集英社 - 集英社文庫作品一覧

  • みどりの月
    3.3
    恋人のキタザワに誘われ、同居することになった南。ところが、そのマンションには、キタザワの遠い親戚マリコとその恋人サトシが住んでいた……。成り行きまかせで始まった男女四人の奇妙な共同生活を描く表題作ほか、別れの予感を抱えた若い夫婦があてのないアジア放浪に出る「かかとのしたの空」を収録。今を生きる若者たちを包む、明るい孤独とやるせない心をうつしだす作品集。
  • 【新装版】呪い人形(木部美智子シリーズ)
    3.2
    悪名高い宗教家が入院中に死亡した。多額の布施を強要されて家族を失った老婆が「自分が呪い殺した」と名乗り出る。しかし疑いの目は正義感の強い若い研修医の工藤孝明に。濡れ衣を晴らし個人病院の勤務医になった工藤だが、またも彼の目の前で患者が死亡し嘱託殺人を疑われることに……。取材を進めるフリーライターの木部美智子は、「呪われて」死んだ者がほかにもいることを知るが──。人間が秘める暗部に鋭く迫る社会派ミステリー。『蟻の棲み家』でベストセラー作家となった著者の初期の傑作、待望の新装版(重複購入にご注意ください)。
  • 義時 運命の輪
    3.2
    北条義時。鎌倉幕府第二代執権の座に就くまでの彼は、あまりにも無力だった。姉・政子と義兄・頼朝の非情かつ強烈な個性に翻弄され、父・時政にはないがしろにされ続ける。己が権力を持つことなど、考えることさえできなかった。運命の輪が回り始めるまでは──。頼家の乳母一族として権勢を振るう比企氏を滅ぼし、頼家を幽閉、暗殺した事件から、義時はその本領を発揮し始める。繰り広げられる血で血を洗う抗争。権力者の死、仲間の叛乱、数々の権謀術数、そして、叶わぬ恋。2022年NHK大河ドラマの主人公・北条義時の半生を静謐な熱を込めた筆致で描く歴史小説。
  • ひとよ
    3.2
    ある夜。タクシー運転手のこはるは、家族に暴力を振るう夫を殺害してしまい、15年後に必ず戻ると約束して自首する。そして――15年後。母は約束通り帰ってきた。母が起こした事件によって人生が大きく変わってしまった三人の子どもたちは、再会した母とどう接するか戸惑い……。家族の崩壊と再生を描く、劇作家・演出家・俳優の桑原裕子が主宰する劇団「KAKUTA」の代表作を小説化。
  • ザ・藤川家族カンパニー あなたのご遺言、代行いたします
    3.2
    1~4巻638~737円 (税込)
    男5人女1人、中学生から30歳までの6人きょうだいが暮らす藤川家。ある日、母親を亡くした少女・十遠が連れてこられる。異母妹だという健気で可愛らしい十遠を、唯一の同性である七重だけが受け入れられず……。一方、長兄の四寿雄が営む「遺言代行業」には奇妙な依頼ばかりが舞い込む。なし崩しに仕事を手伝っている弟妹たちだが、難題揃いで……? 人の「絆」を描く、ハートフルコメディ!
  • ダーク・ムーン 上
    3.2
    一九九七年、カナダ西海岸・ヴァンクーヴァー。中国への返還目前の香港から押し寄せる移民たち。そして黒社会。おりしも頻発するヘロイン強奪事件に華人マフィア同士の緊張が高まり、街には不穏な空気が流れていた。そのさなか香港黒社会の大ボスの愛娘・李少芳が行方をくらませた。探索を命じられた男・富永脩は一人、ヴァンクーヴァーに降り立つ。欲望と憎しみの悲劇の幕は上がった――。
  • 寮生 ――一九七一年、函館。――
    3.2
    1971年春、函館にある憧れの私立高校に入った僕は、親元を離れ寮生活を始める。街の景色、同級生、音楽、出会うもの全てが刺激的で、期待に胸を膨らませていたが、入学早々、「寮の恒例行事“入魂会”に関わったものは死ぬ」という噂を耳にした。するとそのわずか二日後、寮の二年生が謎の転落死を遂げる。事件と噂の真相を探るため、僕たち一年生は探偵団を結成して――。青春学園ミステリー。
  • ハローサヨコ、きみの技術に敬服するよ
    3.2
    高校一年生の誠が抱える秘密、それは幼馴染の小夜子と二人でネットにまつわる事件を解決していること。誠が依頼を受け、小夜子が実作業を担当する。当初は厄介ごとが彼女に降りかからないように選んだ手段だったが、誠は次第に罪悪感を覚え始める。自分たちがしているのは人助けか、はたまた犯罪か。思い悩む彼を待ち受けていたのは予想もつかない事件だった――。甘酸っぱく愛らしい学園小説。
  • さまよえる脳髄
    3.2
    精神科医・南川藍子の前にあらわれた三人の男たちは、それぞれが脳に「傷」を持っていた。試合中、突然マスコットガールに襲いかかり、殺人未遂で起訴されたプロ野球選手。制服姿の女性ばかりを次々に惨殺していく連続殺人犯。そして、事件捜査時の負傷がもとで、大脳に障害を負った刑事。やがて、藍子のもとに黒い影が迫り始める――。人間の脳にひそむ闇を大胆に抉り出す、傑作長編ミステリ。
  • 曼荼羅道
    3.2
    【第15回柴田錬三郎賞受賞作】家業の薬売りを手伝うために妻の静佳とともに富山に戻った麻史は、祖父が残した書き付けから「曼荼羅道」の存在を知る。祖父の蓮太郎は戦時中マレー半島に渡り、部族の娘サヤを現地妻としたのだった。現代を生きる麻史と静佳、戦後を乗り越えてきた蓮太郎とサヤ。二組の男女の人生が、やがて「曼荼羅道」で交錯する。圧倒的な迫力と濃密な筆致で描く家族、愛憎、そして性。傑作長編。
  • 宇宙のウインブルドン
    3.2
    杉本宇宙、17歳。身長188センチ、体重78キロ。彼には大きな野望がある。サーブ1本だけでウインブルドンで優勝すること。そのために毎日毎日サーブの練習だけをしている。確かにサーブはものすごい。ジャパンオープンでも対戦相手がひっくり返るほどの圧倒的なサーブで勝ち上がり、とうとうウインブルドンに出場する。世界の強豪たちを相手に果たしてサーブのみで制覇できるのか!? 抱腹絶倒の超青春小説。
  • 怒りのブレイクスルー
    3.2
    【祝!ノーベル物理学賞受賞!!】四国の小さな蛍光体の製造会社に就職し、単身挑んだのが、夢の技術といわれる高輝度青色LEDの開発と製品化だった。社内の強い反発と度重なる失敗の中、ついに開発が実現したLEDの光こそ、21世紀を目前にした世界が注目する科学の成果だった。世界で認められながら社内では認められない現実に失望し、さらなる研究のために渡米する。注目の200億円裁判の真相を付記。
