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生き神を拉致監禁する際の留意規則
彼女から目をはなさないでください。 『そのちにはときおり、いきがみがでる。 そは しなず。つらぬき、くだき、のむ。 みつめ、こたえ、あがめまつって、ねむりをまつべし。 ――――日本、山陰地方某村の伝』 米国の郊外にある都市、デケーロープ。 その地に根ざす反社会集団が、いつものように起こした誘拐事件。 彼らにとっては、いつものことであった。 けれども、その夜は普段とは違うことが一点、生じていた。 彼らが誘拐した少女。 黒髪の美しいその少女は「破れば死ぬ規則」を人々に科す「生き神」であった。 みつめて こたえて ぶたないで 朝が来るまで。どうか、彼女から目をはなさないでください。 -
鼻持ちならないガウチョ
カフカやボルヘスへのオマージュを込めた五つの短篇、文学についての驚くべき知性とユーモアが発揮された二つの講演原稿を収録。没年に刊行された、ボラーニョ最後の短篇集。解説:青山南 -
川崎警察
「高度成長期の歪みがヘドロのように 堆積する街・川崎。大事件の背後に横たわる 戦争の影を追う、熱き昭和の刑事たち。 刮目して読め!」 西上心太さん(書評家) 「林立する風俗店、汗と油まみれの労働者。 ヤクザと警官、そして。 泥臭く血なま臭く痛切な人間臭さに痺れる!」 藤田香織さん(書評家) 《暗殺者》は残留日本兵なのか!? 高度経済成長期の日本に紛れ込んだ ひとつの異物が、裏社会のみならず、 警察、経済界、政治家をも震撼させた―― 書評家激賞! 感涙必至!! \川崎の目利き書店員も大絶賛!/ 「昭和の川崎を舞台に戦争の傷跡をめぐって 泥臭い捜査で真犯人を追い詰める刑事たち。 次々に起こる銃殺事件に果敢に挑む 彼らの姿に引き込まれた。」 (有隣堂アトレ川崎店 大嶋慶子さん) 「人と人との絆が今よりもずっと濃厚な時代の 川崎で組長殺害から始まった連続殺人。 謎が謎を呼び、事件収束にいたるまでの 追いつ追われつの手に汗を握る追跡劇。 淡々と、それでいて一人一人の刑事たちの 矜持をもった熱い捜査にしびれます。」 (丸善ラゾーナ川崎店 村尾啓子さん) グランドキャバレーのプレ・オープンに 不意の闖入者が。 男は瞬く間にボディガード三人を屠り、 暴力団幹部と会長を殺害して逃走した。 プロの犯行だった。 神奈川県警川崎警察刑事一係のデカ長、 車谷一人は捜査への協力要請を受ける。 被害者が同じ期間に フィリピンへの複数渡航歴があることが 判明する一方、事件は新たな犠牲者を生み、 拡大の一途をたどる。 敗戦から高度経済成長への昭和史の 大きなうねりのなかで取り残された者たちの 怒りと悲しみが、いま噴き出した! 警察小説の名手が、 シリーズ最大のスケールで描き切る 力作長篇ミステリー! -
朧の花嫁
●○●大人気コミカライズ原作、待望の書籍化●○● 大正時代の函館。旧華族の清子は顔の痣により冷遇されて育った。そんな彼女は、金のため顔も知らぬ実業家に嫁ぐように命じられる。 清子が出向いた屋敷には、商才あふれる美貌の青年・朔弥がいた。しかし彼の目は不自由になりつつあり、これまでの縁談への苛立ちから彼女を拒絶。それでも清子は真摯に接し、朔弥も、その育ちゆえに真心で人を見る彼女に心惹かれ、互いにかけがえない存在に。 だが、痣を知った岩倉本家は彼女を追い出そうとして――。彼と生きるため、清子はその人柄と聡明さで懸命に試練に向き合い……? ●○●登場人物●○● 伊知地清子(いちじ・きよこ) 名家の娘だが、痣のせいで蔑まれてきた。人の真心を見る聡明さがあり、時に朔弥も驚く洞察力を発揮する。 岩倉朔弥(いわくら・さくや) 長身で圧倒的な商才をもつ美貌の青年。だが目が不自由で少々ひねくれ者。清子に惹かれ……。 ※特典として、書き下ろし短編ストーリー「懐中時計」を収録。 -
プラチナハーケン1980【電子特典付き】
二宮和也主演ドラマ「ブラックペアン」シリーズの前日譚! 『ブラックペアン1988』『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』、そしてその後の「桜宮サーガ」のすべてはここから始まった! 昭和の終わりの足音が聞こえる中、東城大学医学部総合外科の佐伯教授は、若きヒラ医局員・渡海征司郎を大抜擢した。周囲の医局員の反感を買いながらも次々に高度な手術を成功させる渡海。やがてオランダの国際学会に教授の代理として送り出され、その地で新たな因縁と巡り会う。これまで父のように佐伯を慕ってきた渡海だったが、ある患者のカルテの不審を抱き、佐伯外科の深い闇へ足を踏み入れていく……。 彼はなぜ「オペ室の悪魔」と呼ばれるに至ったか? 『チーム・バチスタの栄光』につながる海堂ミステリーの原点にして、メディカル・エンターテインメントの最高到達点! -
くれなゐの花嫁
■「朧の花嫁」のみちふむが贈る小樽の恋物語■ 老舗呉服屋で大切に育てられた繭子。しかし父が事故で他界し、さらに多額の借金を抱えてしまう。繭子は返済のため、身分を隠して”金にしか興味がない冷血漢”と噂の青山静也の会社で働くことに。 家業の経験と生来の聡明さから職場でも活躍し、やがて静也の秘書を務めることになる繭子。ともに仕事をする中で、噂と異なり真摯な静也の一面も知り、不器用に仕事に没頭する彼に惹かれていく。 静也も繭子に想いを寄せてくれるが、繭子は身分を偽り、借金も抱える身。彼の優しさに触れるたび、心は締め付けられて……。 ※特典として、「朧の花嫁」×「くれなゐの花嫁」書き下ろしコラボショートストーリーを収録。 ■□■□■□■□■□■□■□■□ 登場人物 富小路繭子(とみこうじ・まゆこ)……老舗呉服屋の箱入り娘だったが、借金返済のため青山物産で働くことに。家業で培った気配りで青山を補佐する。 青山静也(あおやま・しずや)……小樽で貿易業を営む「青山物産」の若き社長。類まれなる商才を持つが、出自から社交界でつまはじきにされている。 -
死んだ山田と教室
【本屋大賞2025ノミネート!】 青春と教室に囚われ続けている身に、なんて突き刺さる一冊。傑作です。ーー辻村深月 自分はなぜ生きているのか、自分はなぜ死なないのか、逡巡の中にいるすべての人へ。私がずっとデビューを待ち望んでいた新人の、ユーモアと青臭さと残酷さと優しさが詰め込まれた快作です。ーー金原ひとみ 【第65回メフィスト賞】 【本の雑誌が選ぶ2024年度上半期ベスト10第1位】 【第11回山中賞受賞】 【未来屋小説大賞第2位】 【王様のブランチBOOK大賞2024受賞】 二度と戻らない青春時代。 教室に響く声は生の証。 夏休みが終わる直前、山田が死んだ。飲酒運転の車に轢かれたらしい。山田は勉強が出来て、面白くて、誰にでも優しい、二年E組の人気者だった。二学期初日の教室。悲しみに沈むクラスを元気づけようと担任の花浦が席替えを提案したタイミングで教室のスピーカーから山田の声が聞こえてきたーー。教室は騒然となった。山田の魂はどうやらスピーカーに憑依してしまったらしい。〈俺、二年E組が大好きなんで〉。声だけになった山田と、二Eの仲間たちの不思議な日々がはじまったーー。 歴代メフィスト賞受賞者推薦コメント 死んでも終わらない山田の青春に、ぼくらは笑い、驚き、泣く。 (第21回受賞)佐藤友哉 くだらないのに楽しい。けれど、ほろ苦くて切ない。青春とは、山田である!! (第49回受賞)風森章羽 最強を最強と言い切れる山田こそが最強で最高。 (第53回受賞)柾木政宗 こんな角度の切り口があったのかと驚かされ、こんな結末まであるのかと震えた! (第59回受賞)砥上裕將 自分には経験がないはずの男子校での日々が、妙な生々しさで蘇ってきました。 (第61回受賞)真下みこと ダサくて、眩しくて、切なくて。青春の全てと感動のラストに、大満足の一作。 (第62回受賞)五十嵐律人 校舎に忘れてきた繊細な感情を拾い上げてくれるような物語でした。 (第63回受賞)潮谷 験 -
