小説作品一覧
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-本書は、古代ローマ「黄金時代」後期を代表する詩人オウィディウス(前43-後17/18年)が『変身物語』とともに手がけた、もう一つの代表作です。 愛する男女の往復書簡という体裁をとる『ヘーロイデース』、恋愛詩人としての本領を発揮した『恋の歌』といった初期作品で知られるオウィディウスは、愛を成就させるための技法を性的なものまで含めて赤裸々に指南する『愛の技術』を書いたことが一因となって、のちに流刑の憂き目に遭いました。そのあと後期の円熟を迎えるオウィディウスが唯一の叙事詩である『変身物語』とともに着手したのが、本書『祭暦(Fasti)』です。 ローマの祝日や祭礼の縁起をエレゲイア詩で歌うこの作品は、『金枝篇』で知られるジェイムズ・フレイザーをはじめ、多くの歴史学者、宗教学者、人類学者の関心を惹いてきました。月ごとに構成される本書は、しかし流刑のため未完に終わり、現存しているのは一月から六月まで、つまり一年の半分にとどまっています。今日はこの出来事があり、今夜はこの星座が見られ、明日にはあの祝祭が行われる……といった記述がカレンダーのように積み重ねられていく形式は、前例のない大胆な試みです。そのような大衆受けしそうな形式をとった本書で扱われるのが国家的な性格をもつローマの祭祀であることは一見矛盾しているように思えます。しかし、そのような自己アイロニーによるユーモアこそ、本書を文学的伝統の中で類を見ない稀有な作品たらしめていることもまた事実です。 大詩人が残したもう一つの代表作、初の文庫版をここにお届けいたします。 [本書の内容] 第一巻 ヤーヌス月 第二巻 フェブルア月 第三巻 マルス月 第四巻 アプリーリス月 第五巻 マーイウス月 第六巻 ユーニウス月 訳者解説 補 遺 ローマの暦 学術文庫版訳者あとがき 固有名索引
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4.3東京大空襲×洋装女性連続不審死 実在した警視庁の写真室所属巡査と〝吉川線〟を考案した鑑識第一人者による傑作ミステリー! 戦争で、空襲でどうせ死ぬ。 それなのに、どうして殺人事件を追うのか? 空襲が激化する1945年1月、警視庁でただ一人、ライカのカメラを扱える石川光陽。写真室勤務である彼の任務は、戦禍の街並みや管内の事件現場をフィルムに収めること。 折しも世間では、女性四名の連続首吊り自殺が報じられていた。四人は全員、珍しい洋装姿で亡くなっており、花のように広がったスカートが印象的なため“釣鐘草の衝動”と呼ばれ話題となっていた。 ある日突然、警視庁上層部から連続する首吊り事件の再捜査命令が光陽にくだる。彼と組むのは内務省防犯課の吉川澄一。光陽が撮った現場写真を見た吉川は、頸部索溝や捜査記録の重要性を説く。自殺説に傾く光陽に対し、吉川は他殺を疑っていた。 捜査が進む中で、四人の女性にはある共通点が判明。激しさを増す空襲の中でも、光陽と吉川による必死の捜査が続き、吉川は決然と捜査の意義を語る――。 「犯罪を見逃すのは、罪を許容することと同義です。空から爆弾を落として罪なき人々を殺している行為を容認することと同じなんです。我々は、許されざる行為を糾弾する役目を担わなければならないんです」 さらに光陽と吉川の前に、戦時中でも洋装を貫く女性の協力者が現れる――。 本作は、統制下という世界によって自分が変えられないようにするため、美しくありたいと願う、気高い女性たちの物語。 戦後80年、次世代へつなげたい著者渾身の記念碑的小説!
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-墓を掘り起こし八雲は思考する 八雲が記した数々の“死”と“屍”、「物語をねだる者」と「語り部」たち、レキシントンの古屋敷を舞台に語られた幽霊譚、ディオダティ荘の夜を彩る怪奇談義、前世の記憶を持つ少年・勝五郎の転生、火星に運河を見つけた男・パーシヴァル・ローウェルとの出会い… 小泉八雲を彩るエピソードはあまりに刺激的でファンタジーじみている。しかし、それらは果たして「真実」なのか── 大塚英志の決定版・八雲論。 初めて小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)に触れる読者に捧ぐ、八雲と八雲の物語を愉しむための必読書。 決してファンタジーと現実を混同してはならない。 だから、私たちは八雲という死者のファンタジーを“理解”してはいけない。 それは死者の擬人化であって、私たちが読んでいるのはあくまでも「偽八雲」なのである。(本文より)
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5.0腕貫さんもテレワーク!? 王道の安楽椅子探偵! 旧友が妻殺しで逮捕された。被害者はかつての憧れの女性・ナナ。 驚愕したおれは、記憶と感情の渦に突き動かされ「リモート相談窓口」に向かう――。 日本推理作家協会賞(短編部門)に輝いた表題作「異分子の彼女」をはじめ、 コロナ禍の櫃洗市で発生する奇怪な事件の謎を、公務員探偵がオンラインで鮮やかに解決。 大人気ミステリシリーズ最新作、待望の文庫化! * 文庫版第四巻『必然という名の偶然』の解説を書かれた法月綸太郎さんは櫃洗市を「人殺シティ」と呼んでいたが、言い得て妙である。 本書でも、コロナ禍下であっても、櫃洗市はやはり人殺シティだ。それでもこの町が、なんだか魅力的に見えてしまう。 きっと、そこに生きている人たちが魅力的だから、何より、腕貫さんがいるからだろう。 どれだけ事件が起き、人が死んでも、腕貫さんがいる限り、この町で謎が謎のままで終わることはないのだ。 ――織守きょうや氏「解説」より
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4.5イルカも、ペンギンも、ガール達も、帰ってきた!! けど、水族館はまたまた大ピンチ! 感動のNO.1水族館&お仕事小説、新章開幕! シリーズ累計50万部突破! 海や水辺の生きものたちの〈なぜ?〉が満載! 水族館にある”汽車ぽっぽ”とは? チンアナゴは引き抜いたらどうなる? テッポウウオの水鉄砲はなぜ当てられる? イルカはどこまで考えてジャンプしてる? デンキウナギの電気でエネルギー不足を解決? カニ娘にちりめんモンスター? 〈感じる水族館〉がアツい! 水族館存続の危機は終わっていなかった――再びの大企業連合買収計画に対抗するため、 飼育員・由香は梶、新スタッフの咲子、実習生・宮川らと新しい水族館の運営方針に取り組む。 カニダンスやチンアナゴ、ちりめんじゃこの五感展示、デンキウナギで発電…様々な企画にチャレンジするなか、恋物語も進展の予感が? 大人気お仕事小説、新ステージ開幕! 目次 Contents プロローグ 第一プール 水族館の壁 第二プール カニ娘ショック 第三プール 感じる水族館、フ、フ、フ 第四プール ちりめんじゃこの山 第五プール 恋と決意と特別企画 第六プール 水族館のクリスマス エピローグ 参考文献とあとがき
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3.8旅する魔女と、人々との絆。 それは温かく、強く、優しい―― 魔女や魔法使いが存在するこの世界に、紅という名の魔女がいた。 紅は祈りとともに小さな奇跡を起こし、永い命を少し削っては大きな魔法を使う。 旅先で出会った母子を癒やし、夫を喪った妻の次の一歩への背中を押し、家出娘たちの門出に祝福を与え――その交流の中で紅も探すのだ。自らの「生きる意味」というものを。 そしてまた、魔女は旅を続ける。傍らに「小さな奇跡」を携えて……。 最後はきっと、泣いてしまう―― ヒューマンドラマの俊英・沖田円が紡ぐ、最高に切なく温かい4つの感涙ストーリー!
