あらすじ
街の路地裏で夜から朝にかけてオープンする“キッチン常夜灯”。チェーン系レストラン店長のみもざにとって、昼間の戦闘モードをオフにし、素の自分に戻れる大切な場所だ。店の常連になってから不眠症も怖くない。農夫風ポタージュ、赤ワインと楽しむシャルキトリー、ご褒美の仔羊料理、アップルパイなど心から食べたい物だけ味わう至福の時間。寡黙なシェフが作る一皿は、疲れた心をほぐして、明日への元気をくれる――共感と美味しさ溢れる温かな物語。
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Posted by ブクログ
あたたかい話。この話大好きになったし後楽園に行ってほんとにこんな飲食店があるのか探したくなった。
あとはバスクの料理を作ってみたくなったし、仕事に、目の前のことに向き合って、丁寧にやってみようっていう気持ち。
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ほどなくお別れですと同じ著者だとは気付かずに手に取った一冊。私はこの作家が好みなんだと確信した。
私も水道橋に住んでいたことがあり、そのときに夫婦で営む小さなバルが私の居場所だったことを鮮明に思い出した。まさにみもざにとっての常夜灯と同じで、その店は心の拠り所だった。
あの頃の情景や心情までもがぴったりとはまり、みもざは過去の自分だ、とすら思えるような作品だった。
店内の空気感、シェフの料理の香りまで容易く想像でき、美味しい気持ちで満たされる本。
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生き物の命をいただきながら、私達の命は保たれている。食べたもので体はつけられ、心は満たされる。誰かを思って作られた食事はなおさらです。自分のために食事を作って、まずは自分を大切にすることも大事だなと思いました。
自宅と職場だけではない自分の居場所があるのは、心の支えにもなるのですね。
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数々の料理の説明も丁寧で、常に料理に向き合っているシェフによって作られた料理を、みんなが大事にしているのが伝わってきた。
個人的にはみもざの心境というか、いきなり昇進して肩書きができた時、まわりはその肩書きで扱うのに、気持ちは全然ついて行かなかった日々を思い出した。
私にとってもこの店の様な心の拠り所があったら良かったのに、と思ってしまった。
菜々子さんの話とシェフのお母さんの話がすごく心に響いた。
特にシェフのお母さんは、母であり社長であり、どちらかのバランスを取るのが難しかったんだと思うが、シェフがそれを支えたいと思えたことが幸せだったということを分かってくれていて良かった。
なんだかみもざを通して自分自身にも寄り添って貰えた気持ちになった本だった。
Posted by ブクログ
ダラダラ永遠に読めてしまう。
想像しただけでお腹が空く。家の近くにあって欲しいお店。お店の優しさにほっこりしました。
恐らく2巻3巻も読むでしょう。お守りにしたい1冊。
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このシリーズは先に他を読んでしまっていたので今更ながらスタート巻を完読
仕事の後のご褒美で行けるこんな落ち着けて美味しい料理を頂けるお店が本当に欲しいと改めて実感しました
個人的には朝ご飯の握り飯とお味噌汁を食べてみたいな
Posted by ブクログ
それぞれ置かれている社会の中で、必死にもがきながら生きている人に、「食べもの」を通して癒しと勇気をくれるキッチン常夜灯。
主人公のみもざを含め、常夜灯を開く2人や常連さん、周りの人みんなの仕事や人生への向き合い方が、そっと自分の背中を押してくれる。
そして自分に居場所があることのありがたさ、居場所を見つけること、食べることの大切さが丁寧に書かれていて、私も自分を大切にできるようにしようと思った。
