歴史・時代小説作品一覧

  • うろこ雲 決定版~研ぎ師人情始末(三)~
    4.5
    研ぎ師・荒金菊之助の裏店に越してきた伊佐次が襲われた。伊佐次は騙されて詐欺の片棒を担いだのだが、大金を持ち逃げした一味に狙われたのだった。同情した菊之助は伊佐次を匿うが、伊佐次の身請け人・喜兵衛が斬殺された。菊之助は、従兄弟の南町奉行所臨時廻り同心・横山秀蔵と一味の捕縛に乗り出すが……。人気時代作家・稲葉稔の原点シリーズ決定版第三弾。
  • 春風の軍師 居眠り同心影御用22
    3.0
    今孔明と噂の若き軍師、榛名一揆三千を率いて三万の討伐軍を翻弄! 元老中松平定信から直々に居眠り番源之助に影御用。軍師を注意深く見守れ! 一揆は終わったのではない。無用の血がまだまだ流れる。 北町奉行所の元筆頭同心で今は「居眠り番」の蔵間源之助は、数人の侍に襲われている男を助けた。男は、上州榛名で起きた三千人の一揆を指揮し四ヵ月にわたって三万の討伐軍を翻弄、和議に導いた若き軍師として、今江戸で話題の人であった。数日後、元老中で今は隠居の身の白河楽翁松平定信から直々に、影御用を賜った。話題の軍師を注意深く見守れというのである。
  • 双面の旗本 居眠り同心影御用27
    3.5
    探索の徒目付が恐れる仏の如き五千石旗本の想像を絶する素顔とは。 ある日突然まるで別人に! 大身の旗本に何が起きた? 目付から源之助に影御用。夜鷹八人を連続して斬殺の「目潰し魔」との関わりは? 北町奉行所からの帰途、元筆頭同心で今は「居眠り番」の蔵間源之助は、徒目付大峰九郎兵衛から声をかけられ、近くの縄暖簾に招かれた。大峰は相方の坂東与三と二人で五千石旗本河合右京介の身辺を目付の命で探索していたが、坂東は報告書を提出した直後、切腹して果てたという。河合に追い詰められたようで、源之助に探索してほしいと影御用を依頼。その大峰もまた……。
  • 幻の赦免船 居眠り同心影御用26
    3.0
    八丈島からの赦免船が江戸湊に入ってきた時、『幻』の幕が上がった! 流人の濡れ衣を晴らせ──。 南町奉行の内与力と、十万石大名の抱え力士から、居眠り番源之助に影御用! 思いもよらぬ深い闇を暴け。 八丈島で一緒だった瓢吉って男の濡れ衣を晴らしてやってほしい──。この正月に赦免船で十年ぶりに江戸に帰った元関脇の寅吉が、居眠り番・蔵間源之助に頼み込んだ。深川の小間物問屋豊洲屋出入りの飾り職人・瓢吉は五十両を盗んだ咎で八丈に流されたが、無実を訴えつづけていたという。また、北町奉行の内与力からも、同様の依頼が舞い込んで……。
  • 野望の埋火(下) 居眠り同心 影御用25
    3.0
    一橋治済の天雲閣から謎の連続身投げ事件! 一日一善が悪を呼ぶ? 元筆頭同心の居眠り番に、蝦夷をめぐる抜け荷探索の影御用が舞い込んだ! 背後に今も松平定信を怨む治済、田沼意次四男の影! 玄蕃。父の仇、松平定信に煮え湯を飲ませ、屈辱にまみれさせ死に追いやれ──。将軍家斉の実父=一橋大納言治済は、先代将軍家治の世に権勢を誇った老中田沼意次の四男、田沼玄蕃頭意正に命じた。北町奉行所の元筆頭同心で今は居眠り番の蔵間源之助に新たな影御用が舞い込んだ。蝦夷を巡る抜け荷の探索であった。どうやら治済と田沼が絡んでいるらしい。
  • 野望の埋火(上) 居眠り同心 影御用24
    3.5
    八十歳超の剣客が連日、謎と戦慄の道場破り! 将軍の父の野望が蠢く。 将軍家斉の父=一橋大納言治済の大いなる企てを探れ。 元老中首座の松平定信から居眠り番源之助に影御用! 超法規『天罰組』の黒幕は? 八十歳を超える老剣客が連日、謎と恐怖の道場破り。老人の正体は?その目的は?その現場を北町奉行所筆頭同心で今は居眠り番の蔵間源之助も目撃。源之助の許に元老中首座の松平定信が訪れ、将軍家斉の実父=一橋大納言治済がなにやら蠢いている大いなる企てを探ってほしいと影御用。江戸の町は、法度を無視した『天罰組』が我がもの顔で動き回る。
  • 闇への誘い 居眠り同心影御用19
    3.0
    法で裁けぬ悪を誅して首を晒す「闇奉行」に、いま江戸中が大喝采! 人々の熱狂の陰で進行する闇の力による恐るべき企み。 寺社奉行から特命影御用! 折しも最愛の妻が襲われ居眠り同心に闇からの誘い。 闇奉行の真の目的は? 「この世には、罪を犯しながらも裁きを免れて、大手を振って生きておる連中がおる。そうした悪党に天罰を下すのだ」闇奉行と名乗る者の手で、罪を免れた悪党たちの打ち首が辻々に晒されつづける。北町奉行所の元筆頭同心・蔵間源之助は、今は居眠り番と揶揄される閑職だが、闇奉行を喝采する江戸中の熱狂に、恐るべき危うさを感知しはじめていた……。シリーズ第19弾
  • 流麗の刺客 居眠り同心影御用20
    3.5
    江戸の誰もが騙された一膳飯屋の人質事件! 底に潜む冷徹な企み。 元筆頭同心で今は居眠り番、蔵間源之助が浪人の籠もる飯屋で目撃した意外な光景。 謎が謎を呼ぶ不可解な事件。謎解きの鍵は少年の証言! 北町奉行所の元筆頭同心で今は閑職の居眠り番に左遷された蔵間源之助は、浪人が人質をとって立て籠もっている一膳飯屋「亀屋」に急いだ。浪人は、医者のもとに逃げた妻を連れて来ぬと人質の命はないという。その妻と共に駆け付けた源之助が亀屋で見たのは、己の同心の勘を打ち破る、想像を絶する光景だった。江戸中が騙された、謎が謎を呼ぶ事件とは?
  • 武田勝頼(一) 陽の巻
    4.0
    戦国の雄・武田信玄を継いだ青年武将勝頼は、しばしば猪突猛進、思慮分別の浅い武将だとの評価を受ける。だが、史料、史蹟を徹底的に調べると、全く別の人物像が浮かび上がる。戦国武将団の統領の懊悩と悲劇。激動の時代を生きた波乱の人生。ここにその実相が展開する。新田次郎の記念碑的歴史大作。(全三冊)
  • 黄金雛――羽州ぼろ鳶組 零
    4.5
    命は全て平等だ。必ず、救え!  十六歳の新人火消・松永源吾が怪火に挑む!  羽州ぼろ鳶組はじまりの第“零”巻。 十六歳の新人火消松永源吾は、逸る心を抑えられずにいた。同世代には才気溢れる火消の雛たちが台頭していたのだ。 そんな折、毒を吐く戦慄の炎が発生。熟練の火消すら生還叶わぬ毒煙に、若輩は出動を禁じられ……。 反発する源吾は、加賀鳶の御曹司、最年少火消頭、町火消の新星等くせ者揃いの面々と共に命を救うため立ち上がる! 英雄の若かりし日々を描く、シリーズ番外編。
  • 密命 無役御家人影次郎
    NEW
    -
    沢田影次郎は、一刀流免許皆伝の若き御家人。父が、上役の不正で小普請組入りさせられ、無役となった。父の病死後五年、同組の八雲たちが人を殺めたが、表立って裁く証拠がないため、影次郎に成敗せよと組頭から命が下る。暗殺すれば、御番入りと言われ・・・・・・。同輩を斬ることに逡巡し、組頭へ不審を感じた影次郎は、飲み仲間の力を借りて真相を探り始める――役目か? 義か? 同輩を斬れば、出世の道が・・・・・・。無役に悩む真っ正直な若き剣豪と温かな飲み仲間たちの江戸人情時代小説。
  • 皇妃エリザベート
    4.1
    「バイエルンの薔薇」と呼ばれ、ハプスブルク家六百有余年の歴史上最も美しいといわれた皇妃エリザベート。激動の時代、彼女は嫉妬と羨望のなか、皇室の因習に抗い自由奔放に生きた。没後百年を経てもオーストリアの人々の心を捉えてはなさない"シシィ"エリザベートの波瀾万丈の人生をいきいきと描いた決定版!
