとすると…「整列!」 ・オフィスの椅子が座るたびに妙な音を立てる。そのおぞましい理由とは「豚の椅子」 ・久しぶりに会う古い友人が連れていた女の奇妙な行動は…「モルダー先輩」 ・親友の住む新しいマンションを訪ねたが、部屋の隅に妙なものを見つけて…「恐の胎動」 ――など31話収録。 怪談家ぁみも絶賛、〈怪談マンスリーコンテスト〉にて平山賞・黒木賞のダブル受賞に輝いた書き手が研ぎすました筆を大胆に振るう!
  • 現代異談 首塚の呪術師
    -
    「あれはイズナ使いだ…」 憑き物を操る見鬼に仕掛けられた現代の呪術戦。 首塚で行われていた 驚愕の儀式とは? ――表題作「首塚の呪術師」より 異形・あやかしの類は人の強い想いに魅かれてやって来る。 想いこそが心霊現象や、念の異形といったものを生み出すのだとも言える。 ・飲み会の写真で背後に写る生霊は自分を執拗に付け回しているネットストーカーの男で…「青い男」 ・ある事故に遭遇してから視えるようになった女子高生が通学バス内で体験した恐怖…「紐」 ・人間によって住み慣れた場所を突然追われたあやかし達の怒り…「井戸と楠」 ・将門の首塚で祭壇を組み、怪しげな呪術を行う男。 男に目を付けられた著者は旧友を使い魔にされ、壮絶な呪術戦を仕掛けられる…「首塚の呪術師」 など、現代に息づく呪いと神秘の怪異譚全22話収録。 著者自身の戦慄〈魔〉体験!
  • 怪奇異聞帖 地獄ねぐら
    5.0
    「あいつ、たった四日で真っ黒に溶けちまいました」 古墳から出てきた勾玉。 盗んだ作業員を襲う恐るべき呪いとは? 「黒汁」より 人柱の家、廃墟の座敷牢、全室事故物件のアパート… 禍々しさが炸裂する最凶怪談! この世の悍ましきもの、忌まわしきものを限界まで煮詰めた地獄の怪談集。 ・顧客の家に突如飾られた油絵。左耳を手で覆う少女の絵だが、以降住人の耳に異変が…「玄関先」 ・秘密の地下室があると聞いて忍び込んだ廃墟。隠し階段の奥にあった座敷牢と謎の水場は…「廃墟の地下室」 ・民俗学の調査を兼ねて訪れた祖父母の家。妙に冷える畳が気になって調べると裏にびっしりお札が…「お札の部屋」 ・建築作業中に発見された古墳。副葬品の勾玉を盗んだ作業員の行く末…「黒汁」 ・怪我人が続出する古民家の解体。開かずの間の大黒柱の下には注連縄と骨が…「贄の柱」 他、抗えぬ負の魔力に酔いしれたし。
  • ロンドン幽霊譚傑作集
    3.3
    19世紀ヴィクトリア朝、文化・産業ともに飛躍を遂げた大都市ロンドン。その栄華の陰では、犯罪のもたらす恐怖、そして超自然がもたらす恐怖が蔓延していた――晴れ渡ったケンジントン・ガーデンズの一角で目に見えぬ何かと交信する、美しき寡婦を巡る愛憎劇を主軸とした出色のサスペンス「ザント夫人と幽霊」。アイルランドのバンシー伝説を背景に、野心家の外科医が運命の奇蹟に遭遇する「ハートフォード・オドンネルの凶兆」。周囲から憧憬を集めた愛らしい令嬢が、死に際に抱いた最後の願いを描く「揺らめく裳裾」ほか、魔都ロンドンを舞台に贈る様々な趣向のゴースト・ストーリー13篇を収録する。集中12篇が本邦初訳。/【目次】ザント夫人と幽霊 ウィルキー・コリンズ/C―ストリートの旅籠(はたご) ダイナ・マリア・クレイク/ウェラム・スクエア十一番地 エドワード・マーシー/シャーロット・クレイの幽霊 フローレンス・マリヤット/ハートフォード・オドンネルの凶兆 シャーロット・リデル/ファージング館の出来事 トマス・ウィルキンソン・スペイト/降霊会の部屋にて レティス・ガルブレイス/黒檀の額縁 イーディス・ネズビット/事実を、事実のすべてを、なによりも事実を ローダ・ブロートン/女優の最後の舞台 メアリ・エリザベス・ブラッドン/揺らめく裳裾(もすそ) メアリ・ルイーザ・モールズワース/隣牀(りんしよう)の患者 ルイーザ・ボールドウィン/令嬢キティー ウォルター・ベサント、ジェイムズ・ライス/編者あとがき――魔の都(みやこ)、霊の市(まち) 夏来健次
  • フィッツジェラルド10 傑作選