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『何事も丁寧に向き合えば、きっとほどけていく。何かが変わりはじめる。』
「キッチン常夜灯」と、みもざが店長として働く「ファミリーグリル・シリウス」。
同じ飲食店とはいえ業態や環境は全く異なる。比べて落ち込むのでなく、キッチン常夜灯で過ごすあたたかい時間から自分に出来ることを、ひとつひとつ見出していくみもざに心動かされる。
Posted by ブクログ
たまに読みたくなるグルメ小説。
何かシリーズものを読みたいなと思っていたら、このシリーズの新刊が出るそうで1巻から読み始めてみた。
読みやすくて、おいしそうで、スルスル読める。
ただ、まだいまいち好きになりきれない…けっしておもしろくないわけではない。
なんだかいい話過ぎて疲れるみたいな感じかな。
みもざちゃんの自己犠牲っぷりと、それでも前向きにがんばります!みたいなところなぐったりする 笑
みもざちゃんが円形脱毛症になったシーンでは、ちょうど私もなっている最中なので、もう少し自分を労わってもいいのかもしれないと、胸がキュッとなった。
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他の方の感想にもあったけど、冬から春にかけて読んだ方がより、さらにほっこり沁みそうだし、さらに料理のおいしさも想像できてしまうかも。
仕事を頑張りすぎて、いつも疲れてる主人公と似たようなタイプだし、つい自分のごはんはおざなりになってしまうし、、それより休むか本読むか、とか好きな時間に使ってしまう。食べることにもっと貪欲で敏感になった方が結果、いいんだろうな、と感じて、、何からはじめようかと想像してる。多分、こんな感じで読後はちょっと食や人、仕事への向き合い方について考えさせられそうなお話。
Posted by ブクログ
小説に出てくるお店で、頼むから自宅近くにあってくれと切望しているのは、『みをつくし料理帖』シリーズ(髙田郁)の「つる屋」と、〈ビストロ・パ・マル〉シリーズ(近藤史恵)の「ビストロ・パ・マル」の2つだったんだけど、そこに「キッチン常夜灯」が追加されました。
牛ホホ肉の赤ワイン煮、じゃがいものグラタン、仔羊料理、シャルキュトリー盛り合わせ、アップルパイ、日々品を変えて出てくるスープたち。
どれも!全部!美味しそう!
なんでうちの近くにないわけ?
夜9時から朝までという営業時間は、私の生活ペースにはちょっと合わないので、できればもう少し早めにオープンしてほしいところだけれど、あえてその時間から、みんなで夜を越すために開けているというのが、そのお店の空気感や想いを体現しているようで、いい。
願わくば、シェフと堤さんが、このスタイルの営業で体調を崩されませんように。
ファミレスの店長として、浅草にある店舗を仕切り、鎧を脱げなくなった主人公が、料理とお店の雰囲気で、少しずつ肩の力を抜いていくストーリー。
ファミレスどころか飲食系の経験はバイトすらないけれども、人に何かを任せるのが怖いというのは分かる。私はそれをこじらせてフリーランスみたいな仕事の仕方をしているけれど、だれかに任せるなら全部自分でという安易な方法はどこかで限界が来るから、それをどうバランスを取るか(仕事を断るか)というのは常に課題だ。
お客さんをコントロールできない(仕事を断るという選択肢がない)ファミレスのような業態だったら、なおさら、だれかに任せるという選択をできるようにならないといけない。
店舗内でもう一人だけいる社員との関係性も少し作れたようで、他人事ながらほっとする。
この間読んだマカン・マランの料理は、自分で作る料理に少し手をかけてみようかなという気分になったけれども、こちらはどれも、いいからプロが作った美味しいものを食べたい、という気分になる。
美味しいビストロでふわふわいろんなものを頼むような食事なんて久しくしてない。
あー、キッチン常夜灯が家の近くに現れてはくれないものか。
子どもが寝た後、一品だけなら、夜遅い時間が苦手な私でも行けるんじゃないだろうか。
Posted by ブクログ