  • 新装版 夜桜乙女捕物帳
    3.0
    大店・伊勢屋の主人忠兵衛が、内儀に殺された。ただの刃傷事件と思われたが、その裏には大奥を巻き込む陰謀が蠢めいていた! 町娘の乙女は、父親の北町奉行遠山左衛門尉景元譲りの義侠心から事件の裏に潜む真実を暴くべく探索を始めるが…。新装版で登場!!

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  • P+D BOOKS 鞍馬天狗 1 角兵衛獅子
    -
    鶴見俊輔氏が厳選した時代小説「鞍馬天狗」。 角兵衛獅子の少年・杉作を囮に、鞍馬天狗を取り囲んだ新選組。隊長・近藤勇も新手をひきつれそこに駈けつける。 大坂城代あての密書を奪った鞍馬天狗だったが、謀られて地下の水牢に閉じこめられる。恩人を助けようと城へ忍びこんだ杉作少年ももはや袋のねずみ――。 幕末の京を舞台に、入り乱れて闘う勤皇の志士と新選組。時代小説の名作「鞍馬天狗」から、評論家・鶴見俊輔氏が厳選した傑作シリーズの第一弾。解説も鶴見俊輔氏が特別寄稿。 ※この鞍馬天狗シリーズは12月まで5冊、毎月連続で発刊予定です。 なお、この作品は2000年に発刊された小学館文庫を底本とした電子版と同じ内容になっています。
  • 草莽枯れ行く
    3.9
    幕末。黒船が浦賀に現れた頃、上州浪人・相楽総三は天下を憂う志を持って仲間を集う。博徒・清水の次郎長や剣客・土方歳三とも友誼を結ぶ。次第に倒幕に傾倒して、怪物・西郷隆盛率いる薩摩藩に総三は接近して行き、薩摩の闇の左手として活動し、やがて赤報隊として倒幕軍の尖兵となるが! 時代の濁流を生き抜いた若き魂。著者が初めて幕末に舞台を設定した長編小説。
  • 女人入眼
    4.0
    第167回直木賞候補作、待望の文庫化! 「鎌倉幕府最大の失策」と呼ばれる謎多き事件・大姫入内。 その背後にあったのは、国の実権をめぐる女たちの政争。 そしてわかり合えない母娘の悲しい過去だった。 「大仏は眼が入って初めて仏となるのです。男たちが戦で彫り上げた国の形に、玉眼を入れるのは、女人であろうと私は思うのですよ」 建久六年(1195年)。京の六条殿に仕える女房・周子は、宮中掌握の一手として、源頼朝と北条政子の娘・大姫を入内させるという命を受けて鎌倉へ入る。気鬱の病を抱え、繊細な心を持つ大姫と、大きな野望を抱き、それゆえ娘への強い圧力となる政子。二人のことを探る周子が辿り着いた、母子の間に横たわる悲しき過去とは――。「鎌倉幕府最大の失策」と呼ばれる謎多き事件・大姫入内。その背後には、政治の実権をめぐる女たちの戦いと、わかり合えない母と娘の物語があった。
  • P+D BOOKS 喪神・柳生連也斎
    4.0
    “剣豪小説の名手”の世界に浸る11篇。  豊臣秀次の剣の師で「夢想剣」を名乗る瀬名波幻雲齋とその娘・ゆき、そして幻雲齋が父の仇でありながら、門下生となって修行を積む松前哲郎太重春。奇妙な3人の絆は、やがて哲郎太とゆきが契りを結ぶまでに深まっていく。  そんななか、哲郎太は身重のゆきを残して武者修行の旅に出ようとするが――。  第28回芥川賞に輝いた出世作「喪神」のほか、柳生流新陰流正統を継いだ連也斎とライバルとの決闘を描く「柳生連也齋」、剣豪が巨人軍の強打者として大活躍する異色作「一刀齋は背番號6」など、剣を題材にした珠玉の11篇。
  • 密命はみだし新番士1 十五歳の将軍
    -
    「決して油断はならぬ!」 父の言葉を胸に秘め、見習い新番士が闘う! 若き将軍家斉に募るのは、台頭する松平定信への不信。 家斉からの密命を受けて、探索を始めた壱之介だが、思わぬ事件に遭遇して……。 十八歳の不二倉壱之介は、将軍や世嗣の警護を担う新番組の見習い新番士。家治の逝去によって十五歳で将軍の座に就いた家斉からの信頼は篤く、老中首座に就き権勢を握る松平定信の隠密と闘うことに。市中に放たれた壱之介は定信の政策を見張り、町の治安も守ろうと奔走する。そんななか、田沼家に仕官していた秋川友之進とその妹・紫乃と知り合うが、紫乃を不運が見舞う。 将軍家斉15歳、壱之介18歲 新シリーズ第1弾
  • もゆる椿
    5.0
    【文庫版限定・書下し短篇収録】 【解説・吉田伸子】 【第六回大藪春彦新人賞受賞作家、長篇デビュー作!】 御役目は必殺!? 刺客となった少女と人斬れぬ御供の武士。 死への旅路の果てにあったのは……。 「無念を晴らす為やったら、鬼にでも夜叉にでも、喜んでなったる」 旗本の次男坊である真木誠二郎は、裏目付の佐野から、ある御役目を言い渡される。 尊王攘夷派の黒幕を誅殺すべく、江戸から京まで刺客の供をせよと。 しかし誠二郎は生来の臆病者。 鬼のような刺客と聞いて怯えるが、現れたのは年端もいかない少女・美津だった。 悲しい過去を持つ彼女を守るため、誠二郎は死力を尽くすことを心に誓うのだが――。 謀略の渦巻く仇討ち旅が幕を開ける!
  • 義経じゃないほうの源平合戦
    5.0
    鎌倉なんか、来るんじゃなかった。蒲御厨で静かに暮らしていた範頼は、命の危機を感じて頼朝のもとへ来るも、会って早々、兄の怒りに触れ言葉も出ない。ちくしょう、怖すぎるだろ、この兄さま。打倒平家に燃え勇猛果敢に切り込んでいく弟の義経を横目に、兄への報告を怠らず、兵糧を気にする自分の、なんと情けないことか。頼朝と義経、二人の天才に挟まれた平凡な男、源範頼の生きる道。
  • 新装版 忍びの女(上)
    3.8
    豊臣家の猛将・福島正則の前に現れた徳川方の女忍者・小たまは、正則を籠絡し、巧みに城内に入り込んだ。探索をはじめた小たまは、武辺一方の正則を次第に愛しく想うようになる。豊臣秀吉亡き後、諸大名は自らの野望を抱き覇権をめぐる戦いは必至。ついには関ヶ原での天下を分ける決戦へと向かうのだった。
  • 悲願千人斬 上下合本版
    -
    悲悲運の若君太郎頼秀。斎藤道三に滅ぼされた土岐頼芸の遺児。稲葉山城で首を刎ねられる寸前の太郎を救い出したのは、名僧の誉れ高い白雲上人と、異腹の弟ながら上人と瓜二つの土佐青九郎。主家再興を企てる兄弟は、太郎を護りながら、日根野備中守の執拗な追及を躱す。善玉悪玉入り乱れる人物群像の鮮やかさと奔放な空想力。戦国動乱期の美濃を背景に、華麗な乱世絵図を骨太に描く伝奇小説の白眉! 夜な夜な、稲葉山城下に出没して、天誅の刃をふるう異形の武士二人。一人は般若の仮面を被り、もう一人は天狗の仮面。土岐氏再興の柱と頼む太郎頼秀を毒殺され、復讐の鬼と化した白雲上人と土佐青九郎は、千人斬の悲願を胸に、城下に血の雨をふらす。古今絶無と評されたタイトルの見事な残酷さ。「キング」創刊号から連載され、吉川英治『剣難女難』と人気を二分した波瀾万丈の伝奇巨篇、ここに完結。
  • 神州日月変(上)
    1.0
    江戸で評判の美女が次々神隠しにあった。娘達はすべて十八歳で人気絵師清春の姿絵になったという共通点があった。事件を追う同心古河雷四郎を取巻く妖気の正体は。(講談社文庫)
  • 魔界転生 下 山田風太郎ベストコレクション
    4.4
    紀州藩で密やかに進行する陰謀と転生衆の存在を知った十兵衛。孤剣を抱き、魔人と化したかつての剣豪たちと対峙していくが、ついに最強の敵が立ちはだかる! 十兵衛は仲間を守れるのか。手に汗握る死闘の果てとは!