  • ウエンカムイの爪
    3.2
    【第10回小説すばる新人賞受賞作】――殺られる! 死んだふりをしても無駄だ。食われてしまう……。北海道で撮影旅行中の動物写真家・吉本はある日、巨大なヒグマに襲われ、九死に一生を得る。彼を救ったのは、クマを自在に操る不思議な能力を持つ謎の女だった。その女を捜し求める吉本が見たものとは? 野性と人間の壮絶な闘いを通して、生命の尊厳と自立を描いた傑作。
  • いつか白球は海へ
    3.2
    六大学野球で活躍した海藤敏は、プロ野球界入りを諦め、社会人チーム“間島水産”に入団。オーナーの熱心な勧誘と、全国制覇を遂げた名門チームへの憧れが心を動かしたのだ。だが、入団早々、オーナーが急死し、チーム存続の危機が明らかになる。勝利にこだわるルーキーの熱い思いは、他の選手達を…。野球を愛する男達の闘いを描く気鋭のスポーツ小説。ひたむきな昭和のフィールド・オブ・ドリームス。
  • 水無川
    3.2
    担任した児童が親の虐待で死亡するのを防ぐことができず、教師を辞職した真壁。彼の恋人、夏美は、幼い娘への暴力を止められずに苦しんでいる。心の傷をなめあうような、未来の見えない二人の関係。夏美はしだいに、隣りに住む謎めいた男、野口に惹かれて行く。しかし野口にはおそろしい秘密があった――。親と子の愛情の深淵、家族の絆の再生を、渾身の筆で描いた傑作長編ミステリー。
  • 十津川警部「ダブル誘拐」(十津川警部シリーズ)
    3.2
    三月三日、東京で七歳の少女鏑木美加が誘拐された。身代金一億五百万円を支払って解放されたが、犯人は逃走。捜査に行き詰まる十津川警部のもとへ、同じ日小樽でも美加という七歳の少女が誘拐されていたと報告が入る。身代金額まで同じという。やがて、第三、第四の誘拐事件が……。少女連続誘拐犯の真の狙いは何か! 奇怪な事件の謎を追って小樽、東京、京都へと飛ぶ十津川警部の推理行。
  • 百万のマルコ
    3.1
    十三世紀末、イタリア半島・ジェノヴァの牢に新入りがやってきた。“マルコ・ポーロ”を名乗る男が語るのは、遠い東の異国で体験した奇妙なミステリ。それはホラ話か壮大な冒険譚か? 「黄金だらけの場所で、ほぼ道具を使わず、どうやって黄金を得たか」(「百万のマルコ」)。「酒を飲んではいけない砂漠の民に飲み物を求められた。酒しかない。どう切り抜けたか」(「掟」)。牢の囚人たちは真相を当てようと悪戦苦闘! あなたは真実を見破れるか? 謎解き噺十三話に新作一編を加えた連作短編集!
  • 怪物が覗く窓
    3.1
    19歳の良太はドアスコープを付けた部屋で引きこもり生活を送っていた。父親はそんな息子を「怪物」と呼んで嫌悪する。やがて閉塞した良太の人生に転機がきた。向かいに若い女性が越してきたのだ。部屋の窓から眺めるその姿は、良太を久々に表の世界へ誘い出した。しかし、その女性が何者かに殺され、父は「ウチの変態息子」の仕業と決めつけた。だが…。意外な真相に戦慄する新感覚ミステリー。
  • マチズモを削り取れ
    NEW
    3.0
    路上、電車、学校、オフィス、トイレなど、日本の公共空間にはびこる〈マチズモ=男性優位主義〉の実態をライターが徹底調査! ジェンダーギャップ指数、先進国でぶっちぎりの最下位――「関係ない」はもうありえない。夜道を歩くことの恐怖、通学・通勤中の痴漢被害、発言権を奪われる不条理……最も身近な日常の場面から、変わらないこの国の「体質」をあぶり出す!! 「大凡(おおよそ)日本に住む全(すべ)ての人に呼んでもらいたい一冊だ」(金原ひとみ)
  • 九代目長兵衛口入稼業
    3.0
    1~5巻649~792円 (税込)
    江戸で人材派遣業を営む口入屋の九代目を継いだばかりの長兵衛。江戸に集まってくる人々に職を斡旋して面倒見がいいと評判だった先代のような店主を目指している。ある日、長兵衛の店で中間の世話をした友蔵が、旗本の中間部屋で賭場を開き、荒稼ぎしていると噂を耳にする。その賭場の博打で負けたと三次が店にやってきて新しい奉公先を見つけたいというが……。中間部屋を渡り歩く友蔵の裏になにかあると睨んだ長兵衛は探索に乗り出す。粋でいなせな口入屋長兵衛の活躍。文庫書き下ろし時代小説の新シリーズ。
  • ホテル・アルカディア
    3.0
    ホテル・アルカディアの支配人のひとり娘・プルデンシアは、コテージに閉じこもっていた。投宿していた7人の芸術家は、彼女を元気づけ、外に誘い出すべく7つのテーマに沿った21の不思議な自作の物語をコテージ前で順番に語りだした。この朗読会は80年たった今も伝説として語り続けられ、廃墟と化したホテル・アルカディアには聖地巡礼のようにして、芸術家たちのファンが何人も訪れる。80年前、あの朗読会の後、芸術家たちはどうしたのか、そしてひとり娘のプルデンシアはどうなったのか? かつて味わったことのない読書体験を保証! 第30回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作。
  • 帝都妖怪ロマンチカ ~猫又にマタタビ~
    3.0
    1~3巻616~649円 (税込)
    昭和初期の東京。浅草の片隅の見世物小屋でひっそりと暮らす猫又の弐矢は、むかし愛した女に瓜二つの美貌の持ち主を見つける。その青年・嘉寿哉の家に居候することに成功した弐矢だが、心理学を研究しオカルトを糾弾しようとする嘉寿哉の周りには何故か妖怪たちが引き寄せられてくる。愛しい彼を守るべく、弐矢は奮闘するが……。欲望渦巻く帝都で暗躍する、妖しくも美しい妖怪たちの物語。
  • 吸血鬼と呪いの古城(吸血鬼はお年ごろシリーズ)
    3.0
    温泉旅行に出かけたエリカたち仲良し三人組。安さで選んだバスツアーはTVドラマで人気が出た戦国武将・武藤宗正ゆかりの地を訪れる内容で、「ムネちゃん」ファンでいっぱい。プレハブの「新築の古城」(?)に呆れるエリカだが、お城の裏の古井戸から時空を超えたうめき声が聞こえ……!? 表題作ほか、「吸血鬼も夢をみる」「吸血鬼と揺れる大地」の2編を収録。ロングランシリーズ新装版、第28弾! 正義の吸血鬼父娘が今日も事件を華麗に解決!!
