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1946年の女子塁球部
1945年8月6日、広島。小松カズヱ15歳の夏。気がつくと残骸だった。焼け焦げた木材が積み重なり、雲ひとつなかった青空が消え、昼が黒煙で塗り潰された。 そんな街の復旧は驚くべき早さだった。水道と鉄道は当日、電気は翌日に一部ながらも開通。9月25日には、カズヱが通う安田高等女学校が授業を再開した。 取り戻された日常。復学したカズヱの楽しみは学校での運動だった。今日も級友とゴム飛びに興じていると、教師が声をかける。 「小松、ソフトボールやってみんか?」 創部されるソフトボール部。未知のスポーツを学び、練習し、汗を流す少女たち。 1946年の青春を描くセミノンフィクション小説。 -
遠近法
ルネサンス期のフィレンツェ、10年以上もかけて描き続けているサン・ロレンツォ聖堂のフレスコ画の前でマニエリスムの画家ヤコポ・ダ・ポントルモが槌で殴打され、鑽で胸を刺されて殺害され、彼のアトリエにはフィレンツェ公コジモ・デ・メディチの長女マリアの顔をしたヴィーナスとキューピッドの猥褻な絵が残されていた。ポントルモを殺したのは誰か? いかがわしい絵を描いたのは彼なのか? コジモは信を置く画家で建築家で美術史家のヴァザーリに事件の解明を依頼する。ヴァザーリは、ローマでサン・ピエトロ大聖堂の建設に携わっているミケランジェロに書状を送り事件を知らせ、助言を求めた。ヴァザーリとミケランジェロ、マリアと遠縁のフランス王妃カトリーヌ・ド・メディシス、カトリーヌ・ド・メディシスとコジモの敵であるフランス軍元帥ピエロ・ストロッツィ……火薬庫のような当時のヨーロッパを舞台に繰り広げられた陰謀劇、恋愛劇・・・・・・。目もくらむような人物たちの書簡が全176通。事件は書簡で語られ、書簡で捜査され、書簡で解明される。『HHhH──プラハ、1942年』、『言語の七番目の機能』、『文明交錯』と次々に読者を驚嘆させてきた著者による、傑作書簡体歴史ミステリ。 -
ガス人間
不可解な連続殺人を起こす《ガス人間》。日本中が恐怖と熱狂に包まれる中、刑事と記者は正体を追う。 Netflixシリーズ、小説版! 生放送中のテレビ番組で起きた、人間が突如として膨張し爆死するという未曾有の殺人事件。 犯人は、自らの身体を自在にガスへと変化させ、あらゆる障壁をすり抜ける《ガス人間》だった。 ガス人間による連続予告殺人は、警察の包囲網を嘲笑うかのように、実体を持たぬ恐怖とともに社会を静かに浸食していく……。 その恐怖は、誰も捕まえられない―― 7月2日(木)より、Netflixにて世界独占配信 キャスト:小栗旬、蒼井優、広瀬すず、林遣都、UTA、竹野内豊 脚本:ヨン・サンホ、リュ・ヨンジェ 監督:片山慎三 -
伯爵令嬢(男の娘)
男だが普段は伯爵令嬢として生活しているローゼ。国王の誕生祭で初恋の相手であり、王子のヴァルドと再会した。そこに響き渡る女性の悲鳴。一体何があったのか? BLミステリー。 ※本作ははやしかわともえの個人誌作品の電子書籍版となります。【20ページ】 -
大草原のアイラとロゼ
一人ぽっちのアイラが、ロゼの影響で、少しづつ変わっていくなかで、変われなかった時には、ロゼは、アイラを死の世界に誘ってしまうのか…? ※本作は水花光里の個人誌作品の電子書籍版となります。【42ページ】 -
ドランクチェンジ
歌舞伎町の中心に「クリーンな歓楽街のニューシンボル」という触れ込みのタワーがそびえ、カジノリゾートの噂が立った。タワーのオーナーはパチンコが稼ぎ頭の在日コリアン企業。建設は着々と進み、警察は防犯カメラを街筋に張り巡らせた。その狭間で不正な管理社会を憂うカオスが産声を上げていた。最初に姿を消したのは、風俗を生業とする美女だった。失踪が相次ぎ、「ビッチ狩り」と巷で囁かれた。 キャバ嬢の頃に培った黒い人脈を活かし、新宿で解決屋をする冠木果子が愛犬パト・ラッシュと修羅場を駆けずり回る第一弾。ホストにはめられたナースのありがちな依頼に始まり、濃密な三角関係にある暴力団――コリアン企業――警視庁の思惑が渦巻くテロ事件に巻き込まれていく。誰が美女をさらい、ドランク・チェンジしたのか。 第十四回文庫小説賞 大賞作品 ドランク・チェンジ 八坂堂蓮 ※本作は八坂堂蓮の個人誌作品の電子書籍版となります。【118ページ】 -
夫婦別姓刑事
秋元康 企画・原案!! 佐藤二朗・橋本愛W主演で話題沸騰!! フジテレビ系火曜よる9時放送ドラマ「夫婦別姓刑事」 絆と秘密を抱えた名バディ夫婦別姓刑事が難事件に挑む―― 新感覚コメディ×本格ミステリ刑事ドラマを完全小説化! 東京・中野区にある沼袋警察署。 その刑事課に所属する四方田誠と鈴木明日香は、抜群のコンビネーションで事件を解決していく名バディ刑事だ。 しかし、ふたりには誰にも言えない秘密があった。それはふたりが夫婦であること。 警察には「夫婦は同じ部署に所属してはならない」という暗黙のルールが存在し、それが明るみに出ればどちらかが刑事課を追われることに。 刑事でありつづけるため、出した結論は「夫婦であることを隠す」こと。 夫婦を隠して別姓のままバディを組んでいる刑事――「夫婦別姓刑事」として、ふたりはとある連続殺人事件に挑んでいく――! -
陽子さんはお元気ですか?
家族のために生きる毎日に、ふと立ち止まる。 「わたし、どうして、こんなにせっせと働いているのかしら?」 誰に見張られているわけでもないのに、夫の小言を恐れて、完璧な家事をこなす自動操縦の毎日。 58歳の専業主婦・陽子さんの平穏な日常は、一人息子が連れてきた彼女みやちゃんによって一変する。「俺様」な息子の態度に直面したとき、30年間夫の顔色をうかがい、お利口な〈黒子〉として生きてきた陽子さんの心に、初めて強烈な違和感が芽生え…。 当たり前のように家族を支えてきた日々の愛おしさと、その裏にある寂しさにそっと光をあてる、「あなた」の心に深く寄り添う物語。 ※価格、ページ表記は紙版のものです。一部記事・写真・付録は電子版に掲載しない場合があります。 -
カラスに似た足指
父を看取り、私の身体に刻まれた記憶を辿る。 祖父が案じ、私から次男へと引き継がれた、カラスに似た足指。 懐かしさに手を伸ばしたあの日から、 穏やかなはずの日常が、静かに「すべり」始める。 希望は卑しい者の言葉であると考えさせられる。——建築家・石山修武 あらすじ 郊外で家族と暮らす「私」は、次男の足指に自分と同じ「歪み」を見つける。大陸から引き揚げ、土建屋として生きた父。その最期を看取り、ある懐かしさから、「私」はかつて暮らした町に向かう。そこで投函した一通の手紙。しかし、郷愁は、思いもよらぬ事件へと「私」を連れ去っていく――。 世代を超えて流れる血と、一瞬で姿を変える日常。「私」は、祖父が案じていた「歪み」のある足指に語りかけるように、かつてあったものを、ひとつずつ拾っていく。 【目次】 カラスに似た足指 【著者】 宮本浩典 1969年5月岡山県生まれ。 早稲田大学理工学部建築学科卒業。家庭教師。 郊外の風景と父を看取る日々をもとに、小説『カラスに似た足指』を書く。 -
眉山の風よ!阿波の踊りに吹け!