ルシア・ベルリン作品集
2020年本屋大賞〔翻訳小説部門〕第2位。 第10回Twitter文学賞〔海外編〕第1位。 「アメリカ文学界最後の秘密」と呼ばれたルシア・ベルリン、初の邦訳作品集! メディア、SNSで大反響! 朝日、日経、読売、毎日、東京、中日、北陸中日、北海道、河北新報、信濃毎日、京都、共同、週刊文春、週刊新潮、週刊朝日、文藝春秋、GINZA、MORE、FIGAR JAPON、VOGUE JAPAN、ELLE JAPON、クロワッサン、婦人公論、ミセス、本の雑誌、POPEYE、本の雑誌、mi-mollet、現代ビジネス、クーリエ・ジャポン、本の雑誌、図書新聞、週刊読書人、文藝、すばる、小説すばる、波、本、RKBラジオ、NHKラジオ深夜便、TOKYO FM。 J-WAVE……。「ダ・ヴィンチ」の「ひとめ惚れ大賞」受賞! 2013年にノーベル文学賞を受賞したアリス・マンローや、短篇の名手レイモンド・カーヴァー、日本で近年人気が高まっているリディア・デイヴィスなどの名だたる作家たちに影響を与えながら、寡作ゆえに一部のディープな文学ファンにのみその名を知られてきた作家、ルシア・ベルリン。 2004年の逝去から10年を経て、2015年、短篇集A Manual for Cleaning Womenが出版されると同書はたちまちベストセラーとなり、The New York Times Book Reviewはじめ、その年の多くのメディアのベスト本リストに選ばれました。 本書は、同書から岸本佐知子がよりすぐった24篇を収録。 この一冊を読めば、世界が「再発見」した、この注目の作家の世界がわかります! このむきだしの言葉、魂から直接つかみとってきたような言葉を、 とにかく読んで、揺さぶられてください ――岸本佐知子「訳者あとがき」より 彼女の小説を読んでいると、自分がそれまで何をしていたかも、 どこにいるかも、自分が誰かさえ忘れてしまう。 ――リディア・デイヴィスによる原書序文「物語こそがすべて」(本書収録)より 毎日バスに揺られて他人の家に通いながら、ひたすら死ぬことを思う掃除婦(「掃除婦のための手引き書」)。 夜明けにふるえる足で酒を買いに行くアルコール依存症のシングルマザー(「どうにもならない」)。 刑務所で囚人たちに創作を教える女性教師(「さあ土曜日だ」)。…… 自身の人生に根ざして紡ぎ出された奇跡の文学。 -
星をさがしに 映画『汝、星のごとく』公式ビジュアルブック
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 あの島、あの海、あの人を見つめていたまなざし。 過ぎ去ってしまった時間は、写真の中で、まだ光っている──。 写真家・末長真が撮り下ろした美しい写真と、原作者・凪良ゆうの文章が響き合う、“一番星”のようなビジュアルブックが誕生しました。 横浜流星・広瀬すずW主演の映画『汝、星のごとく』。瀬戸内の島で出会い、惹かれ合いながら、それぞれの人生を選びとっていく櫂と暁海。そのそばには、いつも海があり、空があり、移ろいゆく光がありました。その光の中にいた彼らの一瞬一瞬が、ページをめくるたびによみがえります。 本書には、撮影現場で捉えた、横浜流星、広瀬すず、豪華キャストたちの姿を収録。まなざし、指先、言葉を発する前の表情。スクリーンでは通り過ぎていく一瞬一瞬が、写真の中に静かに息づいています。 そこに寄り添うのは、原作者・凪良ゆうの文章。写真と言葉が重なることで、二人が愛した時間、選ばなければならなかった道、そして胸の奥に残り続ける感情が静かに輪郭を帯びていきます。 さらに、本書だからこそ実現したスペシャルコンテンツも充実。横浜流星×広瀬すずの特別対談では、ともに物語を生きた二人が、撮影の日々や互いへの思い、作品への愛を語ります。そして、この美しくも切ない世界をスクリーンに立ち上げた藤井道人監督のインタビューも収録。 登場人物たちの人生をひもとく人物紹介、細部にまで物語が息づく美術紹介、撮影の舞台となった風景を実際にたどることのできるロケ地&観光マップ、そしてカメラの外側の表情や時間を閉じ込めたメイキングまで。 櫂と暁海がどんな思いでこの物語を生きたのか。あの美しい景色は、どのように生まれたのか。『汝、星のごとく』のもうひとつの物語に出会える、特別な企画を詰め込みました。 映画を観る前にも、観たあとにも。 遠く離れても見失わない“夕星(ゆうづつ)”のように、二人の愛のゆく末をいつまでも手元に置いておける一冊です。 ◆内容 イントロダクション 潮騒 横浜流星×広瀬すず 対談 波蝕/海淵 夕凪 監督 藤井道人 インタビュー 『汝、星のごとく』ロケ地&観光マップ 美術紹介 登場人物紹介 メイキング ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
凍りつく夏
刑事たちの執念が、衝撃の真実を呼び覚ます! 広大な土地に消えゆく子どもたち。 刑事たちの執念が、極北の夏の真実を呼び覚ます。 札幌の住宅街で少年と思しき白骨死体が見つかった。北海道警察はその身元を探るうち、行き場を失った子どもたちと、そばで目撃される制服警官の存在にたどりつく。捜査に加わる一課の志藤翔は、次第に運命を感じ始めていた。かつて独自に調べていた中学の同級生失踪事件が、にわかに浮かび上がってきたからだ。俺は、このために警察官になった──。あの夏に決着をつけるため、志藤は「怪物」と対峙する。 凍てつく大地に眠る残酷な真実と、圧巻の人間ドラマ。 異例の文学賞三冠達成『百年の時効』を超える衝撃作! -
中華食堂ひばり亭
クリニック勤務の小松原菜々子は、今日のランチに悩んでいた。結婚を考えている彼との将来のため、毎日地道に自炊して節約してきたのに、作ったお弁当を家に忘れてきてしまったのだ。谷中の路地まで辿り着いた菜々子が選んだのは、老姉妹の春美と雪子が営む町中華「ひばり亭」だった。ひょんなことから怪我をした雪子の代わりに、菜々子はここでアルバイトをすることとなり……。ふわふわのチャーハン、焼き目の香ばしい餃子、サクサクまろやかなカツカレー、関西風の天津飯に隠された秘密とは――。人生に迷っても「ひばり亭」の美味しいご飯が前を向かせてくれる。お腹も心も温まる、美味しい人情物語。 -