    -
    この一冊で見渡す作品世界――。 若くして洞察に富むデビュー期の輝き、早すぎる晩年の作ににじむ哀切。 二十年でついえた作家としてのキャリアの中で、フィッツジェラルドが生み出した幾多の小説から、思い入れ深く訳してきた短篇を村上春樹が厳選。「エッセイ三部作」を加えたベスト十作を収録。
  • お嬢様の崩壊
    -
    1巻1,320円 (税込)
    結婚の先に待っていた苦しみ。救ってくれたのは、ある青年からの歌のメッセージだった。 都内某所、14もの部屋と銅像が置けるほど広い玄関ホールを有する裕福な家に生まれたしずかは、普通なところに惹かれた会社員との人生を選んだ。 しかし、生活は次第に苦しくなり、子供のころには考えられなかった派遣社員として働きに出る日々が始まる。夫は仕事のストレスで精神を病み、家族の仲は冷え切っている。孤独と疲労が募るなか、しずかはふと、ある人が歌う姿に目を奪われた。歌詞に励まされ、歌い踊る姿に元気をもらい、生きる力を与えられたしずかの環境は次第に変化していき――。

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  • ラーゴ —北の湖—
    -
    1巻1,320円 (税込)
    歌の勉強のためにミラノに留学している私(川崎まひる)は、風光明媚な北イタリアの湖水地方でロシアから亡命してきたボリスと知り合う。 好男子で愛想が良く、そつのない彼に魅かれ、恋に落ちる私。 だがボリスには誰にも言えない秘密があった――。 ウクライナ紛争を背景に、ダークウェブを駆使したランサムウエアの陰謀、アメリカ人のスナイパー、身代金の交渉人、マグレブ系不法移民の死が織りなす暴力と恐怖。 背後に迫る国家の暴虐は、主人公を思いもよらない断崖絶壁に建つ教会に追いつめる――。 若い女性のひと夏の戦慄の体験を描くピカレスク・サスペンス プロローグ 第一章 第二章 第三章 第四章 エピローグ

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  • もう亡くなったお母さんへ
    -
    1巻1,320円 (税込)
    失った今だから、こみ上げる想いがある。 両親の離婚と再婚、アルコール依存による入院、母親の風俗勤めなどを経て、現在は愛人として生きる「私」。 過酷な人生のようで、確かな幸せがそこにはあった。 周囲を取り巻く当たり前で特別な人々、そして誰よりも大切な母との交流を描いたエッセイ風小説。

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  • 善悪の彼方に~看護学生あずみの事件簿~
    -
    1~2巻1,320円 (税込)
    愛情、後悔、そして謎――。 火事のあった日のいきさつはこうだ。その日、真琴の父、櫻井良一は仕事が休みの日ではあったが、午後から急ぎの用事があると言って会社に出掛けた。夕方五時頃、仕事を終えたところで、これから実家に寄って帰るつもりだと妻に連絡を入れている。(中略)しかし鑑識の結果、明らかに火元は居間のストーブの火の不始末が原因とわかった。消したつもりのストーブにカーテンの一部が燃え移って全焼したのだ。(本文より) 事故なのか?放火なのか? 空白の四時間と三件の火災の謎を解明すべく 看護学生・篠原あずみの推理が始まる。 【目次】 1 はじまりの火事 2 そして二軒目…… 3 課題 4 行方不明 5 ふたたび現場へ 6 病院バイト 7 逮捕者 8 空白の四時間 9 故意と過失 10 ライターの持ち主 11 放火犯 12 善悪の彼方に 【著者紹介】 〈著者紹介〉 叶浦みのり(かのうらみのり) コロナ禍で小説を書き始める。 趣味は偏った読書。好きな作家は松本清張。

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  • 【小説版】 今度は絶対に邪魔しませんっ!