徳島県にある阿波おどりの有名連「月夜連」で選抜メンバーとして活躍する高校生・四宮桂子(しのみやけいこ)。 上京して演劇の道に進もうとするも親の反対にあい阿波おどりとの別れを決意するが、 幼馴染の横谷稔(よこやみのる)が引き止める。実は彼は桂子に想いを寄せていて…… 400年続く伝統芸能の「阿波おどり」をテーマに、東京と徳島を桂子が駆け回る! 演劇にのめり込み女優を目指し、シングルマザーとして出産した「東京編」。 息子・大和への愛、幼馴染の稔との関係、そして阿波おどりにすべてを懸けた「徳島編」。 徳島・眉山が見える街で生まれ育ち、命の炎を燃やし続けた桂子の生涯を描いた感動の物語。 -
ブツゾー・キッド
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 マニアックな趣味は数あれど、中でも「仏像マニア」として知られるみうらじゅん氏。そのマニア道の原点には、祖父「ブツゾー・マスター」の存在があった。祖父との出会いをきっかけに、特撮好きの少年はいつの間にか仏像の魅力に取り憑かれていく。仏教系中学校への進学、寺の息子(=エリート)との出会いなど、周囲の人々や環境に後押しされながら、「仏像マニア」へのステップを一歩ずつ駆け上がっていくのだが……。いわばマニア道「前夜」とも言える、みうらじゅん氏の原点を描いた自伝的小説。巻末で解説を寄せるのは盟友・いとうせいこう氏。さらに、仏像を描いた著者の作品も収録。 -
夜の恩寵
夢のなかで生まれたものは、夢のなかに還っていく。 「カリスマ」をテーマに描き出される五つの物語。 故郷の父親からの電話で三年ぶりに帰った俺を待っていたのは、相変わらず若々しい継母の姿だったが――(「神馬に乗る女」)。他、夢見の力(予知夢)がある祖母をもつ未千が、二十一歳の誕生日に高熱に浮かされて以降、それまで見ることのなかった夢を見るようになる「胡蝶」や、「夢見る家族」「金の糸」「夢の子ども」の全五篇が奏でる、夢をめぐる妖しくも美しい不思議な物語。 その問いに答えてはいけない。決して。 夢か、うつつか、それとも――。 【著者略歴】 三浦しをん(みうら・しをん)1976年東京都生まれ。2000年に『格闘する者に○』でデビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、12年『舟を編む』で本屋大賞受賞。『あの家に暮らす四人の女』(織田作之助賞)、『ののはな通信』(島清恋愛文学賞・河合隼雄物語賞)、『愛なき世界』(日本植物学会賞特別賞)、『墨のゆらめき』『ゆびさきに魔法』等著書多数。『のっけから失礼します』『マナーはいらない 小説の書きかた講座』『しんがりで寝ています』等エッセイも多い。 -
キャッシュとディッシュ
話題の文芸新シリーズ[First Archives]第2回配本。 叔父が残した唯一の遺品は、軽くて手ざわりのよい白い皿だった。非正規労働で暮らす男はやがてその力に気づく。購入したモノの代金を返す皿が、男の部屋と人生を変容させていく表題作「キャッシュとディッシュ」。 書籍取次センターで働く男は、春になったら絵の学校へ行くことを支えに冬を越えてゆく。単純労働、屋上の陽光、オートバイ、巨きな女。流れていくコンベヤーの前で抜け出すはずだった時間が過ぎていく群像新人文学賞受賞作「秒速10センチの越冬」。 1997年と2020年、20余年の時を隔てて描かれた、すり減っていく生活、見えない出口、ずらされていく未来、自己責任。失われた30年の閉塞と抵抗を刻み込んだ2編を収録。 形が残らなくなった消費活動の果てには何が残るのか。無駄遣いはただの無駄なのか。貧困と買い物から、生の限界を描く傑作撤退文学。 ──渡辺祐真(作家・書評家) 身につまされる。今までつまされたことのない部分が身につまされる。この身につまされ方には、中身が詰まってる! ──斎藤真理子(翻訳家) -
現代ユウモア全集 20巻 『哄笑極樂』 吉岡鳥平
僅か39歳で亡くなった異才の漫画家・吉岡鳥平、唯一の「漫文集」。旺盛な観察力と軽妙な語り口が光る全18篇を収録。 明治・大正・昭和初期を駆け抜け、僅か39歳で亡くなった異才の漫画家・吉岡鳥平、唯一の「漫文集」。東京美術学校(現・東京芸術大学)で西洋画を学びながら、在学中から「東京パック」「講談倶楽部」などに漫画を描き、卒業後は東京と大阪を舞台に新聞漫画家として活躍。「関西漫画会」の結成に関与したり、正岡容や大泉黒石、江戸川乱歩ら文化人との交流も深く、酒と騒ぎを愛する“お祭り博士”としても知られた人物。 本巻には、自叙伝から漫画、漫文、落語、笑話、探訪記事まで、旺盛な観察力と軽妙な語り口が光る、全18篇が並ぶ。「漫画家の自叙伝」では、仙台での青春時代の騒動をユーモラスに描き、「戀の雪達磨」「牽牛織女」などの短篇では、恋愛や結婚生活を風刺的に切り取る。 特に「同行二人大阪見物」「大大阪市民読本」「大阪妖怪探訪」の大阪時代を背景にした一連の作品群では、昭和初期の大阪の街並み、芸能、庶民の暮らしが生き生きと描かれ、極めて貴重な資料。さらに「萬歳四景」は、漫才成立前夜の「高級萬歳」を描き、大阪において[萬歳]が[漫才]になる過程での重要な作品ともなっている。 発刊当時の旧字体総ルビに加えて、より読みやすくした新字体バージョンも新たに追加収録している。解説文は日本のユーモア文学研究の第一人者・浦 和男。付録には、外箱や表紙や裏表紙など、当時の貴重な資料も収録する。 (電子版 2026年6月26日配信開始) -
辻邦生電子全集 10巻 新聞連載 『雲の宴』『時の扉』ほか
新聞連載小説『時の扉』『雲の宴』『光の大地』に、信濃毎日新聞への連載コラムを纏めた『辻邦生が見た20世紀末』、時事関連エッセイ19作を収録。 『時の扉』は辻邦生初の新聞小説で、「毎日新聞」に1976年2月25日~1977年2月26日にかけて全300回連載された作品。北海道の町から、一転してシリアに舞台を移し、暗い過去をもつ男女のドラマと、かの地での出来事を絡ませて描かれている。 『雲の宴』は「時の扉」の8年後、「朝日新聞」に1985年9月7日~1987年1月17日に渡って全487回連載された長篇。ミッテラン大統領当選に沸くパリの夜から始まって、東欧、そしてアフリカと、政治的陰謀と愛の物語が展開される。 『光の台地』は「毎日新聞」にて1995年10月1日~1996年3月13日の期間、辻最後の新聞小説として、タヒチのリゾートでのカルト教団と一人の女性の物語を綴っている。 また、辻の晩年、亡くなる直前まで約10年間(1990年8月3日~1999年7月23日)に「信濃毎日新聞」夕刊に連載されたコラム(全433回)は、没後に『辻邦生の見た20世紀末』として纏められた。さらに時事関連および新聞連載関連エッセイ19作品も併せて収録している。 解説は、フランス文学者で東京大学名誉教授・野崎歓氏が担当。付録として創作メモ、自筆原稿等を収録。 ※この作品はカラーが含まれます。 -