イクサヒメ 明治横浜甲冑剣劇
第18回角川春樹小説賞受賞受賞作 エンターテインメントとしての盛り上がりも充分で、女主人公の設定などに目新しさもあった――北方謙三 歴史上の人物をからめて、よくこれだけの物語を構築させたと感心した。格闘シーンの描写は特に秀逸――今野敏 完成度が高い。自分の作品と一番傾向が似ている――今村翔吾 登場する武闘家たちの超人像が面白い――角川春樹 私が貴方の刃となる 幼く気高き少年を守る、新時代のヴァルキリー、誕生! 明治を迎えた日本。その横浜で興隆を極める英国屈指の貿易商・フェアファクスが、彼が日本人女性に産ませた子・禄郎を己の後継者に指名して、半年前に病死した。ただし、ひとつだけ条件を付けて――。 一方、会津・娘子隊の生き残り、中野竹子は死にそびれた身を呪いながら、己の天稟である薙刀の才をどこかで活かせないかと、新時代を見苦しくもがいていた。 そんな禄郎と竹子が、会津の仇・板垣退助を通じて出会った時、運命の歯車が回り始める――! フェアファクスが課した条件・後継者の座を賭けた決闘、甲冑撃剣。それぞれの後継者候補は、名代を立てて戦うことが認められている。竹子は禄郎の刃として、英国・日本の思惑に翻弄されながらも、幼き主君の気高き願いを叶えるため、戦い抜く! -
親切な福姫さん
私は虫一匹殺せない優しい女だ――。誇り高き怒れる獣のような文体で市井の人々を描いた、韓国文学最大の遺産。戦後韓国の巨匠たちの作品を、斎藤真理子が精選・全訳するシリーズ、ついに創刊! ・ ・ 斎藤真理子=個人編訳 韓国文学クラシックス 全5巻 刊行開始! ======= ハン・ガンは一夜にして生まれたわけではなく、 この土壌から花開いたのです。 ――斎藤真理子 ======= ・ ・ 〈韓国文学クラシックス 1.〉 パク・ワンソ『親切な福姫(ポッキ)さん』 ======= 時代を生き延びてきた女たちの、 血のような言葉が、撃ち、つかみ、ゆさぶってくる。 すごいものを読んでしまった。 ――岸本佐知子 ======= スパイ疑惑、アンチ・シンデレラストーリー、 天衣無縫の〈ゴムひもおばさん〉、究極のケアと復讐…… 「命がまるで獣みたいに暴れ回って、止められないのさ。」 誇り高き怒れる獣のような文体で戦後韓国の市井を描いた 〈韓国文学最大の遺産〉の最初期から遺作まで 名訳者によるベストセレクション! ******************** 【目次】 仏様の近所 盗まれた貧しさ 冬の外出 空港で出会った人 お産のふくべ 復元されえぬものたちのために 私が最後に手にしたものは 恋しさのために その人の家 親切な福姫(ポッキ)さん 夕陽を背にして影を踏む ★圧巻の訳者解説17ページを収録 -
イタリア人 あるいは黒悔悛会の懺悔室
侯爵家の息子ヴィヴァルディに見初められたエレナ。 快く思わぬ侯爵夫人は邪悪な修道士を使い、二人を引き裂こうとする。苦境に陥った彼らの運命は―― ゴシック小説の傑作にして探偵小説の源流。『ユドルフォ城の怪奇』に続いて執筆された、著者生前最後の長篇であり最高傑作。半世紀ぶりの新訳成る! 「恥辱ですって!」侯爵夫人は叫んだ。「導師様、貴方は……貴方は……恥辱とおっしゃるのですか……ずいぶん強いお言葉だこと……でも、おっしゃるとおりかもしれません……そしてわたくしたちは、その恥辱に甘んじなければならぬのでしょうか……そんなことに甘んじられるものでしょうか……」 「救済策はありませんな」スケドーニは冷ややかに言った。 「まあ、何ということでしょう……」侯爵夫人は叫んだ。「こんな罪深い結婚を阻止する、いえ、少なくとも罰するような法がないだなんて(…)人の家に土足で入り込んで、その家名に泥を塗る(…)そんな女は、国事犯とほとんど同列の罰を受けて然るべきですわ。何しろ国の一番の支えとなっている一族に害をなしたのですから。そういう女は――」 「ほとんど同列、ではなく、まさに同列の罰を受けるべきです」聴罪師が代わって言った。「そういう女が値するのは――死、あるのみです」(本書より) アン・ラドクリフ(著) 1764年7月9日、ウィリアム・ウォードとアン・オーツ・ウォードの一人娘としてロンドンに生まれる。陶芸家ジョサイア・ウェッジウッドのパートナーとして有名なトマス・ベントリーに預けられて少女期を過ごす。ゴシック建築やピクチャレスクへの関心、詩人ジェイムズ・トムソンへの傾倒は、この母方の義理の叔父からの影響と考えられる。1787年、急進的な傾向で知られる「ガゼティア」紙の記者として筆を揮ったウィリアム・ラドクリフと結婚。1789年、第一作となる『アスリン城とダンベイン城』を匿名で出版。翌1790年、第二作の『シチリアのロマンス』を同じく匿名で出版。1791年の第三作『森のロマンス』が好評を博す(本書の第二版から著者名が「アン・ラドクリフ」名義となる)。1794年、『ユドルフォ城の怪奇』を発表。この四巻本の長大な恐怖小説は、発売と同時に大評判となった。1796年、『イタリア人 あるいは黒悔悛会の懺悔室』を発表。前作に劣らぬ評価を得るが、本書が生前に発表された最後の小説となる。前年に罹患した胸部の感染症が悪化し、1823年2月7日に逝去。享年58。 三馬 志伸(みんま・しのぶ)(訳) 1959年千葉県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。同大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学(文学修士)。英文学者、翻訳家。著書に、Jane Austen In and Out of Context(慶應義塾大学出版会、2012)、編訳書に、ウィルキー・コリンズ、ジョージ・エリオット、メアリ・エリザベス・ブラッドン、マーガレット・オリファント『ヴィクトリア朝怪異譚』(作品社、2018)、訳書に、アン・ラドクリフ『森のロマンス』(作品社、2023)、『ユドルフォ城の怪奇(上・下)』(同、2021)、メアリ・エリザベス・ブラッドン『レイディ・オードリーの秘密』(近代文藝社、2014)などがある。 -
文藝 2026年冬季号