  • 血涙(上) 新楊家将(ようかしょう)
    4.5
    宋建国の英雄・楊業の死から2年。息子たちに再起の秋が訪れる。宋国と、北に位置する遼国は、燕雲十六州の支配をめぐって対立。かの地を手中に収めたい宋の帝は、楊業の息子で楊家の長・六郎に楊家軍再興を命ずる。かつて味方の裏切りに遭い、命を落とした父への思いを胸に秘め、立ち上がる楊家の男たち。六郎は、父が魂を込めて打った「吹毛剣」を佩き、戦場へ向かう。対するのは強権の女王・蕭太后率いる遼国の名将・石幻果。天稟の才を持つこの男は蕭太后の娘婿で、「吸葉剣」という名剣を佩いていた。その石幻果が父とも慕うのが、「白き狼」と怖れられる遼国一の猛将・耶律休哥。楊業を斃した男である。戦場で見えた六郎と石幻果。剣を交えた瞬間、天を呪いたくなるような悲劇が幕を開ける。軍閥・楊一族を描いて第38回吉川英治文学賞に輝いた『楊家将』の続編でありながら新展開。『水滸伝』『楊令伝』に登場する宝刀「吹毛剣」の前史がここにある。

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  • 楊家将(ようかしょう)(上)
    4.2
    中国で「三国志」を超える壮大な歴史ロマンとして人気の「楊家将」。日本では翻訳すら出ていないこの物語が、作家・北方謙三により新たなる命を吹き込まれ、動き始めた。物語の舞台は10世紀末の中国。小国乱立の時代は終わりを告げ、中原に残るは北漢と宋のみ。楊家は北漢の軍閥だったが、宋に帰順。やがて北漢は滅び、宋が中原を制する。その宋の領土を北から虎視眈々と狙うのが、遼という国。強力な騎馬軍団を擁するこの国は、宋の一部であった燕雲十六州を奪い取り、幼い帝を支える蕭太后の命により、南下の機会を窺っていた。奪われた地を取り戻すのは宋王の悲願――。外様であり、北辺の守りを任されている楊家は、遼との血戦で常に最前線に立たされる。楊家の長で「伝説の英雄」として語り継がれる楊業と七人の息子たちの熱き闘い。苛酷な運命のなかで燦然と光を放った男たちを描き、第38回吉川英治文学賞に輝いた北方『楊家将』、待望の電子化。

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  • 本多忠勝
    4.0
    幼き頃より槍術を叩き込まれ、徳川家康に仕えたのちは 大鹿角脇立の兜に大数珠を袈裟懸けにかけた姿で戦場を疾駆。 名槍・蜻蛉切を操り圧倒的武勇を誇った本多平八郎忠勝。 岡崎時代、姉川、小牧・長久手、関ヶ原など家康の天下取り の戦いにはいつでも獅子奮迅の激闘をみせる忠勝がいた。 義に篤く、情に深い徳川四天王の剛将の生涯を描く長編 歴史小説。◆文庫書き下ろし◆

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  • 幻夜行 風烈廻り与力・青柳剣一郎[41] 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    3.5
    商いをやめ誰もいない旅籠に、娘が入り、忽然と姿を消した――。3年前、旅籠成田屋では若旦那が女中を殺し逐電。娘は女中の霊なのか? 成田屋に娘を案内した大工が、普請場の屋根から転落。行脚僧、易者、関わった者はみな不審な死を遂げる。風烈廻り与力青柳剣一郎も怨霊騒ぎの探索へ。しかし成田屋で遭った人足が溺死し…。剣一郎は怪異を解き明かせるか?
  • 夢の浮橋 風烈廻り与力・青柳剣一郎[42] 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    3.3
    千両という高額な賞金が人気の、谷中大京寺の富くじに絡む殺しが続く。富札を財布ごと掏り取った男は堀に浮かび、札を預かった小間物商は刺殺される。抽選前なのに、なぜ? 札には何かいわくがあるのか? 同じ頃、風烈廻り与力青柳剣一郎は、陰富と呼ばれる御法度の富くじの取締りを命じられる。老中からのお達しというが…。庶民の夢、富くじの背後に蠢く闇を斬る!
  • 秋山久蔵御用控 傀儡師(くぐつし)
    3.5
    「町奉行所の役人は、お奉行の為に働いてるんじゃあねえ。八百八町で真面目に暮らしている庶民の為に働いているんだ」。剃刀と呼ばれ、悪党を震え上がらせる、南町奉行所吟味方与力の活躍を描く“秋山久蔵シリーズ”。日本橋で虚ろな眼をして刀を振り回す浪人。しかし人々を襲った男はその記憶が全くないという。蠢く“傀儡師”の正体とは?多彩な脇役も魅力です。 好評シリーズ第14弾!
  • 秋山久蔵御用控 口封じ
    3.3
    「相手は薄汚ねえ盗賊だ。情け容赦は無用だぜ」。江戸の悪を“剃刀久蔵”が斬る!  錺職(かざりしょく)の男が鎌倉河岸で死体となって浮かんだ。北町奉行所の調べでは溺死と判断されたが、頭には殴られた跡があり、客ともめていたのを見た者がいた。客が注文したのは丸に揚羽の蝶の銀簪。男の女房に真相究明をたくされた久蔵は、”丸に揚羽蝶”の家紋を手がかりに、背後に蠢く悪に迫る。久蔵の、心形刀流が炸裂する! 三編の読切り時代小説を収録。 好評シリーズ第13弾!