あなたに訊きたいことがある
山崎まどかさん絶賛。 ピュリッツァー賞・全米図書賞ファイナリストのレベッカ・マカーイ、『戦時の音楽』に続く最新邦訳。 ワシントン・ポスト、ボストン・グローブ、USAトゥデイ、エスクワイア、グッドハウスキーピング、書評サイトCrimeReads……あらゆるメディアが「年間ベスト本」に選出。 高校時代、わたしのルームメイトが寄宿舎で死んだ。 美貌で名を馳せた彼女の死は、二十年以上が経った今もネット上でスキャンダラスに語られている。 そして今、映画論の教授となったわたしに、母校から短期の講座を引き受けてほしいというオファーが届く。ニューハンプシャーの森の中のあの寄宿学校へ──彼女が死んだ場所へ、わたしは戻る。 あのとき何があったのだろう。彼女を死に追いやったのは、あの男子生徒だろうか、あの男性教師だろうか、それとも―― あなただったのではありませんか? 『戦時の音楽』で繊細で魔術的な筆致を見せたマカーイが、謎めいた物語を眩惑的にドライヴさせる。若い女たちに向けられるまなざしの罪を暴き出し、骨太のストーリーテリングを見せつけて、アガサ・クリスティーのように周到な仕掛けをほどこしてみせる、瞠目の長編小説。 -
拝啓見知らぬ旦那様、離婚していただきます
『拝啓 見知らぬ旦那様、8年間放置されていた名ばかりの妻ですもの、この機会にぜひ離婚に応じていただきます』 商才と武芸に秀でた、ガイハンダー帝国の子爵家令嬢バイレッタ。彼女には、8年間顔も合わせたことがない夫がいる。伯爵家嫡男で冷酷無比の美男と噂のアナルド中佐だ。 しかし終戦により夫が帰還。離婚を望むバイレッタに、アナルドは一ヶ月を期限としたとんでもない“賭け”を持ちかけてきて――。 周囲に『悪女』と濡れ衣を着せられてきたバイレッタと、今まで人を愛したことのなかった孤高のアナルド。二人の不器用なすれちがいの恋を描く溺愛ラブストーリー開幕! ◇◆登場人物◆◇ 【バイレッタ】 商才に溢れ、武術も得意な才女だが、それを妬む周囲により『悪女』とあらぬ噂を立てられている。 16歳のときに父により無理やりアナルドと結婚させられてから8年、一度も夫の顔も見たことがなかった。 【アナルド】 スワンガン伯爵家の嫡男で、ガイハンダー帝国の陸軍騎兵連隊長。 冷酷な策士で、戦場の灰色狐の異名を持つ。 他人への興味が薄く、上司命令でバイレッタと結婚をしたはずだが……。 -
雨、時々こんぺいとう
\第32回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》受賞作!/ 雨を降らせる君に、はじめての恋をした。 高校生の梓が図書館で出会ったのは、雨を降らせることができる不思議な少年・旭だった。 二人で重ねる宝物のような穏やかな時間。しかしある日、梓は衝撃的な噂を耳にする。それは、旭が殺人犯の息子というもので――。旭は周囲の好奇の視線から梓を守るため、自ら距離を置こうとするが……。 「私は明日も旭が図書館に来るって信じてる」 そうして降りしきる流星の中、二人は一つの約束をし――旭は姿を消した。 雨、時々こんぺいとう。空から色星が降るとき、奇跡は起きる。 -
雑司ヶ谷の朝食屋 きつね ~ふっくらお揚げのきつねご飯~
祖母の死後、雑司ヶ谷の朝食屋を継いだ悠佑。だが、店には閑古鳥が鳴く日々だった。 「腕はいい。でも、君のそういう性格が、客を遠ざけてるんじゃないか」 元常連の小宮山にそう告げられ、悩みもがく悠佑。そんな店に、事情を抱える訳ありの客が少しずつ集まり始める。 彼らと甘辛いきつねご飯や、焼き魚とたっぷり野菜の味噌汁を囲むうち、悠佑は人が求める温かさに気づき――。 これは、傷ついた心が美味しい朝食とともにほどけていく、心の再生の物語。 -
後宮の筆跡鑑定官
カクヨム恋愛小説大賞【ナツガタリ'25】異世界で働く女性の恋部門《大賞》受賞作。 極東大陸の雄たる玄国の後宮にて、公文書の真贋と検閲を担う特殊機関――筆録房。その主である深玉は筆跡鑑定が専門で、書かれた文字から性格までも読み解く変わり者。 そんな彼女に、ある日一通の遺書が届く。謎めいた美貌の官吏・夏丞と共にやって来たその遺書は、後宮で自死したある寵妃のもので――。 最初は真贋の鑑定だけのはずだった。だが、後宮で連鎖する不審死に、囁かれる呪いの噂。遺書に託された暗号(メッセージ)に気付いた深玉は、徐々に寵妃の死の真相に近づいていく。 筆跡鑑定が専門の検閲女官×謎多き美貌の官吏が挑む、中華後宮ミステリ! ◆◆◆登場人物◆◆◆ 【陶深玉(とうしんぎょく)】 玄国の後宮で筆跡鑑定が専門の検閲女官。公文書の真贋を担う筆録房の主を務める。人が嫌いで筆録房に引きこもりがち。 【姚夏丞(ようかじょう)】 巧みな話術と美貌を持つ謎多き男。外廷の官吏として深玉に遺書の鑑定を依頼してきたが、その本心は――。 -
龍の皇子は封気の姫にくちづける
父と異母姉に虐げられる小国の姫・砂苓が出会ったのは、龍華国の凜々しい皇子・龍誠。強大すぎる《気》を制御できず皇位争いに苦戦する龍誠と、ふれた者の《気》を吸う砂苓はある取引を交わし、妃候補として迎えられることに。 「このままずっとそなたにふれていたくなる」 単なる契約としてのふれ合いのはずが、いつしか互いに心惹かれはじめる二人。一方、後宮では刃傷事件が勃発。皇位継承を争う陰謀に巻き込まれた二人にさらなる試練が襲いかかり――!? 【登場人物】 ・砂苓(さりょう) ふれた相手の《気》を吸う、希少な『封気の力』を持つ小国の姫。父に売られかけたところを、龍誠に救われる。 ・龍誠(りゅうせい) 龍華国の第一皇子。《気》の力が強すぎるため、制御が危ういことを悩んでいる。心優しく正義感がある青年。 -
灰の王
『このミス』1位作家最高傑作! 2026年英国推理作家協会(CWA)賞スティール・ダガー受賞! すべてを灼き尽くす―― 成功の頂から裏社会へ引きずり込まれた男の苛烈な死闘。 投資会社のCEOとして輝かしい成功を収めるローマン。父が事故に遭い昏睡状態と報された彼は、ヴァージニアの寂れた町で火葬場を営む実家に舞い戻った。じつはギャングとトラブルを起こした弟への“見せしめ”で父が襲われたと知り、ローマンは明晰な頭脳と知略を武器に事態の収拾に乗り出すが、容赦なく暴力の支配する世界に引きずり落とされ、復讐のため自らの手を血に染めていく――。解説:杉江松恋 -