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【特集1】第63回文藝賞発表【特集2】「演じる身体、なりきれない身体」ピンク地底人3号、赤坂真理、青柳いづみ他【対談】西川美和×土門蘭「戦争を描く私たち」【創作】福田節郎、しじまむらさき 【特集 第63回文藝賞発表】 受賞作 唐川らい「いっしょに老衰しようね」 受賞作 山岡桜寿「つづけて生きてられません」 受賞の言葉 唐川らい・山岡桜寿 選評 小川哲・金原ひとみ・町屋良平・村田沙耶香 予選通過作発表 受賞記念対談 金原ひとみ×唐川らい「『君』に会うために、言葉をデコり尽くす」 受賞記念対談 町屋良平×山岡桜寿「細部に記憶が宿る、奇妙な日常と悟りの予感」 第64回文藝賞応募規定 【特別対談】西川美和×土門蘭「戦争を描く私たち」 【特集 演じる身体、なりきれない身体】 ◎短篇 ピンク地底人3号「ひかるとあかり」 松田いりの「寿司男」 升味加耀「柔面皮」 ◎鼎談 岡田利規×いとうせいこう×安田登「間を読む身体、役者という器」 ◎論考 木下千花「『国宝』とホモソーシャリティ」 赤坂真理「生まれ、死に、よみがえる劇」 ◎エッセイ 桜庭一樹「模倣から始まらない創作なんて本当にあるのかな?」 青柳いづみ「わたしの身体はだれのもの?」 蝉谷めぐ実「役名・小説家」 岡田彩夢「皮」 【創作】 福田節郎「私は寝落ちするまで」 しじまむらさき「ニュートリリオンホール内きっずみる」 才谷景「聖異物」 【新連載】 絲山秋子「階段から落ちてよかった」 【連載】 往復書簡 星野智幸×シン・ミナ「地球から半歩」【最終回】キム・ソキ、清水知佐子 訳 北村薫「日もすがら、夢みつつ……」【第3回】 円城塔「ホモ・ネクロ」【最終回】 いとうせいこう「難民移民モノローグ」【モノローグ7】 岸政彦「犬は人生」【第7回】 岸本佐知子「尻 on fire 日記」【第7回】 柳美里「JR常磐線夜ノ森駅」【第10回】 文芸季評 水上文「たったひとり、私だけの部屋で 幽霊と共に」2026年6月~2026年8月 山本貴光「文芸的事象クロニクル」2026年6月~2026年8月 【書評】 朝吹真理子『ゆめ』【評】宇佐見りん 水上文『たったひとり、私だけの部屋で』【評】プーヤン・フェイ(フーウェイ) ミランダ・ジュライ 岸本佐知子訳『はいつくばって』【評】小泉綾子 パク・ワンソ 斎藤真理子訳『親切な福姫さん』【評】小林エリカ 著者一覧 次号予告・編集後記 -
失恋レストラン
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 好きな人に選ばれなかった夜も、推しの熱愛を知った朝も、大切な人を失ったあとも、お腹は空いてしまう。 鎌倉・由比ガ浜を臨む国道134号沿いにある、小さなレストラン『凪』。 湘南の食材を使った料理が並ぶこの店には、なぜか恋に傷ついた人たちがやってくる。 ずっと応援してきた推しの熱愛報道に、食事も喉を通らなくなった高校生。 親友に好きな人を奪われ、忘れるために鎌倉へやってきた大学生。 好きな人の幸せを願いながら、自分の恋だけは叶わないと知っている会社員。 そして、長年連れ添った夫を亡くし、ひとり分の食事を作ることになった女性。 年齢も、相手も、恋のかたちも違う。 それでも、「好きだった人がもう自分の隣にはいない」という痛みは、誰にとっても簡単に消せるものではない。そんな彼らの前に運ばれてくるのは…… プロローグ みかん味のしらすサラダ 第一話 片思いとオムライス 第二話 メンチカツは半分こ 第三話 ナポリタンは僕に似ていて 第四話 ひとりぼっちのビーフカレー 第五話 いちばん食べたいモンブランは 第六話 愛をこねたハンバーグ エピローグ 特別なキャベツサラダ 失恋そのものをなかったことにはできなくても、おいしいものをひと口食べれば、止まっていた心がほんの少しだけ動きはじめる。 忘れられなくてもいい。 きれいに立ち直れなくてもいい。 愛した人に愛されない苦しみを抱えながら、それでも人はお腹が空き、誰かの料理を「おいしい」と感じ、もう一度幸せになりたいと思ってしまう。 泣いたあと、きっと温かいものが食べたくなる。 鎌倉の海辺のレストランを舞台に描く、恋を失ったすべての人に贈る失恋物語。 -
学歴のすべて
ヒトは学歴に狂うのではない。なれたかもしれない自分に狂うのだ。」 ──読書猿 「この作品に心震える人と、夜を明かしたい。だが、そんな友など居ないことを再確認した。 西村賢太の再来にして、正統なる後継。」 ──古谷経衡 人はなぜ学歴にとらわれ、壊れるのか? 大ヒット作『学歴狂の詩』の著者が描く、 学歴をめぐる痛切なアウトロー文学! 「学歴は無意味」と繰り返す父と、学歴を望む母のあいだで育ち、自らの将来像を「医者か弁護士」と設定する「私」。学歴を得て「すごい人」になれば、他者から自然に承認されるという幻想を抱きながら、受験勉強に没頭していった末に彼を待っていたものは……。 同級生への冷笑、テレビ的「笑い」への嫌悪、建前を使いこなす学校社会への洞察、クラスの女生徒への一方的な性的妄想、自殺へのアンビバレンツな思い。「学歴」という社会的指標を軸に、青年期の欲望の構造を徹底的に解剖する、あまりにもイタい「青春」小説! “出版されてからもう何年も経っていたが、中学生のころに学校中で『完全自殺マニュアル』が流行して、周りのみんなが買ったり回し読みしたりしていて、死ぬ方法について詳しいのが「スタイリッシュ」だという風潮になっていた。しかし私はといえばまったく死ぬつもりなどなく、将来は確実に医者か弁護士になるのだと考えて受験勉強に励んでいた。”(本文より) -
岐山の女
第一生命の「トップセールス」は、なぜ19億円もの巨額詐欺に手を染めたのか。 ベストセラー『対馬の海に沈む』著者が描く迫真のノンフィクション。 物語は、被害者宅に送られてきた「枝豆」から始まる。 2年に及ぶ取材から見えてきた「女の一生」とは――。 圧倒的な読後感に誰もが心を揺さぶられる! 大手生保でトップクラスの営業実績を挙げる一方、顧客から巨額のカネを騙し取り、89歳で刑事告発された生保レディ。動機を語らないまま、人知れず鬼籍に入った彼女の半生を気鋭のノンフィクション作家が追う。現地で著者を待ち受けていたのが「生保と地銀の闇」、そして地域社会の濃密な権力構造だった。有力地銀・山口銀行の権力者にくい込み、第一生命の金看板をバックに、地元フィクサーのインナーサークルに入り込む……。「伝説の生保レディ」の絶頂と転落を徹底的な取材で描く。 プルデンシャル生命やソニー生命など、その後もたびたび社会問題となる「生保の闇」の実態を解き明かす。 【本書の目次】 序章 枝豆 第一章 裏切り 第二章 未亡人 第三章 山口銀行 第四章 出世欲 第五章 黒神 第六章 綻び 第七章 第一生命 第八章 神足 第九章 踏み倒し 終章 先生 -
殉教カテリナ車輪
東条寺桂――制作期間わずか五年の間、憑かれたように五百余点の絵を描き上げ、やがて自殺を遂げた画家。彼に興味を持ち、作品について調べ始めた学芸員、矢部直樹の前に浮かび上がったのは、意外にも数年前の聖夜に起きた二重殺人の謎だった。二つの部屋でほぼ同時に、しかも同一の凶器で行われた不可能極まりない密室殺人の真相とは。そして桂が遺した二枚の絵、《殉教》《車輪》に込められた主題とは何だったのか――。図像解釈学とミステリの邂逅により生み出された、緻密にして哀切感漂う本格推理。作者自身の筆による絵が添えられた点でも話題を呼んだ、第九回鮎川哲也賞受賞の傑作。/解説=有栖川有栖、新版解説=若林踏/※紙書籍版とはカバー画像が異なります。 -
紙魚の手帖