  • 獣医師の森への訪問者たち
    3.0
    九州で生まれ北海道の家畜診療所の獣医師となった著者。赴任した60年代、北が自然の情報発信地として注目され始め、研究者や学生の集まる場が必要となる。オホーツク海近くに家を借り“倉庫”と名づけた。倉庫には、キツネ、モモンガなど野生動物から、ユニークな人間たちも来て……。人間と同じように対等に動物とも付き合うを信条とし、旺盛な好奇心とやさしさで大自然を見つめた写真&エッセイ。
  • ミン・スーが犯した幾千もの罪
    3.0
    大陸横断鉄道完成間近のアメリカ西部。妻エイダを奪われ、不当な罪を着せられた中国系の殺し屋ミン・スーは、予知能力を持つ老人の言葉に導かれ、奇術ショーの一座と共に西を目指して疾駆する。妻を取り戻すため、自分を陥れた連中に復讐を果たすための苛酷な旅路。終着地カリフォルニアで彼を待ち受ける未来は、救いか、それとも――。アンドリュー・カーネギー・メダル受賞、若き天才作家トム・リン25歳の衝撃的デビュー作は、暴力と幻想に彩られた叙事詩的ウエスタ――「境界を越えた者よ、存分にやれ!」
  • みちびきの変奏曲
    3.0
    「つかぬことをうかがいますが、こういう手の動きはなんなのかわかりますか?」――通り魔に襲われて亡くなった女性・清藤真空。その最期を看取った人材派遣会社の社員・棚橋は、死の間際の彼女のメッセージの意味を知るため、真空にゆかりのある人々を訪ねてゆく。建築士、音大生、児童養護施設の園長……。真空が遺したのは「きらきら星」だった。そのメロディに導かれるように、それぞれの人生模様が交錯し、真空のこれまでの人生と想いも次第に見えてきて……。人の優しさに触れる癒しと再生のミステリー。
  • 家康を愛した女たち
    3.0
    人質暮らしの幼い家康を養育した祖母華陽院。父に離縁され、赤子の頃別れた母於大の方。正室となり息子を生んだが、無残な最期を迎えた築山殿。関ヶ原の戦いまでの戦乱を共に生き抜き、盟友となった北政所。側室となり、豊臣方との交渉役を務めた阿茶局。徳川と天皇家を結ぶ役目を背負った孫の和子。世継ぎ決定の為、駿府に向かった家光の乳母春日局――。戦国を共に生き抜いた側室や戦友たる女たちが女性視点で語る、「私」だけが知る家康の真の姿! 2023年NHK大河ドラマをさらに楽しめる画期的な歴史小説全7編。
  • 至誠の残滓
    3.0
    幕末に死んだはずの元新撰組・原田左之助は、松山勝と改名して東京の片隅で古物屋を営んでいた。明治11年8月、彼のもとを警部補として新政府に仕える藤田五郎(斎藤一)が訪れた。「今頃何しにきやがった」――すると藤田は人買いなど悪事に手を染める元長州藩の士族を調べて欲しいと依頼した。新聞錦絵の記者をする高波梓こと山崎烝とともに調査を進めると、予想外な真相に辿り着く。細谷正充賞(21年)、日本歴史時代作家協会賞作品賞(22年)を受賞した文庫界の風雲児・矢野隆が新選組の生き残り3人の活躍を描く、エンタメ120%のノンストップ新撰組小説!
  • 雪と心臓
    3.0
    クリスマスの夜。猛スピードで暴走する車を二台のパトカーが猛追していた。時は二時間ほど前に遡る。その男は、偶然、火事の現場に遭遇する。家の外で助けを求める母親。二階の窓からは泣き叫ぶ娘の姿が。すると男は燃え盛る家の中へと飛び込んだ。それから五分足らず。男は胸に十歳の少女をしっかりと抱きかかえて出てきた。だが、その男は少女を母親に手渡さず、車に乗せてそのまま逃走した。なぜ男は英雄から一転、誘拐犯になったのか。そこにはある男女の双子を巡る二十余年の物語があった。事件の真相に秘められた温もりと寂しさに、あなたはきっと焦がれ、涙する。心に触れる傑作青春ミステリ。
  • まいんち ゆずマン
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 あの大人気キャラクター“ゆずマン”がついに漫画になった!――正義の味方を夢見る5歳児・ゆずマンとその周りの家族や友人たちの日常を描いた4コマ漫画に加え、コミックスだけで読める描きおろしストーリー漫画、北川にとってもレジェンド作家である尾田栄一郎氏・秋本治氏との豪華対談、そして漫画家・北川悠仁ロングインタビュー、メイキングやオフショットなど盛りだくさんの内容。文庫描き下ろしも収録! 両巨匠も驚いた北川の漫画への愛と情熱、ゆずマンの魅力がギュッと詰まったファン垂涎の一冊!
  • 短編アンソロジー 学校の怪談
    3.0
    毎日通っている学校には、なぜだか恐ろしい噂話や言い伝えがいっぱい。もう使われていない旧校舎にいる「誰か」の噂、学校の七不思議の最後の一つ、いつもと違う通学路に蠢く黒いドロドロ、演劇部に代々伝わる「軍服」のお芝居の謎、校庭の隅の祠にまつわる古い記憶……恐ろしい噂話や言い伝えにあふれる学校を舞台に、織守きょうや、櫛木理宇、清水朔、瀬川貴次、松澤くれは、渡辺優という気鋭の作家6人が書き下ろした背筋も凍る珠玉の怪談アンソロジー。恐怖の物語の幕が上がると、ほら、あなたの後ろにも――。
  • 乳頭温泉から消えた女
    3.0
    北海道の西に位置する積丹半島。「積丹ブルー」と呼ばれるその海景を前に崖から転落死した男がいた。自殺か他殺かは定かではない。ちょうどその直後、男の取引先の女性社員・皆川が乳頭温泉で忽然と姿を消していたことが判明。果たして事件との関連は? 温泉で失踪発覚の瞬間に立ち会ったリスクコンサルタントの円堂雅流は、皆川の女友達の協力も得て、独自に捜査に乗り出す。札幌、積丹半島、小樽、余市……。北海道のさまざまな交通機関を絡めた推理行から、終盤は舞台を東京に転じての展開へ。旅情とグルメを連結してのサスペンスフルな謎解き列車が走る!
  • 私を愛して下さい(十津川警部シリーズ)
    3.0
    旅行作家の菊地文彦が、東京の自宅で刺殺された。直前に岩手県の宮古へ取材に行ったことが判明。捜索にあたる十津川警部は、相棒の亀井刑事と宮古へ向かう。菊地が訪れた姫川村の寺で、砕かれた石碑に“列”という刻字を見つける。東日本大震災で破損しただけでなく、故意に粉砕したと感じた十津川は、石碑の由来を調べ始める。第二次大戦の特攻作戦に繋がると睨んで鹿児島へ飛ぶが……。特攻隊員の妻の命の叫びが、現代の殺人を呼んだ!? 岩手と鹿児島を舞台に、特攻作戦の真実に迫る。陸軍幼年学校の最後の生徒だった著者による渾身の戦争&旅情ミステリー。
  • 今夜はコの字で 完全版
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 広告代理店「集英企画」に勤める吉岡としのりは、今日もダメな後輩の尻ぬぐい。ある日、大学時代の先輩・田中恵子のススメでコの字酒場の扉をおそるおそる開く。コの字型カウンターならではの人と人のふれあい、店主自慢の酒と肴、恵子との恋……。吉岡はコの字の魅力にハマっていく。実在のコの字酒場を舞台に繰り広げられるグルメ&恋愛漫画。コの字酒場で呑みたくなる加藤ジャンプのエッセイも収録。
  • バブル
    3.0
    世界に降り注いだ泡〈バブル〉により、重力が壊れた東京。水没した街はライフラインが断たれ、家族を失った若者達の遊び場――ビルからビルへとチームで駆け回る“バトルクール”の戦場となっていた。ある日、チームのエース・ヒビキは重力が歪む海へ落下し、不思議な力を持つ少女・ウタに救われる。彼女はなぜヒビキの前に現れたのか? 2人の出会いは、やがて世界を変える真実へとつながる――。
  • ファイナルオッズ
    3.0
    食品会社に勤める太一は大の競馬ファン。ある日中山競馬場で、キレ者で知られる上司の立花に会う。立花に見込まれた太一は、会社が買収の危機にあることを知らされる。阻止にはあと十億円必要で、立花が用意できたのは五千万。増やす手段は皐月賞での単勝一点勝負! 狙いの暴れ馬が勝つ根拠は? オッズを保つ作戦は? 超リアルな夢物語。勝ち馬探しのヒントも満載の、全く新しい馬券ミステリー。「純烈」リーダー酒井一圭氏も大興奮!! 「こんなスリリングな勝負、私も加わりたかった!」
  • 小説 ノイズ【noise】
    3.0
    漫画原作の同名映画(2022年1月公開)を基に編まれた小説。農家の圭太と猟師の純が暮らす平和な孤島・猪狩島。圭太が生産する幻の黒イチジクにより復興ムードに沸いている。しかし凶悪犯が島を訪れ付近を徘徊。危機を覚えた圭太は純、巡査の守屋と共に、ハウス内で誤って凶悪犯を殺してしまう。島の未来のため、彼らは事実を隠蔽できるのか。崩壊する日常、裏切り、続出する犠牲者……些細なノイズから増幅する悪意の連鎖。狂気が暴走する新感覚サスペンス!