【電子特典付】『機動警察パトレイバー』 寿司屋の後藤
【電子特典 掌編付き!】 後藤隊長が寿司屋に――!? 「機動警察パトレイバー」正統(?)続編 あの日から30年、元・特車二課第二小隊隊長・後藤喜一は、寿司屋になっていた!? 後藤が、熱海で営む小さな寿司屋。 店にたむろする愛すべき常連たちと、そこを訪れる旧・特車二課の面々。 遊馬、野明、太田、進士、山崎、香貫花……そしてあの人も―― 彼らは何を語るのか――? ―――――― 熱海の路地の先にある小さな寿司屋。 日本有数の温泉地――熱海駅から徒歩3分ほどの路地裏の店だ。 ネットにも情報はほとんど載っていない。 駅近くの場所とはいえ、かなりわかりにくい。目印となる店の看板はない。 店の前に出された、さほど大きくもない黒板に店名が記されているだけで、 その情報からここが寿司屋である、とかろうじてわかるだけである。 ――店主は半眼に閉じたような眠たげな目を向けた。70を少しすぎたくらいだろうか。 ふんだんにある頭髪は見事に白く、やや猫背で威勢のよさは微塵もない。 「うちはマグロもサーモンもありません。どっちもこのあたりでは揚がらない魚なんで、地のものしか扱ってないんですよ。すみませんね」 言いながら、客を見ることもなくまな板を拭いている。 (第一話 「店の名は」 より ) 電子特典掌編「ウサミミさんの場合」収録 -
私の女の実
ノーベル文学賞受賞作家が二十代後半に発表した短篇小説集 解説:桜庭一樹 ノーベル文学賞作家ハン・ガンの初期から近年に至るまで、未邦訳の小説を斎藤真理子個人訳で贈る《ハン・ガン コレクション》第1巻。 『菜食主義者』の前身である表題作をはじめ、変化していく社会の中で個人が抱える闇と傷を凝視した、生命力みなぎる初期の短篇8篇。 「私の女の実」:高層マンションの13階に妻と暮らす夫は、妻の体に痣があることに気づく。結婚後4年に及ぶ生活の中で妻が心を削られてきたからなのだが、夫はそのことに気づかず、妻はしだいに言葉を失っていった。ある日、ベランダに出ていた妻の体の一部が植物になっているのを見つけた夫は、大きな植木鉢を買ってきて妻を植えるが… 「日暮れ時に犬たちはどんな気持ちだろう」:貧困と父親の暴力に耐えかねて母親は出て行き、酒飲みの父と暮らすことになった少女テリョン。学校に行くこともできない少女は空腹を抱えつつ、母との思い出を拠り所に、父や周囲のことにじっと目を凝らす。 「赤ちゃん仏」:人気のニュースキャスターで完璧主義者の夫と暮らすイラストレーターの「私」は、普段から化粧もしない地味な女性。だが、自分だけが知る夫の秘密がある。彼の体には子供の頃に負ったやけどの跡が全身にひろがっている… 「ある日彼は」:体一つで上京した彼は、新聞・雑誌社に本を配達する仕事をしている。ソウルの埃と煤煙がひどいため、彼は配達中に何度も顔を洗う。冬のある日、ミンファと出会ったのも顔を洗った直後だった。彼から本を受け取るとき、ミンファは悲鳴をあげた。彼の頬が裂けて血が出ていたのだ。再度配達に行った際、ミンファに「横顔、すてきですね」と言われた彼は彼女をデートに誘う… 【目次】 日本の読者の皆さまへ ハン・ガン 私の女の実 日暮れ時に犬たちはどんな気持ちだろう 赤ちゃん仏 ある日彼は 赤い花の中で 九つの物語 白い花 線路を流れる川 あとがき ハン・ガン 解説 声なき人の代わりに 桜庭一樹 訳者あとがき 斎藤真理子 -
鬼憑き退魔師と薬膳師のやさしい結婚
苛酷な運命と、不器用であまいふたりのシンデレラストーリー 薬膳師の祖父を亡くし、家も資産も奪われた若水つぐみ。 祖父から受け継いだ薬膳の技術を活かし、帝国を護る陰陽寮の調理員試験に挑む。 結果は合格。けれど、〝鬼憑き退魔師〟と恐れられる夏霧灯弥の専属料理人になることを提案され、灯弥から求婚を受ける。 驚きつつも、ある事情から結婚は仮のものであると教えられ、そのまま夏霧家に住むことになった。 そこでつぐみは、灯弥の秘密を知っていく―― ●目次 プロローグ 一 鬼憑き退魔師と契約結婚 二 夏霧家での暮らし 三 夏霧家の妻の役目 四 期待と不安 五 嬉しい来訪者 六 本心 七 夏霧家の人々 八 不穏と幸せと 九 妻の誇りと薬膳師の矜持 十 あなたとともに エピローグ あとがき ●著者 久生夕貴(ひさお・ゆうき) 愛媛県在住。『拝啓、桜守の君へ。』にて第4回富士見ノベル大賞審査員特別賞を受賞。 著書に『花咲く神さまの花嫁』『青藍の秘め恋』『拝啓、桜守の君へ。』(富士見L文庫)『雨あがりのタロットカフェ』(マイナビ出版)などがある。 花とお茶ともふもふをこよなく愛す。 -
ベル・エポックへようこそ~アンティークに秘められた謎~
一話完結の連作ミステリー。 大学生の片瀬恭介は、近所にあるアンティークショップ、「ベル・エポック」でアルバイトをする事になった。恭介は店主の並木香代子と一緒に、アンティークにまつわる謎を解いていく事になるが……。一話完結の連作ミステリー。 【目次】 第一話 盗まれた花瓶 第二話青い宝石 第三話 ミルク色のブローチ 第四話 恋のネックレス 第五話 愚者の贈り物 第六話 天然石のカフリンクス 第七話 メッセージ・ジュエリー エピローグ ネックレスのひとり言 【著者】 宮川葵衣 映画の脚本コンクールに入賞後、映画、ドラマの企画制作の仕事を続けながら、東京の小説教室で学ぶ。ミステリー小説「コールセンターの殺人」で作家デビュー。 -
検索結果はありません
なんで、ないの? なんで! 全員そろいの最初の1行、「検索結果はありません。」 ないと言われたその先に、続く話が24編。 人名、在庫、DNA。なくても困るが、あっても困る。 著者一覧(収録順) 市塔 承 横関 大 岡崎隼人 我孫子武丸 植田文博 暁社夕帆 河村拓哉 柾木政宗 風森章羽 紺野天龍 嶋戸悠祐 金子玲介 秋川滝美 梨 西澤保彦 時晨 麻根重次 潮谷 験 高田崇史 献鹿狸太朗 大倉崇裕 竹本健治 歌野晶午 北山猛邦 『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』『これが最後の仕事になる』『だから捨ててと言ったのに』『新しい法律ができた』『それはそれはよく燃えた』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第七弾! -
ホルモー燦燦