「ミステリーズ!」の後継誌ついに創刊。コンセプトは、国内外のミステリ、SF、ファンタジイ、ホラーを刊行してきた東京創元社による「総合文芸誌」。『蝉かえる』で第74回日本推理作家協会賞、第21回本格ミステリ大賞W受賞の櫻田智也が贈るシリーズ最新作。第21回本格ミステリ大賞の全選評も一挙掲載。さらに、第18回ミステリーズ!新人賞受賞作「三人書房」ほか、充実の創刊号。/【目次】『紙魚の手帖』創刊にあたって/【創刊記念特別エッセイ】投げ込みマガジン〈紙魚の手帖〉戸川安宣/【受賞作決定!】第31回鮎川哲也賞 選評 辻 真先・東川篤哉・麻耶雄嵩/第18回ミステリーズ!新人賞 選評 大倉崇裕・大崎 梢・米澤穂信/【第18回ミステリーズ!新人賞受賞作】三人書房 柳川 一●第18回ミステリーズ!新人賞受賞作。若き日の江戸川乱歩を描く、流麗な謎解き譚/【第21回本格ミステリ大賞全選評】第21回本格ミステリ大賞受賞作決定!/第21回本格ミステリ大賞選考経過/受賞の言葉 [小説部門] 櫻田智也 [評論・研究部門] 飯城勇三/選評 小説部門/選評 評論・研究部門/【日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞受賞第一作】白が揺れた 櫻田智也●ハンターたちが狩りをしていた山で起きた、悲劇の真相は?〈エリ沢泉〉シリーズ最新作!/【読切】ゼロ 加納朋子●私の元にやってきたのは、カフェオレ色の天使だった。少女と犬の絆を描く最新ミステリ!/スフレとタジン 近藤史恵●コロナ禍の影響で志村さんが講師で始めた〈パ・マル〉の料理教室。タジン鍋を使うモロッコ料理を……。/フォトジェニック 秋永真琴●カメラを構える彼女の目に、この世界は、僕は、どんなふうにうつっているんだろう? 気鋭が贈る傑作掌編。/108の妻 石川宗生●点描の妻、夢見る妻、革命家の妻、お品書きの妻……様々な「妻」をお楽しみください。/セリアス 乾石智子●ひっそりと暮らす魔道師夫婦、彼らの秘密とは……/魚泥棒は誰だ? ピーター・トレメイン 田村美佐子 訳●修道院の厨房で起きた二件の事件をフィデルマが解き明かす/【INTERVIEW 期待の新人】千田理緒『五色の殺人者』/大島清昭『影踏亭の怪談』/【BOOKREVIEW】[文芸全般]瀧井朝世/[国内ミステリ]宇田川拓也/[翻訳ミステリ]村上貴史/[SF]渡邊利道/[ファンタジイ]三村美衣/『紙魚の手帖』創刊記念読者プレゼントキャンペーン/執筆者紹介/編集後記・次号予告 -
手紙の店、クルウォルで
家族の自慢だった姉が同僚に騙され、借金を抱えて失踪してしまった――。それをきっかけに、妹である28歳のヒョヨンは映画監督になる夢につまずいてしまう。だが大学時代の伝手で、ソウルの延禧洞(ヨニドン)にあるレターショップ「クルウォル」でアルバイトを始めることに。こっくりした杏子色の壁に囲まれて、便箋やペン、封筒などが入った木のチェストが並び、森林浴をしているような香りが漂う居心地のいい店だ。目玉は、「ペンパル」というサービス。不特定の誰かに手紙を書くと、引き換えに誰かの書いた手紙を一通もらえる。クルウォルを介し、見知らぬ誰かと名乗り合うことなく手紙のやり取りができるのだ。サービスを利用するのは、ヒット作の次作に悩む漫画家、小説家を目指す会計士、妻を亡くした小学校の校長……。ヒョヨンは、手紙のやり取りをする人々を見守りながら、ゆっくりと自分自身と向き合っていく。春から秋、クリスマスを経て新年へ。四季のうつろいと共に、手紙でつながる人々の日常を愛おしく描いた癒しの物語。 -
アパートメント暮らしの動物寓話集 その他の物語
都市生活者の孤独と喪失に寄り添う、さまざまな架空の生き物たちとの奇想に満ちた日常を描く表題作をはじめ、交尾の際に夫を喰い殺す妻の生態をドライに描くヒューゴー賞候補作(カマキリの妻)、「これはすべての物語がいずれ死で終わるという物語だ」という書き出しに始まる、物語の本質に鋭く、しかし優しく切り込む世界幻想文学大賞受賞作(ハッピーエンドは特権)など、幻想小説界の鬼才による13編を収めた傑作短編集。/【目次】ツール使いの擬態者/カマキリの妻/東部テキサスの蝶/五人のスフィンクスと五十六の答え/ラタトスク/コヨーテ、死者の国を作りだす/ヒキガエル屋敷の幽霊/アパートメント暮らしの動物寓話集/アパートメント暮らしのまじない集/アパートメント暮らしのアルファベット順夢占い集/ノアのワタリガラス/カラス、人間式のなぞなぞとひとつのジョークを試みる/ハッピーエンドは特権/初出一覧/著者あとがき/訳者あとがき -
一筆書きの星
誰かに 救われた誰かは、 また別の誰かを救っている それはまるで 一筆書きで 星を描くように、 順番に―― 〈珈琲店タレーランの事件簿〉シリーズの著者が贈る どこにでもいる“普通”の家族の、30年にわたる物語(ミステリー) 船乗りの父と家族を守る母、三人の子どもたち。 それぞれが直面する問題を家族の誰かが解決し、そして―― 第一話 進水の日 憧れだった船乗りの父が船を降り、転属する決断をした。転校が決まった航輝の不用意な一言に憤慨する親友の取った、不可解な行動の意味とは? 第二話 手の中の果実 突然不登校になった小学生の息子・櫂。原因がわからず不安を募らせた雅春は、葡萄農家である妻の実家に櫂と二人で滞在することを提案し――。 第三話 陽だまりの記憶 絵本カフェでバイトすることになった高校生の莉央は、以前から店に置いてあった絵本が、ある日、人知れず新品に交換されていたことに気付く。 第四話 一人称の流れ星 隣近所の家の中三の息子が、理由も語らず突如進学しないと言い出した。相談を受けた早苗は、息子の櫂に事情を聞いていないか尋ねるが……。 第五話 一筆書きの星 自分が人と違うのは兄姉と父親が違うからではないかと悩む櫂は、真相を確かめるため、姉の莉央が一人暮らしをする東京へ行くことを決めた。 【著者について】 岡崎琢磨 1986年、福岡県生まれ。京都大学法学部卒業。第10回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』(宝島社)で2012年にデビュー。同書は2013年、第1回京都本大賞に選ばれた。同シリーズの他、著書に『夏を取り戻す』(東京創元社)、『紅招館が血に染まるとき The last six days』(双葉社)、『鏡の国』(PHP研究所)、『HIPS 機械仕掛けの箱舟』(光文社)などがある。 -
チタン
講義中、後ろの席からちょっかいを出してくる男がいる。その男に強引にバイク部のマネージャーにされてしまった。彼の苗字は小学生の時に百合を苛めていた年上の女の子と同じである。彼女にはきょうだいが沢山いたけど百合と同い年のきょうだいはいなかった。だけど雰囲気がよく似ている。 ※本作は善文杏南の個人誌作品の電子書籍版となります。【48ページ】 -
さばえ近松文学賞 ~恋話(KOIBANA)2026~