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4.0ふたつの時代をカレーがつなぐ 心にしみる“からうま”な物語 偏屈な祖父と二人で暮らすことになってしまった孫息子・桐矢。 昭和の高度成長期にレトルトカレーの営業マンとして働き、カレーを囲む時間だけは打ち解ける祖父が、半世紀の間、抱えてきた秘密とは――。 生きることのままならなさと愛おしさを描く、スパイシーな味わいの傑作小説。 【感動の声、続々!】 「ひとの持つどうしようもなさ、そこから生まれる愛おしさ。味わい深く余韻ある作品!」 ――町田そのこさん 「あの時代を生きてきた祖父と、この時代を生きている僕。どうしようもない噛み合わなさと、どう向き合うか。 いま必要なテーマをじっくり煮込んだ、これぞテラチ風味の極うま長篇」 ――瀧井朝世さん 「時を追って進む回想は、それまでただの頑固ジジイだった義景の人物像を、立体的に生々しく浮き上がらせてみせる。 なぜ自分の考えを押しつけるのか、なぜカレーを食べている時だけは幸せそうなのか、なぜ強いことを無条件に善だと考えるのか。 理不尽にも見えた義景の言動が、一人の人間の生きた証として胸に迫ってくるのだ」 ――北大路公子さん(解説より)
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-新シリーズ創刊!最注目の歌人10名による書き下ろしの新作短歌アンソロジー歌集。 榊原紘 伊藤紺 千種創一 柴田葵 堂園昌彦 谷川電話 吉田恭大 菊竹胡乃美 宇都宮敦 初谷むい 【収録作品】 榊原紘「Classic」 伊藤紺「雪の匂い」 千種創一「White Train」 柴田葵「おさしみ」 堂園昌彦「春は水さえとろけさせる」 谷川電話「夢を縫う、たき火を保つ」 吉田恭大「フェイルセーフ」 菊竹胡乃美「火のぬいぐるみ」 宇都宮敦「羊毛期の到来(ウール、ウール、ウール)」 初谷むい「天国紀行」 【目次】 榊原紘 Classic 伊藤紺 雪の匂い 千種創一 White Train 柴田葵 おさしみ 堂園昌彦 春は水さえとろけさせる 谷川電話 夢を縫う、たき火を保つ 𠮷田恭大 フェイルセーフ 菊竹胡乃美 火のぬいぐるみ 宇都宮敦 羊毛期の到来(ウール、ウール、ウール) 初谷むい 天国紀行 執筆者プロフィール 【著者】 榊原紘 1992年愛知県生まれ。奈良県在住。第2回笹井宏之賞大賞受賞。2020年、第一歌集『悪友』刊行。ゆにここオンラインカルチャースクールで「推しと短歌」の講師を務める。短詩集団「砕氷船」の一員。 伊藤紺 歌人。1993年生まれ。横浜在住。著書に歌集『肌に流れる透明な気持ち』『満ちる腕』(いずれも短歌研究社)、ミニ歌集『hologram』(CPcenter)。 千種創一 1988年愛知県生まれ。2015年、『砂丘律』。2016年、日本歌人クラブ新人賞、日本一行詩大賞新人賞。2020年、『千夜曳獏』。2021年、現代詩「ユリイカの新人」に選出。2022年、『イギ』、ちくま文庫版『砂丘律』。 柴田葵 歌人、ライター。第2回石井僚一短歌賞次席。第1回笹井宏之賞大賞受賞により、第一歌集『母の愛、僕のラブ』(書肆侃侃房)を出版。東京都在住。身長164センチ。 堂園昌彦 1983年東京都生まれ。早稲田短歌会を経て、現在、短歌同人誌「pool」所属。2013年、第一歌集『やがて秋茄子へと到る』(港の人)刊行。ブログに歌書紹介サイト「短歌のピーナツ」。 谷川電話 1986年愛知県生まれ。2014年、角川短歌賞を受賞。歌集に『恋人不死身説』(2017年、書肆侃侃房)、『深呼吸広場』(2022年、書肆侃侃房)。 吉田恭大 1989年鳥取県生まれ。「塔短歌会」「早稲田短歌会」で短歌を学ぶ。2019年第一歌集『光と私語』(いぬのせなか座)を刊行。同年より詩歌の一箱書店「うたとポルスカ」を運営。 菊竹胡乃美 1995年福岡県生まれ。2015年から短歌を始める。第一歌集『心は胸のふくらみの中』(書肆侃侃房、2023年)。 宇都宮敦 1974年千葉県生まれ。歌集『ピクニック』(2018年、現代短歌社)。ブログ「Waiting for Tuesday」(https://blog.goo.ne.jp/utsuno)。 初谷むい 1996年生まれ、札幌市在住。第一歌集『花は泡、そこにいたって会いたいよ』(書肆侃侃房、2018年)、第二歌集『わたしの嫌いな桃源郷』(書肆侃侃房、2022年)。
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5.0マッチングアプリで 出会った素敵な彼女は…… 呼吸をするように 嘘をつく女たち。 地獄に堕ちた男たちの逆襲! 頂き女子狩り-- 恋愛弱者たちの逆襲 中年男3人は、怒りと絶望を抱えながら、酒を呑んでいた。 彼らの共通点は、女に騙され、すべてを失ったこと。 頂き女子--呼吸をするように嘘をつき、 恋愛感情や同情心を抱かせ、 SNSやマッチングアプリで 出会った男から金を巻き上げる。 3人はその被害者なのだ。 男たちは、頂き女子への復讐を企てる。 女を攫い、その後……。欲望の果ての結末とは!? 【目次】 プロローグ 第一章 妖花 第二章 蠱惑 第三章 性悪 第四章 麗姿 第五章 純情 エピローグ
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3.9本作は、私・三浦晴海が、急死した大叔父の日記に記された奇妙な単語を調べた際に、実体験したことをまとめた記録です。 作中の資料もすべて、現地に足を運び、時には人の力を借りながら集めました。 しかし残念ながら共に調べてくれた、 大学時代の友人も、快活な大叔父の同級生も、高名な学者の先生も、 全員もうこの世にはいません。 それでも、皆様にはぜひ知ってほしいのです。 私がたどり着いた真相を。「あしか汁」とは何なのかを。 そしてなぜ、こうして「あしか汁」の正体を語ろうと思ったのかを。 私の一生が台無しになった理由を、 どうか無関係と思いながら楽しんでお読みいただければ幸いです。 巻末には、「あしか汁」を調べた元編集者が遺した 最期の日記を掲載しています。
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3.4話、聞いてもらえます? 全国各地の酒場の片隅でふと語られる、ちょっと不思議で不穏な話。 酒を片手にした謎解きの果てに見えてくるものとは── ・老舗の居酒屋を譲られた三代目が、 二代目から提示された奇妙な条件とは?(「跡継ぎの条件」) ・オカルト方面の才能がまったくないい男が、 ある飲み屋街で受けた「お告げ」。(「夜のお告げ」) ・「鈴が鳴ったら、風を除けろ」。 ユタ家系の親戚に渡された鈴が、ある朝、鳴った。(「風を除ける」) ・フェーン現象が起きる時には、 戸を開けちゃいけないと祖母が言う。「入ってくるから」(「曇天の店」) 著者が全国の居酒屋からインスパイアされた「居酒屋ホラー」13編+α! あらゆるタイプの「怖さ」をお楽しみください。 ※本作に収録されている13編+αのうち、「跡継ぎの条件」「昭和94年の横丁」「曇天の店」は、それぞれ2019年に電子書籍として配信した短編「跡継ぎの条件」「昭和94年の横丁」「曇天の店」と同じ作品です。ご了承のほど、お願いいたします。
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4.3江戸も令和も、国家の命運は米価で決す! 世界初の先物取引所で繰り広げられる、享保の知られざる米騒動――大坂商人vs.将軍吉宗。究極の頭脳戦の行方はいかに!? 時は江戸時代、天下の台所――大坂堂島には全国から米が集まり、日々、値が付けられ膨大な取引がされていた。特に盛んだったのが、先々の米価を扱う先物取引(デリバティブ)。商人たちは紙と筆と頭脳を用い、利鞘の多寡で泣いたり笑ったり。 一方の江戸では、将軍吉宗はじめ、幕閣たちは忸怩たる思いを抱いていた。米価の変動はすなわち武士の年貢収入の変動であり、あろうことか、それらを商人たちが汗もかかず、意のままに決めている。そんな不実の商いは許すまじ、と堂島を支配すべく動き出すのだが……。 市場の自治を守らんとする大坂商人たちと、武士の誇り(とお金)を懸けた江戸幕府との究極の頭脳戦!