このごろ都にはやるもの、決戦、助っ人、大茶会。ホルモー競いて幾時代、川の流れは絶えずして、因果は巡るよどこまでも。オニを追ってか追われてか、今宵も河原でひといくさ、今宵もタワーでふたいくさ。このごろ都にはやるもの、好敵手(ライバル)、テンシキ、古茶釜。古都の騒ぎを聞きつけて、天下に広がる動きアリ。落下上等下剋上。目指すはテッペン、ホルモーdeタァップ! 妬みに、迷いに、友情に、思いの丈は蛇行して、耀(かがや)くアムリタ天駆ける。二つの都にこだまする、狂喜乱舞の雄叫びウェーブ。二十年目の大団円、問答無用の完結編。『ホルモー燦燦』いざ見参! -
三鬼
高橋源一郎さん、穂村弘さん、円城塔さん、絶賛! 「異能の俳人・西東三鬼が、戦争のさなか、国家と言葉のせめぎ合いの中で、とんでもない経験をしたことは有名だ。 でも、それをこんなスゴい小説にしちまうなんて、読んでて震えたぜ。っていうか、おれが書きたかったんだけど……。」 高橋源一郎 「戦争に雪崩込んでゆく最悪の時代にも、きらきらと夢を見続けてしまう。不屈のトリックスター魂に痺れました。」穂村 弘 「『ゼウスガーデン衰亡史』を読んで以来、この小説を待っていました。」円城 塔 大戦前夜の日本と南洋を疾駆する、天才俳人の流転の運命。史実とフィクションを融合させた、ノンストップ・歴史エンターテインメント! 国家はなぜ、俳句を危険視したのか?昭和15年、「京大俳句事件」発生。治安維持法違反で同人が一斉検挙されるなか、 新興俳句のカリスマ・西東三鬼は、思わぬ運命に巻き込まれていく。 「特高警察」×「日本陸軍」、「インド独立運動」×「シンガポール華僑」×「イギリス軍事情報部」、「東南アジア盛衰史」×「俳句王国の興亡」…… 戦争の影が迫る日本と国際都市シンガポールを舞台に、弾圧を強める特高警察と南方進出をもくろむ陸軍の間で、 前代未聞の逃走劇が幕を開ける――! 〈時代の転換点〉を描く、著者17年ぶりの新作小説 -
文学
未知の災厄に覆われた世界を 文学はどう描いたか? 日本文学の最前線をなす 2020年のベスト短編アンソロジー 解説:冨岡幸一郎 我が人生最悪の時 磯﨑憲一郎 移民の味 王谷 晶 母になる 木村友祐 猫はちゃんと透き通る 最果タヒ あたらしい日よけ 井上荒野 ばばちゃんの幽霊 朝吹真理子 サクラ 尾崎世界観 四半世紀ノスタルジー 町屋良平 斧語り 松田青子 ふらここ 山下澄人 ダン吉の戦争 髙橋源一郎 ヨブに会う 加藤 櫂 スカピーノと自然の摂理 金子 薫 あなたのことを話して 長島有里枝 下品な男 上田岳弘 その一匹を殺したのは誰か 高山羽根子 解説:冨岡幸一郎 -
最恐ホラー
最恐のホラー大饗宴! 小説現代2025年8・9月号で人気だったホラー特集を手に取りやすく! 1テーマに2人、12作。全6シリーズ。 第一弾は、背筋×平山夢明。テーマは「図書館」。 背筋 笑う女が立っている 岸井が図書館で久しぶりの読書を楽しんでいると、突然朗読をはじめる奇妙な男を目撃する。 それ以来、岸井が読む本にも笑う女が立っています。 異変が起き始め、笑っています。大声で。 平山夢明 そして家族全員、焼きそばス とんでもない結末で終わる小説を、人里離れた図書館の密室で朗読させられる若者。 妙ちきりんな高額闇バイトに惹かれた者の末路なのか。 そもそも、この図書館っていったいなんなんだ? -
火焔樹の柩 警視庁捜査一課十一係
さようなら、如月塔子。 100万部突破の大人気シリーズ、堂々完結!! 如月塔子の自宅に不気味なICレコーダーが届く 。差出人は「ジェム」と名乗り、塔子を猟犬に見立てた「狩りのゲーム」の開始を宣言する 。 ヒントに導かれて辿り着いたコンテナにはICレコーダーと血のような赤い手形が残され、女性が監禁されていた 。コンテナの借主の自宅に向かうと、ここにも赤い手形とICレコーダーが 。さらに事態は急転し、塔子の先輩であり相棒でもある鷹野秀昭までもがジェムに拉致される 。警察官をも標的にし、「ゲーム」と称して彼らを翻弄する犯人に、捜査一課十一係が総力で立ち向かう。 -
逆鱗
新宿区百人町の探偵・氷川凜(ひかわりん)。彼女のもとに、やくざに追われる女子高生が逃げ込んできた。兄の隼斗が暴力団事務所に火を放つ現場に居合わせ、その罪を着せられているという。隼斗は行方不明のまま。凜は幼なじみの元マル暴刑事・赤峰重樹(あかみねしげき)を呼び出すが、時を同じくして、河川で男性の頭部のみが見つかる連続死体遺棄事件が発生する。被害者たちの下唇の裏にはひし形の刺青が入っていた。 消えた隼人を追う凜と、猟奇殺人を追う赤峰。交わるはずのない事件は、やがて東京の裏社会を二分する巨大な抗争へと繋がっていく。絶体絶命の危機の中、幼なじみの二人が己の流儀を貫く。東京を舞台に放たれる、傑作ハードボイルド! -
『石球城』殺人事件
ミステリはここまで来た。 驚愕、反転、感動の”解決篇” 13の密室、13のトリックーー 『神の光』の北山猛邦が挑む、 本格ミステリの最高到達点(トップ・オブ・トップ)! 凍てつく世界を旅する少年・ルーサは壁で囲まれた城塞都市・石球城に迷い込む。無数の石球が散らばり、永遠に夜が明けない閉ざされた街(クローズド・サークル)は、九人の王が支配し、十三の灯台とそこに住む巫女によって保たれていた。自身の正体を知るため、ルーサは“世界の果て”を目指す少年・ロメリアと、巫女・カヮクの灯台を訪れるが、待っていたのは密室首切り死体。巫女殺しの疑いをかけられたルーサは犯人を捜索するが、今度はべつの巫女が密室首切り死体として発見されーー。 連続巫女殺しの犯人は? 「石球城」の驚愕の真実とは? 滅び行く世界で、“真実”だけが眩く光る。 【担当編集者コメント】 ミステリが好きでよかったーー原稿を読んだときの素直な気持ちです。『神の光』でミステリ界を席巻した北山猛邦さんの「城」シリーズ、21年ぶりの新作です。終末世界で起こる殺人とド派手なトリック。1作ごとに物語は完全に独立しており、共通点は「本格ミステリであること」のみ。稀代のトリックメーカーが演ずるのは、ミステリ史に残る“奇跡(マジック)”。ご堪能ください。 ――亥(メフィスト編集長) -
0冊目の本―今、ぼくの70ページ―