福井県鯖江市の「近松の里づくり事業推進会議」が主宰する『さばえ近松文学賞』2026年度版。 復活しました。 鯖江で幼少期を過ごした、世界に誇る文豪「近松門左衛門」が生まれてから360年の節目である2013年度からスタートしました。 「さばえ近松文学賞~恋話(KOIBANA)2026~」として「近松の里・鯖江市」が恋にまつわる短編小説を全国から募集した受賞作品を掲載した電子書籍です。 小説家の藤岡陽子氏が特別審査員を務めています。 ◆【近松賞】 「こぬか虫送りの夜」飯田 まり ◆【優秀賞】 「さばえ、鯖江」申渡 経砂 「春の坂道」尾藤 克之 ◆【佳 作】 「初恋は君の嘘」渥美 楓花 「片側の想いで」今村 亜紀 「失恋前夜」濱田 敦子 -
湘南機動鑑識隊 朝比奈小雪
================= 累計50万部突破! 『脳科学捜査官 真田夏希』の著者 待望の新警察シリーズ! ================= どんな証拠も見逃さない! 犯人を必ず追いつめる 「クセ者鑑識チームMFU」爆誕! 鑑識体制の強化を目的に 新設された機動鑑識隊江の島分駐所。 湘南地域で発生した事件に 二十四時間対応する遊軍部隊だ。 新米鑑識員、朝比奈小雪の初出動は 散々な結果に終わった。 転落死した遺体の惨状に衝撃を受け 失神してしまったのだ。 名誉挽回とばかりに 意気込んで向かった次の現場で、 小雪は「奇妙な足痕」を発見するが……。 「最強鑑識部隊」の活躍を描く 新シリーズ、堂々開幕! -
全国川柳作家集 有鄰
月刊『川柳マガジン』300号を記念して刊行する、全国川柳作家集シリーズ。川柳界を牽引してきた重鎮から、明日を担う次世代の俊英まで、現代川柳の多彩な担い手が一堂に会する。人間と社会、日々の喜怒哀楽を映す十七音から、作家それぞれの歩み、個性、時代へのまなざしが立ち上がる。川柳270年の歴史を受け継ぎながら、新たな表現へ向かう現代作家の現在地を一冊ずつ刻む記念シリーズ。 「有鄰」の書名に込められた、人と人との縁を大切にする著者の人生観が全編に息づく。川柳えんぴつ高岡の会会長、川柳えんぴつ社事務局長として地域川柳界を牽引する林進の句集。日々の暮らしから社会問題までを自在に詠み分ける力量は円熟の域に達し、その作品には長年培われた人間理解と豊かな詩情があふれる。平明にして味わい深い表現で、読者を句の世界へ誘う一冊である。 ●収録作品より やんわりと泥を吐かせる妻の笑み フクシマに和らぐ日々はありません 月とじゃれあう露天風呂 満選不要でもポイント欲しく無駄を買う かぐやと歩く夢がある -
全国川柳作家集 君だって花だ
月刊『川柳マガジン』300号を記念して刊行する、全国川柳作家集シリーズ。川柳界を牽引してきた重鎮から、明日を担う次世代の俊英まで、現代川柳の多彩な担い手が一堂に会する。人間と社会、日々の喜怒哀楽を映す十七音から、作家それぞれの歩み、個性、時代へのまなざしが立ち上がる。川柳270年の歴史を受け継ぎながら、新たな表現へ向かう現代作家の現在地を一冊ずつ刻む記念シリーズ。 眼科医として地域医療に携わる傍ら、川柳の研鑽を重ねる玉井浩子の句集。日常の一場面から心の深層、さらには科学や医療の最前線までを自在に詠み込む豊かな想像力と繊細な感性が光る。ときにユーモラスに、ときに鋭く人間の本質へ迫りながら、著者の向けるまなざしは人にも自然にも分け隔てなく優しい。読者の心にそっと寄り添う、伸びやかな言葉の花束である。 ●収録作品より 君だって花だがんばれネギ坊主 千年杉の身の上話聞いてみる 転がった荷物追いかけ君と会う 食べてよとこれ見よがしの桃のパフェ 君は知らない私の中の暴風雨 -
全国川柳作家集 人生の詩
月刊『川柳マガジン』300号を記念して刊行する「全国川柳作家集」シリーズ。川柳界を牽引してきた重鎮から、明日を担う次世代の俊英まで、現代川柳の多彩な担い手が一堂に会する。人間と社会、日々の喜怒哀楽を映す十七音から、作家それぞれの歩み、個性、時代へのまなざしが立ち上がる。川柳270年の歴史を受け継ぎながら、新たな表現へ向かう現代作家の現在地を刻む記念シリーズ。作者自身による代表句の音声も収録。 退職後に川柳を始め、長年にわたり句作を続けてきた著者の第5句集。老いの実感や身体の変化、夫婦の情、忘れがたい記憶、季節の風景まで、暮らしの一場面を温かな眼差しで描き出す。笑いと寂しさ、過去と現在を行き来しながら、人生の余韻をしみじみと伝える一冊。 ●収録作品より 草むしりできる老後にある至福 歯が無ぇと騒ぐ入れ歯の入れ忘れ この指に止まってくれてありがとう 鈴蘭の静かに揺れて風の音 自粛して気怠い連休の暮らし -
全国川柳作家集 風だって
月刊『川柳マガジン』300号を記念して刊行する「全国川柳作家集」シリーズ。川柳界を牽引してきた重鎮から、明日を担う次世代の俊英まで、現代川柳の多彩な担い手が一堂に会する。人間と社会、日々の喜怒哀楽を映す十七音から、作家それぞれの歩み、個性、時代へのまなざしが立ち上がる。川柳270年の歴史を受け継ぎながら、新たな表現へ向かう現代作家の現在地を刻む記念シリーズ。作者自身による代表句の音声も収録。 特別支援学校や小学校の校長を務めた著者が、病と向き合いながら川柳を詠み続ける句集。孤独、家族、記憶、老い、故郷など、人生の折々に感じたことを、静かなユーモアと深い思索で詠み上げる。何処から来て何処へ向かうのかという問いを胸に、風のように自由な視線で世界を見つめた一冊。 ●収録作品より 会いたい人に会いに行く また何か始めたくなる空の色 本当はひとりぼっちが大きらい 缶蹴りの音も昭和に置いてきた 窓開けてそっと自分を入れ換える -
歌舞伎町特別診療所
̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ 犯罪の坩堝、新宿・歌舞伎町。 中国人銃撃事件。 刑事×外科医、二人の正義が犯人を追い詰める! ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ ̸̅̅/̸̅̅ ̆̅ ̅̅ 警察小説のトップランナー・今野敏が放つ 傑作エンターテインメント! 新宿・歌舞伎町で突然銃声が響き、現場から走り去る複数の中国人の姿が目撃された。 その夜、大久保通りの古いビルにある「梨田診療所」のドアが激しく叩かれた。 高齢者や外国人、病院に行けない事情を抱えた患者も治療してくれる診療所だ。 外科医の犬養は、太腿を撃たれた中国人を治療する。摘出された一発の銃弾とともに残された言葉。 「撃ったのは、刑事だ」 一方、事件を追う新宿署一係の松崎は証言をもとに「梨田診療所」を訪ねる。 最初は警戒していた犬養だが、松崎の捜査に対する姿勢にいつしか共感を覚える。 暴力団や警察の思惑が交錯するなか、松崎と犬養は事件の核心に迫る……。 -
松島・蔵王殺人事件〈新装版〉
亀井刑事の初恋の女性に魔の手が迫る! 十津川と亀井を待ち受ける驚愕の真相! 上野公園で身元不明の男の毒殺死体が発見された。世田谷区議の名刺を所持していたが、実在しなかった。続けて翌日、多摩川で見つかった女性の絞殺死体からも架空の名刺が現われた。十津川警部は印刷屋から、依頼人に東北訛りがあったとの情報を得、新聞記事を出す。宮城県松島の小笠原ゆきから、被害者は自分の叔母ではないかとの問い合わせがあり、十津川と亀井刑事は現地へ向う。だが、ゆきは姿を消していた。亀井は高校時代の憧れの同級生、奥寺綾子に聞き込みを依頼するが、彼女も行方不明になってしまう…。 第一章 身元不明 第二章 再会 第三章 奥松島 第四章 わずかな手掛り 第五章 写真の中に 第六章 雷雨の中で 第七章 死者への花束 第八章 終局への一週間 -