  • 『五足の靴』をゆく 明治の修学旅行
    3.0
    明治40年夏、与謝野鉄幹が北原白秋、木下杢太郎、平野萬里、吉井勇の若き四詩人を連れて九州を旅した。「五人づれ」という連名で「東京二六新聞」に連載された紀行文『五足の靴』には、その後活躍する詩人たちの才能の萌芽を見ることができる。2018年に世界遺産に指定された長崎、天草の地も踏んでいた彼らの足跡を、森まゆみが10年以上かけて歩き、追体験した詩情と旅情あふれるノンフィクションは、知られざる名著の解説書、歴史を体感できる旅へと誘う極上のガイドブックでもある。世界遺産(文化遺産)「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を巡る付録つき。
  • 最新! 世界の常識検定
    3.0
    「完全な民主主義の国は世界で何%?」「日本のインターネット利用時間は世界で何位?」「世界でもっとも多くの学生を海外に送り出しているのはどこ?」「アメリカ大統領選でSNSを本格的に利用した大統領は誰?」意外な事実が盛りだくさんの世界情勢やインターネットの最新知識を、クイズ形式で学べる1冊。よく目にするのに正しい意味がわからない言葉、わかったつもりになっているけれど本当は違っているかもしれないアレコレをこの機会に確かめてみませんか? 世界の時事ニュースなどを深く掘り下げるコラムも収録。あなたの常識をチェックしながら「いま」の世界のかたちがわかる50問にチャレンジ!
  • 尼子姫十勇士
    3.0
    織田信長ら群雄が割拠する戦乱の世、出雲国の戦国大名・尼子氏は毛利によって滅ぼされ、ただ一人の末裔スセリ姫は京へ落ち延びた。それから二年後、家臣山中鹿介が毛利の九州出撃の報をもたらす。「尼子は負けぬ。出雲はわれらのものじゃ」八咫烏が守神の姫は、敵の留守に出雲奪還を決意。結集した鹿介ら十勇士ととともに強大な毛利軍に戦いを挑む! 立川文庫で知名度を不動のものにした物語を、新たな構想、壮大なスケールで描く歴史小説。
  • 神遊び
    3.0
    同窓会に出席するため、七年ぶりに故郷の村を訪れた俊介。その日は、俊介が村を離れるきっかけになった祭りの日だった。七年前の祭りの夜、俊介は友達と五人で村に伝わる「神遊び」をしようと決める。成功すれば願いが叶うが、怖いものに遭うという噂もあって……。小さな冒険心が引き起こした悲劇、そして遺された者たちの後悔の行方は――。表題作ほか三編を収録。神と人をめぐる連作短編集。
  • 旅先のオバケ
    3.0
    「旅の多い人生だ。世界各国、日本各地。ホテルや旅館などの恵まれた寝場所だけでなく、原野やジャングルなどでも寝なければならない」(本文より)。真冬のロシアのホテルで遭遇した信じられないホラー体験、モンゴルのゲルにやってきた深夜の来訪者、ラオスでカビと虫の死骸に囲まれた一夜、一瞬で身体ごと蚊に包まれるツンドラのテント生活など、旅の達人・椎名誠がこれまでに泊ってきた「宿」を振り返り、驚き・発見・恐怖・感動のエピソードをまとめたエッセイ集。地球を股にかけた、オドロキのエピソードが満載!
  • 吸血鬼は殺し屋修業中(吸血鬼はお年ごろシリーズ)
    3.0
    エリカの仲良し三人組、色気より食い気(!?)のみどりに彼氏ができた! 幸せいっぱいのみどりだったが、デートのあと忘れ物を取りに戻ると、そこには拳銃を持つ彼の姿が。イケメンで優秀、だけど普通の大学生のはずの彼が見つけた「いいバイト」は、引き金を引くだけで百万円の殺し屋稼業……!? 表題作ほか、『吸血鬼の秘湯巡り』『吸血鬼は怒りの日に』の2編を収録。新装版シリーズ、第25弾!
  • DEVIL'S DOOR
    3.0
    「マニピュレイテッド」と呼ばれる人型AIが自由に往来する近未来。自由都市サン・ハドクには、人とマニピュレイテッドと、そして悪魔が生きている。近年、悪魔が仕業の事件が多発し、一方で、人間によるマニピュレイテッド狩りが横行していた。マニピュレイテッドの射撃手・ユマは、聖書型の悪魔アグリとともに、悪魔祓いを生業としている。ある日、二人のもとにシオリという女性シンガーの護衛依頼が舞い込み……。人の心を理解し始めるAIと、人の魂を堕落せさようとする悪魔…二人の冒険が始まる!