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-井戸で発見された溺死体のお腹から取り出された胎児。彼には大地の「水脈を聴く」能力が宿っていた──。 ひどい頭痛に悩まされるマリアムは井戸の深淵からの「おいで、おいで」という囁きに導かれ、ついには溺死体として発見される。しかし、その体には胎児が宿っていた。無事(サーレム)に救われたことでサーレムと名付けられた息子は、耳を澄ませると地中を流れる水の音が聴こえるようになる。その噂はあっという間に広がり、避けられ孤立するようになるが、水源を探し当て村を襲った干ばつから救うことで必要とされるようになる。その評判は遠方まで轟き、15歳の少年は「水追い師」として各地で引く手あまたになるのだが──。 アラビア半島に位置し、雨のほとんど降らない小国オマーン。地下水路(ファラジュ)による独自の灌漑システムは、峻険な岩山や荒涼とした砂漠の地を潤してきた。『バグダードのフランケンシュタイン』などが過去に受賞したアラビア語圏最高の文学賞「アラブ小説国際賞」に輝いた、水をめぐる傑作長編。 「気候変動や水資源の枯渇が世界的な課題となっている今日、この小説が描く「水に囚われる人間の姿」は、過去の物語ではなく、今まさに現代社会が直面する現実の縮図として読み解くことができる」(本書解説より) 【目次】 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 第七章 第八章 第九章 第十章 第十一章 エピローグ 解説 訳者あとがき 【著者】 ザフラーン・アルカースィミー(Zahran Alqasmi) 1974年オマーン生まれの小説家・詩人。これまでに4冊の小説と10冊の詩集を刊行している。4作目となる『水脈を聴く男』(2022年)が、2023年度のアラブ小説国際賞(International Prize for Arabic Fiction)を受賞し、一躍注目を集める。 ⼭本薫 慶應義塾⼤学総合政策学部准教授。東京外国語⼤学外国語学部アラビア語学科卒業、東京外国語⼤学博⼠(⽂学)。専⾨はアラブ⽂学。訳書にエミール・ハビービー『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』(作品社、2006年)、アダニーヤ・シブリー『とるに⾜りない細部』(河出書房新社、2024年)など。 マイサラ・アフィーフィー(Maisara Afifi) エジプト出⾝。カイロ⼤学卒業後、1996年に来⽇。通訳者として働きながら、平野啓⼀郎『⽇蝕』、村上春樹『騎⼠団⻑殺し』ほか、森鴎外、太宰治、三島由紀夫らの⽇本語⼩説をこれまでに約20冊、アラビア語に翻訳している。
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-武田麟太郎の斡旋で1934年(昭和9年)に刊行された連作集の『路草』と三人称客観描写の中篇「朽花」を中心に据えた作品集として1937年(昭和12年)に刊行された『朽花』は、川崎長太郎が東京で文壇に連なって作家として生きていた時期の単行本。 この2冊から「初期名作集」として新たに構成したのが本書である。 単行本『路草』収録の5篇から、のちに作家本人によって、冒頭に置かれた「その一 飛沫」が割愛され、「その一 穽」「その二 隻脚」「その三 泥」「その四 路草」という四章立ての連作「路草」となっている。 「路草」は、カフェの女給である民枝と作家本人に近い存在である主人公のもつれた関係の転変、そして悲痛な破局を緊迫感あふれる筆致で描いている。 また、「朽花」は、徳田秋声の息子である徳田一穂が私娼街・玉の井の娼婦を足抜けさせようとして孤軍奮闘するさまを三人称で描く、いわばモデル小説である。 本書では、タイプの異なる2篇を収録することで、可能性を秘めた若い作家だった川崎長太郎の初期の姿を、コンパクトでありながら鮮やかな形で1冊の文庫本に収めることをめざした。 講談社文芸文庫版として著者の歿後40年の節目に刊行するにあたり、「路草」に関連して単行本に収録されながら後に割愛された「飛沫」を、「朽花」について著者が書いた短いエッセイを、それぞれ参考資料として収録することで、川崎長太郎や私小説の愛好家向けに工夫をこらしている。
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-本物の「伏線回収」と「どんでん返し」をお見せしましょう!〈無料お試し版〉 山奥で、顔を潰され、歯を抜かれ、手首から先を切り落とされた死体が発見された。不審者の目撃情報があるにもかかわらず、警察の対応が不十分だという投書がなされた直後、上層部がピリピリしている最中の出来事だった。 事件報道後、生活安全課に一人の小学生が訪れ、死体は「自分のお父さんかもしれない」と言う。彼の父親は十年前に行方不明となり、失踪宣告を受けていた。 無関係に見えた出来事が絡み合い、現在と過去を飲み込んで、事件は思いがけない方向へ膨らみ始める。 試し読みでは異例の長さ、全体の1/3に及ぶ序盤の100ページ弱(底本換算)を太っ腹にも無料配信! 【著者紹介】 櫻田智也(さくらだ・ともや) 1977年生まれ。北海道出身。2013年、昆虫好きの青年・エリ沢泉(えりさわせん。「エリ」は「魚」偏に「入」)を主人公とした「サーチライトと誘蛾灯」で第10回ミステリーズ!新人賞を受賞しデビュー。2017年に、受賞作を表題作とした連作短編集が刊行された。2021年には、エリ沢泉シリーズの2冊目『蝉かえる』で、第74回日本推理作家協会賞と第21回本格ミステリ大賞をW受賞。他著に、『六色の蛹』(いずれも、東京創元社刊)がある。 本書は、初の長編となる。
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-高校生の檸檬は、真夏のひまわり畑で小さな木彫りの蟹を拾う。可愛くて持ち歩いていると突然、蟹が喋りだし――!? 以来、ピンチの時は蟹が助けてくれたり、檸檬が無意識に知らない男性の絵を描いたりと、不思議なことばかりが巻き起こる。奇妙な日々に戸惑いながらも、檸檬はこの木彫りの蟹に、戦時下の昭和20年を生きた特攻兵の魂が宿っていることに気づく。そして蟹を通じて、悲惨な戦争の時代に、わずかな時間でも恋をして生きたいと願った若者たちがいたことを知る。平和な時代を生きる私たちに「大切なもの」を気づかせてくれる青春ファンタジー。
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4.3妻の親友の家に招かれた僕。バーベキューを楽しんでいると急に離婚裁判が始まり……怖すぎるのに笑えてくる〈ブラック綿矢りさ〉全開! 心に潜む「明るすぎる闇」に迫る全4作収録。解説=ふかわりょう 悪いのは不倫した「僕」だってもちろんわかってます。でも……。胸の奥でざわつく本音がスパークする表題作「嫌いなら呼ぶなよ」。プチ整形を明かしたら職場で執拗にいじられた「私」。吹っ切れて一発逆転を狙ったら、まさかの大成功?(「眼帯のミニーマウス」)。いっそ開き直って人生のリミッターごと外せ! 心に潜む「明るすぎる闇」に迫る全4作収録。パンクな毒が炸裂する、綿矢りさの真骨頂。
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-2022年NO.1ホラー映画『カラダ探し』公式ノベライズ! 「私のカラダ、探して」――幼い少女からの不穏なひと言とともに、明日香の高校生活は一変した。午前0時、明日香は気づくと、高広たちクラスメイトとともに学校にいて、バラバラにされた少女のカラダを探すことに。しかし全身が血で染まった“赤い人”に惨殺されてしまう。カラダをすべて見つけないと、その日は繰り返され、何度も殺される。はたして明日香たちは死のループから抜け出すことができるのか――。死んでも死んでも殺される、超刺激的ループ型ホラー!!
