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昭和20年3月29日、世界最大の不沈戦艦と誇った「大和」は、必敗の作戦へと呉軍港を出港した。吉田満は前年東大法科を繰り上げ卒業、海軍少尉、副電測士として「大和」に乗り組んでいた。「徳之島ノ北西洋上、「大和」轟沈シテ巨体四裂ス 今ナオ埋没スル三千の骸(ムクロ) 彼ラ終焉ノ胸中果シテ如何」戦後半世紀、いよいよ光芒を放つ名作の「決定稿」。
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Posted by ブクログ
大和は出撃すべきではなかったと思います。ただ、明治維新後70年ほどであれほどの巨大戦艦を国産できるほどの工業力は凄いと思います。
「戦艦大和の最期」読み終わった。最後の50ページ程は一気に読んだ。いろいろこの人の本には賛否、毀誉あるだろう。人間十人様々な思いが渦巻くでしょう。ましてやあの戦争、あの特攻を題材にしてるのだから。ただ言えるのはこの作品は超弩級の文学作品であることだ。
戦記物して書かれた体験文学の傑作。全部が文語体で書かれているのがかえって迫力になっています。悲壮感、戦場の不合理がビンビン伝わる。古文勉強の導入として音読してもいいんじゃないかなと思います。
筆者の吉田満は、学徒動員の一環として応召され、副電測士(電測士というのは、レーダー要員と理解した)として、沖縄特攻作戦に参加する戦艦大和に乗り込む。1945年春、終戦まであと4ヶ月の時である。 既に米軍は、沖縄を勢力圏に置いており、そこを本拠地とした本土攻撃を遅らせるために、日本軍は本土防衛作戦の一...続きを読む環として「天号作戦」を立案する。「天号作戦」には、一号から四号まであり、戦艦大和が参加したのは、「天一号作戦」である。700機の特攻機が沖縄の米軍を攻撃するのを支援するために大和は、計10隻の艦隊の中心艦として参加するが、帰還は想定されておらず、行きの燃料のみを積んで、広島県の呉港を出港した。 本文中にある、本作戦の目的についての記述を引用する。 【引用】 本作戦ノ大綱次ノ如シー先ズ全艦突進、身ヲモッテ米海空勢力ヲ吸収シ特攻奏功ノ途ヲ開ク 更ニ命脈アラバ、タダ挺身、敵ノ真只中ニノシ上げ、全員火トナリ風トナリ、全弾打尽スベシ モシナオ余力アラバ モトヨリ一躍シテ陸兵トナリ、干戎ヲ交エン 【引用終わり】 勝ち目のない、成算のない作戦であることは乗組員は分かっている。「圧倒的数量ノ前ニ、ヨク優位ヲ保チ得ル道理ナシ タダ最精鋭ノ錬度ト、必殺ノ闘魂トニ依リ頼ムノミ」と筆者も書いている。 大和は沖縄近海までやって来るが、そこで100機を超える、米軍の航空機部隊から攻撃を受ける。攻撃は一度で終わらずに、七波、八波と続く。その間、大和は相手にほとんどダメージを与えられないまま、一方的な攻撃を受け続け、沈没してしまう。筆者は、奇跡的に助かり、他の艦船に救助され、佐世保港に戻る。 本書は、大和の出陣から、筆者が救助され佐世保に戻るまでの記録である。 戦闘場面、大和の最後、筆者が九死に一生を得る場面等、実際に起こったことの記述の迫力にまずは驚かされる。本書は文語体、かな部分は、ひらがなではなくカタカナで書かれており、決して読みやすい本ではないが、ほとんど一気に読んだ。 しかし、心が痛んだのは、戦争の悲惨さ、理不尽さだ。それも、「戦争が一般的に悲惨で理不尽である」ということではなく(もちろん、それはそれで真実だと思うが)、日本軍というか、日本国(大日本帝国)の、この戦争に対しての理不尽さである。 この「天一号作戦」に参加した艦船10隻のうち、帰還したのは4隻のみ。特攻攻撃に参加した700機の航空機のうち、350機は撃墜され、かつ、米軍には、ほとんどダメージを与えることが出来なかった。ほとんど意味のない作戦を実行したのである。 しかも、行きの燃料しか持たずに大和が出航したことが示すように、「こうなることは、あらかじめ分かっていた」うえでの作戦であったのだ。 沖縄が米軍の勢力圏に入った後の戦争の展開も既に分かっていたはずである。実際に、その通りに戦争は進んだ。