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「本を読みたいけれど、何を読めばいいの? どう読めばいいの?」そんな声を受け、読書の楽しみを伝える『0冊目の本』が誕生しました。ページをめくると、大きな文字! かわいいイラスト! さらに休憩スペースまで! 読書を楽しむヒントが盛りだくさんです。収録作の「今、ぼくの70ページ」は瀬尾まいこさんの書き下ろし小説。中学生の育生と妹の育子の物語です。次に読む本を気分で選べる「おすすめ本紹介」つき! 全国の中学校、高校に無料配布のほか、電子書籍版は各電子書店にて無料でダウンロードが可能です。 ※書店店頭での配布・販売はありません。 収録作「今、ぼくの70ページ」 中学3年生の朝井育生は、絶賛反抗期中。どうでもいいことにイライラしたり、突如やる気がなくなったり、妹の育子をうっとうしく感じたり。でも、中学最後の大会が2週間後に迫り、最後くらいは本気でやってみようかなと考えはじめ――。家族や友達が愛おしくなる、瑞々しいひと夏の物語。 ※このコンテンツは固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 -
青龍と水の花嫁
【電子版巻末には芹田ジョン先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 特殊な水の能力が宿る一族に無能として生まれた少女・鞠(まり)。 家族に虐げられた末、贄として湖へ沈められ、死を覚悟した彼女が辿り着いたのは、青龍が統べる静かで穏やかな世界だった。 「愛を知れ。他者を愛し、愛される喜びを知れ」 不器用ながらも寄り添う青龍の姿に触れ、鞠は初めて愛される意味を知っていく。 一方、何故家族から愛してもらえなかったのか、過去の思いも捨てきれず――。 青い桜が舞い散る龍神の国で様々な愛のかたちと恋に出会う和風ロマンスファンタジー。 -
葦屋陰陽道のやり口
【電子版巻末にはジワタネホ先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 趣味・特技はカフェ巡りと除霊、言葉巧みな“ぺてん”で依頼人の事件を解決してしまう葦屋(あしや)は横浜に事務所を構える自称陰陽師だ。 一方、“欺瞞”を嫌う小説家の近森(ちかもり)はある出来事をきっかけに、不本意ながら住み込みで葦屋の助手を務めることになってしまう。 勝手に帰ってくる絵、絶対に現れる幽霊、呪い返し――ゾクゾクと持ち込まれる不可思議な事件の正体とは一体? 飄々としている葦屋、生真面目な近森、正反対の二人が、“嘘”を武器に謎を祓うオカルトミステリ! -
世界怪奇実話傑作選
・三つの筆名を使い分け、わずか35歳で忽然と世を去った伝説の作家、長谷川海太郎=牧逸馬。 ・「中央公論」に連載された代表作を精選。愛好家必読のミステリー百科。 ・著者は、1928年、中央公論社の特派員として、1年3ヵ月に及び欧州に滞在。ロンドンでは、中央公論の潤沢な資金を用いて、街一番の古書店にある、あらゆる怪奇事件を伝える資料を買い占めたと伝えられる。 ・帰国後、この資料をもとに執筆されたのが、「牧逸馬」名義の代表作となった「世界怪奇実話」である。 ・『中央公論』1929年10月号~1933年3月号連載。全33話。1930年~32年に順次書籍化されるが、単行本としては未完。 ・本書は、島田荘司氏が、本連載から「ミステリー百科」的要素を持たせたいと14編を精選。1)短篇小説として読める。2)その出来具合、面白さの度合い。3)ミステリー教養的な意味合いで、事件の客観的重要度。以上の観点からセレクトしたもの。 ・本書の編集にあたって、各編のタイトルは、事件に寄せたものに一部変更。 ・事件の同時代に現地に居合わせた作家によるドキュメントとしても貴重。 ・2003年、島田荘司編『牧逸馬の世界怪奇実話』として刊行されたものを改題した。 -
不倫に関する、ちょっとした疑問
独占欲も、結婚願望もなかったのに、なんで――? 女同士の不倫に耽る友達、凡庸な不倫にはまった私。 現代台湾から届いた、愛の矛盾に食らいつく複雑恋愛小説! 「恋以外にするべきことがたくさんある。 でも、『私』を粉々にする引力がここにある」 高瀬隼子さん激震 フェミニストを自認し、作家を目指す「私」が うっかり迷い込んだのは、落ち目の映画監督とのありきたりな不倫。 夫がいる友達は女性上司と肉体関係をもち、 心を病む父とクセの強い母は相変わらず。 「そう、結婚なんかしてる僕は、万死に値する。」 婚姻にまつわる不条理、湧き上がる怒りと孤独…… すべてを振り切り、ある行動を起こしたとき、 思いがけず手にした〝新たな景色〟とは? -
ドストエフスキー全短篇(Ⅰ・Ⅱ合本)
数々の長篇で有名なドストエフスキーは、短篇の名手でもあった。 デビュー直後の「プロハルチン氏」から晩年の『作家の日記』掲載作まで、19篇を集成。 【収録作品】 プロハルチン氏(1846) 九通の手紙に盛られた小説(1847) 人妻と寝台の下の夫(1848) 弱い心(1848) ポルズンコフ(1848) 正直な泥棒(1848) クリスマスツリーと結婚式(1848) 白夜(1848) 初恋(1849) いやな話(1862) 鰐(1865) ボボーク(1873) キリストのヨルカに召されし少年(1876) 百姓マレイ(1876) 百歳の老婆(1876) 宣告(1876) おとなしい女(1876) おかしな人間の夢(1877) 現代小説から取った暴露小説のプラン(1877) 〈訳者解説〉米川正夫 〈解説〉江川卓 -
帝国の死角(第一部/第二部 合本)
日本推理史上空前の奇想! 『獄門島』『点と線』と並ぶ「日本推理小説ベストスリー」(大内茂男)と称された伝奇超大作。 長年、著者の「裏ベストワン」として復刊を待望された代表作が、スピンオフ短篇「日本人とユダヤ人」を初めて併録した〈完全版〉としてついに登場。 第一部『天皇の密使』と第二部『神々の黄昏』の合本版。 【第一部 天皇の密使】 わたし(高木彬光)が入手した「鈴木文書」。 そこには大戦中に欧州で秘匿された闇資金の手がかりが……。 〈解説〉中島河太郎 【第二部 神々の黄昏】 鈴木高徳少将の息子・二郎は戦後、日本の出版社に勤めていた。 スイス銀行に秘匿されているという父の遺産20億ドルをめぐり、彼に次々と事件が……。 怪しい新興宗教! 零落した博覧強記の作家! 遺産を狙いつきまとう男たち! そしてすべての事件が解決した後、明らかになるのは……。 戦後ミステリ界の鬼才がワーグナー『ニーベルングの指環』に材をとった、 破格の構成が一読忘れがたい日本推理史上に残る大・怪・作! 〈解説〉新保博久 -
さかさまの