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-2025年9月5日公開の映画『カラダ探し THE LAST NIGHT』公式ノベライズ! 午前0時に学校に集められ、バラバラになったカラダを見つけ出すまで同じ日を繰り返す「カラダ探し」。 “赤い人”に何度も殺されながらも、明日香たち6人の高校生はカラダ探しを終わらせたが、その直後、明日香の存在がこの世から消えてしまった……。「カラダ探しを終わらせれば明日が訪れる。だが、最後の一人になるな」――今作では真夜中の遊園地を舞台に、呪いの連鎖が引き起こされる! 22年NO.1ホラー映画『カラダ探し』に続く、待望の最新作!!
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4.3今、最も泣ける恋愛小説、待望の文庫化! 『桜の花びら集めてみませんか?』 大学四年生の春、就職試験に全滅した日向(ひなた)は、友人から不思議なアルバイトを紹介される。怪しいと思いつつも、彼はそこで出逢った依頼主・雫(しずく)に一目惚れをする。彼女がくれた「ありがとう」という言葉は、希望をなくしていた日向の心を鮮やかな色に染めた。自分も誰かに「ありがとう」と言われる仕事がしたい。彼女に振り向いてもらいたい。その思いを胸に、日向は新たな一歩を踏み出した。 しかし雫には、大きな大きな秘密があった……。 「本当のわたしを知ったら、きっと好きじゃいられないよ。わたしね、一年でたった七日間しか起きていられないの」 雫は一年のほとんどを眠り続けるという不思議な体質の持ち主だったのだ。彼女に逢えるのは夏のほんの一週間だけ。その事実に動揺を隠せない日向。 夢の中じゃメールも電話もできない。逢いたくても逢えない。声だって聞くこともできないんだ。そんな女の子と恋なんて絶対にできっこない。 この恋は、夢と現実の遠距離恋愛なんだ……。 どんな国よりずっと遠くて、どんな時差よりずっと永い、 究極の遠距離恋愛の物語――。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『ひまわりは恋の形』 の文庫版となります。
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4.0修道院から元夫が行方をくらましたことが判明した。もしかしたらアガサと離婚した理由すら嘘だったのかも? すっかり男性というものに失望したアガサは、村に若い副牧師が赴任してきたというのに珍しく無関心でいた。いっぽう天使のようなイケメンの副牧師とあって、村の女性たちが放っておくわけがなく、日曜の教会は超満員に。そんな副牧師からじきじきにディナーへ招かれたアガサはすっかり自尊心をくすぐられ、いつもの調子を取り戻した。しかしお酒が進むにつれて、聖職者らしからぬ彼の腹黒さが見え隠れするように。そして翌朝、牧師館の書斎で彼が遺体となって発見され……!?
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4.0伝説のミステリー作家、入魂の現代長編! 初老の介護士・三谷孝は、対人関係能力、調整力、空間認識力、記憶力に極めて秀でており、誰もが匙を投げた認知症患者の心を次々と開いてきた。ギフテッドであり、内閣情報調査室に協力する顔を持つ三谷に惹かれたのが、ハーバード大卒のIT起業家・大河内牟禮で、二人の不思議な交流が始まる。大河内が経営するベンチャー企業は、義母・尾上鈴子がオーナーを務める東輝グループの傘下にある。尾上家との軛を断ち切り、グローバル企業を立ち上げたい牟禮の前に、莫大な富を持ち90代にして権勢をふるう鈴子が立ちはだかる。牟禮をサポートする三谷も、金と欲に塗れた抗争に巻き込まれてゆく。 伝説のミステリー作家、19年ぶりの現代長編! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『負けくらべ』 の文庫版となります。
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-謎の美少女刑事が救いようのない悪を壊滅! ある事件がきっかけで、東京都区内の警察官で最も無気力になったと言われている、北杉並警察署生活安全課の片山修也巡査部長32歳。 その片山に予想外の辞令が下った。 新たな配属先は、かつて耳にしたことのない、警視庁総務部第八別室。 訝しみつつも早速、第八別室へ顔を出した片山の目に入ってきたのは、想像を絶するふたりの人物だった。 警視庁の裏金を横領、12億円もホステスに貢ぎ、“ミスター総務”とまで呼ばれた50代後半のキャリア組エリート、露骨なカツラで装う美波晃一警視。 そして、7、8歳の小学生にしか見えない超絶美しい少女・八代ヒメ。 戸惑う片山は、警視正という信じがたい階級のヒメに早くも捜査に連れ出される。 しかも、現場に向かう捜査車両はただのパトカーではなく、超高級スポーツカーだ。 ほどなく7階建てマンションに到着したふたり。 片山はヒメに命じられ、屋上まで大型楽器ケースを担ぎ上げた直後、信じられないものを眼前にする。 それは、軍用狙撃ライフルを構えるヒメの姿であった! 美少女刑事とイケメンやさぐれ刑事のバディが徹底的に悪党どもを叩きのめす、痛快ポリス・アクション! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『小学生刑事』 の文庫版となります。
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5.0新ジャンルを生んだ話題の警察小説、文庫化! この新人がデビューしたら私の立場が危なくなるんじゃないか、と思うくらい評価した。 ──今野 敏氏 異色の警察小説ながら、元警察官の私も思わず「あるある!」と感じるリアリティな描写が光る作品です。魅力ある登場人物たちが織りなす緊迫のドラマ、ぜひご覧ください! ──販売担当N 憧れの警察官に転職した元競輪選手の桐嶋千隼は、ある日、バイクの自損事故現場で轢き逃げに遭ってしまう。病院で目を覚ますと、バイクに乗っていた少年は死亡していた上、桐嶋はその責任を巡る 訴訟を起こされていた。途方に暮れる桐嶋を訪れたのは、弁護士資格を持つ異色の巡査長・荒城──通称「県警の守護神」だった。真実よりも勝利を求めるやり方に反発するも、訴訟に巻き込まれていく桐嶋。さらに調査を進めるうち、訴訟は同日に起きていた警察官発砲事案にも繋がっていき……。 警察官を護り、国民を護る。警察×民事訴訟、小説界に新風が吹く! 第二回警察小説新人賞受賞作。堂場瞬一氏との特別対談も収録。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『県警の守護神 ~警務部監察課訟務係~』 の文庫版となります。
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3.5正義を見破れ! 全編どんでん返しミステリ集 一億総”正義の暴走族”時代を生きる 今日もスマホを握りしめ怒っている 「正義系」の私たちのための 常識大逆転ミステリ。 『同姓同名』『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』の著者最新作も話題作! 今日もどこかで誰かが絶賛炎上中。 「暴露系」ーー俺があいつの悪事を晒してやる。 「報道加害」ーー夫を殺した毒婦のネタを掴んだ。 「エスカレート」ーー私が殺されたらどうするんですか! 「誤認逮捕」ーー現場にはいつもヤツがいる。 「再犯」ーー犯人は「厚生」できるのか。 「死刑反対」ーー法の下、人を殺すなんて何事だ