美味しいご飯と自分自身との対話。疲れていると自分の扱いが雑になる。そうなると周りも見れなくなる。でも必死で懸命だから余裕がない。そんな中でも、人はご飯は食べる。美味しいご飯が無機質だった食事を変える。感情が動く。そこでようやく、張り詰めて押し殺された自分の存在と周りの人たちに気づく。
主人公のみもざさんが徐々に、鈍くなってしまった思考を取り戻していくのが妙に身近に感じれる話。
忙しかったり責任感だったり、いつの間にか私たちってすり減っていて、視野も思考も鈍くなりがち。少しでも余裕があれば読書なり旅行なりセルフリカバリーできるのだろうけど、ないなら生きる為に不可欠な中で出会いたい。キッチン常夜灯はみもざさんにとってそういう出会いだったと思う。
Posted by ブクログ
常夜灯の堤さんやシェフが作り出す雰囲気や常夜灯に通うお客さんとの関係性がとても温かく疲れた日にほっと一息ついて思わず笑顔になっているような一冊。第三話でシェフが常夜灯を始めた理由を知り、シェフだからこそ居場所のない人の居場所である常夜灯を作れたのだろうと思った。そして読者の私ですら常夜灯に愛着が沸いてしまい、みもざが曳舟のマンションに戻るとなった時とても寂しい気持ちになった。そしてなにより、シェフの作る料理がどれも美味しそうで、その描写から料理の香りがしてくるようで、私も常夜灯に通いたいと心底思った。
Posted by ブクログ
キッチン常夜灯みたいなお店があったらふらっと一人で行ってみたいと思った。
私もカフェやレストランでホールの仕事を長年やって来て、堤さんみたいな接客をされたら絶対通いたくなるなと。
読書初心者の私が本一冊読むのに何ヶ月も掛かってしまうわけだけど…この本は読みやすかったし夜になると読みたくなる感じ。
情景が浮かぶのでキッチン常夜灯は夜に読むのがおすすめです!
Posted by ブクログ
もうひと踏ん張りしたくなる小説。
食にあまり興味がない私でも思わず料理したい!と思ってしまうほど描写豊かな料理の数々。それ以上に主人公を中心に、明かされる数々の人の悩みと葛藤、そこから立ち上がるまでの時間。
居場所のない人のための居場所。とても心に沁みました。家族仲が悪くなくても、それなりに話せる友人がいても、軽口を言い合える先輩がいても、それでも絶対どこかで線は引いていて、勝手に引いた線で勝手に苦しくなる。
主人公がんばれ!と思いながら、不器用な彼女と一緒にお店の中のゆったりとした時間を堪能させてもらいました。もっと永倉さんや他のスタッフとの協力し合う過程、その後まで見たかったなあと思いますが、大満足です。
Posted by ブクログ
キッチン常夜灯と前職のオフィスが徒歩圏内で、激務でへとへとだったあの頃にこの本に出会えていれば…と少し残念に思った。オープンと同時にふらっと入店してお肉を食べて、きっと都営目黒線の終電で帰っていたんだろうなぁ〜。今は穏やかな暮らしをしているけれど、それでもキッチン常夜灯のようないつ行っても暖かい家のようなお店をいつかみつけたい。
Posted by ブクログ
出てくる料理が全部美味しそうで読んでいるとお腹が空いてきます。特にスープは私も飲みたいなと思いながら読んでいました。
混んでる時の心情やラストオーダーぎりぎりに入ってくるお客さんに対する心情など飲食店ならではのリアルな悩みが丁寧に書かれている文章だと思いました。自分が嫌な思いをした時や辛い時、相手を変えるのではなく環境を変えることで自分にストレスを与えないようにすることができる。環境を変えることは勇気がいるけれど重要なことだと感じました。また、苛立っている時こそ相手への感謝の気持ちや尊重する気持ちを忘れてしまっていることにも気付くことができました。自分が思っていることは思っているだけでは相手に伝わらない。思っていることを口に出していけるのような勇気を私自身もこれから磨いていきたいです。
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⬛︎ おいしいごはんと、少し前を向くための時間
読書好きの友人に勧められて、ようやく手に取ることができました。
ファミレスで女店長を務める主人公・みもざが、路地裏にひっそりと佇む「キッチン常夜灯」を見つけるところから物語は動き出します。