世界がおぞましく”歪む”、因縁と執念のオカルティックホラーミステリ 高校生は百々花は夏休み、親戚で住職の天明紫織を手伝っていた。 ある日、オカルトティストの清水陽陰が建てた奇妙な館「二魚亭」のお祓いを依頼される、 奇妙な館を調査すると、秘密の扉の向こうで遺体を見つける。 その調査を進める中で、百々花がふと目にしたホラーゲーム実況の写真がリンクしてく――。 世界がおぞましく”歪む”、因縁と執念のオカルティックホラーミステリ ●目次 【一日目】 【二日目】 【三日目】 【四日目】 【五日目】 【六日目】 【七日目】 【七十七日目】 ●著者 1983年徳島県生まれ。奈良女子大学文学部卒。 2017年『奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い』で第24回日本ホラー小説大賞優秀賞を受賞しデビュー。近年は「異形コレクション」(光文社)や「幻想と怪奇」(新紀元社)への寄稿など、ホラージャンルで活躍している。 著書に『能楽師 比良坂紅苑は異界に舞う』『世界一くだらない謎を解く探偵のまったり事件簿』『屍人探偵』(マイナビ出版)「奇奇奇譚編集部」シリーズ、『美食亭グストーの特別料理』『ゴースト・テーマパークの奇跡』(KADOKAWA)、『ホテル・ウィンチェスターと444人の亡霊』(講談社)がある。 -
まだいない君に星の舟を
2001年。中学二年生の高津は鬱屈した毎日を送っていた。離島の由緒ある家に生まれたが、父は女性問題が多く、母は何年も前に家を出て行った。家政婦の女性に育てられたが、その彼女自身が父の不倫相手。しかも狭い島では住人たちに事情は筒抜けだ。そんな彼はひと目を避け、「神隠しの入り江」と呼ばれる立ち入り禁止の海岸に入り浸っていたが、ある日、入り江で倒れている若い女性を発見する。診療所に運ばれた彼女は意識を取り戻すと、野津みかげと名乗り、自分は2079年にいたと語る。19歳だという彼女と交流をしていくうち、未来からきたというみかげの言葉を裏付けるような事件が起こり・・・・・・? 名作『どこよりも遠い場所にいる君へ』の前日譚を描いた表題作に加え、シリーズからのスピンオフ短編4作を収録! -
パッキパキ北京
コロナ禍の北京で単身赴任中の夫から、一緒に暮らそうと乞われた菖蒲(アヤメ)。愛犬ペイペイを携えしぶしぶ中国に渡るが、「人生エンジョイ勢」を極めるこの女はタダじゃ絶対に転ばない。過酷な隔離期間も難なくクリアし、現地の高級料理から超絶ローカルフードまで食べまくり、極寒のなか新春お祭り騒ぎ「春節」を堪能する。街のカオスすぎる交通事情の把握や、北京っ子たちの生態調査も欠かさない。これぞ、貪欲駐妻ライフ! 北京を誰よりもフラットに「視察」する菖蒲がたどり着く境地とは? 一気読み必至の「痛快フィールドワーク小説」!――「味わい尽くしてやる、この都市のギラつきのすべてを」 -
スマホを持たない君へ
メッセージは、すぐ返信しなきゃ。でも、友達の顔色ばかり気にするのは、正直ちょっと疲れる時がある。「スマホに悩む子」「スマホが欲しい子」「スマホに依存する子」「スマホを持たない子」……スマホやSNSの便利さと引き換えに失われていく時間や、すり減っていく気持ち。「本当に大切なもの」と向き合う意味を問いかける、4人の中学生の物語。現役中学生から共感の声! ●この本を読み終わったあと「私達がスマホを持つ意味とは何だろうか?」と考えたくなりました。(中2女子/I.M.) ●最後のタイトル回収には心躍りました。(中2女子/M.M.) ●便利さに囲まれた日常で、本当に大切なものは何かを問いかけてくれる物語。(中1男子/N.E.) ●スマホ1つで人間関係や感情が大きく左右される場面は心にきました。(中2男子/K) ●秘密の青春がせつないけど、心があたたかくなりました。(中1女子/O.E.) ●共感できることがたくさんありました。今を生きる学生にぜひ読んでみてほしいです。(中2男子/I.R.) 【目次】第一話 遠野樹はスマホを持たない/第二話 朝田悠斗はスマホが欲しい/第三話 水川玲奈のスマホは鳴らない/第四話 スマホを持たない君へ ■イラスト:とろっち -
デモクラシー
202×年、日本の政治システムは一変。憲法は改正され、20歳以上の国民から合計1000人の「国民議員」がランダムに選出され、総理大臣は直接選挙で選出。国会は解散し、「国民議会」(二院制)を新たに結成。議会は完全オンラインで行われ、議員の任期は4年、年間報酬500万円、基本再選はなし。「あなたは今日から議員です」と突然議員に選ばれた大学生の混乱、直接選挙で選ばれた新首相の苦悩、国民議員の不正を監視する機関「国民議員調査委員会」の危うさ、一気に権限が大きくなった官僚、現首相と旧政治体制に固執する都知事らの政権争い・・・・・・。有り得るかもしれない「未来」を描く堂場瞬一、新境地の実験的政治小説! -
虹いろ図書館 半分司書のぼくと友だち
図書館に勤め始めてから4回目の春。犬上さんの悩みは反抗的な新人・高橋さんのこと。さらに同僚・内海さんとの関係にも変化が――? 大人気図書館シリーズ、お仕事も恋も波瀾の第5弾! 苦手な後輩と気になる同僚 半分司書の青春は、今日も大変! 大人気シリーズ・イヌガミさん編、恋?と友情?の第2弾! 図書館に勤め始めてから4回目の春。児童担当として日々奮闘する犬上さんの目下の悩みは、年上の新人・高橋さんのこと。反抗的で、司書の仕事にも熱心じゃないみたい。さらに、とある事件以降、同僚・内海さんのことが気になってしかたなくて―― 人生に必要なもの、それは、図書館と、本と、素敵な――? 【目次】 Ⅰ ぼくと後輩 Ⅱ 『1ねん1くみの1にち』 Ⅲ 『草枕』 Ⅳ 『ふたりはともだち』 Ⅴ 『長くつ下のピッピ』 Ⅵ 『りぼんちゃん』 Ⅶ 『ねないこだれだ』 Ⅷ 『しろいうさぎとくろいうさぎ』 Ⅸ 『いない いない ばあ』 Ⅹ 『ねえ、どれがいい?』 Ⅺ 『そんなとき なんていう?』 Ⅻ ぼくと友だち -
すべては、嘘から始まった
愛と嘘が交差する。愛と欺瞞のサスペンスミステリー。 高校時代の同窓会をきっかけに、止まっていたはずの時間が再び動き出す。 主人公・立花隼人は、婚約を控えたある日、罪悪感とともに記憶に残り続けていた同級生・佐藤亜由美へ連絡を取る。8年ぶりに再会した彼女は、誰もが知る人気女優へと変貌していた。しかしその再会は、過去に封じ込められていた“ある事件”の記憶を呼び覚ます。 高校時代、同級生の死を巡って囁かれた数々の疑惑。毒物、消えた真相、そして交錯する嘘と想い。あの頃、何が起きていたのか。 現在と過去が交錯するなかで、隼人と亜由美、そして彼らを取り巻く人々の関係は少しずつ歪みを露わにしていく。守りたかったもの、手放してしまったもの、そして今も胸に残り続ける後悔。真実に近づくほどに、見えてくるのは残酷な現実か、それとも救いなのか。 恋愛、友情、嫉妬、裏切り。誰もが抱える心の傷と向き合いながら、過去の事件の真相に迫る青春サスペンス。 -
