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「お前の望みどおりタナトスの影が覆い、鈴木健三には無残な死が訪れるであろう」。
SNSアプリ「リアリズム」に投稿された呪詛に死神からの予告が返信された。誰もがいたずらと思った矢先、実際に鈴木健三がビルから転落し、死亡。現場には投稿された呪詛画像のプリントアウトが貼られていた。この大胆な殺人事件に世間は沸騰。「リアリズム」内には殺害を依頼する投稿があふれかえった。25歳の女性会社員、静岡県の中年男性教師、イラストレーター・・・・・・都や県の垣根を越えて無作為に人間が殺されていく。殺害方法は様々でも、いずれも投稿画像が傍らに添えられていた。犯人は同一か、複数か。模倣犯は含まれていないのか。一課の警部補・虹ヶ谷礼太郎と女性刑事・音羽沙織は、翻弄されながらも粘り強く捜査を続けるが、事件の範囲は拡大を続けるばかりで――。
ラストの衝撃まで目が離せない。
著者プロフィール
1981年京都府生まれ。2014年『闇に香る嘘』で江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。数々のミステリランキングで高評価を受ける。15年「死は朝、羽ばたく」が日本推理作家協会賞(短編部門)、16年『生還者』が日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)の候補になる。2024年『同姓同名』がビブリオバトル3冠を達成し話題に。著書に『真実の檻』『黙過』『ヴィクトリアン・ホテル』『そして誰かがいなくなる』『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』『ネタバレあり 双紋島の殺人』などがある。
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Posted by ブクログ
SNS「リアリズム」で「タナトス」と名乗る者が殺害予告を投稿した。そしてその通りに名指しされた人物が不審な死を遂げ、現場には投稿された文面が貼り付けられていた。その後も同一犯によるものと思える事件が続き、ネット上では「タナトス」への殺人依頼の投稿が絶えなくなる。現代社会の恐ろしさを描いたミステリです。
軽い気持ちで誰かを憎んだり、あるいは殺意を覚えることは誰にでもあるのではないかと思います。だけれどそれを公の場で表出するのは絶対ダメだよね。SNSは楽しくもあるけれど、「好き」なことで楽しくあるべきだよなあ、と実感しました。愚痴と不満と怨嗟を吐き出したところで、ネガティブが加速してしまうだけのような気がします。それこそこんな風に付け込まれてしまうかも。
ここで描かれる怒りや恨みがあまりにカジュアルなのも恐ろしいところです。殺意を抱くハードルが低すぎて、こんなことで殺されたらたまったものじゃない、という心境になりました。事件の構図が予想外に二転三転するところはわくわくして一気読み。「タナトス」の狡猾さは恐ろしいのだけれど、このラストはあまりにも皮肉でした。
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