歴史・時代小説の検索結果
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天生の狐
忍娘が仇を討つ! 全国の書店員が絶賛、累計6万部を突破した 『滔々と紅』の著者4年ぶりの書下ろし 舞台は江戸時代の天生(現在の岐阜県飛騨市)。 主人公は、医者の助手として、山で薬草を採って暮らす十七歳の少女、紺。 紺は元武家の娘だが、幼い頃に両親が殺され、医者の宋哲に育てられてきた。 宋哲の裏の顔は幕府に仕える地方の忍「草」であり、紺もまた忍びの技を仕込まれて育つ。 ある日、街へ降りた紺は、どこか見覚えのある顔をしたひとりの武士を見かける、その武士こそが、凄腕の剣士であり、両親の仇である男「津田」であった。 それを知ったことにより、「仇討など馬鹿らしい」と思い生きてきた紺に初めて熱い気持ちが湧きおこる。 「忍」として育てられた少女は、はたして両親の敵を討てるのか? 第1回本のサナギ賞大賞著者、待望の新作。 -
あやかし
鬼塚弥四郎は常陸吉住藩見廻り役の四男坊。梅雨明けのある日、弥四郎は村の視察中、家宝の名刀をうっかり谷底に落としてしまった。途方に暮れるそんな彼の前に現われたのは十七歳の美少女・千夜。ところがこの少女、鬼の里から人を食うために下りてきたあやかしだった。切腹か、鬼に食われるか、いずれにせよ死を覚悟していた弥四郎は、どうせ死ぬならその前に一度と、千夜に頼み込んで初めての情交を経験してしまう。一方の千夜も弥四郎に情が移ったのか、他の者に姿が見えないのを幸い屋敷までついてきてしまった。千夜と契ることによって次第に鬼の力が宿り始めた弥四郎。ある日、御前試合で別人のような剣術を見せた彼は、藩主の江戸行きの供に選ばれるのだが…。 -
あやかし淫秘帖
部屋住みの四男坊から五百石の納戸頭の家に養子に入った皆月小四郎。我が家となった屋敷を見て回り、土蔵に入った小四郎は、そこで絶世の美少女が描かれた掛け軸を見つけた。絵姿の少女にそそられ、思わず手すさびをしてしまった小四郎だが、その刹那、絵の中の少女は現実のものに…。綾香と名乗った少女は、掛け軸に封じ込められていたあやかし。淫気をつかさどり、主人となった人間に様々な力を与えてくれるという。ある日、酔漢にからまれていた百人組頭の娘・和泉を助けた小四郎。妖しの力によって小四郎の虜になった彼女と、身分違いにもかかわらず、とんとん拍子に婚儀の話が持ち上がって…。 -
あやかし裁き ご隠居同心探索異聞
角野伊右衛門は倅の忠助に家督を譲り、半年前に南町奉行所の臨時廻り同心を退いたばかりの新米ご隠居。だが、現役のころの癖が抜けない伊右衛門は、隠居の身であることも忘れてついつい探索に乗り出してしまい、周囲をやきもきさせる困り者でもあった。そんなおり、両国西詰の広小路で夜な夜な犬神が現われて暴れているという噂が広まった。顔は人間で髪を振り乱し、胴体は狼。たんなる噂ではなく、実際に本所の大工が襲われて怪我をしたという。あやかしのたぐいを一切信じない伊右衛門は、事件が人のつくりごとであると見抜き動き出すのだが……。探索の末に伊右衛門が暴く、思いもかけない事件の真相とは?気鋭が贈る新シリーズ登場。 -
あやかし捕物帖
持ち前の負けん気で十手を預かる妙の前に人知を超えた罠が迫る。 若く美しい娘が惨殺される奇怪な事件が相次ぐ! 下手人を追う娘岡っ引きが出会った若者百瀬小太郎と三人娘は敵か? 味方か? 御用の最中に命を落とした兄の跡を継ぎ、岡っ引きとなった十八歳の妙。三人の娘が「獣に心の臓を食い破られた」ように惨殺された事件を同心の麻生真之助と共に追う。そんな中、酔った町奴に絡まれる妙を救った百瀬小太郎は、曲芸を見世物とする三人の不思議な娘たちと行動を共にしているらしい。そして、次の標的となった「美濃屋」の後妻・由良も毒牙にかかるのだが……。 人の仕業とは思えぬ怪事件、新シリーズ第1弾! -