  • 怪しくて妖しくて
    3.0
    ショートショートの名手、阿刀田高が贈る。夢と現実(うつつ)のあわいに現れる、日常の恐怖を描いた珠玉の短編集。黒髪の美しい、不思議な女の後を追って……「黒髪奇談」、かつて「殺したい人、いますか」そう尋ねた孤独な少女……「向日葵の夢」、暗い土蔵のなかに捨て置かれた鏡、その中で蠢くものは……「鏡の中」、同じ夢を見る。他人には言えない秘密を持った日には……「白い部屋」など全12編。
  • 宅飲み探偵のかごんま交友録
    3.0
    1~2巻605~682円 (税込)
    大学三年生の僕こと小金井晴太は、ある春の日、憧れの先輩である清田小春に一世一代の告白をかます。玉砕覚悟の大博打は、拒否もされなければ承認もされないというなんとも中ぶらりんの結果に終わった。そして、これがあの偏屈マッチョと僕を巡りあわせるターニングポイントになってしまうわけだが……。面白さ“桜島”級の青春ミステリ。
  • 私が作家になった理由
    3.0
    小説家を志していたわけではない──。戦争疎開のいじめと敗戦を経験した少年時代。父を亡くし生活苦のなかの早稲田大学進学、在学中の結核発症。闘病後の就職難を経て、国立国会図書館に勤務し始めると、執筆の誘いが……。思えば、温かな家庭の原体験と折々の読書が、いつしか作家活動の基盤となったのかもしれない。短編の名手が、辛口ユーモアを交え自己を省みて綴る時代批評&自伝エッセイ。
  • 小説禁止令に賛同する
    3.0
    「皆さん。こんなおかしな小説はありはしません。信じて下さい」2036年の日本。「練られた筋書きだの、生活の機微を活写した虚構だの、人間のありようを深く追求するだの、そんなことの一切が嘘八百だということを、わたしは平易な随筆でもってあきらかに示したい。それが敗戦国の人間の、当然の責務だと考えるからであります」獄中で書いた随筆は、政府が発布した「小説禁止令」を礼讃する内容になるはずだった。しかし、当局がそこに見つけたのは、あるはずのない作品名だった……。
  • 武士マチムラ(琉球空手シリーズ)
    3.0
    幕末の沖縄を生きた空手家・松茂良興作。一度見た「手」をほぼ記憶するという特異な才能を備えた彼は、刀を振るう薩摩藩士に手ぬぐいで立ち向かうなど、数々の武勇伝を持ち泊手の達人へと成長する。やがて明治維新の荒波が沖縄を襲い、琉球王国がヤマトに消滅させられると、興作は反ヤマト派の活動を始めるが――。空手の真髄と沖縄のあるべき姿を追い求めた男の、波瀾の一代記!
  • 地下芸人
    3.0
    中学校からの友人であるオダと広瀬がお笑いコンビ・お騒がせグラビティーを結成して早十年。未だ一向に売れる気配がなく、周囲の芸人も次々と引退していく中、何が面白いのかもわからなくなったオダは、広瀬からコンビ解散を告げられてしまう。解散まであと一か月。オダが最後にすることは……? 元芸人の著者がひたすらに笑いを追求する者たちを描いたデビュー作。ジャンプ小説新人賞受賞。尊敬するお笑い芸人・カズレーザー氏との対談も収録。
  • 葬儀屋 プロレス刺客伝
    3.0
    「葬儀屋」に狙われた対戦相手は表舞台から姿を消す──。プロレス団体の練習生、梶本は素性不明のサーモン多摩川の付き人となる。ふざけたファイトで不評を買う多摩川の異様な特訓に翻弄される梶本。彼こそ「葬儀屋」だという噂は気になるが……。やがて多摩川と対戦相手の周囲で起こる様々な事件。梶本が向き合うことになる恐るべき真相とは。プロレスの魅力を凝縮したような、強く激しく逞しい物語。
  • 結願(鶴見京介弁護士シリーズ)
    3.0
    鶴見は、河原真二を刺殺した容疑で逮捕された大峰の弁護人となる。大峰は、河原と交際していた妹が自殺したことで恨んでいた。だが、大峰は犯行を否認。アリバイが証明出来ず息詰まるなか、河原が恋人を毒殺した容疑の裁判で無罪になっていた過去が明らかになる。裁判記録を読みこんだ鶴見は当時の関係者を探し出し……。真実を解き明かす為、四国お遍路へ向かう若き弁護士! 書き下ろしミステリー電子書籍版。
  • 二度目の過去は君のいない未来
    3.0
    二十九歳の高校教師・兼祐は仕事がうまくいかず、七歳年下の妻・陽子との喧嘩も増えるばかり。結婚一年目の記念日に、二人は自殺寸前の生徒を助けようとして、電車に轢かれそうになり――気がつけば、大人の記憶を持ったまま、十年前の世界に戻っていた。兼祐は大学一年生、陽子は小学六年生。悩みながらも“二度目の過去”をやり直す二人が最後に選びとった“未来”とは。明日への道標となる物語。
  • レイモンさん 函館ソーセージマイスター
    3.0
    大正末期の函館。旅館の娘コウは客のレイモンと知り合う。ソーセージ職人で缶詰の指導に来たドイツ人だ。恋した二人は天津まで駆け落ちし結婚。チェコで開いた店は繁盛するが、コウの望郷の念を察したレイモンは函館での開店を決意。だが、肉食習慣のない日本人に受け入れられず、戦争が外国人に過酷な仕打ちを……。健康で平和な暮らしを実現しようとソーセージ作りに奮闘する夫婦の愛と信念の物語。書き下ろし歴史小説。
  • 困った死体
    3.0
    1~2巻594~649円 (税込)
    捜査が行き詰まると暴走する刑事、ダジャレ連発で現場を混乱させる鑑識課員、優秀で圧倒的な美貌を誇る女王様気質の監察医――3人は〈サーカス〉と呼ばれる、変死事件ばかりを扱う特殊班に所属している。持ち込まれるのは断食中の食中毒死や、停電中の感電死、熱帯夜に見つかった凍死体に、砂漠のど真ん中の溺死体!? ありえない死を遂げた「困った死体」の究明に、個性豊かな面々が奔走する!
  • 私の彼氏は吸血鬼(吸血鬼はお年ごろシリーズ)
    3.0
    大好きな彼氏に振られた。それもひどい方法で。傷心の女子高生、岡野栄江の周辺で血なまぐさい事件が起こり始める。正統派吸血鬼クロロックと娘のエリカは事件の解明に乗り出すが……。我は復讐のためによみがえれり。そんな怪しげな落書きを、“クロロック商会”のトイレの鏡に見つけて……? ほか「マドモアゼルと吸血鬼」「吸血鬼と眠りを殺した男」を収録。新装版シリーズ、第22弾!
  • 悪魔の手紙 ヨコハマOL探偵団
    3.0
    車の中で男が3人殺されている。通報を受けた神奈川県警のパトカーが多摩川沿いの現場に急行。だが、車内には血の跡が残されているだけだった。通報から到着まで90秒も経っていない間のことである。一方、3人の死体を目撃後、現場から逃げたヨコハマ自動車新入社員・杉本千鶴は、6年前のある出来事を思い出して──。同僚の名物OL達が千鶴を励ましながら、死体消失のトリックに挑む。会社ミステリー。
  • あるいは修羅の十億年
    3.0
    テロ、移民、スラム化した東京、菌糸の生物兵器…2026年の“未来の歴史”を幻視せよ。舞台は2026年東京。放射能汚染によって隔離された被災地「島」からやってきた、天才的騎手・喜多村ヤソウ。東京オリンピック後、スラムと化した“鷺ノ宮”を偵察する「島」生まれの喜多村サイコ。先天性の心臓病を患う少女・谷崎ウラン。17歳と19歳と18歳の3人が出会うとき、東京を揺るがす事態が巻き起こる――。日本、フランス、メキシコ、そして「島」。遥かな未来になけなしの希望を託す、近未来長編。
  • ジョッキーズ・ハイ
    3.0
    地方競馬の騎手、一色純也。中堅だが成績は三流だ。彼が所属する北関東競馬で、競走馬から禁止薬物が検出された。愉快犯? それとも競馬開催を妨害しようとする陰謀? 純也は恋人の競馬ジャーナリスト、沙耶香と調査を始める。薬物事件はその後も続き関係者が揺れる中、純也にかつてない好調の波が訪れ……。競馬に関する描写のリアルさと、ミステリーとしての切れ味に思わず息をのむ衝撃の作品。
  • 掃除屋 プロレス始末伝
    3.0
    依頼を受け、相手をリング上で制裁する「掃除屋」。ベテランレスラーのピューマ藤戸はそんな裏の顔を持つ。様々な事情を抱える依頼人から高額な報酬をせしめる背景には、リング禍で今なお意識が戻らない親友の存在があった。身体に爆弾を抱えた藤戸が、最後の対戦相手に選ぶのは──。プロレスファンなら感涙必至、そうでなくとも胸が熱くなる哀愁ただよう男の美学の物語。本当の強さが、ここにある。
  • 私の胸は小さすぎる 恋愛詩ベスト96
    3.0
    「あたりまえみたいな顔をして/ふたりで旅する話をしている/明日のくるのがなんだか不思議だ/どうして一緒にいるんだろう/愛だなんててれくさい──」(『歌の本』所収「どうして一緒にいるんだろう」より)。処女作から60年以上、想像力の高みを拓き、今も現代詩をリードする世界的詩人の著者。彼の全詩作品より、愛と恋の宇宙を感じる95の恋愛詩を厳選。新作1編を加えた貴重なベストセレクション。
  • 緑衣のメトセラ
    3.0
    “ガンの巣”と噂される高級老人ホーム「メゾンメトセラ」。その噂を幼馴染みの千足から聞き、フリーライターの小暮アキは興味を抱く。がんの最新研究をしている併設の病院でアルバイトを始めた千足が不慮の死を遂げた。特殊なウイルスに感染したためだというが──。そこには人類の未来を左右する重大な秘密が隠されていた。人はどこまで倫理を踏み越えられるのか。怒濤のサイエンス・ミステリー!