美味しいごはんが登場する心温まる物語かと思いきや、読み進めるうちに印象は少し変わりました。キッチン常夜灯のシェフやソムリエとのやり取りを通して、みもざは不眠症になるほど追い詰められていた仕事との向き合い方を見つめ直していきます。これは単なるグルメ小説ではなく、働くことに悩む人のための「お仕事小説」でもありました。
常夜灯で出される料理は、一切の妥協がない。それでいて敷居の高さはなく、仕事帰りにふらりと立ち寄れる温度感がある。その空気の中で、みもざは少しずつ、自分の考え方を変えていきます。
「あんな店だと自分を貶めてはいけない。変えるのは私の考え方だ。」
「たくさんのものをぎゅっと凝縮して、強い店長になろう。」
印象的だったのは、こうした決意があっても、すぐに状況が好転するわけではないところ。仕事の問題もトラブルも、変わらず降りかかってくる。そのたびに落ち込み、泥のような感情に沈むみもざに、「転職という選択肢もあるのでは」と思わず声をかけたくなりました。
それでも彼女は逃げずに、少しずつ考え方を変え、行動を変えていく。これまで距離を置いていた問題社員・永倉さんとの対話の場面には、その成長が確かに表れていました。
「自分で何とかしない限り、どうにもならない。」
この言葉は、仕事に悩む今の自分にもまっすぐ刺さります。
また、「自分の家ではない心地よい空間で、客観的に自分を見つめる時間がある」という描写から、家庭や職場とは別のサードプレイスの大切さも強く感じました。
ひとつだけ個人的に気になったのは、元社員寮で同居することになる金田さんの存在。とても魅力的な人物で、物語の中心に関わっていくのかと思いきや、意外と深掘りはされず少し物足りなさも。続編ではぜひそのあたりも描かれるのかな〜?
Posted by ブクログ
キッチン常夜灯に行きたーい!!
仕事や毎日に忙しくてもキッチン常夜灯になりうるような大切な居場所があれば、少しでも踏ん張れたり、また明日も頑張ろうと思えるのではないか
Posted by ブクログ
とにかく文章が美味しい。もはや表現が芸術的。
あとお仕事小説という感想を見かけたが、その意味がよくわかった。が、仕事だけじゃなく、人間関係にも置き換えられるような気がした。
匿名
素敵なお話しです。
真夜中から朝方まで営業してるフレンチのお店。どの料理も美味しそうで思いやりが詰まっている。こんなにもお客さんの事を思い料理を作ってくれるシェフって素敵です。
あるといいなこんな店
この様なレストランが有れば、是非行ってみたいと思いました。以前、テレビで「シェフは名探偵」という西島秀俊がシェフ役のドラマがありましたが、何故か西島さんにシェフ役でこの小説もドラマ化して欲しいと思いました。
Posted by ブクログ
このシリーズは、ファミレスのシリウスに勤めてる様々な立場の女性の心情を語るシチュエーションドラマだ!と、その裏で夜中営業のキッチン常夜灯がなぜか心の支えになる・・という構図。
あっ自分でなんかうまく言えたと思いましたw。
料理がフランス料理メインで内臓系が多くちょっと苦手。お料理小説としては残念、自分にはあまりおいしそうに感じませんでしたが、言葉として覚えました。近藤史恵さんの三舟シェフのシリーズを思い出した。
Posted by ブクログ
直向きに積み重ねることができた生活を丁寧な暮らしというのかな。
食べ物の作品を読むと自分の日常を顧みることができる。
食事が生活のサイクルに入ってるからだろうけど、迷った時辛い時こそいいなと思う。
Posted by ブクログ
都会の片隅にある小さなビストロを軸に、人情が交錯する話でした。
「扇情的なまでに食欲をそそる料理満載の小説」を期待していた私にとっては肩透かしでしたが、それでも面白かったです。
「最早ブラックでは…?」と思うような外食産業の有り様は、作者が従事していただけあり、非常にリアルです。読んでいて苦しくなりました。
ラストは前向きな展望が見えたので、今後は意欲的な方向に話が進むのでしょうか?
気になりました…が、読むかどうかは本の裏に書かれてるあらすじ次第かなぁ…というのが今の率直な感想です。