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街の路地裏で夜から朝にかけてオープンする“キッチン常夜灯”。チェーン系レストラン店長のみもざにとって、昼間の戦闘モードをオフにし、素の自分に戻れる大切な場所だ。店の常連になってから不眠症も怖くない。農夫風ポタージュ、赤ワインと楽しむシャルキトリー、ご褒美の仔羊料理、アップルパイなど心から食べたい物だけ味わう至福の時間。寡黙なシェフが作る一皿は、疲れた心をほぐして、明日への元気をくれる――共感と美味しさ溢れる温かな物語。
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Posted by ブクログ
仕事に頑張っている女性のシリーズ本。これでいいのかなって色々悩みながら壁にぶつかって、それでも頑張る姿に勇気をもらいました。キッチン常夜灯のようなお店を自分も見つけたい。
料理のことは全然分からないけど、常夜灯を訪れたお客さんたちのエピソードに心温まりました。 料理も分からないなりに調べてイメージしながら読んでいたらお腹空いたりして、すごく楽しく読めました(^^) 続きを早速買いに行こうと思います笑笑 こんなお店があったら僕も行ってみたいなと思いました
とても温かい物語 一人で過ごす夜は暗く長い そんな静かな夜をやり過ごす場所があったら ほんの少し気にかけてくれる人がいたら どれだけ救われるだろう 夜から朝にかけてオープンする「キッチン常夜灯」 眠れない葛藤を抱えてベッドにいる辛さから逃れるように主人公が足を運ぶ場面 自分も時々不眠に悩まさ...続きを読むれる時期が来るから 物理的なだけじゃなく、心の行き場として "行き場のない人がたどり着ける真夜中の居場所" そんな常夜灯がとても温かくて優しく見えました
「キッチン常夜灯」はどこにあるの!? 出てくる料理の描写全てが美味しそうすぎて、温かくて、ほっこり前向きになれるお話で一気に読んでしまった。 どんなつらい仕事も、自分の捉え方次第でどうにでも良くできるんだなと それに気づいてきちんと行動に移した主人公いいなあ 地球の人間一人一人が愛おしく思える...続きを読むような本でした 続編読みたい!!
美味しいお料理がたくさん出てきて、ほっと温かい雰囲気の、こういうお店のお話、大好き。 このところ殺伐としたミステリーが続いていたこともあるし、私生活で不穏なことがあったりもして、そんなときに読むこの作品。なんと安心できることか。 こういうお話はたくさんあるけれど、このシリーズも大好きな作品の仲間入り...続きを読む。 夜間から朝まで開店しているビストロ「キッチン常夜灯」。城崎シェフと堤さんのおもてなしの心が温かい〜。常連さんも、少しうるさい人はいても、全然嫌な感じじゃないし。 チェーンの洋食店で働くみもざも、嫌々頑張っていたところから、お客様の喜ぶ顔が見たいという原点に帰って働くことができたり、前向きに頑張るようになって、素敵。他人のとばっちりで「倉庫」に住むことになったけれど、その中で大事な縁を育むのも素敵。 最後のシェフの秘密には、びっくりしたなぁ。
あたたかい話。この話大好きになったし後楽園に行ってほんとにこんな飲食店があるのか探したくなった。 あとはバスクの料理を作ってみたくなったし、仕事に、目の前のことに向き合って、丁寧にやってみようっていう気持ち。
ほどなくお別れですと同じ著者だとは気付かずに手に取った一冊。私はこの作家が好みなんだと確信した。 私も水道橋に住んでいたことがあり、そのときに夫婦で営む小さなバルが私の居場所だったことを鮮明に思い出した。まさにみもざにとっての常夜灯と同じで、その店は心の拠り所だった。 あの頃の情景や心情までもが...続きを読むぴったりとはまり、みもざは過去の自分だ、とすら思えるような作品だった。 店内の空気感、シェフの料理の香りまで容易く想像でき、美味しい気持ちで満たされる本。
みんな良く働くなぁ。 そこまで好きな仕事はしてこなかったから羨ましいかも。 これから見つかるといいな。
キッチン常夜灯みたいなお店があったらふらっと一人で行ってみたいと思った。 私もカフェやレストランでホールの仕事を長年やって来て、堤さんみたいな接客をされたら絶対通いたくなるなと。 読書初心者の私が本一冊読むのに何ヶ月も掛かってしまうわけだけど…この本は読みやすかったし夜になると読みたくなる感じ。 ...続きを読む情景が浮かぶのでキッチン常夜灯は夜に読むのがおすすめです!