  • 義弟
    3.0
    人気弁護士の彩と義理の弟の克己は、本当の肉親以上に信頼し合っていた。ある夜、彩と不倫関係にあった男性が彼女の職場で突然死する。スキャンダルを恐れた彩に助けを求められた克己は事故死に偽装するが、夫の死を不審に思う妻が彩の事務所に相談しにやってくる。彩は克己の反対を押し切り、彼女の依頼を引き受けるが…。心の闇を抉り出す衝撃作。
  • キリングファーム
    3.0
    北海道は羊蹄山の東、支笏湖に連なる山間で競走馬を生産する風死狩牧場。起業に失敗した祐介はそこで働き始める。サラブレッドとの触れ合いに感動しながら、閉鎖された地での生活に不自然さも覚える。やがて次々と変死、失踪事件が発生。ヒグマか、怨恨か、謎が深まる。開拓時代の歴史を縦糸に、現代競馬の最先端事情を横糸に編まれゆく、人と馬との系譜。息もつかせぬ急展開、圧巻の競馬ミステリー。
  • 屋上で縁結び
    3.0
    1~3巻528~605円 (税込)
    勤め先が倒産し、再就職活動中の苑子。生来の地味さゆえか連敗中のある日、面接会場の窓から遠くのビルの屋上に建つ神社を見つけ、神頼みをする。数日後、採用が決まったのは、なんとその神社があるビルの受付だった。初出勤日の昼休み、何気なく屋上に上がった苑子はモッズコート姿で掃除をする神主の幹人と知り合い、弁当を分け合うことになり…。すこし不思議で心温まるお仕事ミステリー。
  • ダービーパラドックス
    3.0
    実業家・堂林の所有馬が次々と故障。競馬記者の小林が疑惑を追う中、堂林の馬ジェメロがデビューを迎える。小林が魅了されるほどの素質馬だが、惨敗した上に故障も判明。そんな折、先輩記者の沢村が謎の死を遂げ、小林自身も危険を感じるようになる。競馬界で何が起こっているのか。誰を信じればよいのか。北の大地で小林が見た真実とは!? 現実を超えるリアリズム、これが21世紀の競馬ミステリー。
  • まぼろしの維新 西郷隆盛、最期の十年
    3.0
    首がない。それは西郷隆盛の遺骸だった――。維新の大業を成し遂げた西郷は鹿児島に帰郷していたが、社会の混乱が収まらず、弟・従道の説得により新政府に加わる。精力的に改革を進める西郷だったが、朝鮮との外交問題を巡って大久保らと対立。そして、明治十年の西南戦争に突入する。彼は自らの死と引き換えに何を得ようとしたのか。隆盛の後半生に焦点を絞り、西南戦争の全貌を活写する長編。
  • 幕末維新傑作選 最後の武士道
    3.0
    現代の日本が忘れてしまった武士道の有りよう、永遠に語り継ぎたい日本男児の生きざまがここにある! 坂本龍馬、陸奥宗光、西郷隆盛ら、幕末を生きぬいた志士たちの肖像。土方歳三に見込まれた新選組の隊士、天覧のもと兜割りを成し遂げた日の本一の剣豪、西南戦争を闘う薩摩軍兵士ら、維新の動乱を駈けぬけた剣客たちの肖像を描き上げた逸品ばかりを収録。歴史小説の大家が自ら厳選した力作短篇集。
  • もっと人生ラクになるコミュ力UP超入門書
    3.0
    人づき合いって難しい…。そんな悩みを抱えるすべての方へ。人づき合いの基本、“コミュ力”UPの極意を現役精神科医が教えます! 別れ際のひと言が最も重要、「いい人と思われたい」欲を捨てる、相手の顔色をうかがわない、などなど。友人との些細なやりとり、就職&転職活動、ビジネスシーン、どんな場面でも役に立つ。いつも手元に置いておきたくなる「心のお守り」となる究極のハウツー本。
  • 無名時代
    3.0
    1959年4月、M大を卒業したばかりの芥洋介は、株式会社宣友へ入社する。彼を待っていたのは広告代理店草創期のアナーキーな日常と、苛烈な自意識をぶつけ合う同僚たちだった。皇太子ご成婚、東京オリンピック、そしてザ・ビートルズの来日。時代の奔流の中、今は何者でもないけれど何者かであるはずだ、と信じてもがき、走った青春の日々。日本の歌謡曲を牽引した作詞家・阿久悠による自伝的小説。
  • マダム・キュリーと朝食を
    3.0
    どうして、目に見えないもののことは、大切にできないんだろう――。「東の国」に流れ着いた猫と、震災の年に生まれた少女、雛。猫は放射線を“光”として見ることができ、雛の母たちはその“光”を音として聞くことができた。ラジウムの発見は世の中を大きく変えたという。一体どんな風に? 一匹と一人は時空と場所を飛び超え、エネルギーの歴史を知る旅に出る。問題提起に満ちた長編小説。
  • 逢うには、遠すぎる
    3.0
    7年前に別れた妻・杏子がロス―東京を結ぶコカイン密売組織のトラブルに巻きこまれた。雨の夜、カメラマン・上杉にかかってきた無言の電話。救いを求めてきたのだろうか、気にかかる。まだ愛しているかも知れない杏子の行方を追って上杉は単身ロスへ飛ぶ…。
  • 吸血鬼と死の花嫁(吸血鬼はお年ごろシリーズ)
    3.0
    正統な吸血鬼の血を引くフォン・クロロックの娘・エリカは、客のふりをする“さくら”のアルバイトでホテルのブライダルショーを訪れる。しかし、偶然、通りかかったクロロックは会場内に血の匂いをかぎつける。急ぎ現場に駆けつけた二人の前には、モデル5人の血まみれの死体が! 事件に関わる魔女とは? 表題作のほか『吸血鬼、荒野を行く』『世直し吸血鬼』を収録した大ヒットシリーズ第18弾!