    3.7
    異母妹への嫉妬に狂い罪を犯した公爵令嬢ヴィオレットは、牢の中でその罪を心から悔いていた。しかし気が付くと、自らが壊れた日──妹と出会ったその日へと時が巻き戻っていた。ヴィオレットは決意する。今度は間違わない。罪を犯さず、誰の邪魔もせず、平凡に地味に、目立たず生きよう。……と思ったのに、何だか色々とおかしな方向へ事態は進み…!?
  • 沖仲仕が医師になって
    -
    1巻1,358円 (税込)
    僕の進むべき道はこれでいいのだろうか 昭和38年、農業高校を卒業して大学進学するも、生き方を模索し静岡から上京した一人の若者がいた。 様々な人との出会いや仕事を経験しながら自問自答を繰り返し、遂に医師になる決意をする。 晩年になっても夢を追うことを諦めなかった男の生涯を描いた成長記。

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  • 平凡すぎて殺される
    3.6
    28歳のポールの特徴は“平凡すぎる”顔だ。わけあって無職のまま、ボランティアで病院を訪れて、彼を自分の息子や甥と思いこんだ老人たちを癒す日々を送っている。ある日、末期ガンの老人を見舞うと、錯乱した彼に誰かと間違われてナイフで肩を刺されてしまう。老人は亡くなり、警察は恐ろしい事実に気がついた。彼は悪名高いギャングで、有名な誘拐事件の関係者だったのだ。警察に衝撃が走る一方、ポールは爆弾で命を狙われ、さらに……。身を守るには逃げながら誘拐事件の真相を探るしかない!? 巧みな構成が光るノンストップ・ミステリ!
  • ネムとジド
    -
    1巻1,408円 (税込)
    心を揺さぶる5つの寓話 この世界はすこし切なくて、不思議で、あたたかい。 子どもから大人まで世代を超えて楽しめる、珠玉の短編小説集。 おしゃべりがうまくできずに学校に行けないネムは、子犬のジドといつも一緒。 村の人たちは、獲物一匹取ってこないジドのことを「役立たず」といった。 「息子に手がかかるのに、あんな犬までかかえたんじゃ、さぞたいへんだろうよ。」 でも、ジドにはひみつがある。耳を羽のように動かして、空をとぶことができるのだ。 ある日、空とぶ犬のうわさを聞きつけた村の旦那が、ネムの元にやってきて―― 表題作「ネムとジド」ほか、優しく沁みこんでいく全5編の物語。

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  • 老人ホーム 一夜の出来事
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※この商品は、作品の内容を鑑み、固定レイアウト型で制作した電子書籍です。文字だけを拡大することができませんので、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できませんので、ご注意ください。また、お読みになる端末で無料サンプルをお試しいただいた上でのご購入をお願いいたします。※ある老人ホームの一夜。八人の老人と一人の寮母。食事と作業とお楽しみ会……。体力も知力も異なる八人の老人たちと寮母に、時は等しく流れる。登場人物九人の同時進行小説。同じ場面のそれぞれの行動、意識(があれば、だが)が、各人に割り当てられた章の同じページ、同じ行に浮かび上がる。傑作実験小説!/解説=若島正
  • 冒険小説論 近代ヒーロー像一〇〇年の変遷
    -
