ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
5pt
人は生まれてから老いて死ぬまで,多くの人々と関わりながら自己教育をつづける.「いかに生きるか」という問いが,その営みをゆたかにする.いまこそ「教育」は,人々が人生の課題に立ち向かうときに支えとなるものとならねばならない──.自らの人生を真摯に振り返りつつ,教育の本来の姿を問う.(解説=芹沢俊介)
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
教育者養成にとってのたいせつなこと、子どもが好きだというのが、成績より前に来るのが当然、 1,必要に応じた明晰、 2,成長のゆとりをのこすあいまい、 この二つの理想の共有、よむたびに胸をどきんとさせられるこの言葉たち。
小学生の息子から、自殺をしても良いのか、と問われた著者は、自殺をしても良い場合があるとして2つの具体例を挙げて答えた。これは著者自身がさまざまな痛みを伴う人生の体験を通して探り得た自分だけの答えであり、決して学校教育で教えられる模範解答のようなものではない。私自身親として子供からこのような切実な問い...続きを読むかけをされたとき、ある種の覚悟を持って自分の言葉で答えることができるのか、しばし考えさせられてしまった。
著者の鶴見さんの半生を振り返りつつ、 教育というものの真の意味にたどり着こうとする論考エッセイです。 むずかしい言葉でがちがちになっていなくとも、 ちゃんと物事の深みを表現して伝えることができるという 良い見本のような文章でした。 むずかしいことはむずかしいという部分はあるのですが、 時間をかけて読...続きを読むむことできっとイメージはつかめるという感覚。 巻末の芹沢俊介さんの解説を読むと、 ああそうか、とそれまで読んできた言葉がすっと胸に入ってクリアになります。 まず、痛みによる教育の試みだといいます。 痛みは身体的なものも心的なものもどっちも。 そうして、著者が自分で経験した痛みからくる教育を披歴していく。 そこで読者は、著者の経験に自分の経験や記憶を照らし合わせて、 自分の内に著者の考えを落としこんでいくことになる。 ______ 自分の身体と自分の家庭からまなんだことが、教育の基本である。 私以外の人でも、そうではないか。 家庭の外では職場、(中略)さらに男女関係、自分のつくる家庭、 自分の子どもから受ける教育、近所の人たちとのつきあいから受けるもの、 社会活動から引退した人として孤立ともうろくから受ける教育、 近づいてくる死を待つことから受ける教育である。 ______ そして、サークル活動というもうひとつの教育というものに話は移っていきますが、 ここで言われているのは、自己教育と後半で述べられるものです。 学校で受けさせられる教育とは違います。 逆に、そういう教育は害があることを本書では解き明かしています。 大事なのは自己教育、ということ。 たとえば、先生が握っている正答をあてるだけの教育は違うんじゃないかというような、 先生を観察して先生に自分を合わせるような生徒を作る教育もどうかという話もある。 答えは一つっていう教育は、現実というものに正面きって立ち向かえない人を作る。 ここからはこの本を読んでの僕の考えですが、 優等生のままの人っていうのは、 いざ現実と対面したときになにも歯が立たない人間なのかもしれない。 生きてくというのは、もっと腕っぷしのいるものだと僕も思うし、 自分にはまったく足りていないとも思う。 優等生でいるというのは怠惰であるという側面もある。 もっと掻きまわして、現実との間に軋轢を生みながら それを修復し自己や周囲を修正していくような作業を泥くさくやっていく。 それでこそ、役に立てる人になっていける道を歩めるってことなんじゃないか。 杓子定規というかステレオタイプというか、 そうやって、人に教育されるがままでいいや、だとか、 流されるまま流れにのって生きていくのでは、 真っ当に生きられないと言っているのではないかと思うのです。 たしか糸井重里さんが紹介したデザイナー・秋山具義さんの言葉で、なぜ勉強しなくてはいけないか? という問いに対して、 それは友だちだとか恋人だとか大事な人が困っている時に助けになれるため、 っていうのがありました。 そういう勉強、ここでいう自己教育が、 そんな自分の可能性をひろげることに繋がるっていうことでしょう。 とても好くて深い本だったので、 いろいろ読んでもなにか足りないと感じている人にはおすすめです。
難しい。最近読んだ本が殆ど実学系のものばかりだったからか、この本は本当の評論という感じがしてとても難しい。学者、しかも哲学者の著作という感じ。自分の問題を作る、という一節があった。その方が学校の成績は良くなるとも書いてあった。著者もそこには反対の考えを述べている。これも今から20年以上前の本であるこ...続きを読むとを考慮すると、この国では教育も殆ど変化ないんだな、と思う。 自分で問題を発見し、仮説・検証を試み、解決の方向へ進めていく力、これは自分で切り拓き、身につけていくしかないのだろう。教育という言葉はどうも上からの施しのように聞こえて気持ち悪いが、自己教育とか訓練という言葉に置き換えて試行錯誤の中から自らの血や肉にしていきたいし、子供達にも勉強とはそういうものだ、ということを経験を通して実感していってもらいたいと思う。
twitterでの高橋源ちゃんの紹介で重要なエピソードについては読んで、知ってたので、改めて読む楽しみはそれほどなかった。構成についての分かりにくさはあるけど、考え始めるヒントは沢山あるし、鶴見さんの語りの魅力は感じられた。
教育を再定義するというような固い本ではなく、鶴見の体験を語った本であった。 ちまたでは、アメリカに行って日本に戻って兵隊に行ってまた戻ってきたというようにはしょって語られているが、本人の説明として本書を読むと、そう簡単には説明できない様々な事情があることが分かる。自分の大学生活のことも語っているし...続きを読む、大学生のことも語っているし、教師との体験についても語っているので、教員養成系の大学生にとっては読んでおくといい本であろう。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
教育再定義への試み
新刊情報をお知らせします。
鶴見俊輔
フォロー機能について
「岩波現代文庫」の最新刊一覧へ
「学術・語学」無料一覧へ
「学術・語学」ランキングの一覧へ
思い出袋
試し読み
現代日本の思想 その五つの渦
人生相談 谷川俊太郎対談集
随想 暮らしの流儀をつくる
戦艦大和ノ最期
戦後日本の思想
戦後日本の大衆文化史 1945~1980年
戦時期日本の精神史 1931~1945年
「鶴見俊輔」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲教育再定義への試み ページトップヘ