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-東京から安曇野に移住して16年。元『装苑』編集長、初のエッセイ 第2の人生を自分らしく楽しむ、シンプルで心地よい暮らしとおしゃれの工夫 60代で長野県安曇野市に移住し、第2の人生をスタートさせた元『装苑』編集長、德田民子さん。移住のきっかけは、夫婦で訪れたドライブで眼前に広がる美しい北アルプスの風景だった。たくさんのものを手放し、暮らしをリセットする中で気づいたのは“シンプルって、心地いい”ということ。 移住から16年。四季のはっきりした安曇野での暮らしやおしゃれの工夫、毎日をごきげんに過ごす秘訣など、80歳を迎えた德田さんの心豊かな日々をご紹介します。 第1章 安曇野で始めたセカンドライフ 第2章 シンプルで心地よい暮らしのマイルール 第3章 おしゃれこそ元気の素 第4章 四季を楽しむ家しごと 第5章 毎日をごきげんに過ごしたい
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4.0「教場」映画プロジェクト原作!最新刊! 第一話 会意のトンネル 郷村秀初は、体格に優れた14歳年上の同期、岩国禾刀に何かと助けられていた。岩国は、郷村の母の中学時代の後輩だという。 第二話 不作為の鏡 成瀬幹人は、醜形恐怖症のため、一度鏡を見てしまうと離れられなくなる。招集に遅れることも多く、連帯責任を取らされる同班の若浦と宝条から苦情を言われていた。 第三話 遺恨の経路 木下百葉は、同じ教場の真鍋辰貴と交際している。真鍋は一月前まで同期の洞口亜早紀と付き合っていた。真鍋と百葉はクリスマスに会う約束をしているが、その前に犯罪捜査のペーパーテストがある。 第四話 犯意の影法師 南郷玲司と来栖研心は「警察学校生研究発表会」の予選にT県警代表として出場することになった。全国大会に進めれば卒配後はAランクの署に配属される。 第五話 黒白の極性 細沼理仁は、パチンコに大ハマりして同期に借金までしてしまった。軍資金を吐き出した土曜、ひったくり事件に遭遇する。 第六話 金盞花の迷い 卒業式が近づき警察学校では総代争いが激化していた。追掛冬和子はそのトップを走っているが、ライバルで新聞ベタ記事マニアの戌塚に図書室へ呼び出される。 (底本 2025年8月発売作品)
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3.0――これまでの歳月を振り返ってみると、竹向殿と私(足利尊氏)とは、奇縁で結ばれているものですね。後の北朝初代・光厳帝の典侍を務めた日野名子〈ひのなかこ〉は、関東申次として権勢をふるった西園寺家の若き当主・公宗の正室となる。だが彼女の栄光の日々は、後醍醐院の謀略と足利尊氏の裏切りにより、あっけなく失われることに。そしてそれは、数多の武家と公家、皇族が互いに争い合う、混沌の時代の幕開けだった――。度重なる戦乱に人生をかき乱され続けた彼女が最後に見抜いた、尊氏の抱える「秘密」とは。名子が著した、最後の宮廷女流日記文学として名高い『竹むきが記』を下敷きに、激動の室町幕府揺籃期を活写する歴史長編。
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-イギリス最古の文学賞 ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞 受賞作品 刮目せよ、これは暴動と叛乱の文学である。 グレート・ブリテン、84年――大英帝国は内戦の瀬戸際にあった。 1984年。サッチャー首相率いるイギリス政府は一方的に炭鉱の閉鎖を決定した。これにより失職する労働者は二万人。これは宣戦布告だった。 炭鉱労働者の組合NUMのトップ、アーサー・スカーギルは告げた―― 我らの生活を守るため、ストライキを実行せよと。 だがストライキは収入の途絶を意味する。困窮する労働者たちのために、組合の中枢にいあるテリー・ウィンターズは奔走する。だがウィンターズには秘密があった。彼は同志を裏切っていたのだ。 ニール・フォンテインは始末屋だ。サッチャーの意をうけてストを潰すために暗躍する〈ユダヤ人〉の腹心だ。ニールは権力者たちの密談に耳を傾け、権力と手を組んで、労働者たちを潰してゆく。 〈修理工〉ことデイヴィッド・ジョンソンは雇われの暴力者だ。だがお偉方の腰巾着どもが卑劣な手段で彼を脅し、スト潰しの汚れ仕事を強制する。 そして政治と警察と労働運動の策謀が衝突し、軋みを上げる中、ストライキに身を捧げる労働者たちは困窮してゆく――盗聴器がカチ・カチと音を立て、警官たちがガチャ・ガチャと装備を鳴らし、労働者たちを追いつめる。棍棒を振り下ろす。国家が監視し、脅迫し、暴力をふるい、叛乱の芽を踏みにじる。現代犯罪文学の旗手デイヴィッド・ピースが国家の暴力を描き尽くす。
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-月刊「潮」2025年9月号 主な内容 【特別企画】 角度を変えて見る「世界」 イスラエル・イラン対立の深層と中東情勢の行方。 田中浩一郎 日本に脱出する中国新移民をめぐるファクトとフェイク。 舛友雄大 あえて今ナポレオンに学ぶポピュリズムの本質。 藤原翔太 「健康情報」のウソホント――忍び寄るニセ科学にだまされない! 左巻健男 【連載】 ニッポンの問題点 「三一〇万人の女性」が日本の働き方を変えていく。 矢田稚子 VS 田原総一朗 【特集】 未来へつなぐ「戦争と平和」 戦争が終わったのは私の十七歳の誕生日でした。 高橋光子 ≪連載≫ 高島礼子の歴史と美を訪ねて 少女たちを「加害者」にした風船爆弾の悲劇。 松村克弥 VS 高島礼子 ≪ルポ≫ もの言わぬ“被爆樹木”が語りかける平和へのメッセージ。 南部健人 【連載ドキュメンタリー企画】 民衆こそ王者 池田大作とその時代 「火宅を出ずる道」篇 (1) 【特集】 円満な人間関係の「秘訣」 役職者はつらいよ――管理職を罰ゲームにしない方法。 奥田和広 “対話のプロ”が伝授!相手の本音を引き出す3つのステップ。 中田豊一 【人間探訪】 南 佳孝 何歳になっても勉強するのは生きる歯車を回し続けてくれる。 【対談】 榎木和貴 VS 神野大地 箱根から「世界」を狙う人材を!――指導者の喜びと葛藤。 【対談】出口治明 VS 塚本青史 故事成語には人生をポジティブにしてくれる力がある。 【対談】原 武史 VS 與那覇 潤 加藤典洋と江藤淳から読み直す「戦後史」。 【好評連載】 鎌田實の「ガラスの天井」を破る女性たち 鎌田 實 ゲスト・藤田千代子/中国「世界遺産」――都市や名所に刻まれた歴史を辿る 塚本青史/その他 その他
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3.6最旬ホラー作家が勢ぞろい! 暗がりから溢れ出し、人を呑み込む〈怪異〉。現代最高峰のホラー作家たちが生み落としたソレはあなたに一生つきまとう――。 背筋×ハイファッションの呪縛、澤村伊智×深夜の客人、梨×「恐怖症」売りの女、コウイチ×地方ロケ、はやせ&クダマツ×怖すぎる心霊物件、栗原ちひろ×セレブ一家の闇…… 究極の6ストーリーズ 【目次】 ○背筋「オシャレ大好き」 ○澤村伊智「鶏」 ○コウイチ「金曜日のミッドナイト」 ○はやせやすひろ×クダマツヒロシ「警察が認めた〈最恐心霊物件〉」 ○栗原ちひろ「余った家」 ○梨「恐怖症店」※ ※本書に収録されている「恐怖症店」(梨)は、2025年7月4日に電子書籍オリジナルとして配信された『恐怖症店』と同じ作品です。