  • 神隠し 新・酔いどれ小籐次(一)
    3.2
    背は低く額は禿げ上がった老侍で、なにより無類の大酒飲み。だが、ひとたび剣を抜けば来島水軍流の達人である赤目小籐次が、次々に難敵を打ち破る痛快シリーズ登場。
  • 猫は心配症
    5.0
    ますます快調! 化け猫まるとその仲間たち 有能すぎる与力が就任。おネエ同心・中村さまの首が危ない? そんなさなかに大事件が起きて…。大人気「猫は――」シリーズ第3弾。
  • てらこや青義堂 師匠、走る
    4.1
    格別の思いがこもる、作家今村翔吾の原点!  明和七年、太平の世となって久しい江戸・日本橋で寺子屋の師匠をつとめる坂入十蔵は、かつては凄腕と怖れられた公儀の隠密だった。  学問は苦手ながら剣術に秀でた才を持つ下級武士の息子・鉄之助、浪費癖のある呉服問屋の息子・吉太郎、極度のあがり症ながら手先の器用な大工の息子・源也など、さまざまな個性の筆子たちに寄りそう日々を送っていたが、藩の派閥争いに巻き込まれた筆子の一人、加賀藩士の娘・千織を助ける際、元忍びという自身の素性を明かすことになる。  年が明け、筆子たちのお伊勢参りに同道する十蔵の元に、将軍暗殺を企図する忍びの一団「宵闇」が公儀隠密をも狙っているという報せが届く。十蔵は、離縁していた妻・睦月の身にも危険が及ぶことを知って妻の里へ向かった。  哀しみに満ちた妻との出会いと別れ、筆子たちとの絆の美しさ、そして手に汗握る結末――「本書は無冠だが、無冠の傑作として永く文学史に残るであろう」そう文芸評論家・縄田一男氏が絶賛し、作家自身が「最も自分自身を剥き出しにして書いたかもしれない」と語った、今村翔吾の原点ともいえる青春時代小説の傑作! ※この作品は単行本版『てらこや青義堂 師匠、走る』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • お江戸薬膳出前帖 さいわい飯
    NEW
    -
    風評被害に襲われた「旬屋」 危機を救ったのは-- 医師でありながら薬膳料理にも通じ、人々の健康と幸せを願う幸庵。 父親から受け継いだ店「旬屋」も軌道に乗って順風満帆だったが、出前先の問屋のあるじが急死する。 幸庵を逆恨みした息子によって旬屋は風評被害に襲われる。思わぬ試練で、沈む幸庵を支えたのは助手おみかだった。 二人の絆は深まり、やがてかけがえのない存在となっていく。
  • 独活の丙内 密命録 咎斬りの太刀
    4.0
    南町奉行所の同心と火付け盗賊改方の同心が、そろって何者かに惨殺された。前代未聞の凶悪な辻斬り事件に奉行所は殺気立つ。そんな中、普段は「独活の大木」とさげすまれている昼行灯与力の田中丙丙に、幕府の上層部から密命が下った。かつて「鬼」と恐れられ、わけあって無能者の仮面を被っていた丙丙だが、同心殺しと密接に関わる謀略を暴くため、再び鬼となって立ち上がる!冤罪に泣いた町人、謎の黒幕集団、あやかしの如き剣客…立ちはだかる謎と陰謀を、丙丙の無外流剣術が一刀両断!最後まで飽きさせないノンストップ時代小説、 ここに開幕。
  • 駕籠屋春秋 一
    続巻入荷
    -
    「取次屋栄三」「剣客太平記」「居酒屋お夏」の大人気作家の新しい人情時代小説シリーズ誕生!
  • 夏炎 風烈廻り与力・青柳剣一郎[20] 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    3.3
    うだるような残暑の中、俄に起こった大火。自分を裏切り大店へ嫁いだおちかを殺そうとして捕らわれていた峰吉は、一時的に解き放たれる。おちかへの未練に苦しみつつも、羅宇屋の老人・徳三に諭され、生きる望みを取り戻した矢先、次々と罠が…。さらに、行動を共にしていた吉松も謎の死を遂げる。弱き者を陥れる、真の悪の正体とは? 青柳剣一郎、執念の探索行!
  • 春嵐(上) 風烈廻り与力・青柳剣一郎[18] 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    3.5
    正月二十日。烈風吹き荒ぶ夜、青柳剣一郎は怯えた様子で駕籠に乗る若い女を見かけた。直後、別の女の死体が発見され、剣一郎は駕籠の女が事件に関わったと見て探索を始める。その背後には、老中・松平出雲守と通じる大身旗本・漆原主水正の影があった。かねて剣一郎を恨む漆原が放つ不気味な刺客、さらに事件は福井藩の陰謀をも孕み、かつてない嵐を巻き起こす!
  • 燃えよ剣(上)
    4.7
    新選組副長、土方歳三を描いた司馬遼太郎の代表作が、ついに電子書籍で登場。無類の面白さが貴方を待ち受ける。これぞ小説だ! 不世出の小説家、司馬遼太郎さんには幕末に材を求めた作品がいくつもあります。そのなかで『竜馬がゆく』とともに特別な支持を集めてきたのがこの『燃えよ剣』。武州から出てきた土くさい田舎剣士、土方歳三。天然理心流四代目の剣豪、近藤勇と出会ったとき、歳三の人生、そして幕末史は回転し始める。近藤局長、土方副長の体制で本格始動した京都守護職配下の新選組。沖田総司、永倉新八、斎藤一ら凄腕の剣客が京都の街を震撼させる。池田屋事件などを経て、新選組とともに歳三の名もあがっていくが――。激動する時代のさなかで剣のみを信じ、史上類例を見ない強力な軍事組織をつくりあげた男の生涯を、練達の筆で熱く描きます。
  • 本能寺異聞 信長と本因坊
    4.0
    戦国武将は歴史を動かす碁石に過ぎぬのか? 囲碁名人・本因坊算砂の息が止まりかけた。 「信長公の首級は何処にある」 大御所・徳川家康のたった一言で、「炎の記憶」を呼び覚まされた算砂は沈黙せざるを得なくなった。 大坂の陣が勃発する七年ほど前、慶長十二年師走、駿府城で対局中の出来事だった。 日海と名乗っていた若かりし頃の算砂は、戦国の時流に弄ばれ、本能寺の変の渦中に放り込まれていたのだ。 行方知れずの織田信長の亡骸、底知れぬ明智光秀の本意、茶会や連歌の会、安土築城などの不気味な闇。 武将の松永久秀・荒木村重・佐久間信盛・斎藤利三ら、五摂家筆頭・近衛前久、連歌師・里村紹巴、堺商人・小西隆佐、雑賀衆・鈴木孫一と善住房、薬師・曲直瀬道三、神主・吉田兼和、宣教師・オルガンティーノたちは、天下布武という棋譜の碁石に過ぎないのか? 若き法華僧の名棋士が、戦国人の傍らで見た歴史を描く、刮目の長編歴史小説。 本能寺の変の真相を読み解く! ※この作品は単行本版『絶局 本能寺異聞』として配信されていた作品を改題した文庫本版です。
  • 愛加那と西郷
    5.0
    西郷隆盛を生涯愛した“島妻”の物語。  薩摩藩から奄美大島へ送られてきた西郷隆盛。不遇な身の上の西郷を世話することになった愛加那。お互いの文化の違いから当初は反発し合うが、やがて愛し合うようになり、愛加那は西郷の“島妻”となる。二人の子供にも恵まれるが、愛加那は国のために活躍する人物だと信じて、再び藩から呼び出しを受けた西郷を見送った。そして、島にいるだけの人生を送って欲しくないという思いから、子供たちも鹿児島の西郷の元へと送り出した。  しかし、時代の激動が西郷と子供を襲う。西南戦争で、西郷は首謀者として先頭に立ち、最後は自決。参戦した息子の菊次郎は右足を切断して、愛加那のところへ帰ってきた。そして、鹿児島へ陳情に行った奄美の男たちの多くが戦争に参加して亡くなっていた。一転して、奄美の人から後ろ指をさされることになった愛加那だったが……。  生涯奄美大島を離れず西郷を信じた、愛加那を描いた恋愛歴史小説。  待望の文庫版を電子化。
  • 蔵人匡房の一番長い日 後三条帝御即位記
    NEW
    -
    出自は恵まれてはいないが、自身の努力で蔵人にまで出世している大江匡房は、帝の覚えもめでたい28歳。優秀な頭脳をフル回転させ、官僚としての仕事を日々実直にこなしている。そんな匡房が任された天皇の一世一代の御即位礼。これは、絶対に間違いは許されない大仕事だ。予期せぬ出来事を上手く捌いて、長い一日を無事終えることはできるのか。宮中を舞台にした平安官僚物語。
  • 武田の金、毛利の銀
    3.6
    上洛した織田信長に呼び出された明智光秀は、とある任務を下される。数の信奉者である信長は、敵対する大名の武力を把握する必要があった。中でも武田と毛利の資金源である湯之奥金山と石見銀山の見定めは不可欠である。ただし、そのためには敵地の中枢に潜り込み、金銀の産出量を示した台帳を確認しなくてはならない。見つかれば命の保証はない危険な道中である。光秀は盟友の新九郎と愚息を伴って隠密裏に甲州へ向う。駿河湾の港・田子の浦にたどり着いた三人は、そこで土屋長安と名乗る奇天烈な男に出会い――。  『光秀の定理』『信長の原理』に連なる、直木賞受賞第一作!