    スティーヴンスン『宝島』から始まり『水滸伝』を経由して滝沢馬琴『南総里見八犬伝』、そして戦後――英雄なき時代の先に繚乱する冒険小説のオデッセイアへ。洋の東西さえ越えて、著者は膨大な小説と文献を文字通り縦横無尽に渉猟する。ただ一心に、面白い小説を追い求めて。百年の文学史のなかで切り開かれた豊饒なる小説世界、その山嶺を闊達な筆致で踏破する一大評論。大衆文学研究に里程標を刻み、第四十七回日本推理作家協会賞を受賞した名著。この一冊をして、文学史に「冒険小説」は永遠に刻まれる。/【目次】1/近代ヒーローの誕生/ドイルと騎士道小説/大観光時代/荒野に立つヒーロー/ハックルベリーの旅/西部辺境の男たち/十九世紀イギリス補遺/芥溜(ごみため)のパリ/デュマの剣豪小説/科学の冒険/愛国主義者ルパン/『紅はこべ』と『スカラムーシュ』/騎士道の消滅/スパイ・ヒーロー、登場/不安と疑惑の時代/クリスティーの冒険/ジョン・カーターとターザン/無人島の少年たち/海の男ホーンブロワー/マクリーンの戦後/イギリス海洋小説補遺/不信のヒーロー/フランスのスパイ活劇/ジョバンニと暗黒小説/スピレインの亡霊/自警団ヒーロー、ボラン/スペンサーの饒舌/悪党パーカーの栄光/ライアルの場合/七〇年代の壁/現代の秘境/キャリスンとカイル/ヒギンズの陥穽/工作員の冒険/謀略小説の時代/ラドラムとカッスラー/フランシスの復活/2/『水滸伝』の世界/ふたつの『水滸伝』/3/『南総里見八犬伝』の世界/政治小説の時代/黒岩涙香の翻案小説/巖谷小波の少年小説/武侠の冒険/立川文庫と講談/「新講談」の時代/「少年倶楽部」の時代/高垣眸の海/密林のヒーロー/軍事冒険小説の行方/日本伝奇小説の系譜/国枝史郎と講談/伝奇小説の黄金時代/昭和十年代の壁/『宮本武蔵』への道/『赤い影法師』の衝撃/講談『柳生武芸帳』/風太郎忍法帖におけるロマネスク/伝奇小説の伝統/隆慶一郎が残したもの/ヒーローの善意/机龍之助の皮肉/丹下左膳の場合/長谷川伸と流れ者ヒーロー/眠狂四郎の剣/海のロマン/大藪春彦の意味/八〇年代のオデッセイア/夢枕獏の彼方/あとがき/文庫本のためのあとがき/解説=霜月蒼/人名一覧/書名・作品名一覧
  • ブラザーズ
    3.0
    『ブラザーズ』『ムショぼけ』『インフォーマ』の著者、最新作! 震える、笑える、そして痺れる——ぴっかぴかのヤクザ小説、爆誕! 関西ヤクザ界に「ヒットマンブラザーズ」の異名で知られる危険な男、天空会の萩原紅。懲役囚だが刑務所内に絶大な影響力を持ち、不自由ながら懲役の面白さを感じながら刑期を過ごしていた。やがて出所し組に戻った萩原が引き起こした、構成員1万人とも言われる大川連合とのもめ事。10人の組員しかいない天空会だが、誰も引く気はない。難しいこと考えて、こぢんまりまとまっても、しゃあない――そして、また熱い日々がやってくる。
  • クレヨンしんちゃん 炭の町のシロ 公式ガイドブック
    -
    田舎で過ごす穏やかな日々と炭の町でおこる事件の解決 両方をとことん楽しむための1冊! Nintendo Switch対応ゲームソフト『炭シロ』の攻略ガイド。シロといっしょに、ふたつの舞台をすみずみまで駆け回るゾ! オオマガラナイ村と、不思議な炭の町でおこるいろいろなことをガイド。 みんなからお願いされるたくさんの〝ミッション〟を達成するためのポイントを詳しく紹介します。詳しい地図で、虫や魚の居場所、鉱石やガラクタの手に入る場所をチェック! トロッコレースの必勝法のほか、持ち物や料理のデータも満載! ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • ゼロ打ち
    4.0