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4.3「いらっしゃいませ。喫茶ガクブチへようこそ!」 東京・高円寺の街角――〈あなたの思い出買い取ります〉と書かれたド派手な看板と、元気な掛け声に吸い寄せられるように入ったカフェは、壁が大小様々な額で覆われていた。 中には靴紐や映画の半券、玩具など“誰かの思い出の品”らしきもの……? そこは、父親の跡を継いだ美咲兄妹が切り盛りする額縁店。寂れた店を復活させようと、妹の真日留は一階をカフェに大改造。兄の伸也はお客さんから持ち込まれた”思い出の品“を額装。額は客が大切に持ち帰ることもあれば、カフェの壁に飾られ、別の誰かが買っていくこともある。 店を訪れるのは、〈かつて世界中を旅し、いまは親の介護に明け暮れる多喜子〉〈カメラが趣味だった夫の遺言で、個展を開こうとしている郁恵〉〈無職の夫へのイライラが止らない梨々花〉〈大切なUFOの玩具を手にした、結婚を控える一直〉〈隣りの”おじいちゃん”の絵を持ってきた中学生の蒼空〉……。 生まれ変わった思い出が、傷ついた心と体を癒し、いつしか新しい出会いに繋がっていく。 『人生写真館の奇跡』『天国からの宅配便』著者が贈る、とっておきのハートウォーミング・ストーリー。文庫書き下ろし。
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3.7シリーズ累計180万部突破! 暗殺者の標的はコンサート会場に! 流れるのは憎しみの血か感動の涙か。 石塚真一さん(漫画家/『BLUE GIANT』) 音楽と人生の接点のドラマ、それ自体が音楽みたい……。 怒涛のラストはジャズのソロのようだった。 菊池亮太さん(ピアニスト・作曲/編曲家・YouTubeクリエイター) 想いは人種-ジャンル-を超え、重なり合う旋律となる。 それぞれの人生が交差する展開はセッションのよう。 【著者について】 中山七里 なかやま・しちり。一九六一年、岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』にて第八回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞を受賞し二〇一〇年デビュー。ほかの著書に『いまこそガーシュウィン』『連続殺人鬼カエル男』『総理にされた男』『護られなかった者たちへ』『境界線』(以上、宝島社)、『能面検事』(光文社)『氏家京太郎、奔る』(双葉社)、『棘の家』(KADOKAWA)、『ヒポクラテスの困惑』(祥伝社)、『作家刑事毒島毒島の暴言』(幻冬舎)、『彷徨う者たち』(NHK出版)など多数。
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3.5※猫が怖い思いをする作品は、一つもございません! 猫×ホラーの書き下ろしショートショート集! 愛猫の死後、起きるようになった不思議なこととは(三津田信三「白猫と黒猫」)。 彼女の家の中に、まさか元カノの飼い猫が?(岡崎琢磨「瞳孔」) 社畜の私が、飼い猫と入れ替わった!?(上條一輝「かわりばんこ」) その女は猫を飼っていた“はず”だった(澤村伊智「りこしゃん」)。 祖母の頼みを聞いた私に、その猫はひどく怒って……(神永学「猫の箱」)。 猫の可愛さと怪異の恐怖にひれ伏す、猫×ホラー25作品!! ●執筆陣 岩井志麻子、岡崎琢磨、小田雅久仁、尾八原ジュージ、伽古屋圭市、柏てん、上條一輝、神永学、北原尚彦、貴戸湊太、久真瀬敏也、香坂鮪、佐藤青南、澤村伊智、斜線堂有紀、高里椎奈、高野結史、高橋由太、土屋うさぎ、塔山郁、猫森夏希、林由美子、松下龍之介、三日市零、三津田信三
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3.3新興宗教の教祖をしていた姉が失踪した―― 現役新聞記者が描く、二転三転するサスペンスミステリー (あらすじ) 「わたしは解脱した。探さないでほしい」 新興宗教の教祖だった姉が失踪した。刑事志望のすばるは、教団から次期教祖になるよう迫られ、姉の捜索を開始。同じ頃、殺し屋を名乗る少女いよに出会う。彼女は「親友を殺したカルト教団に復讐する」ため捜索を手伝うという。密室で変死した両親、姉の失踪、いよの親友の不審死、次々と電車に飛び込む信徒たち……。二人は教団の闇に迫っていく! 【著者について】 上田春雨 1986年、北海道生まれ。筑波大学社会学類卒業。現在は記者として新聞社に勤務。第22回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として『呪詛を受信しました』(宝島社文庫)で2024年にデビュー。
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3.5お七の祖父が営む「くじゃく屋」は美しい石を使った小間物で密かな人気を集めてきた。だが祖父の死後、借金が発覚。取り立てにきたのは仇敵の大店・甲州屋で、返済できなければ妾になれという。八方塞ふさがりのお七に手を差し伸べたのは「遊び人の金さん」と呼ばれる美丈夫の浪人だった。知識を活かし、西洋渡りの石を探しているという金さんの手助けをすることになるお七だが――。心あたたまる人情時代小説。
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3.8「お客さんに言われたんですよ。盛り塩した方がいいよ。ここ、なんかいるからって」 小説家・岡崎隼人は最新作『だから殺し屋は小説を書けない。』を出版したことをきっかけに、書店員とよく話すようになった。ある日、地元・岡山市の新刊書店を訪れると、店長が盛り塩をしているのを目撃する。数週間後、岡崎は別の書店でサイン会を開くことになったが、そこでも奇妙な体験談が寄せられていることに気づく。 新作が思うように書けず焦っていた岡崎は、担当編集の菱川と話し合い、書店にまつわる怪談を集め、モキュメンタリー調に書き直したホラー小説にすることを思いつく。怪談は続々と集まり、順調に執筆は進んでいたが、寄せられた怪談には共通点があることに気づく。岡崎と菱川は、その共通点を探るため、さらなるネタ探しに乗り出すが、次第に恐ろしい真実に近づいていく。
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3.8近畿地方のベッドタウン・水倉地区で起きた薬物事件。バニッシュと呼ばれるペーパーアシッド、最初の被害者は小学生だった。 県では薬物撲滅キャンペーンが展開され、イメージキャラクターとして俳優・師道一正が選ばれた。クリーンなイメージで俳優としても超一流、人を魅了することに長けた彼は、探偵としての能力も発揮。県警の義永誠刑事に協力して、事件の恐るべき真相を看破した。 事件解決の名声も手伝って師道は国会議員となり、水倉を地元として帰ってくる。そして囁かれはじめる黒い噂。 事件解決の熱狂の最中にも師道に違和感を持っていた支倉彼方と義永刑事の娘・真理子は、師道の真実に迫ろうと仲間を集め、位置情報アプリ「MK2」を使って水倉丘陵に隠されているはずの秘密を調べ始める。 そして誘拐事件は起こった。 二転三転する物語と手に汗握る知的攻防。善とは悪とは? 『スイッチ 悪意の実験』『伯爵と三つの棺』の潮谷験が贈る、傑作ジェットコースターミステリー!