  • 身代わり姫 お世継ぎ始末
    -
    稲川藩五万石の江戸家老・吉野新兵衛の次男・平左は、ある日父親から恐るべき秘密を打ち明けられた。同い年で、幼い頃から遊び相手を務めてきた藩主の行正は既に病没しており、双子の姉・雪姫が男装で行正の身代わりとなっているというのだ。しかも、行正は幕府書院番頭の娘を娶ることになっており、それは将軍家からの推挙のため断ることができない話だった。秘密を知られぬように跡継ぎをなすため、輿入れしてくる奥方と閨を共にするという重大な役目を仰せつかった平左。年増美人の藤乃に性の手ほどきを受け、奥方となった千代やその侍女、行儀見習いの町娘など、美女たちにあり余る淫気をぶつけていくのだが…。傑作長編時代小説。
  • どぶどろ
    3.8
    江戸の下町吹き溜まり、そこに降って沸いた怪事件。夜鷹蕎麦屋の親爺が切り口鮮やかな一刀のもと殺された。殺しの真相を追う平吉がたどり着いた真実とは?人気作家宮部みゆきに「いつかこんな小説を書いてみたいと思いました」と言わしめ、また彼女の長編時代小説『ぼんくら』のヒントともなった傑作。

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  • レジェンド歴史時代小説 見知らぬ海へ
    4.5
    戦国末期、武田水軍の海将・向井正綱は、留守中に城が徳川軍の攻撃を受け、父と義兄を失う。彼は父の遺志を継ぎ、北条水軍との駿河湾決戦で奮戦、水軍の長として汚名を返上する。そんな正綱の元に父の仇、徳川軍への誘いが来た。家康からも一目置かれた海の侍の活躍を描く隆慶一郎、未完の海洋時代小説!
  • 遥かな絆 斬! 江戸の用心棒
    -
    金にまみれた藩内の腐敗を糺(ただ)そうとして殺された父の仇を討つため、老中を斬った真十郎。諸国を放浪した後、彼はようやく江戸に戻ってきた。そこで身分を隠しての用心棒稼業で市井に暮らす人々の幸せを守っていくのだが……。書き下ろしシリーズ第4弾。
  • 正妻 慶喜と美賀子(上)
    4.3
    幕府と朝廷の関係にも動乱の機運が高まる十五代家慶の治世。一条家の美しき姫美賀子は、英邁の噂轟く一橋慶喜に嫁いだ。「わしはどんなことがあっても将軍になどならぬ」信念を曲げない夫の奇矯な振る舞いに翻弄される美賀子は、ある哀しい決意を抱く。幕末の新たな一面を描ききる、傑作大河小説を文庫化!
  • 仇討ち東海道(一) お情け戸塚宿
    -
    父の仇である新谷軍兵衛を討つ為に、江戸へと向かった矢萩夏之介と従者の小弥太。首尾よく仇の所在を突き止めたのも束の間、相手はすでに江戸を出奔し、東海道を渡ったという。すぐにふたりは、軍兵衛の後を追いかけようとするが――。待ち受ける陰謀の数々に、ふたりは無事に本懐を遂げることが出来るのか!? 新シリーズ第一弾。
  • 入り婿侍商い帖 凶作年の騒乱(一)
    3.5
    米商いの幅を広げる角次郎。だが凶作の年、信頼関係を築いてきた村名主から取引先の変更を告げられる。さらに村名主は行方不明となり……。世の不穏な空気と、大黒屋に迫る影。角次郎は店と家族を守れるか?
  • 徳川家康は二人だった
    -
    松平元康(徳川家康)は、実は死んでいた? 徳川家では、三河出身者は1万石以下の旗本として冷遇され、他国者だけ大名に立身した謎に、独自の視点で迫る。隆慶一郎『影武者徳川家康』に先駆けた衝撃の問題作。 徳川家では、三河出身者は一万石以下の旗本として冷遇されている。伊勢出身の榊原康政とか、駿府出身の井伊直政や酒井忠次や遠江の本多忠勝が「徳川四天王」となり、他国だけ者大名に立身した謎も、三河の松平元康と他国者の家康が別人と判れば、よく納得できる。そのわけも呑みこめ信長殺しの手がかりともなる(本文より)

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  • へっつい河岸恩情番屋 夏初月の雨
    -
    能勢伝七郎は、江戸城内で奥祐筆を務めた旗本。優しさゆえ城内の出世競争から降り、それがため屋敷内でも家人から疎外されて身の置き所がなかった。 一切を打ち捨てて隠居したいと思っていた折、町名主を務める幼馴染みから自身番の書役を探しているという話を聞き、家督を倅・伝之助に譲って日本橋難波町の番屋に勤めることになる。 市井でのんびり暮らせると思っていた伝七郎だが、自身番には町の厄介事が次々に持ち込まれる。酔っ払いの子どもの保護から、年頃の息子の素行調査、行方不明の父親探し、そして殺しまで……。 素性は隠してもなぜか皆に頼りにされる伝七郎が、知恵と情けで解決する。へっつい河岸にある、人呼んで「恩情番屋」の傑作捕物帳、第一弾。
  • 千両の首 斬! 江戸の用心棒
    -
    父の仇である老中・本田信親を討ち取り、悲願を果たした月島真十郎。彼は俗世との縁を断つべきか悩みながらも江戸を離れるが、その首には懸賞金がかけられてしまった! 平穏な暮らしだけを求める真十郎に追手の剣が迫る、シリーズ第2弾!
  • 伊勢大名の関ヶ原(新潮文庫)
    3.0
    戦国武将富田信高が移封させられた伊勢国。そこはしたたかな商人や地侍が根を張る、一筋縄でいかぬ土地。信高は穏やかな気性と慧眼で治世を進め、領民の声を聞き、新田開発に乗り出し、胆力のある蓼姫も娶った。だが時は大乱前夜。城に迫りくる毛利・吉川の大軍に対峙するのは、挙国一致の富田勢。孤軍奮闘する信高の前に、馬上の「若武者」が現れた。異色な大名と知られざる夫婦の戦を描く傑作。
  • 猫は仕事人
    3.0
    春爛漫。江戸は本所深川で、三味線の音を聞きつつ駄猫ライフ満喫中の化け猫のまるに、町娘姉妹の悲話が降りかかってきた。悪い奴らに騙されて、骨までしゃぶられる人間たちを見て、「ゆるせない!」と仲間だった化け猫たちも立ち上がる。まるはもう裏の〈仕事人〉稼業はやめたはずだったけれど――。痛快シリーズ第1弾!
  • 絵島疑獄(上)
    -
    七代将軍家継の生母月光院に仕える、大奥大年寄絵島と、当代の人気役者生島新五郎のスキャンダルは事実無根、全くのデッチ上げ! 連坐者千五百名に及んだ一大疑獄事件を、正室派対側室派、保守対革新、尾州家対紀州家等々、幕閣内に渦まく派閥抗争と捉え、犠牲者絵島の人間像に迫る、杉本史眼が冴える長編。
  • 維新と戦った男 大鳥圭介(新潮文庫)
    4.5
    われ、薩長の明治に恭順せず――。幕府歩兵奉行・大鳥圭介は異色の幕臣だった。全身にみなぎる反骨の気概、若き日に適塾で身に着けた合理的知性、そしてフランス式軍学の圧倒的知識。大政奉還後、右往左往する朋輩を横目に、江戸から五稜郭まで戦っていく。勝海舟や土方歳三に信頼された大鳥は、なぜ戦い続け、何を信じていたのか。武士の最後の戦を描ききる傑作長編。『死んでたまるか』改題。
  • 隠密船頭
    4.5
    元南町奉行所の定町廻り同心ながら、船頭で生計をたてていた沢村伝次郎はある日、南町奉行所に呼び出される。待っていたのは、南町奉行の筒井和泉守政憲だった。筒井は、伝次郎に自分の右腕となって働いてもらいたいといい、快諾した伝次郎は奉行所の助をすることとなったのだが――。大人気を博した「剣客船頭」の後継シリーズがさらにスケールアップして開幕!
