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養子に入った武家の妻にへきえきしていた男が、初めて連れていかれた谷中の茶屋の女に魅せられ、武士の身分を捨ててしまう表題作。自堕落に暮らしていた息子が、濡れ衣を負って処刑された父の敵を討とうと決心した途端に人柄が変わってしまう「夢中男」。そのほか「尊徳雲がくれ」「へそ五郎騒動」「舞台うらの男」「かたきうち」「伊勢屋の黒助」など、全11編を収める傑作短編集。
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Posted by ブクログ
全11篇の短編集。
江戸市井モノが主ですが、池波さん得意の松代・真田家モノ、赤穂・浅野家モノもあります。昭和の小学校で見かけた銅像でお馴染みの、二宮尊徳(二宮金次郎)を偉人ではなく、人間っぽく描いた「尊徳雲隠れ」も興味深かったです。
“鬼平”ファンとしては“夜兎の角右衛門”が登場する「看板」が良かったですね。女乞食・おこうの存在感が何とも言えない余韻を残しました。
表題作「谷中・首ふり坂」は、茶屋の女との色恋が武家の妻にバレて、その武家の妻が夫に襲いかかる場面があるのですが、男を守る為に茶屋女が武家の妻を持ち上げて川に投げ込むという、シュールすぎる展開に注目です。
他の短編も丁度良い感じに、人々の悲喜こもごもが描かれていて、(「内藤新宿」は歴史随筆な感じでしたが)どれも読みやすく楽しめました。
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