  • 雲の王(空の一族シリーズ)
    3.0
    1~2巻594~737円 (税込)
    気象台に勤務する美晴は、息子の楓大と二人暮し。ある日、自分たちが天気を「よむ」能力を持つ一族の末裔であることを知る。美晴にも天気を予知する不思議な能力が出現し、特別研究チームへの参加を任命される。それは、代々“空の一族”が担ってきた「外番」の仕事をすることを意味していた。「外番」とは、そして一族の「役割」とは一体何なのか? かつてない気象エンタメ小説、ここに開幕!
  • ギャルに小判
    3.0
    みんな「もっと欲しい」と思っているのに、口に出すのははばかられる。み~んな好きなくせに、そうでもないフリをしている……オ・カ・ネ。金は天下のまわりものとはいうけれど、できれば自分のまわりにより多く集まってほしいと、そう思うアタシって、とても人間的。「お金が好き」と堂々広言するサカイが、稼いで使って、ケチって増やす、いまどきの娘のお金とのつきあい方、本音で教えます!
  • 生協のルイーダさん あるバイトの物語
    3.0
    大学生の社本勇はとにかく優柔不断。電車のルートも学食のメニューも、何てことない二者択一にいちいち悩む。そんな勇に、美人生協職員のルイーダが紹介してくれるバイトはレアで怪しいものばかり。新薬の治験、下着モデル、借金の取り立てなど。ただ、勇はどれも失敗続き。そんなバイト生活が意外な展開に。勇が最後に選ぶのは!? 笑いあり驚きありラストはスッキリのブラック“バイト”コメディ!
  • 凍った蜜の月
    3.0
    死ぬほど愛した男が、逃げてゆく。この愛を失うなら、本当に死のうとすら思った――。求めれば求めるほど、遠くなる愛、つのる欲望。恋に溺れる女の心と体を描いた表題作「凍った蜜の月」ほか全6篇。からだの内に「月」を抱えて生きる女たちの、どうしようもない思いと、満ちては欠ける「月」のように、はかなく変化する男と女の関係を、エロティックに描いた短篇集。
  • 競馬の終わり
    3.0
    【第10回日本SF新人賞受賞作】22世紀。ロシアの占領下にある近未来の日本では競走馬のサイボーグ化が決定。ロシア高官イリッチは、生身の馬体で行われる最後のダービーを勝つために零細牧場主・笹田の最高傑作“ポグロム”を購入。立ちはだかるのは最大手牧場が禁断の交配により生み出した“エピメテウス”。勝つのは「悪魔的な強さ」か、「病的な速さ」か。時代が埋もれることを許さなかった問題作。
  • 学園王国
    3.0
    超ロングのスカートに裏地がヒョウ柄のブレザー、黒い口紅……時代を超越した「ツッパリ」スタイルを貫く沙耶香は、母親の再婚がきっかけで埼玉の公立高校から代官山の超セレブ高校に転校する。自分の常識が全く通用しない世界に困惑しつつも、クラスで友達を作ろうとする沙耶香だが、無視や陰口、仲間はずれなど地味なイジメに遭い……。沙耶香はこの閉鎖的な学園を壊すことができるのか!?
  • 外房線 60秒の罠(十津川警部シリーズ)
    3.0
    井口勲は、二年前に殺された恋人との思い出を胸に南房総の旅に出かけた。安房鴨川で出会った若い女性に、携帯電話のカメラで写真を撮られる。翌日、井口を写した携帯を所持した女性の絞殺体が井の頭公園で発見され、彼に容疑がかかる。捜査班の十津川警部が井口の身辺を探るうち第二の殺人が発生し……。巧妙に張り巡らされた復讐のトリックに挑む! 風光明媚な房総を舞台に描く旅情ミステリー。
  • 小説 ロボジー
    3.0
    木村電器の新人社員・小林は、社長の思いつきで「ロボット開発部」への異動を命じられる。何の専門知識もないまま、博覧会で発表するために、ロボット作りを強いられた彼が取った手段は、ロボットの中におじいさんを入れることだった。一見、うまくいくかに思われたその場しのぎの作戦は、おじいさんの暴走で思いもよらない展開に――。小林たちの運命やいかに!? ハートフルコメディ小説。
  • 十津川警部 特急「しまかぜ」で行く十五歳の伊勢神宮(十津川警部シリーズ)
    3.0
    第二次世界大戦中、野々村は学徒動員で伊勢神宮を守る任務につく。終戦後、十五歳で東京に転居し考古学を研究してきた。遷宮で沸く伊勢へ七十年ぶりに帰郷し、同級生と再会。空襲で行方不明になったままの友人・加藤明が話題になる。野々村は、加藤の最後の姿を語り始めるが……。悲惨な戦争に翻弄された青春の封印が解かれた時、殺人の惨劇が! 難事件に挑む十津川警部の名推理。長編旅情ミステリー。
  • 北国通信
    3.0
    雪を美しいものと見るのは旅人の目であり、それを悪魔と感じるのは雪国の人々の実感であるという。平原のポプラ、リラの花、とうもろこしの焼ける匂い、流氷のくる街……移ろいゆく北国の自然と風物を通して、医師から作家へとなると同時に、北海道から東京に住むようになった著者が、ふるさとへのアンビヴァレンツな心の動きを描写。渡辺文学の原風景を語る珠玉のエッセイ集。
  • 築地 魚の達人 魚河岸三代目
    3.0
    世界に食文化を発信する築地市場が開設して80年。魚河岸仲卸「堺静」の三代目として誕生した著者は、築地で育ち、家業を継ぐ。築地を愛し、魚にほれ込み、魚の職人として生きてきた。魚の旬や特性、美味しさを知り尽くしているからこその料理法の数々。市場のしきたり、厚き人情から心意気まで、意外で愉しいエピソード満載。人気コミック『築地魚河岸三代目』アドバイザーが、築地の秘密を大公開!
  • リケコイ。
    3.0
    恋愛経験ゼロ。冴えない理系大学院生の森は、ある日突然恋に落ちた。相手は、卒業研究をするためにきた、黒髪メガネの年下リケジョ・羽生さん。ところが、好みド直球な彼女にはある重大な秘密が! 妄想と現実に身悶えながら、あの手この手でアプローチを仕掛けるが、ひたすら空回り。それでも諦めきれない……。どこまでも不器用で、思わず応援したくなる、歯がゆさ満載の青春ストーリー!
  • 上石神井さよならレボリューション
    3.0
    成績不振の写真部員・設楽洋輔は、眉目秀麗で天才で変態の岡江和馬の勉強指導と引換えに『フェティシズムの捕獲』を請け負うことに。高校一の美少女で生物部員の愛香の依頼で一緒に野鳥の撮影をしつつチャンスを狙う中、様々な「消失」事件に出会い……。天真瀾漫で運動神経抜群の愛香の突飛な行動、冷静かつ的確な岡江の推理を参考にしながら、設楽は意外な事件の真相に迫る。青春ミステリー!