  • 御宿かわせみ
    4.2
    江戸情緒をたたえた捕物帳でロングセラーとなった、人気シリーズの新装版の第一作。大川端にある小さな旅籠「かわせみ」。若き女主人るいは、元・同心の娘。都市を行きかう人びとがひと時のやすらぎを求めて投宿する。ときに、表沙汰にできない厄介ごとを胸に秘めて……。誘拐、詐欺、敵討ちなど、大小さまざまの事件に巻きこまれながら、るいは恋人の神林東吾と協力し、解決の途をさぐってゆく。数度にわたりテレビドラマ化され、話題をとった人情譚。
  • 鯨分限(くじらぶげん)
    3.5
    幕末から明治へ――。捕鯨集団「太地鯨組」の若き棟梁・太地覚吾を、激変する時代の荒波が襲う。外国船の乱獲による鯨の不漁、南海地震による大津波、村を救うため画策した蝦夷地での操業も頓挫する。そして、巨鯨を追うあまりに引き起こされた海難事故「大背美流れ」では、100名以上の生命が奪われる。時代に抗い、度重なる苦境に、何度も立ち向かい続けた男の物語。
  • 黒頭巾旋風録
    4.0
    天保八年、臨済宗の僧侶・恵然は蝦夷地アッケシにある幕府建立の国泰寺に赴任する。蝦夷は松前藩の圧政と悪徳商人の非道にアイヌの人々の血と涙が流れる大地であった。ある日、処刑寸前のアイヌの青年を助けたのが、黒装束を翻した騎馬の男だ。鞭を武器に刀や銃を持つ武士と闘う黒頭巾の正体とは? そして、一陣の疾風が巻き起こしたのは。鞭を武器に刀や銃を持つ武士と闘う黒頭巾のヒーロー登場。胸のすく痛快歴史冒険活劇。
  • 新選組裏表録 地虫鳴く
    4.1
    走っても走ってもどこにもたどりつけないのか――。土方歳三や近藤勇、沖田総司ら光る才能を持つ新選組隊士がいる一方で、名も無き隊士たちがいる。独創的な思想もなく、弁舌の才も、剣の腕もない。時代の波に乗ることもできず、ただ流されていくだけの自分。陰と割り切って生きるべきなのか……。焦燥、挫折、失意、腹だたしさを抱えながら、光を求めて闇雲に走る男たちの心の葛藤、生きざまを描く。
  • 新選組 幕末の青嵐
    4.4
    身分をのりこえたい、剣を極めたい、世間から認められたい――京都警護という名目のもとに結成された新選組だが、思いはそれぞれ異なっていた。土方歳三、近藤勇、沖田総司、永倉新八、斎藤一……。ひとりひとりの人物にスポットをあてることによって、隊の全体像を鮮やかに描き出す。迷ったり、悩んだり、特別ではないふつうの若者たちがそこにいる。切なくもさわやかな新選組小説の最高傑作。
  • 夜叉萬同心 親子坂
    5.0
    中越・永生藩の山村から、奇妙な男が江戸に送り込まれた。無垢な心を持ち、鷹のように一瞬に獲物に止めを刺す、森で育った忍びの者、西上幻影。北町奉行所の隠密廻り方同心・萬七蔵は相次ぐ豪商の不審死を調べるうち、ある腹黒い商人と永生藩国家老周辺との癒着に気づく。巻き込まれる誇り高い鷹、幻影の運命に、七蔵はどう立ち向かうか。傑作シリーズ第三弾。
  • 墨龍賦
    3.8
    建仁寺の「雲龍図」を描いたことで知られる海北友松(かいほう・ゆうしょう)は遅咲きの絵師だが、山水図屏風、竹林七賢図、花卉図屏風、寒山拾得・三酸図屏風など、すばらしい作品を遺している。しかしそこに至る道は、決して平坦ではなかった。近江の浅井家に仕えていた実家・海北家が滅亡。武士に戻りたくとも戻れず、葛藤を抱きつつ絵師の道を選び取った友松は、明智光秀の片腕・斎藤利三と出会い、友情を育んでいく。その利三が仕える光秀が信長に叛旗を翻す。本能寺の変――。しかしその天下は長く続かなかった。利三の運命は……。武人の魂を捨てきれなかった友松は、そのとき何を考え、どんな行動をしたのか。苦悩の末、晩年にその才能を花開かせ、安土・桃山時代の巨匠・狩野永徳と並び称されるまでになった男の生涯を描く傑作歴史小説。著者・葉室麟が、デビュー前から書きたかった人物を、円熟の筆で描き上げている。解説は、作家の澤田瞳子氏。
  • 夜の足音 短篇時代小説選
    値引きあり
    3.5
    岡っ引きに頼まれた色事に勤しむ無宿人竜助。が、それは覗きの罠であった(「夜の足音」)。将軍家光が上洛。その際の噂で自滅する武士の話(「噂始末」)。大名家の娘の縁談に関わる旗本と春日局の意地(「破談変異」)。大久保彦左衛門が今わの際で自らの恥多き人生を振り返る(「廃物」)。緻密な時代背景とスリリングな展開。時代小説の名手が一気に書き上げた粒ぞろいの短篇を収録。
  • 青に候
    3.8
    神山佐平は、やむなき事情から家中の者を斬り、無断で江戸へ帰ってきた。わずか二年前に仕官したばかりだった。主君の死に始まる山代家の騒動はいまだ治まる気配を見せない。殿の愛妾となった幼なじみ、行方をくらました元藩士、朋輩の美しき妹、忍び寄る影。佐平は、己の進むべき道を見つけることができるのか。若々しい熱気と円熟した情感をたたえた、志水辰夫の新たなる代表作。
  • ごんげん長屋つれづれ帖 : 1 かみなりお勝
    3.9
    岡場所で賑わう根津権現門前町にある裏店、通称「ごんげん長屋」に住まうお勝は、女手一つで三人の子を育て、女だてらに質屋の番頭を勤める大年増。気っ風がよくて情に厚く、「かみなりお勝」とあだ名される彼女の周りでは、なにかと騒動が巻き起こり――。時代劇の超大物脚本家が贈る、笑いと人情たっぷりの江戸の市井のホームドラマ開幕!
  • 実朝の首
    3.7
    建保7(1219)年正月、鎌倉・鶴岡八幡宮で将軍源実朝が甥の公暁に暗殺された。背後には北条や三浦の影があったが、公暁も三浦義村に殺されてしまう。混乱の中、少年・弥源太は実朝の首を持ち逃げする。権威失墜を恐れる幕府では、尼将軍・北条政子が悲痛な深謀を巡らせていた。京からは後鳥羽上皇の弔問使が下向、混乱は深まる。幕府、朝廷、弥源太たち三つ巴の駆け引きの行方。新鋭が挑む鎌倉幕府最大の謎、傑作歴史長編。
  • 僕と親友と光州事件
    NEW
    -
    1979年。大学生の公平は韓国からの留学生ソンボと出会い、二人は親友となっていく。そんな折、軍事独裁政権が続いていた韓国で朴正熙大統領が暗殺され、民主化運動の熱は一気に高まっていった。帰国したまま連絡のつかないソンボを心配し韓国へと渡った公平。やがて彼は、激動の渦に呑み込まれていく─。卓抜した構成力で現代社会の悲劇と魂の再生を描いた社会派小説の力作、文庫化。
  • 殿様失格 追放大名、江戸にて無双す!
    -
    浅草花川戸の船宿に居候している謎の侍・新之助…… なにやらいわくありげで、さる旗本の若殿であったが廃嫡され、市井にくだってきたという触れ込み。それが本当ならばとんだ無能だが、本人はどこ吹く風のご様子。着流しで唄を口ずさみながら、ふらふらと日々を暮らしていた。 だがこの男、じつは旗本どころではなく、九州肥前の大名・宇治島家の若さまで、御家騒動を嫌い、武家社会を飛びだした変わり者であった。 ようやく本領発揮とばかりに、新之助はあらたな地……江戸の町場で自由気ままな悪党退治へと乗りだす。そんな新之助の風格や人柄、そして無類の強さに触れ、次々と新たな仲間が集いだすのだが……。 破天荒な時代シリーズ・第一弾!