南アルプス山岳救助隊K-9
⊂⊃/~~\ / \/~\ ▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△ 山岳救助隊&救助犬、名バディの活躍を描く 好評山岳ミステリーシリーズ最新刊! 北岳・八本歯のコルで、AI開発の権威・南郷康和が滑落死した。 当初は事故と思われたが、現場の不審な痕跡から殺人疑惑が浮上。 警察は重要参考人としてIT技術者・須藤伸司の自宅を訪ねるが、 須藤は自殺していた。 須藤の恋人で同じIT企業に勤める杏野玲子は、恋人の不可解な死を 調べるうち、南郷が開発した世界最大のAI基盤「ユービック」の 存在に疑念を抱く。 一方、北岳ではAI登山エージェント〈IM〉が普及し、AIを搭載した ドローンによる救助実験も始まっていた。 だが〈IM〉を搭載した登山用アプリの誤誘導によって、母子が 遭難する事故が発生。 山岳救助隊を脅かす最先端技術の波。 危機感を募らせる隊員たちは、技術革新に潜む事件の真相に迫る。 -
その嘘は、たぶん本物になる 読者の日常に忍び込むモキュメンタリー小説のつくり方
「本物っぽい資料」を並べるだけでは、読者の背中は冷えません。 ただの作り話のはずなのに、日常の足元がグラリと揺らぐ――そんな「信じさせる力」を宿した物語は、いかにして生み出されるのでしょうか。 本書は、読者を単なる観測者から当事者へと引きずり込むモキュメンタリー小説の「体験の設計術」を体系化した実践書です。モキュメンタリーを単なるホラーではなく、ミステリーやSFなどあらゆる物語に使える「強力な方法論」と捉え、公文書や掲示板ログなどの資料の配置順、媒体別の文体模写、あえて隠す「引き算の演出」までを丁寧に解説します。 論理的な設定の正しさ(リアリティ)を超え、読者が思わず信じてしまう手ざわり(ビリーバビリティ)の生み出し方がわかります。さらに、巻末には「三十日で一本仕上げる実践ワーク」も収録。頭の中にあるアイデアを、読者を巻き込む完成原稿へと着実に落とし込めるようになります。 【こんな方におすすめ】 ・ネット怪談やフェイクドキュメンタリーのような作品を書いてみたい方 ・資料や設定を凝っても、どこか嘘っぽく薄い物語になってしまう方 ・ホラー、ミステリー、SFに読者を巻き込む新しい仕掛けを取り入れたい方 ページを閉じた瞬間、あなたの仕掛けた「嘘」は読者の現実を侵食し始めます。 -
「しんがり」の意地 ドラフト最下位指名からの下剋上
プロ野球のドラフト会議で、各球団の「最後」に名前を呼ばれた男たち。本書は、期待値もチャンスも最下位というどん底の評価から這い上がり、名を残した「しんがり」選手たちを描いたノンフィクション。厳しい生存競争の中で、彼らがいかに己を磨き、運命を切り拓いたのか。その知られざるドラマと入団エピソードに迫る。さらに、現役スカウトが明かす「しんがり」指名の狙いや獲得戦略も必読。評価はいくらでも覆せる。男たちの逆転劇を読む1冊。 収録選手:小林至(91年・ロッテ8位)/田畑一也(91年・ダイエー10位)/鶴岡慎也(02年・日本ハム8巡)/平石洋介(04年・楽天7巡)/佐野恵太(16年・DeNA9位)/山本祐大(17年・DeNA9位)/愛敬尚史(楽天・スカウト) -
青を売る
あんたのこと、嫌いだから。 通信制高校の生徒が企画した偽物の修学旅行。 参加者は3人の男と1人の女〈ハル〉。 彼女の失踪が終わりの見えない旅の始まりとなった。 日本推理作家協会賞、吉川英治文学新人賞受賞 注目の作家が仕組んだ迷宮 青春を偽装する修学旅行中、女生徒は失踪する。 参加した者たちの心に、さざ波を残して。 通信制高校に通う夏彦は、生徒たちで自主的に企画したニセモノの“修学旅行”のために新潟を訪れる。 他の参加者は、気怠げな女生徒・ハル、髪を染めたお調子者の秋生、理知的で落ち着いた冬吾。リアルでは初対面だが、それぞれの役割を演じながらアクティビティや研修を通じて、共に過ごす時間を楽しむ様子を見せる4人。 しかし、2日目の朝、夏彦たちが目を覚ますと、ハルは消えていた。「あんたのこと、嫌いだから」――夏彦の心の傷も、コスプレのような制服も、くたびれたバッグも、すべてを残して。 やがて、10年が経った。参加者がそれぞれに旅の記憶を紐解き、ハルの失踪の真相、そして“修学旅行”が企画された真の目的を知るとき、逃れざる悪意が浮かびあがる。 -
VS.シャングリラ
全員で逃げ切ろうね? 女性専用のDVシェルターを、“正義”を振りかざす暴徒が襲った。 傷を抱え施設に逃れてきた女性たちは、互いに手を取り合った――はずだった。 一人の死体が見つかるまでは……。 善意に潜む加虐性が露わになる極限の密室劇 体内の警報が、けたたましい音で鳴りはじめる。 ――これ、まずいやつだ。はじまったんだ。 十代で人気を博した元俳優の宮原鞆子は、支配的な母親と世間が抱くイメージに苦しみ、睡眠薬依存症に陥った。入居する女性専用の回復支援施設には、夫のDVから逃れた母子も身を寄せていた。 ある晩、歪んだ正義を掲げた暴徒が、依存症の母親から子供を“奪還”しようと施設を襲撃する。かつて演じた孤島のサバイバルドラマ『シャングリラ』の完璧なヒロインと自分との落差に苦しみ、自らを否定し続けてきた鞆子は、入居者と子供たちを守るため立ち上がる。 だが、逃げ惑う施設内で入居者の死体が見つかり、仲間への疑心が生まれ……。 -
〈家庭の天使〉を殺す時間 ――ジェンダーの視点で読み解く日本ミステリ史
ミステリ史の「死角」を撃つ ヴァージニア・ウルフは、女性作家にとって最大の困難は、〈家庭の天使〉を殺すことだったと述べた。 「家庭という名の〈密室〉」に潜む、女性たちの叛逆。 かつて女性は社会の〈周縁〉であり、探偵小説もまた、 文学の〈周縁〉だった――。 戦後女性探偵作家たちはなぜペンを執り、なぜ消えたのか? ジェンダーの規範に挑戦し、既存の枠組みでは回収しきれない「社会の歪み」を炙り出した彼女たちの探偵小説は、抑圧に対する切実な〈抵抗の文学〉だった――。 忘れられた先駆者たちの足跡を丹念に辿り、日本ミステリ史の空白を埋める渾身の文芸批評。 【目次】 はじめに 序章 「孤独な自転車乗り」――男性原理のミステリ小説の系譜 シャーロック・ホームズ譚から『容疑者Xの献身』まで 第一章 レジスタンスとしての探偵小説――深尾登美子 第二章 子宮という〈密室〉、あるいは戦場――四季桂子 第三章 自己実現としての〈団地マダム殺し〉――大貫進こと藤井禮子 第四章 彗星のごとく現れて消えた、謎の大型新人――松原安里こと松原一枝 第五章 〈家庭の天使〉を殺す時間――夏樹静子 あとがき 【著者】 二沓ようこ 福岡市中央区在住。文芸批評、エッセイを新聞・雑誌に多数連載。「文学批評 敍説」所属。日本詩人クラブ会員。福岡県詩人賞、福岡市文学賞(評論部門)受賞。 詩集『火曜サスペンス劇場』(ミッドナイト・プレス刊) 『夏樹静子と福岡』(福岡市文学館刊) -
