作品一覧

  • 村上春樹 翻訳ライブラリー 最後の大君
    -
    1巻1,650円 (税込)
    主人公はハリウッドの辣腕映画プロデューサー、モンロー・スター。 才覚と野心でのし上がり、映画製作の現場に君臨するこの男を待ち受けるのは、運命を揺るがす出会いと悲劇の影――。 創作メモに当たる「ノート」を含む未完の遺作が村上訳で甦る。 その早すぎる死の直前まで、フィッツジェラルドが書き続けた最後の長篇小説。
  • 村上春樹 翻訳ライブラリー ある作家の夕刻 フィッツジェラルド後期作品集
    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    作家としての窮状さえも、フィッツジェラルドは 見事に小説に結実させていった―― 華やかな喧噪の日々から一転、三十代にして迎えた不遇の時代にも、 フィッツジェラルドは多彩なスタイルの短篇小説と、 「壊れる」三部作ほか秀逸なエッセイを残した。 人生の暮れ方に描かれた、美しくゆるぎない物語。 早すぎる晩年となった一九三〇年代のベスト集。 〈短篇小説〉  異国の旅人  ひとの犯す過ち  クレイジー・サンデー  風の中の家族  ある作家の午後  アルコールに溺れて  フィネガンの借金  失われた十年 〈エッセイ〉  私の失われた都市(『マイ・ロスト・シティー』改訳)  壊れる  貼り合わせる  取り扱い注意  若き日の成功
  • フィッツジェラルド10 傑作選
    3.8
    1巻1,210円 (税込)
    この一冊で見渡す作品世界――。 若くして洞察に富むデビュー期の輝き、早すぎる晩年の作ににじむ哀切。 二十年でついえた作家としてのキャリアの中で、フィッツジェラルドが生み出した幾多の小説から、思い入れ深く訳してきた短篇を村上春樹が厳選。「エッセイ三部作」を加えたベスト十作を収録。

ユーザーレビュー

  • 村上春樹 翻訳ライブラリー ある作家の夕刻 フィッツジェラルド後期作品集

    Posted by ブクログ

    中高生のときに「華麗なるギャツビー」を読んで、それから「雨の朝パリに死す」を読んで、なんとなくフィッツジェラルドという作家の醸し出す雰囲気みたいなのを背伸びしていいなぁと思おうとしているようなところがあった。
    なんか人間の切なさみたいなのを絶妙に掬い上げるような感じの印象があって、それ自体がなんかすごくわかるような感じでいることがカッコいいことのように思っていた。太宰の「人間失格」を読んで、自分はこの感じわかる、と言いたいようなああいう感覚。若い時特有の。
    それで今大人になって、だいぶ久しぶりにフィッツジェラルドを読んだら、わかる気がするというより、分かってしまう、という感覚だった。でも本当は

    0
    2025年10月30日
  • フィッツジェラルド10 傑作選

    Posted by ブクログ

    本書はグレートギャツビーを読んだ後に読んだ。
    フィッツジェラルドの大量に書いたとされるハッピーエンドストーリは読んだことがないけれど、どんなハッピーエンドなストーリーを書くのか興味深く感じるほど、ハッピーエンドでなく、読んだとの余韻(フィニッシュ)が奥深い。
    男と女、恋、そして結婚・夫婦への時の流れと心情の描写がとても心をを打つ。
    リッチ・ボーイ、バビロンに帰る、冬の夢、メイデー、クレイジーサンデーは没入して読めたがほかの短編は没入しきれなかった。

    0
    2025年05月05日
  • フィッツジェラルド10 傑作選

    Posted by ブクログ

    素晴らしくよかった。
    私のお気に入りは、圧倒的に「残り火」。
    植物人間状態になった夫を献身的に世話し続けるロクサンヌ。「一日の殆んどの時間を夫の傍で過ごした。薬を与え、枕をなおし、あるいは話しかけたりした。人が見れば、頭の良い犬に話しかけているのかと錯覚したかもしれない。返答を求めるでも、理解を期待しているわけでもない。そこにあるものは、燃え尽きた残り火の中に微かな暖を求める、祈りにも似た想いだった」
    この最後の一文が素晴らしすぎる。
    なんで美しく、かつ的確な表現なんだろう。

    このほかにも、「氷の宮殿」は、南部と北部ってこんなふうに違うんだなあと感じられてすごく面白かった。
    「冬の夢」は、こ

    0
    2024年12月27日
  • フィッツジェラルド10 傑作選

    Posted by ブクログ

    大学生の時には全く良さが分からなかったフィツジェラルドにあらためて出合うことにしました。
    村上春樹が選ぶ10の短編と、エッセイが3編収録されています。

    基本的にどの話もお金持ちの坊ちゃん、嬢ちゃんのやり取りで、感情の振り幅も行動の振り幅も「えっ?」て言うようなもので、あまり感情移入しきれない。
    しかし、「冬の夢」でも「バビロンに帰る」でも出てくる喪失には共感して「あー…」ってなる。

    そうして読み終わった後に、少し重い気だるさと諦念が残る。
    フィツジェラルドはどこかで「人生は失っていく過程だ」みたいなことを書いているらしいけれど、そうだったら、この一編一編は一つ失って、人生を一つ進む、成熟の

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    2024年07月14日
  • フィッツジェラルド10 傑作選

    Posted by ブクログ

    多作であったフィッツジェラルドの短編とエッセイを10つ集めた一冊です。

    分かっていたことではありますが、どの作品も薄暗い現実を描いています。もちろん、ハッピーエンドなんでありません。基本的に、かつての幸せや豊かさがもうそこにない人々の話です。かつての若さや美しさが失われてしまった人々の話です。

    中には、それでよかったんだよね、と声をかけたくなるような主人公もいます。「氷の宮殿」や「風の中の家族」などがそうでしょう。

    0
    2024年06月29日

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