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-「私は決して外さない」 1917年、ロシア革命。1941年、独ソ戦。 激動の時代を生きたふたりの女の「信念」の物語。 1917年、革命下のモスクワ。十余年政治犯として収監されていた社会革命党(エス・エル)の活動家にして狙撃者・スウェトラーナは恩赦による釈放後、おじが率いているエス・エルの戦闘団の元に親友ファーニャとともに向かうが、アジトの様子は一変していた。スウェータの収監中におじは暗殺されており、かつての恋人にして新たなリーダーとなったカジミールや仲間からは裏切りを疑われる始末。苦悩に揺れるスウェータは潔白を証明すべく、おじの仇たるボリシェヴィキ方の暗殺者・オルロワを追う決意を固めるが……。 一方1941年、独ソ戦のさなか、一人の少女・ミラが包囲されたレニングラードから祖父母のもとへ疎開する。厳格な盲目の祖母との田舎での生活に戸惑うミラだったが、ある日、ドイツ軍の蛮行を目にし──ふたつの時代を結ぶ歴史巨編、ここに開幕。
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4.0------ 人は他人を完全に理解することなどできない。でも、あなたの傷が癒えるまで守ることはできる。 心のギプスを求めるあなたへの物語。 ――あさのあつこ 滑稽で醜い、むきだしの自分も、悪いものじゃない。 そう心から感じさせてくれる物語に、初めて会いました。 ――彩瀬まる ------ 間宮朔子はすべてをあきらめている。 「若い女の子」の役割をまっとうするだけの職場、善良だが気が合わない実家の家族、なにより、なんの魅力もとりえもない自分のことを。 無難にやり過ごしていた日常に飛び込んできたのは、中学の同級生・あさひの姉を名乗る女性だった。 あさひがいなくなったので一緒に捜してほしいという。 親友だったはずの彼女とは、ずっと連絡をとっていない。 裏切られて、早く忘れてしまいたいのに、ふと思い浮かべてしまう存在――それがあさひだ。
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-TikTokでバズを生み出し続け、Z世代の4人に1人が視聴しているショートドラマ『毎日はにかむ僕たちは。』が、待望の短編小説として書籍化。 映像で話題を呼んだ感動エピソードを小説家・こがらし輪音氏が再構成。そこにオリジナルストーリーも交差し、恋、友情、別れなど10~20代の繊細な感情を丁寧に描き出す、11の短いのに特別な物語。 SNS世代の圧倒的共感を呼ぶ、新感覚の青春小説集が誕生しました。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ◆この目録は二〇二五年四月までに刊行された河出文庫、KAWADE夢文庫のうち入手可能なものを掲載しました。 ◆書目によっては今後、品切れや定価が変更になる場合がございます。ご注意ください。 ◆価格は本体価格で表示しております。ご購入の際には別途消費税がかかりますので予めご了承ください。 ※掲載されているタイトルは二○二五年四月現在、書店で購入可能なものです。
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4.4無気力系【ソロキャンプ】女子 VS 殺人鬼【サイコパス】! 怪異より恐ろしい夜が始まる時、無気力系女子が覚醒する、新感覚サバイバルホラー! 【あらすじ】 社会に疲れてなるべく人と関わらず、平日は会社員、休日はソロキャンプを楽しむ斉藤ナツ。今日も山奥のキャンプ場で一人を満喫していると、暗がりで声をかけてきたのは、顔半分が無い女。幽霊っぽいけど興味無いし、癒し時間を邪魔されたくない。早くどっか行ってと願うが、始まった幽霊女の身の上話に付き合ううち、彼女は気づく。このキャンプ場、幽霊よりもヤバい奴【殺人鬼】がいる――。 怪異より恐ろしい夜が始まる時、無気力系女子が覚醒する、新感覚サバイバルホラー! 著者について ●山翠夏人 兵庫県生まれ。高校では文芸部に所属。同ペンネームで執筆を始める。趣味はキャンプと山歩き。好きが高じてキャンプインストラクター資格を取得。様々なキャンプ場を巡り、ついには実家の裏山にマイキャンプ場を作った。そこにカワセミが巣を作ったことが最大の自慢。本作にてデビュー。
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3.6自分を呼ぶのに「私」も「あたし」もしっくりこない妙子が出会ったのは、一人称からフリーな夏実(「小桜妙子をどう呼べばいい」)。ほか、恋愛、友情、くされ縁……名前をつけるのは難しい、でもとても大切な、女同士の関係を描く23篇。読後に世界の景色が変わる1冊。
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-主婦と生活社が今夏スタートさせる、 10代向けブルーライト文芸レーベル、「セツナイ青」シリーズ第1作品。 2025年6月に映画が公開される『青春ゲシュタルト崩壊』(佐藤新<IMP.>、渡邊美穂主演)の著者、 丸井とまとさんによる新たな書き下ろし作品。 共感必至、切なさ満載の連作恋愛短編小説を6話収録。 シリーズ第2作は、『きみが明日、この世界から消える前に』の20万部を超えるヒットで知られる、 此見えこさんによる超短編連作恋愛小説『それでも必死に、恋をしていた』を9月に発売予定。 シリーズ第3作は、『だから私は、今日も猫をかぶる』のヒットで知られる 水月つゆさんによる、長編純愛小説『鮮やかに、色を残して』を11月に発売予定。 <ストーリー概要> SNSで依頼を受ける「#インスタント恋愛」。 一回一万円という値段で、一部の女子高生たちの間で噂が広まっていた。 「ひとりが寂しいときや、彼氏が必要なときなど、様々な事情で活用できる手軽な恋愛ごっこをしませんか? 希望の設定や服装、髪型などを記載してインスタント恋愛公式アカウントのDMからご依頼ください。」――。 今まで誰とも付き合ったことのない高校三年生の葵は、 あるときSNSで見かけた「#インスタント恋愛」というタグが気になり、調べてみる。 所謂レンタル彼氏のようなものだとわかり、興味を抱いた葵は、おそるおそる依頼し、一週間後に会うことに。 果たしてやってきたのは、理想通りの黒髪好青年の白斗だった。 話し上手、聞き上手な白斗のリードによって葵も次第に心を開き、話が弾んでいく。 やがて葵になにか心に抱えているものがあることを察知した白斗に優しく問いかけられ、 葵は、思わずこれまで誰にも言えなかった恋の秘密を告白する――。 ――「#インスタント恋愛」に依頼してくる女子高生たちの恋の事情を、 レンタル彼氏の白斗が、優しく寄り添い、共感しながら、 彼女たちの恋愛の相談にのり、ともに解決に向かっていく全6話のオムニバスストーリー。 白斗が「#インスタント恋愛」を続けている理由とは? そこには白斗のある忘れ得ぬ思いが秘められていた。 全読者共感必至。切なく愛おしい恋の花束が詰まった極上恋愛青春ストーリー集。 <目次> プロローグ 一章 一日限りの恋 ―葵― 二章 恋の捨て方 ―伊予莉― 三章 恋は盲目 ―理香― 四章 ひび割れた恋 ―夏里菜― 五章 消えない恋心 ―凪沙― エピローグ ―白斗―