日本は本土を空襲され、広島と長崎に原子爆弾を投下される。終戦間際には満州にソ連軍が攻撃を開始し、そこにおられた方は大変な想いをされ、多くの兵士がシベリアに抑留され、また、兵士でなくても、例えば、多くの「中国残留孤児」を生んだ。しかし、この作戦が失敗してからも、降伏するまでに数か月、何の成算も、何の意味もない戦争を続け、兵士ばかりではなく、一般の人たちに多くの犠牲者を出し、悲惨な想いをさせたのである。それは、本当に理不尽なことだと思う。 本作は以下の通りの終わり方をしている。万感が込められた終わり方だ。 徳之島ノ北西二百浬ノ洋上、「大和」撃沈シテ巨体四裂ス 水深四百三十米 今ナオ埋没スル三千ノ骸 彼ラ終焉ノ胸中果シテ如何
呉の大和ミュージアムにて購入。 こういうのは最高評価以外につけようがない。 確か再読だったなぁ。子供の頃読んだ時はこういうのの捉え方がわからなかったしカタカナ読みづらいしで困ったけど、今はすんなり読めるね。ミュージアムで駆逐艦等の知識得てからだから余計面白い。 臼淵少佐の言葉は至言。国や時代が違っ...続きを読むても兵隊の普遍の答えじゃないかと。 そういえば終戦のローレライはこの人をモデルにしたんでしょうかね。 そして解説を「限界芸術論」の鶴見俊輔がしていて喜ぶ。同じ歳とは…。
凄かった。泣いた。「永遠のゼロ」で感動しているヒマがあったら是非この名著を。一読して(他の批判を待つまでもなく)これは「小説」であり「記録」ではない。余計な修飾や後付け、伝聞は目立つ。しかしそれを差し引いても圧倒的。僅か二時間の戦闘の如何に凄惨なことか。その後の脱出行の如何に無常なことか。僕はこの小...続きを読む説を忘れないだろう。戦争反対。
「大和轟沈 一四二三」 昭和20年4月7日12:20 「目標捕捉 イズレモ大編隊 接近シテクル」 戦闘開始から2時間後のことである。 カタカナの文語調の文体には緊張感が漂う。 時系列、日記的な記載により臨場感が増す。 基点(大和)から、話題がぶれないために、時局の把握は容易にできる。(時代背景や...続きを読む軍備)説明はは少ない。 天号作戦は、死出の作戦。出航後の帰還はしない。 緊&緩の繰り返す波、艦上と下船の会話。これは軍隊と家族、戦争(死)と生活(生きる)との対峙なのだろう。会話中に登場する、許婚、父母や、妹があり。 戦闘(攻撃)の描写は息を飲む、目前での死別あり。無言の最期があり。死に直面しての、落ち着きは何を示すのか。 作戦中止のあとでは、生きることを命じられる。海中で漂う間にも、死を願っている。生恥をさらすことはつらい。だが、生還した。 一読ノ価値アリト信ズル
学徒動員で海軍に入隊した著者が、大和の特効出撃と自らの生還を描いたのが本書です。 慣れるまでは全編文語体であり、読みにくいことこの上ありませんでした。しかし読んでいくうちに、文章から異常な緊張感と迫力が伝わってくるようになりました。出撃を命ぜられた時の著者の心情。出撃前夜の若手士官たちの論争。激戦...続きを読むと沈没、そして漂流から生還まで、まさに当事者だから書き得たものといえるでしょう。
Kodama's review 凄まじいの一言に尽きます。 「進歩ノナイ者ハ決シテ勝タナイ 負ケテ目ザメルコトガ最上ノ道ダ… …俺タチハソノ先導ニナルノダ 日本ノ新生ニサキガケテ散ル マサニ本望ジャナイカ」(臼淵大尉) コメントも出来ません。 (06.11.30) お勧め度 ★★★★★ ...続きを読むKodama's review この時期に2冊の本を本棚より取り出し、再読したうちの1冊。 臼淵大尉の言葉には、何度読んでも心打たれるものがあります。 (09.8.2) お勧め度 ★★★★★
昭和20年、必敗の特攻作戦のために呉港を出港した戦艦大和。 海軍少尉として大和に乗艦した吉田満が、出港から沈没、漂流までを綴った。 死を目前にした乗組員たちのエピソードは、「涙なくしては読めない」との評判通り。 中でも自分の死に意味を持たせたい士官たちの議論は、我々にあらゆる問いを突きつける。
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