  • 平蔵狩り
    -
    第49回吉川英治文学賞受賞作! シリーズ第二弾! 父である「本所のへいぞう」を探すために、京から下ってきた女絵師。 果たして、この女は平蔵の娘なのか。まったく新しい鬼平の貌。 人前には自らの顔を決して見せない火付盗賊改の頭領、長谷川平蔵。 オランダ渡りの秘薬の謎を探り、盗賊を率いる父娘を追う。 ある日、自分の父であるという「本所のへいぞう」を訪ね、京から若い女絵師が下ってきた……。 ハードボイルドの調べに乗せて描く、逢坂版平蔵シリーズ第二弾! 特別対談・諸田玲子 挿画・中一弥 【目次】 「寄場の女」 「刀の錆」 「仏の玄庵」 「平蔵狩り」 「鬼殺し」 「黒法師」
  • 新・浪人若さま 新見左近 : 1 不穏な影
    3.8
    浪人新見左近を名乗り、弱きを助け悪を討つ。王者の秘剣、葵一刀流を遣うその男の正体は、のちの名将軍、徳川家宣――! 五代将軍綱吉のたっての願いで、世継ぎとして江戸城西ノ丸に入って三年。徳川綱豊としての平穏な日々を過ごしていた左近だが、ひそかに想いを寄せていたお琴の身に危難が訪れていることを知り、再び浪人新見左近として市中に出ることを決意する。大人気時代小説新シリーズ、堂々開幕!
  • 夜叉桜
    4.0
    江戸の町で女が次々と殺された。北定町廻(きたじょうまちまわ)り同心の木暮信次郎(こぐれしんじろう)は、被害者が挿していた簪(かんざし)が小間物問屋主人・清之介の「遠野屋」で売られていたことを知る。因縁ある二人が再び交差したとき、事件の真相とともに女たちの哀しすぎる過去が浮かび上がった。生きることの辛さ、人間の怖ろしさと同時に、人の深い愛を『バッテリー』の著者が満を持して描いたシリーズ第2作。
  • 猫は大泥棒
    4.0
    化け猫まるが難儀するコミカル短編集! 書き下ろし第2弾 近ごろ江戸にはやる「おネエ殺し」。おネエ同心中村は、事件解決に躍起になるが……。化け猫まるとその仲間たちが活躍する短編集。
  • 三国志名臣列伝 魏篇
    4.3
    曹操に愛された、知られざる名将たち 篤実で機転のきく男たちを求めた魏の始祖・曹操。その期待に応え国づくりを支え、衰亡のはじまりにも逃げなかった名臣、名将ら七人! ※この電子書籍は2021年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 陳平 劉邦の命を六度救った「知謀の将」
    4.5
    項羽との覇権争いに勝った劉邦の下には、名軍師張良と並び称されるもう一人の「知謀の士」がいた――その名は陳平。貧しい家の生まれながら、天下に志を立てようと考えた彼は、初め項羽に仕えていた。しかし、ふとしたことで怒りを買い、誅殺されそうになる。そこで項羽を見限る決意をし、故郷から連れてきた若者とともに劉邦の下へ身を寄せる。劉邦との対面で策略を進言した陳平は、実力を高く評価され、やがてめきめきと頭角を表わすようになる。項羽と軍師の范増を離間させたり、項羽軍に包囲された城からの脱出劇を演じたり、まともに戦えば勝ち目のない韓信を、巡幸を装って捕えたりするなど、見事な「奇策」を展開し続けた。そして、結果的に劉邦の命を六度救う、劉邦軍になくてはならない軍師になるのだった。本書は、劉邦亡き後も、右丞相に昇って国家の重鎮となった陳平の波瀾に満ちた生涯を余すところなく活写した評伝小説である。

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  • ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや
    完結
    3.6
    家禄を継げない武家の次男坊・林只次郎は、鶯が美声を放つよう飼育するのが得意で、それを生業とし家計を大きく支えている。ある日、上客の鶯がいなくなり途方に暮れていたときに暖簾をくぐった居酒屋で、美人女将・お妙の笑顔と素朴な絶品料理に一目惚れ。青菜のおひたし、里芋の煮ころばし、鯖の一夜干し……只次郎はお妙と料理に癒されながらも、一方で鶯を失くした罪責の念に悶々とするばかり。もはや、明日をも知れぬ身と嘆く只次郎が瀕した大厄災の意外な真相とは。美味しい料理と癒しに満ちた連作時代小説、新シリーズ開幕。
  • 親鸞(しんらん)(上) 【五木寛之ノベリスク】
    4.1
    馬糞の辻で行われる競べ牛を見に行った幼き日の親鸞。怪牛に突き殺されそうになった彼は、浄寛と名乗る河原の聖に助けられる。それ以後、彼はツブテの弥七や法螺房弁才などの河原者たちの暮らしに惹かれていく。「わたしには『放埒の血』が流れているのか?」その畏れを秘めながら、少年は比叡山へ向かう。
  • イザベラ・バードと侍ボーイ
    3.7
    三浦半島の下級武士の子・伊東鶴吉は、維新後に通訳となる。父が幕末に函館へ行き生死不明のため、家族を養う身だ。20歳となり、東北から北海道へ旅する英国人作家イザベラのガイドに採用された。彼女は誰も見たことのない景色を求めて、険しき道ばかりを行きたがる。貧しい日本を知られたくない鶴吉とありのままを世界に伝えようとするイザベラ。英国人作家と通訳の青年の北への旅は困難を極める…。対照的な二人が織りなす文明衝突旅を開国直後の日本を舞台に描く歴史小説。
  • 小説日本芸譚
    4.1
    日本美術史に燦然と輝く芸術家十人が、血の通った人間として甦る――。新進気鋭の快慶の評判に心乱される運慶。命を懸けて、秀吉と対峙する千利休。将軍義教に憎まれ、虐げられる世阿弥。将軍家、公卿、富商の間を巧みに渡り歩く光悦。栄華を極めながらも、滲み出る不安、嫉妬、苛立ち、そして虚しさ――美を追い求める者たちが煩悩に囚われる禍々しい姿を描く、異色の歴史短編小説十編。
  • 辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 新装版
    値引きあり
    4.0
    足尾銅山の鉱毒で甚大な被害を受け、反対運動の急先鋒となっていた谷中村は、絶体絶命の危機にあった。 銅山の資本家と結託した政府が、村の土地を買収し、遊水地として沈めようとしていたのだ。 反対運動の指導者、田中正造は、村を守るため、政治権力に法廷での対決を挑む。 だが、それは果てしなく、苦難に満ちた闘いだった。 日本最初の公害闘争を巡り、権力の横暴に不撓不屈の精神で立ち向かった人々を描いた伝記文学の傑作。 解説・魚住昭
  • 真紅の人 新説・真田戦記
    値引きあり
    4.3
    1614年、大坂の陣。真田信繁の傍らに、真紅の鎧を纏う若武者の姿があった。彼の名は佐助。摂津国の鳶田の集落から大坂の地へやってきた彼には、倒さなければならない仇敵がいた──かつて母親と一族を徳川に惨殺された佐助は、ただひとり生き延び、貧しい集落に流れ着いたのだ。「真田丸」での鍛錬で、強さを身につけた佐助は、信繁とともに徳川との決戦に挑むが……。史実を丹念に紡いだ、新たなる真田戦記。 ※本書は、二〇一五年二月に小社より単行本として刊行された作品を加筆修正し、副題を加えて文庫化したものが底本です。
  • 槍弾正の逆襲
    値引きあり
    3.7
    天正年間、戦乱の続くなか、出陣中の嫡男の留守を狙い、老将保科正俊の守る高遠城に、小笠原・上杉軍が攻め寄せる。かつて武田信玄の下で槍弾正の異名をとった正俊も、すでに齢七十五の隠居の身。だが、圧倒的に不利な状況下、城を棄てる意見を一喝し、正俊は奇策を練る―表題作「槍弾正の逆襲」をはじめ、関ケ原合戦における小早川秀秋の“楯裏の裏切り”に抗した武将を描いた「松野主馬は動かず」など、独自の気概をもって生きた人間像を、あざやかに描く傑作歴史小説集。
  • たそがれ清兵衛
    3.6
    下城の太鼓が鳴ると、いそいそと家路を急ぐ、人呼んで「たそがれ清兵衛」。領内を二分する抗争をよそに、病弱な妻とひっそり暮らしてはきたものの、お家の一大事とあっては、秘めた剣が黙っちゃいない。表題作のほか、「ごますり甚内」「ど忘れ万六」「だんまり弥助」「日和見与次郎」等、その風体性格ゆえに、ふだんは侮られがちな侍たちの意外な活躍を描く、痛快で情味あふれる異色連作全八編。
  • 風の群像(上) 小説・足利尊氏
    3.0
    天下取りの好機。後醍醐帝から討幕綸旨(りんじ)が下り、源氏の棟梁・足利尊氏は弟直義(ただよし)、高師直(こうのもろなお)らと旗揚げして北条氏を討った。しかし"野草の群れ"武士の暮しを守る武家政権を目指した尊氏と、親政を企む帝が対立。「土に根ざし汗にまみれた者たち」の幕府開設へ熾烈(しれつ)な戦いが始まった。好漢尊氏の魅力溢れる歴史長編。
  • 戦艦大和ノ最期
    4.2
    昭和20年3月29日、世界最大の不沈戦艦と誇った「大和」は、必敗の作戦へと呉軍港を出港した。吉田満は前年東大法科を繰り上げ卒業、海軍少尉、副電測士として「大和」に乗り組んでいた。「徳之島ノ北西洋上、「大和」轟沈シテ巨体四裂ス 今ナオ埋没スル三千の骸(ムクロ) 彼ラ終焉ノ胸中果シテ如何」戦後半世紀、いよいよ光芒を放つ名作の「決定稿」。
  • 最後の忍び
    -
    鍛え抜かれた技で闇を駆け、秘事を探り、ときに城主をも暗殺する――戦国の裏舞台で暗躍した忍びの者は、やがて徳川幕府に武士として組み込まれ、ついには商人を探る役割のみとなっていく。かつての戦働きの面影もなく歴史のなかに消えていく忍者の苦闘と運命を、剣豪小説の第一人者が、奇抜な着想と巧みな展開でエンターテインメントに仕上げた忍者小説傑作集!