  • 聖母たちの殺意
    3.0
    役者のエージェントとして働く美穂。ある日、女子大の同級生で“マドンナ”と呼ばれた笑子が殺され、驚く。しかも殺人の重要参考人である笑子の夫と、やはり女子大の同級生で富裕な人妻の克子とが、居候として家に転がり込んで来た! そして、もうひとりの親友、香は――。卒業後10年、かつてのマドンナたちの恐るべき変貌。すべては時の流れのなせる業なのか!? 仄かな苦さを秘めた大人のサスペンス。
  • 0葬 ――あっさり死ぬ
    3.0
    日本の葬儀代は世界一。葬式や墓に何百万円もかける必要が本当にあるのか。遺族が散骨を行う「マイ自然葬」、そして葬儀をせず遺骨すら受け取らず、墓も作らない「0葬」へと時代は確実に進んでいる。超高齢化が進み、死者を葬り、弔うことへの意識は昔と大きく変化してきた。もはや死後、遺体を適切に処理するだけで十分なのだ。遺族へ迷惑をかけない逝き方に悩むあなたに必読の「終活」入門書。
  • 彼女のプレンカ
    3.0
    【第23回すばる文学賞受賞作】ハワイの大学に留学していた咲と裕美子は卒業旅行にタイを訪れた。咲は自分のルーツにつながる少数民族の村に伝わるブランコ=プレンカを探すために。裕美子はある思いを抱いて。北部の町・チェンライで山岳民族アカ族の青年とその妹と出会ったことから、二人の旅は変わり始める。それぞれの交錯する物語は、やがて思いもかけない結末を迎えることに……。
  • 弾丸スタントヒーローズ
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    千鶴は冴えない大学二年生。ある日、父から「双子の嗣美が怪我をした」という突然の連絡が。駆けつけた先は、なんと映画の撮影現場だった。そこで美作という女性スタントマンに出会った千鶴は、成り行きでスタント・チームに所属することになる――。幼い頃の火事の記憶、母親との葛藤、姉妹の確執を乗りこえて成長していく、一人の女性の物語。共感と感動と癒しの青春×家族×お仕事小説!
  • シネマティク恋愛論
    3.0
    【渡辺淳一文学賞創設記念電子化!】肉体に刻みこまれた愛の深さ『愛の嵐』。妻子ある男と人妻の恋『恋におちて』。男を追いすぎた年上の女の悲劇『夏の嵐』。妻が夫以外の男に揺れる時『終着駅』。愛の不毛の行きつく果て『情事』――。14の名作映画をテキストに、さまざまな愛のかたちを論じ、恋のこころを説くエッセイ。恋愛における心と肉体の問題や、男と女の違いなど、その本質に著者が鋭く迫る。
  • 暗黒街の吸血鬼(吸血鬼はお年ごろシリーズ)
    3.0
    駅のホームで、突然見知らぬ男たちに囲まれたクロロックとエリカ。黒のマント姿といういかにも怪しい格好のために、人違いされてしまったのだ。彼らが探していたのは、恐ろしい復讐心を燃やす父娘らしいのだが……!? 暗黒街の掟に立ち向かう、正義の吸血鬼父娘が大活躍! 表題作のほか『吸血鬼は時給八八〇円』『吸血鬼の祭典』の2編を収録した、〈吸血鬼はお年ごろ〉シリーズ第15作!
  • 一筋の道
    3.0
    三味線作り、櫛づくり、文楽の人形師、きせる作りなど、伝統工芸の名匠たち。講談師、幇間といった名人たち。そして、ふぐ、そばなどの名料理人たち――。日本の伝統を守る名人・名工30人を訪ねて、「ひとり孤独な自分の道を往く職人の姿の尊さ」をつづる。かつて「銀座百点」に連載され好評を博し、さらに21世紀にも伝えるべき、貴重な訪問エッセイ。
  • 新釈・からだ事典
    3.0
    【渡辺淳一文学賞創設記念電子化!】だれもが健康に無関心ではいられない。からだへの関心がますます高まっている現代。からだのことを知りたいが、医学の専門書では難しすぎるし、家庭向けの看護全書では味気ない。かつて医師であった著者が自身の経験を通じ、ときにユーモアを、ときに皮肉をまじえて、とことん人体の神秘、人間そのものを解き明かす。著者ならではのメディカル・エッセイ。
  • 挑む力 桑田真澄の生き方
    3.0
    日本屈指の名投手、桑田真澄。二度の甲子園優勝やプロ入り後の巨人軍での活躍は、今も人々の記憶に新しい。体格的に恵まれたわけではない彼が第一線を走り続けた陰には、並々ならぬ努力と独自メソッドの確立があった。どうすれば野球は上達するのか。プロを志す野球少年がそれぞれのステージで成長し、長くプレーするための練習法とその指導法を桑田自らが語る!全ての野球関係者へ贈る一冊。
  • 失踪(鶴見京介弁護士シリーズ)
    3.0
    鶴見弁護士の中学の恩師夏川が、札幌から上京した。城巡りが趣味の夏川は、雲海に浮かぶ城として有名な竹田城へ行く予定だという。数日後、神戸から竹田城へ向かった夏川が、忽然と消えたと連絡が入る。事故か事件か、恩師の安否を心配し鶴見は竹田城へ。やがて、教育熱心で生徒に慕われた男が抱えた暗い秘密を突き止めるが……。驚愕の真実を前に若き弁護士が下した決断とは?
  • 鎌倉江ノ電殺人事件(十津川警部シリーズ)
    3.0
    都内の大学生が、独り暮らしの自宅で服毒死した。急行した十津川警部は、現場で江ノ電の玩具に気付く。犯人のメッセージではと考えた警部は、江ノ電に乗車し手がかりを探す。数日後、江ノ電が女性を轢いたと知らせが届く。だが、被害者はすでに絞殺されていたことが判明。さらに、その女性のものと思われるバッグからも、同じ江ノ電の玩具が発見され……。連続殺人犯に挑む名推理。長編旅情ミステリー。
  • 幸いは降る星のごとく
    3.0
    ときは1990年代前半、“女芸人ブーム”前夜。東京の国立大学に通う真名子は、幼なじみの貴子とお笑いコンビ「モンスーンパレス」を結成した。自らの不美人を認識しない真名子と、世間ズレしたOL志望の貴子。笑いとは縁遠い生活を送ってきた彼女たちが、なぜその世界に入り、どう生き延びていったのか。時代によって作り出された“女芸人”の先駆者となる四人の女性の悲哀と幸福を描いた長編小説。
  • 日本を支えた12人
    3.0
    この国は先人たちの叡智によって支えられてきた。古くは推古天皇の時代、民主主義の理想を目ざし「憲法十七条」を作った聖徳太子から、混迷する現代にありながら、皇室は祈りでありたいという一貫した姿勢を貫く美智子皇后に至るまで。歴史、政治、文学、映画に精通する著者が偉大な12人の功績を検証する。小さな島国で脈々と受け継がれてきた同一性とは何か。日本人であることを見つめ直す一冊。
  • 情状鑑定人
    3.0
    幼女誘拐の容疑で逮捕された井原信三に、情状酌量の余地があるかどうか――家裁の調査官・立花文代の依頼を受け、精神科医・祝田教授は、被告の過去を調べていく。井原は7年前、妻を殺し放火した容疑で起訴され、実刑判決を受けていたが、その背後に意外な事が……。“精神異常”の本質に迫る表題作の他、読み応えのある傑作ミステリー集。

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