預言者
カリール・ジブラン(1883~1931)は、レバノン北部のブシャーレに生まれた詩人・思想家・画家です。12歳のとき、母と兄妹とともにボストンへ移住し、若くして文学と美術の才能をあらわしました。青年期にはレバノンでアラビア文学を学び、その後はパリで絵画を学ぶなど、東西の文化に深く触れます。彼はアラビア語と英語の両方で作品を書き、詩、散文、寓話を通して、人間の愛、自由、魂の成長、神とのつながりなどを美しい言葉で表現しました。 1923年に出版された代表作『預言者』は、人生や愛、労働、自由などについての深い洞察を語る名作で、100以上の言語で1億人以上に読まれていると言われており、特に刊行国アメリカでは、大統領や世界的なアーティストらも彼のファンであることを公言し、今も大勢の人に愛されています。ジブランの言葉は、宗教や文化の違いを越えて、多くの人々の心に希望と静かな光を与え続けているのです。 アラビアの生んだ天才による、20世紀で最も読まれた書籍の1冊でありながら、日本では情報も邦訳作品も少なく、あまり知られていない不思議な人物、カリール・ジブラン。 その代表作『預言者』が、長年ジブランを愛読してきた山川紘矢氏・山川亜希子氏の翻訳により、新たな生命を得たのが本書です。 飾り気がないのに深く心の襞に入りこんでくるような体験は、読後再びページを手繰らせ、そして心に種が植わったことを感じさせます。 原書:THE PROPHET by Kahlil Gibran (ジブランのアラビア語名の英字表記はJubran Khalil Jubran/ジブラーン・ハリール・ジブラーンだが、彼は英語の作品にはKahlil Gibran/カリール・ジブラン名義を用いた) -
聊斎本紀
【第12回 日本翻訳大賞受賞】 現代中国の怪物作家が、最大の怪奇譚集を再創作!! ・ 中国で発禁処分となり日本では25年に刊行、読売、毎日、日経…各紙誌が絶賛する、極上の怪異世界。 ・ ボルヘス、芥川龍之介、太宰治、手塚治虫、諸星大二郎など、数多のクリエイターたちを魅了した怪異世界を、『千夜一夜物語』『見えない都市』の枠組みに当てはめた驚異の連作長篇 ! ・ ・ 「朕は死ななくてはならんが、この絵師は永遠に生きるのだな」 ・ 皇帝に難題を持ちかけられた天下一の絵師は、 絵の中に自らを封じこめる。 一方、少年時代に聞いた銀色の狐の夢を毎夜見るうちに、 皇帝は『聊斎志異』の怪異世界に魅せられていく。 人間の心臓を食べて転生しようとする妖怪、 孔子の末裔と蘭の香りに包まれた絶世の美人姉妹、 富をもたらす酒の虫、人間と狐のめくるめく愛欲の日々……。 物語が物語を引き寄せ、謎が謎をよびながら、 異界と現実が混淆し逆転する壮大な物語。 現代中国社会の矛盾を描きつづけ、 大陸では出版不可能な怪物作家、前代未聞の新境地! -
あなたには、殺せません
「犯人だって、好きで犯罪に走ろうとしているわけではありません。必ず迷いがあります。その段階でうちに来てもらえれば、犯罪の発生を未然に防ぐことができます」──そのNPO法人には、罪を犯すか悩む人が相談にやってくる。相談員はそんな犯罪者予備軍たる人々から聞き出した犯行計画の穴を次々と指摘していく。相棒の剽窃に怒るミュージシャン、夫の罪が露見することを恐れる妻、想い人の死に復讐を決意した大学生……。不備を突かれた者たちの殺意は、果たして本懐を遂げるのか。犯罪発生を未然に防ぐ!? 新しい形の倒叙ミステリ短編集!/【目次】五線紙上の殺意/夫の罪と妻の罪/ねじれの位置の殺人/かなり具体的な提案/完璧な計画/解説=若林踏 -
猟犬の誇り
FBI捜査官のガードナーは、他殺体の身元確認のためにテキサスを訪れていた。殺された男はロス・ティグノン。7年前、ガードナーが担当した連続殺人事件で犯人と目されたが、逮捕寸前に自宅で焼死したはずの男だ。死んだ男が、なぜまた死体となって現われたのか? 黙考するガードナーのもとへ新たに一報が入る。80年代に連続殺人事件を起こし、長い服役を経て仮釈放された男が殺されたのだ。かくして事件は「連続殺人犯だけを狙う連続殺人」の様相を帯び――。奇妙な手掛かり、深まる謎、執念の捜査行。ハリウッドで6社競合を経て映像化決定、俊英が放つ最高密度の警察ミステリ!/解説=古山裕樹 -
霊媒クラブ
【電子書籍限定!大ボリューム書き下ろしエピソード収録!】 「他の生徒よりも早く、この怪異を“解決”せよ」 雨穴氏(『変な家』『変な地図』著)推薦! 気鋭のホラー作家“梨”待望の最新作! 「あなたには、この学校の『霊媒【れいばい】』をしていただきたい」――中学二年生の春。遠渓中学校に転入してきた松谷美夜は、生徒会長である常守通から生徒会に誘われる。そこで松谷を待ち受けていたのは、「一般生徒が『怪異』を捏造し、生徒会がその『怪異』の解決=霊媒を行う」という“歪な学校の伝統”だった。 人工的に作られた怪異をめぐる推理合戦。この伝統が生まれた本当の真実とは。 ホラー界の奇才が放つ痛快学園推理バトルホラー、ここに開幕。 【雨穴氏コメント】 梨さんの愛読者がこの本を途中まで読んだら、 作風の変化に戸惑うかもしれません。 しかし読み終えて気づくはずです。 「ああ、やはり“梨”だ」と。 私の本が 「ホラーを利用したミステリー」なら、 この本は 「ミステリーを利用したホラー」です。 【電子特典内容】 書き下ろしエピソード(ノベル書式換算80ページ分)付き! 【目次】 プロローグ 第一話 「怪人アンサー」 第ニ話 「ヨジバ」 第三話 「リアルさん」 第四話 「ヒトダマ」 第五話 「XXXX」 エピローグ -
夢見る言葉
手話通訳士・荒井尚人は、NPO法人「フェロウシップ」からの依頼を受けて訪れた障害者作業所で、盲ろう者の通訳の現場に立ち会う。 人と人との接触が制限されたコロナ禍、視覚と聴覚の両方に障害を持つ彼らのコミュニケーションの場が失われていたことに気づき、 尚人はその境遇に愕然とする。一方、長女・ 美和は、猛勉強の末に幼馴染みの漆原英知とともに、埼玉県内の私立の進学校に進む。部活に力を注ぎながら進路と英知との関係に悩む日々。そして妹の瞳美は、日本手話での授業が実施されている公立の特別支援学校に通い始めた。母親のみゆきも刑事として忙しい日々を送る。そんなある日、瞳美の通う特別支援学校で、大事件が巻き起こり、前代未聞の裁判に荒井家は巻き込まれてゆく──。〈デフ・ヴォイス〉シリーズ堂々の完結編。
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