    「ゼロ打ち」とは選挙の開票開始直後、開票率0パーセントに近い時点で特定候補者の当選確実を報じること――。 大和新聞の社会部記者・片山芽衣は、唐突な解散後の衆議院選挙で、選挙報道センターに配属された。担当は激戦区の東京一区。そんなある日、片山は取材中に「ある都議会議員の不審死」を知ることに。一方、国会議員の秘書歴十年の中村は、同じく民政党東京一区の新人・大学教授である若宮の事務所の応援に駆り出された。苦しい選挙戦のなか、若宮の女性スキャンダルがネットで拡散され…… 小説でしか描けない政界の暗部とマスコミとの危険な癒着。ノンストップエンターテインメント。
  • 刑事王子
    4.3
    1巻1,870円 (税込)
    金髪王子とアラフィフ刑事の異色バディは、不可能トリックを解き世界を救えるか―― 超絶怒濤のアクション・ミステリ―! 都内で起きた密室殺人。北欧のプリンスがなぜか事件現場に現れた。 協力を命じられたベテラン刑事・本郷馨は、北欧の小国・メリニア王国のミカ第三王子と共に捜査に乗り出すが、 連続する不可解な事件の裏には予想外の黒幕が……!? 【目次】 Prologue Case 1  嫌われる人は恨まれない Case 2  胡乱ろんな不在 Case 3  二つの檻 Epilogue あとがき 装画/サイトウユウスケ
  • 小田くん家は南部せんべい店
    4.7
    1巻1,980円 (税込)
    絶賛の声続々! 幸せとはこういう日常が続いていく事なのかもしれない。 (有隣堂町田モディ店 原田明美さん) 伝統の南部せんべい店を営む一家の心優しい人間ドラマに、全身がぽかぽかと温かくなりました。 (紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子さん) 家族のこと、友達のこと、生死や、家業のこと。それらを見つめ、考え、少しずつ自分なりに気付き成長していく弘毅の姿に、大人の私も新鮮な気持ちを取り戻していくようでした。 (東京旭屋書店 新越谷店 猪股宏美さん) 激動の日本を優しく癒してくれる格好の特効薬になるのかも。 (テレビ東京 深谷守さん) 「さあ、焼くぞ。大切な人のために、そして自分のために」 青森県の片田舎にある「小田せんべい店」。小学四年生の弘毅は嫌だった。課外授業でクラスのみんなが家に来ることになったのだ。南部せんべいなんか、バカにされるに決まってる。しかし当日、不登校の同級生・潤が来たことで弘毅は南部せんべいを焼くことになり……。六十九年間せんべい一筋の祖父・よっしーを始め、家族みんなに見守られて弘毅は少しずつ大人になっていく。 ひと口かじると涙がほろり あなたの心を優しく癒すぽかぽか家族小説 【著者コメント】 青森県の片田舎で南部せんべい店を営む六人家族の物語です。 南部せんべいは、青森県南から岩手県にかけて昔から食べ続けられてきました。今ではピーナツやゴマを混ぜ込んだり、クッキーっぽく焼いたりしていますが、基本は、塩と小麦粉と重曹のみの素朴で真っ白な塩味のせんべいです。飽きがきません。鉄型にはさんでサクサクに焼き上げます。特徴的なのが耳。型からはみ出た部分を耳と呼び、地元では人気があります。 南部せんべいのように飽きがこずに、いつまでも続いていきそうな小田せんべい店の泣いたり笑ったりの日常。一つの家族の在り方と、伝統食の行く末、友情、少年の健やかな成長を見守っていただけましたら幸いです。 【目次】 一章 せんべい焼き窯の熱 二章 甘く香ばしいチョコクランチの冬 三章 飴と耳と、手紙 四章 薄胡麻と白 五章 せんべい型

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