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3.0このじいさん、無茶が過ぎる! 関西の金融会社会長・稲荷山誠造(いなりやませいぞう)、72歳。 金融管理庁の立入検査に大銀行からの買収話と、会社存亡の危機にてんやわんや。 そんな最中、金貸し会社には似つかわしくない若い女性が来社。彼女は告げる。 「翔(しょう)さんと連絡が取れないのです」 翔とは誠造の孫だ。 調査の結果わかったのは、翔は何者かに拉致されたらしいということ。 「孫のためなら何でもやったる!」 常識破りな大救出作戦が始まる。 登場人物紹介 稲荷山誠造 72歳 ハピネスビジネスローン社の会長。銀髪で怖い顔だが、孫思いの祖父。 苦労人で「破竹の勢い」を体現する行動派。「行蔵は我に存す」を信条とする。 五反田翔 21歳 誠造の孫で鴨志館大学の学生。大食いで純粋な心の持ち主。祖父とは2年前から同居。 赤い絶壁のような前髪がトレードマーク。 若生里栄 25歳 民和銀行勤務。翔の親しい友人。 清楚な外見だが運転が趣味で、ハンドルを握ると性格が豹変する。 加賀崎雄一 ハピネスビジネスローン社経営企画室長。誠造の元秘書で右腕的存在。長身の二枚目。 館林 迅速調査サービスの探偵。変装の達人で、毎回奇抜な方法で登場する謎多き人物。 薮下和多留 82歳 薮和不動産社長。投資家として巨万の富を築いた実業家。 薮下多可志 31歳 和多留の孫で薮和恒産社長。線が細く優しげな青年。イギリスでシェークスピアを研究していた。
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4.1\保険証なし!/ \相続人なし!/ \お金なし! / 平均年齢60歳 “高齢化団地”は 問題山積み! 管理人になった 79歳の一橋桐子は 解決できる!? _____________ テレビドラマ 『一橋桐子の犯罪日記』原作 待望の続篇 _____________ 【著者からのコメント】 桐ちゃんはいったい、今どこに? 2020年に出版された 『一橋桐子(76)の犯罪日記』は、 2022年の文庫化を経て、NHKでドラマ化される、 という大変なご褒美をいただきました。 優しいけど特にこれといった取り柄もない 桐ちゃんを松坂慶子さんが演じてくださり、 スタッフさんのご尽力で たくさんの人に愛していただきました。 ただその喧騒が終わった時、 ふっと、私は思ったのです。 今、桐ちゃんはどこにいるの? ドラマでは、山奥の大木に佇み、 可愛らしい子どもたちに囲まれた、 素敵な大団円を迎えました。 でも、私の桐ちゃんは今どこに? 『一橋桐子(79)の相談日記』は 私の桐ちゃん探しに付き合っていただきつつ、 テレビドラマで楽しんでくださった方にも、 ご理解いただける内容にしたつもりです。 あなたの桐ちゃんは今、どこにいますか? また、一緒に桐ちゃんや雪菜ちゃんの幸せを 考えていただきたいのです! 【あらすじ】 老朽化した猿山団地には、管理人がおらず、 誰が住んでいるのか、 何人住んでいるのかもわからない始末。 そんな団地の管理人として 白羽の矢が立ったのが、クドオ・ワークスの 清掃部チーフとなった一橋桐子。 名簿づくりから始めてみると、 次々と“住人の闇”が見えてきた。
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3.7司法書士の東雲は、箱根銀行に勤める友人、燎原が多額の金を横領して自殺したと、燎原の妹の杏子から聞く。二人は燎原が死ぬ前に残した、「箱根銀行は二百億もの金を粉飾しており、その責任を自分一人に押し付けようとしている」というメッセージを見つけ、燎原の自殺の謎を探ること、また、箱根銀行に復讐し、必ず潰すことを誓う。東雲は、実は詐欺師であることを杏子に打ち明けた。予算未達に追い込まれ融資先を必死に探す本店営業部、インサイダー取引の惧れのある未公開株に手をかける運用部、マスコミ対策に追われる広報部、赤字決算の粉飾をした経理部……。不正と陰謀にまみれた悪徳銀行を、天才詐欺師が鮮やかに追い詰める、痛快エンターテインメント!
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3.5悲痛でありながらも希望に満ちた物語。 最愛の人を失い絶望したカナが、5年間の服役を終え向かったのは、獄中で出産した娘のもとだった。世界的ベストセラー作家が贈る感動作! 悲劇的なあやまちのために5年間服役したカナは、4歳の娘との再会を願って、すべてがうまくいかなかった町に戻ってきた。しかしすぐに、過去を修復することがいかに困難であることがわかってくる。娘の人生に関わる誰もが、カナがどんなに努力しても、彼女を締めだそうとしてくるのだ。唯一、カナを完全に拒絶しないのは、地元のバーのオーナーで、カナの娘がなつくレジャーだけだ。ところが、レジャーとカナがお互いの気持ちを確かめあい、親しくなることは、どちらも大切な人たちからの信頼を失う危険があった。二人が未来を築くためには、過去のあやまちの許しを得る方法を見つけなければならなかった。
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3.3韓国社会の〝恨〟を描くゴシックスリラー 物語の舞台は、1950年代後半、朝鮮戦争の傷跡が生々しく残る、朝鮮初の西洋式「大仏ホテル」。朝鮮半島に外国人が押し寄せた時代に仁川に建てられた実在のホテルである。 アメリカ軍の無差別爆撃で家族を亡くしたチ・ヨンヒョンは仁川の港で泊まり客を大仏ホテルに案内する仕事をしていた。雇い主は同い歳のコ・ヨンジュだ。ヨンジュは苦労して英語を習得し、大仏ホテルの後身である中華楼での通訳を経て、再オープンした大仏ホテルの管理を任される一方で、アメリカ行きを虎視眈々と狙う。中華楼の料理人のルェ・イハンは、韓国人からヘイトの対象とされる華僑の一族のひとり。かつて栄華を誇った大仏ホテルも、今や中華楼三階の客室三室とホールだけの営業となった。悪霊に取り憑かれていると噂される大仏ホテルに、ある日、シャーリイ・ジャクスンがチェックイン。エミリー・ブロンテも姿を現し、運命の歯車が回りだす。 伝播する憎しみ、恨み、運命を変えたい人々、叶えたい想い……。スリリングな展開と繊細な心理描写によって、韓国社会の通奏底音である「恨(ハン)」を描ききり、最後は大きな感動に包まれる、著者の新境地。
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