タイトルも表紙も温もりを感じ、読む前から、ゆったりとした中での読書の楽しさを味わう自分が想像できた。私にとって初めての長月天音さんの作品ということも、本作品への期待をさらに膨らませた。 「プロローグ」の中心人物は、チェーン店「ファミリーグリル・シリウス浅草雷門通り店」の店長を務める南雲みもざ。冒頭...続きを読むから、睡眠中のみもざのマンションが火事になるといった衝撃的な展開を迎える。慌てて逃げる住民たち。結局は鎮火したものの、出火場所がみもざの部屋の真上だったこともあり、部屋は惨憺(さんたん)たる状況になってしまった。ほとんどの家財を焼失してしまったみもざ。この先の展開に不安を覚えながら、次の話へとページをめくった。 「第一話 眠れぬ夜のジャガイモグラタン」。住むところを失ったみもざは、会社の倉庫となっている元社員寮の一室を仮住まいにさせてもらう。その倉庫を管理し、自身もそこで暮らす同社の金田の計らいだった。寮だったおかげで最低限の生活はできるものの、しばらく使われていなかった部屋であるし、火事の喪失感による不安も大きいはずだ。その上、仕事は休めない。想像を絶する心理状態のなか、みもざの店の閉店は10時30分、退店はおおよそ11時という過酷な勤務が続く。疲れ切って帰宅してからの食事が疎かになるのも無理はない。 そんなみもざに金田は、住まいの近くにある店で美味しい料理を食べたという話をする。後日、その店を探してたどり着いたのが「キッチン常夜灯」だった。ここでタイトルと結びつく。この先の明るい展開を期待し、胸が高鳴った。 店員や店内、料理の描写が繊細で丁寧で、私の中に心地よい想像世界が広がっていく。みもざが食した料理の美味しさが、こちらまで伝わってくるようだ。帰り際に渡されたショップカードから、店員の2人はオーナーシェフの城崎恵とソムリエの堤千花だとわかる。2人の会話や雰囲気も、まさに暗闇を照らす常夜灯のようにほっこりとしたものだった。 みもざが夜中に再度訪れると、「キッチン常夜灯」は開店していた。千花に店のことを色々尋ねたり、自分のことを話したりするなかで、「常夜灯」に込められた思いや、この店を開いた経緯を聞く。同じように料理店で働くみもざは、そこでハッとさせられる。店の形態やターゲットは違えど、料理を提供する仕事と考えれば同じなのだ。この先、みもざの考え方や行動にどんな影響があり、どう変わっていくのだろう。ますます話の展開が気になり、楽しみになっていく。 「第二話 明日のためのコンソメスープ」。みもざは、女性1人で来店している客のことが気になっていた。その女性はいつもカウンター席の奥に座り、スープを食していたからだ。やがて会話を交わし、女性の名前が熊坂奈々子であると知る。タイトルにもなっているコンソメスープは、シェフが常連客である奈々子のために、彼女が初めて来店したときに提供した料理だった。そこには、胸にグッとくるエピソードが隠されていた。 奈々子の夫は入院しており、しかもかなり深刻な状態だったのだ。そんな奈々子をもてなすシェフと千花。料理を提供するだけでなく、2人が紡ぐレストランの空間そのものが安らぎの場所になっているのだろう。読みながら、私もその温かさに包まれているかのような気持ちになった。 「第三話 ご褒美の子羊料理」。「常夜灯」は予約を取らないレストランだが、みもざが訪れた日は、偶然にも常連客の昇進祝いとして、仔羊を使った料理を指定した予約が入っていた。予約をしていたのは、会社の役員昇進が決まった女性。友人2人と一緒に、仕事を終えてから夜遅くに訪れてきた。 そこでの会話は、次第に生き方の話へと深まっていく。その言葉を聞きながら、みもざも自分の仕事への向き合い方を見つめ直す。職種は違っても、仕事に対しての考え方や向き合い方には通じるものがあるのだろう。そうした刺激を受けられることも、常夜灯という場所の魅力のように感じた。 食事が進むなか、新たな男性2人の常連客が入ってくる。先客の女性たちとも知り合いのようで、気軽に声を掛け合う。温かい空間と美味しそうな料理の描写に、再び私の想像世界が広がっていく。 そして語らいの中で、シェフの生い立ちや店を構えるまでの歩みが明らかになる。シェフの生き方に感銘を受けるみもざ。夜の9時から朝の7時までという営業時間や、その時間を求めてくる客だからこそ美味しい料理を届けたいというシェフの熱量が伝わってくる。