  • 奇策―北の関ヶ原・福島城松川の合戦
    3.7
    独眼竜vs.老将!圧倒的な軍勢に真っ向立ち向かった、知られざる“北の関ヶ原”。――慶長五年(1600)、東北の覇権を狙う伊達政宗が二万の兵を進めるなか、福島城を守る上杉方は僅か四千だった。圧倒的不利の中、裏切りの常習者である福島城代・本庄繁長は、いかにして戦うか!?

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  • 稚児桜 能楽ものがたり
    -
    清水寺の稚児としてたくましく生きる花月。ある日、自分を売り飛ばした父親が突然面会に現れて……(表題作「稚児桜」より)能楽から生まれた珠玉の8篇を収録。直木賞作家が贈る切なく美しい物語。
  • 奈落
    -
    いわれなき押し込みと殺しの嫌疑をかけられた半次郎。濡れ衣を晴らせるのは、当夜同衾した宿場女郎のお里だけだが、事件の直後に女は偽名を名乗る男に身請けされ、姿を消していた。追っ手を逃れ、お里を捜し、真の下手人を挙げなければ、半次郎に明日はない。推理小説の名手が放つ渾身の長編時代サスペンス!
  • 梅雨将軍信長
    4.1
    織田信長は、土砂降りの桶狭間を急襲して今川義元を倒し、雨の晴れ間を狙って長篠に武田勝頼を破った。大勝するのはいつも雨の時季。その陰には「気」を見る男がいた――。表題作の他、算法に惹きつけられた侍たちの悲劇を描いた「算士秘伝」、言い争いから富士登山に挑むことになった大奥下女の物語「女人禁制」など、自らも科学、技術、山岳の人であった著者の異色歴史小説全9編。

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  • 甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1)
    4.4
    家康の秘命をうけ、徳川三代将軍の座をかけて争う、甲賀・伊賀の精鋭忍者各十名。官能の極致で男を殺す忍者あり、美肉で男をからめとる吸血くの一あり。四百年の禁制を解き放たれた甲賀・伊賀の忍者が死を賭し、秘術の限りを尽くし、戦慄の死闘をくり展げる艶なる地獄相。恐るべし風太郎忍法、空前絶後の面白さ!
  • 落花狼藉
    4.0
    戦国の気風が残る江戸時代初期、徳川幕府公認の傾城町・吉原が誕生した。吉原一の大見世「西田屋」女将の花仍は、自身の商いは二の次で町のために奔走する夫・甚右衛門を支えながら、店を切り盛りしていた。幕府からの難題、遊女たちの色恋沙汰、陰で客を奪う歌舞伎の踊子や湯女らに悩まされながらも、やがて町の大事業へと乗り出していく――。時代小説の名手が、江戸随一の遊郭・吉原の黎明と、そこに生きる人々の悲喜交々を描く傑作長編。
  • 京都四条 月岡サヨの小鍋茶屋
    4.3
    〈ドラマ化『鴨川食堂』の人気作家、初めての幕末時代小説〉 土佐の楳太郎(うめたろう)に、しゃも鍋。 薩摩の「吉(きち)さん」には、黒豚鍋。 あの!? 傑物志士たちが登場! 「いやもうとにかく面白い、そして何より旨そうだ!  幕末の京を舞台に偉人怪人相手に繰り広げられるサヨの絶品料理。 さすがは京都の名物グルマン、調理の細部に至るまで描写と蘊蓄が完璧だ。 料理人必読」【13年連続ミシュラン三ッ星獲得】日本料理かんだ・神田裕行氏推薦! 幕末の京都、古寺『清壽庵』の境内にある「小鍋茶屋」は、月岡サヨがひとりで切り盛りする料理店。 昼は行列必至のおにぎり屋として繁盛し、夜は一日一組限定の鍋料理で口の肥えた客を満足させていた。 不穏な情勢のもと、逸品料理で心の安らぎを得た名だたる志士らがサヨに語る思いとは。 おもてなしを極めた美味なる傑作。
  • 薬研堀小町事件帖 萩の露
    -
    二年前の愛しい人との約束に縋り、辛い日々を懸命に生きてきた娘は、萩に白露が降りる季節に男と再会するが……。旗本の息女と供侍の許されない忍ぶ恋、その結末は……。両国西広小路近くの薬研堀にある医家の娘千佳の活躍を描く書き下ろしシリーズ第一弾!

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  • 月神
    5.0
    明治13年、福岡藩出身の内務省書記官・月形潔は、北海道に監獄を作るために横浜を発った。 明治維新以降、新政府の本流となることができなかった福岡藩出身者には、瑣末な仕事ばかりが与えられていた。 洗蔵さんが、いまのわたしを見たら、どう思われるだろうか―― 船上の潔の頭に浮かぶのは、尊攘派志士として命を燃やした従兄弟・月形洗蔵の顔だった。 激動の時代、二人の男の矜持が、時代を越えて交差する。 葉室麟が遺した、魂を揺さぶる歴史長編。
  • 実さえ花さえ
    4.0
    デビュー作にしてこのハイクオリティ! 今や歴史・時代小説の大家となった朝井まかての初めての小説は、著者がこよなく愛する「江戸の園芸」をモチーフに、今も変わらぬ「人の世の情」を鮮やかに描き出す。 第3回小説現代長編新人賞奨励賞受賞作。
  • 翔ぶが如く(一)
    3.9
    司馬遼太郎畢生の大長編! 西郷隆盛と大久保利通。ともに薩摩藩の下級藩士の家に生まれ、幼い時分から机を並べ、水魚の交わりを結んだ二人は、長じて明治維新の立役者となった。しかし維新とともに出発した新政府は内外に深刻な問題を抱え、絶えず分裂の危機を孕んでいた。明治六年、長い間くすぶり続けていた不満が爆発。西郷は自ら主唱した“征韓論”をめぐって大久保と鋭く対立する。それはやがて国の存亡を賭けた抗争にまで沸騰してゆく――。西郷と大久保、この二人の傑人を中心軸に、幕末維新から西南戦争までの激動を不世出の作家が全十巻で縦横に活写する。

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