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本所亀沢町にある「おけら長屋」は、大家の徳兵衛、米屋奉公人の八五郎、後家女のお染など、ひと癖ある店子が入り乱れて毎日がお祭り騒ぎ。それもそのはず、お金はないけど人情に厚く、かっとくるけど涙もろい。自分より他人のことが気になって仕方がない。こうした面々が、12世帯も軒を並べているのだ。そんなある日、わけあり浪人・島田鉄斎がやってきた。津軽の某藩を辞去し、江戸へ流れてきたのだ。剣の腕がたち、冷静に物事に対処できる鉄斎は、おけら長屋の連中が頼りにする心強い「旦那」。鉄斎を迎えて、何かと騒がしい長屋の面々が遭遇する事件とは……。著者は、本所育ちで演芸の台本などで複数の受賞歴を誇る手練の書き手。今回は満を持して、文庫書き下ろし時代小説に初挑戦。2013年本屋大賞作家・百田尚樹氏も「この小説には、やられた!」と太鼓判の出来ばえ。江戸落語さながらの笑いと人情にあふれる作品世界をとくとご堪能あれ!
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Posted by ブクログ
さいっこう。
まさか、落語の世界が、こんなにも鮮やかに立ち上がるとは。
人情味に溢れ、滑稽さもあり、血の通った人々が逞しく生きている。読んでいて、ほろりとしたり、背筋が伸びたり。
立川談志が、落語は人間の業を描くものというのがしっかり体現されている。
そして岡本喜八の、人間とは元来愚かなものであるが、通底している。
どうしようもない中で、人々が、生き、喜んだり、勁さをみせたり、助け合ったりする姿を見せてくれて、人間すてたもんでもないと思えてくる。
ふっと肩の力が抜けて、ホッと一息つける。
ブク友の皆さんが読まれていたのを思い出して、手にとってよかったです。
Posted by ブクログ
大好きなおけら長屋シリーズがいったん終わってしまったので再読中です。
万松がみんなの度肝を抜くようなアイデアを出して、ヤクザやお偉いさんの不条理に立ち向かっていく姿が…何だか笑えました。
正統派ヒーローでなくて姑息な手を使うところが綺麗なご都合主義の小説とは一味違って私は好きです。姑息すぎるんですが何だか応援してしまう。万松のお人好しさに絆されてるんでしょう…。
1巻の私の好きなエピソードは『ふんどし』です。
湯の子を身籠もってしまったお梅ちゃん、そしてお梅ちゃんのために無茶苦茶な手段で力になるおけら長屋のメンバー、そしてお梅ちゃんの思い人の久蔵、私のこのシリーズ大好きが詰まったエピソードです。
Posted by ブクログ
時は江戸、所は本所亀沢町にある「おけら長屋」の、大家と12組の店子が絡む様々な騒動とその顛末を描いた連作短編集です。
手にとったキッカケは、bookwallさんが手がけた、三木謙次さんの愛嬌あるかわいらしいイラストの特別カバーが目に付いたからでした。
もともとのカバーだったら、果たして手にとったかどうか、ちょっと縁を感じてしまいます。
収録された7編の話は、読み終えてスッキリと胸が空くといったものばかりではありません。
むしろ、どちらかと言うと憤りや悔しさ、やるせなさが胸の奥に残るものが多いようにも思います。
登場人物たちも完全無欠の人たちばかりでなく、お人好しだが、いい加減だったり小狡かったり頼りなかったりという、普通の市井の人々です。
それでも、いつの間にか長屋の人々をあたたかく見つめ、一つ一つの話を読み終わって、「さあ、こっからまたしっかりと生きていってくださいよ」と声をかけさせられる自分に気づきます。
困りました…
既刊があと16巻あって、まだまだ続きそうなのに、このシリーズ好きになってしまったようです。
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