怨霊執事は天使なお嬢様を祟れない
久遠寺家の執事として働くことになった黒崎伊織は、百五十年前に当主に殺され、恨みを残した怨霊だ。地縛霊から一念発起、久遠寺家を末代まで祟るために肉体を得てやってきたのだ。困らせる相手は、父親の当主代行を担っている二十歳の小鳥お嬢様。怨念によって事件を引き起こしているつもりの伊織だが、祟りの結果の惨事のはずが、お嬢様の解釈は全く違っていて――!? -
十二単探偵団~平安後宮なぞ解き草子~
蔵人の藤原惟清のもとに姉である藤中納言が「弘徽殿の女御に仕える女房が消えた」とやって来る。一部の男性陣から「藤壺の閻魔大王」と恐れられている姉の頼みを断るとあとが怖いので、惟清は女房捜しを手伝うことにしたのだが……。惟清が姉や女官、女房たちに振り回されながら、都で起こる怪奇事件の謎を解き明かしていく痛快な平安後宮ミステリー!? -
行き遅れ令嬢の事件簿
19世紀英国。幼い頃に両親を亡くしたベアトリス嬢は、叔母の家に身を寄せる居候。内気で読書好きな性格も災いして、すっかり婚期を逃していた。だからその日も、肩身の狭いハウスパーティーが一刻も早く終わることを願っていたのに、事件は起こってしまった。頭部を殴打された男性の死体を図書室で発見してしまったばかりか、そこであろうことか公爵と鉢合わせ。彼は頭脳明晰で美しいけれど、とても高慢な人物だ。案の定ベアトリスを体よく現場から追い出し、「男性は自殺だった」と嘘を吹聴した。公爵さまが犯人だからなの? しかし嘘の真意を知ったベアトリスは公爵と協力して事件の真相を探ることに。誰にも注目されずに情報を集められる冴えない令嬢と、絶対的な発言権をもつ公爵――身分違いの凸凹バディの運命は!? -
奇談師 大槻ケンヂ自選短編集
筋肉少女帯でのデビュー以来、音楽と執筆の双方で各界のクリエイターに多大な影響を与え、ファンに愛され続ける、奇才・大槻ケンヂ。2026年に還暦を迎えたことを記念して、自ら選りすぐった短編を収録した傑作選が登場。青春、幻想、ユーモア、猟奇、恐怖、そして恋。唯一無二の世界観を彩る要素がいっぱいに詰まったオーケン小説のベストアルバムが刊行されます。1990年『リンウッド・テラスの心霊フィルム』から2025年『小説集 筋肉少女帯小説化計画』まで、35年間に刊行された書籍の中から、オーケン自ら選りすぐった20篇以上を500ページ超の特大ボリュームで収録。夢中になって読んでいたあの頃の思い出が蘇ります。全収録作品を、執筆当時を振り返りながら大槻ケンヂ自ら解説する3万字に及ぶエッセイ「自選短編オモイデ帳」を新規き書き下ろしで収録。何年でもずっと持っていたい、そんな本をぜひご自宅に! ※本電子書籍は電子書籍化にあたり、紙書籍版のレイアウトを一部変更しております。あらかじめご了承ください。 -
どこよりも遠い場所にいる君へ 映画ノベライズ
2026年10月9日(金)劇場公開! 映画『どこよりも遠い場所にいる君へ』を最速ノベライズ!! さし絵がいっぱい! 映画の感動を完全ノベライズ!! 豊かな自然にあふれた離島・采岐島(ときしま)――。その島には、“神隠しの入り江”と呼ばれる場所があった。とある事情で都会を離れ、采岐島の高校に進学した少年・月ヶ瀬和希は、ある初夏の日、“神隠しの入り江”で一人の少女が倒れているのを発見する。少女の名前は秋鹿(あいか)七緒。1974年からきたという七緒は、和希とその場に居合わせた高津という男性に保護されることになる。七緒のことが気になり、それからたびたび放課後に彼女のもとを訪れるようになった和希。やがて和希は、七緒から驚きの言葉を聞かされるのだった――。過去と現在がまじわるとき、秘密を抱えた二人の未来が動きだす。 -
大ピンチ探偵 傑作ミステリ短編集
人気作家5人の豪華競演! 「万事休す」から始まる探偵たちの逆転劇。 絶体絶命のシチュエーションだけを厳選した、探偵小説の傑作選。 優雅なディナータイムを迷彩服のスナイパーたちが包囲!?(「体験の後」) 玄関開けたら即格闘?(「不穏な眠り」) 被疑者を追って崖からダイブ!(「雀の森の異常な夜」) 窮地に立たされた5人の名探偵が見せる、ハイリスク・ハイリターンな推理劇。 【収録作品】 「解錠の音が」/逸木裕 「体験の後」/西澤保彦 「不穏な眠り」/若竹七海 「ラストケース」/近藤史恵 「雀の森の異常な夜」/東川篤哉 解説/関根亨 カバーイラスト/飯田研人 カバーデザイン/坂野公一(welle design) -
街角ファンタジア
誰かのための祈りが「優しい奇跡」を連れてくる―― あなたの心に明かりを灯す、愛と癒やしに満ちた5つの物語。 失恋したての青年、亡き祖父を想う少女、行き詰まったイヤミス作家、不器用な本好きの少年、未来が不安な女性ライター…… 昭和から令和まで時代を越え、街の片隅で暮らす人々のそれぞれの心の傷が、優しい魔 法で癒やされていく。 荒涼とした時代の中、今いちばん届けたい珠玉の短編集、待望の文庫化。 これは村山早紀史上、最愛の祈りである。 未来に伝え続けたい、感涙ファンタジー! ※文庫化に際し、新たに文庫版あとがき「文庫化に寄せて あとがきアンコール」を収録。 著者・村山早紀が、本書を構成する5つの物語について1作ごとの裏話を披露。 ※また、長年にわたり村山早紀作品を愛読し、推し続けている書評家・三村美衣による「解説」も収録。 -
おでんオデッセイ
心に沁みます。 この屋台は、おでんも客も変わりダネ? 満腹ハートフルストーリー! 山口恵以子さんも舌鼓! (作家・『婚活食堂』シリーズ著者) ちくわ、はんぺん、がんもどき… 今宵も屋台は大にぎわい――! 伊竹市銀座商店街の一角でおでん屋台「かいっちゃん」を営む静香。 東京の大手商社を退職して伊竹にUターン、母親が切り盛りする実家の「有野練物」の手伝いをしていたが、一念発起して町おこしプロジェクトに応募、屋台を開いたのだ。 経営は常にギリギリだが、店には今宵も個性と悩みあふれる(?)常連客、そして高校時代の初恋の相手も…? -
午後のチャイムが鳴るまでは
「きれいに騙された!」はやみねかおるさん驚嘆!(解説より) タイムリミットは65分。昼休みの“完全犯罪”は達成なるか!? 九十九ヶ丘高校の65分間の昼休み。 学校を脱け出して誰にもバレずにラーメンを食べに行こうとする二人の男子、消えたイラストレーターを捜す文芸部員たち。 閉ざされた教室では男子たちが栄冠を求めて秘密の「ゲーム」に熱狂していて……。 全力で青春を過ごす高校生たちの日常に巻き起こる「事件」の結末とは? 稀代の俊英が圧倒的な熱量で描いた青春連作ミステリー! [目次] 第1話 RUN! ラーメン RUN! 第2話 いつになったら入稿完了? 第3話 賭博師は恋に舞う 第4話 占いの館へおいで 第5話 過去からの挑戦 あとがき 解説 はやみねかおる 装画・扉絵/オオタガキ フミ