そんなシェフの信念がみもざの心を揺さぶり、この先のみもざの仕事ぶりがさらに楽しみになってくる。私もぜひ、シェフの料理を食べてみたいと思った。 「第四話 師弟の絆 バスク風パテ」。みもざが店長を務める店には、正社員の永倉がいた。永倉はみもざより年上ということもあり、みもざは彼の調理や態度を注意したくても、気を遣って言いたいことが言えない関係だった。みもざの心境を想像すると、ずいぶんストレスが溜まっていただろうと思う。 そのような中、みもざは常夜灯での経験から、調理担当の永倉にホールの役割も担ってほしいと提案する。その提案とみもざの真っ直ぐな思いは、しっかりと永倉に届いた。2人の新たな関係の始まりを予感させる会話が続き、私も嬉しくなった。料理を作ってお客様に提供する仕事は、お客様の反応こそがゴールであり、手応えなのだろう。これまでの物語から、そんなことを強く感じる。こうした思いを持ったレストランがあることは、客にとっても幸せなことに違いない。 みもざが再び常夜灯を訪れると、新たな登場人物である監物(けんもつ)と出会う。監物は、シェフと千花がかつて勤めていたレストランの総料理長だった。彼の登場により、この話では3人が過去に勤めていたレストランの栄華と衰退が語られる。3人が目指していた理想のレストランは確かに存在していたが、オーナーが変わったことで状況は一変してしまったのだ。現実にもありそうな話だが、読みながら胸が痛む。 それでも、それぞれが目指すものを見失わなかったからこそ、今へと繋がっている。「お客様に提供する料理への熱い思い」が今の常夜灯を形作っているのだと、レストランの歴史の深さを感じた。そんな店や人々に出会えたみもざは、どのように変わっていくのだろう。ますます楽しみになってくる。 「第五話 長い夜の末に クレームカラメル」。しばらくぶりに奈々子が常夜灯にやってきた。泣き疲れて、かなりやつれた表情の彼女を見て、シェフ、千花、みもざの全員がすべてを悟る。そんな奈々子を、常夜灯の空間とそこにいるみんなが温かく包み込む。 そして、奈々子が初めてスープ以外の料理を注文する。その料理には、主人を亡くした奈々子の思いが込められていた。それを知ったみもざも同じ料理を注文し、一緒に豪快に頬張る。その姿を想像して、「なんかいいな」と心が温まった。悲しみを吹っ切ろうとする奈々子の姿、それを一緒に分かち合おうとするみもざの優しさ、そして料理を提供して静かに見守るシェフと千花。胸にグッとくるシーンが続く。 感動のシーンはさらに続く。次に描かれるのは、シェフの母とその連れ合いが来店する場面だ。母と息子の会話からは、お互いを思いやりながらも、シェフが子供の頃の関わりに対する母の謝罪の気持ちがにじみ出る。美味しい料理を食べているからこそ、素直な気持ちを飾らずに語り合えたのかもしれない。本当によかったな、と思う。 シェフが最後に母へ提供した料理は、クレームカラメル(カラメルプリン)だった。シェフが子供の頃、母のために作ったプリンのエピソードと繋がり、2人はもちろん、店にいる全員、そして読者である私もほんわかとした温かい気持ちに包まれた。 みもざは改めて、料理を作り提供することの意味や、自分の仕事の尊さを実感する。そうやって心から感じられるみもざ自身もまた、料理への強い思い入れを持っているのだろう。そんな作り手が提供する料理には、格別な美味しさがあるはずだ。終始、明るく前向きな気持ちにさせてくれる素敵なエピソードだった。 「エピローグ」。みもざが住んでいたマンションの改修が終わり、元の部屋に戻ることになった。今の仮住まいからは遠くなるため、これまでのように頻繁には通えなくなる。そこでみもざは、倉庫の管理人であり、常夜灯を教えてくれた金田への感謝を込めて、彼を連れて常夜灯へと向かう。なんと粋な計らいだろう。 作品の締めくくりにふさわしい、温かく明るい幸福感が満ちていくのが、私にもしっかりと伝わってきた。本作はシリーズものということなので、次の作品を読むのが今からとても楽しみだ。長月天音さんの、心を温かくしてくれる素晴らしい描写を、これからも存分に味わっていきたい。
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