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ときは1990年代前半、“女芸人ブーム”前夜。東京の国立大学に通う真名子は、幼なじみの貴子とお笑いコンビ「モンスーンパレス」を結成した。自らの不美人を認識しない真名子と、世間ズレしたOL志望の貴子。笑いとは縁遠い生活を送ってきた彼女たちが、なぜその世界に入り、どう生き延びていったのか。時代によって作り出された“女芸人”の先駆者となる四人の女性の悲哀と幸福を描いた長編小説。
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Posted by ブクログ
1990年代の「女芸人ブーム」を担うことになった、四人の女性たちをえがいた小説です。 著者のエッセイ作品を連想させる、過剰なまでに饒舌な文体で、お笑いコンビ「モンスーンパレス」を結成する金坪真名子(かなつぼ・まなこ)と安井貴子(やすい・たかこ)という二人の女性の青春時代を中心に、ともざわとみこ、阿...続きを読む蘭陀(おらんだ)おかねの二人を加えて、芸能界でそれなりの地歩を得た女芸人たちの三十代が活写されています。 本作が小説でありながらエッセイに近いような印象をあたえるのは、登場人物たちの身に起こった出来事がストーリーとして語られるというよりも、彼女たちが時代と状況のなかでどのような位置を占めることによって女芸人となりえたのかということについて、著者の立ち入った分析が展開されているからです。彼女たちは、男女雇用機会均等法が成立してからの五、六年という時間を女子中学生として過ごした世代とされており、「男女雇用機会均等法以前には、女でブスであると「生きにくい」という思いを感じなければならなかったが、その後の突然変異形の女子中学生は、「ブス」と言われても平気でこれを拒絶するし、その逆に「そうだよ」と言って平気で受け入れてしまう」と説明されています。 もちろん本作の主人公である真名子と貴子は架空の人物ですが、「オアシズ」の光浦靖子と大久保佳代子、あるいは、いとうあさこといった女芸人たちと世代的には一致しています。彼女たちは「ブス」を自虐的にネタにしますが、彼女たちが語るエピソードには、上の世代の山田邦子に感じられるような悲劇性はありません。そうした点でも、現実の世相についての著者独特の見かたが本作に反映されているように感じてしまいます。
女芸人不毛の時代から、女芸人ブームがやってくるまで。 その時代を生き延びていった女芸人たちの物語。 帯に、椿鬼奴さんが 「主人公の女性芸人に、あの芸人に似てるな、 あの後輩こういうとこあるな、わかる!と フンフン共感しました。」 とコメントを寄せています。 で、読んでいると、最後の方に 「阿蘭陀お...続きを読むかね」という女芸人が登場するんですけれども、 これは椿鬼奴さんをベースにして書いているんじゃないのかな、 というキャラクターでした。 主人公コンビのモンスーンパレスにしても、 なんとなくですが、オアシズの二人が連想されて、 まあ、もっと過剰にキャラクターを作り込んでいる感じですが、 現実のお笑い業界事情をちゃんと見ていて 書いたのかなあと思うところ。 物語の語り方、構成については、 結末がもうほんと、最後の最後のところでオチがついて、 そこに収束するものはあるんだけれど、 小説の面白さとしては、ただ雑多(ではないかもしれないけれど)な あれこれの記述・描写にあると思いました。 くだけた感じで構成されていますかね。 自己完結がいけない、っていうのがよく出てきたんですけど、 今の時代って、自己完結するのが楽っていう方向に たとえば40代以上の世代にとっては進んでいっていないかなあと思いました。 僕自身も、自己完結で何が悪いんだろう、って思いますから。 とはいえ、僕が考えている自己完結は完全に完結していないでしょうけども。 ときたま、著者の、世のあれこれに対する造詣の深さが キラリと光るところがあるんですが、 小説というものにとって、そういうのって本当に必要かな? という疑問も抱きました。 チラっと光のがそういう経済だとか社会だとかに対する答えめいたものだと、 なんか、それは違うようにも思えてしまう。 頭の良し悪しもあって、僕はそうでもないからなのかもしれないけれど。 橋本治さんの小説は二つ目の読書でした。 また、そのうち違うものを手に取ろうと思います。
著者の小説デビュー作は今から40年前に出版された『桃尻娘』。いつだったか、高校生だった私にその本を薦めてくれた姉御がいて、たいそう面白く読んだことを覚えています。そんな思い出を胸に、実に久しぶりにこの著者の本を読む。 女芸人がまだ珍しかった頃のこと。キャラが確立するきっかけとは実際こんな感じで、「...続きを読む離れがたい絆がある」よりも「離れる必然がない」というコンビも多いのかも。 文体は万人受けしないでしょう。落としどころはどこかしらと思ったら、そこですか(笑)。人は出会いがしらにぶつかって恋が始まることを求めている!?
ブスという言葉が頻繁に使われていながら下品さは薄く、なぜか不愉快な思いはわかない。物語に大きなうねりは起こらないが、いまやテレビのバラエティ番組と称されるものに欠かせない存在となった女芸人たちの創成期の息吹が伝わってくる。
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橋本治
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