あやし長屋今々(こんこん)帖
日本橋の愛子町(あやしまち)。ここにはインチキ祈祷師や拝み屋や托鉢坊主、そんな連中ばかり住んでいて悪名がとどろいていたのに、一転して当たるようになった。失せ物が出る。迷子の居場所がわかる。縁結びから病気平癒まで、ことごとく願いがかなうようになった。今日も長い行列ができている。だがその見立てにはカラクリがあった。別室でこっそりご託宣を与えているのは、霊力を持つ町娘“おこん”と“おつね”。実はこの二人、狐が化けた姿だったのだ……。連作短篇時代小説。電子オリジナル作品。 第一話 御銭稲荷の謎 第二話 六道の辻 第三話 木木木木木 第四話 袋小路の怪 ●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう) 1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。 -
荒木又右衛門
日本三大仇討ちの一つである「伊賀越えの仇討ち・鍵屋の辻の決闘」――巷間伝わる「荒木又右衛門36人斬り」の仇討ち劇である。ところが、史実は外様大名と旗本の対立という政治的背景をもつ抗争であり、義弟・渡辺数馬の助太刀人として加担した又右衛門側〈4人〉と河合又五郎ら仇人側〈11人〉との対決であった。この決闘で歴史に名をとどめることとなった又右衛門、実は彼の40年余りの生涯は漠とした霧の中にあって、鍵屋の辻でほんの一瞬スポットを浴びただけなのだ。伊賀荒木村に生を受け、柳生心陰流の剣を学ぶ。仇討ち成功の4年後に鳥取藩池田家にお預けの身となり、鳥取に入った17日後、「荒木又右衛門急死」の報が藩庁より公表された。史実として残るのはこの程度であり、死の真相も明かされていない。本書は、わずかに残る史料等の緻密な検証から、これまで描かれてきた又右衛門像を大胆に捉え直した力作である。 -
嵐の予兆 居眠り同心 影御用
箱根の牢にいる盗賊が江戸で連続殺人事件? 同心父子に迫る危機! 居眠り同心の息子源太郎は大盗賊「極楽坊主の妙蓮」を護送する大任で雪の箱根へ。 父の源之助には妙蓮絡みで奇妙な影御用が舞い込んだ。 居眠り同心と揶揄される蔵間源之助の息子源太郎は北町奉行所の見習い同心。箱根の関所で捕縛された大盗賊・極楽坊主の妙蓮を江戸まで護送する大役を果たすべく、西に向かった。一方、元筆頭同心で凄腕の父源之助の許に、妙蓮絡みの奇妙な影御用が舞い込んだ。箱根の牢にいるはずの妙蓮から命を狙われている亭主を守ってほしいという女房からの依頼だった……。 -
歩き巫女
徳川吉宗の治世、江戸に類希なる美貌の巫女が現れた。戦国の世に武田信玄の下でくノ一を束ねた巫女頭の末裔、望月千代であった。 千代はまずある神社を色じかけで乗っ取り、そこを拠点に千里眼や雨乞いなどで霊力をしめす。 それが評判となり、江戸の民たちは千代に熱狂。だが千代の目的は、民衆を煽動し、吉宗のご政道を批判することであった。 事態を重く見た吉宗は、側近の加納久通を通じて寺社役の高畠辰之伸に密命を下す。だが、千代の背後には吉宗の政敵、尾張の宗春が黒幕として控えており……。 暗雲ただよう政争のゆくえはいかに。 疾風怒濤の時代エンタテインメント! -
安恒(琉球空手シリーズ)
明治12年(1879年)。 廃藩置県によって、琉球王国はその歴史に幕を下ろし沖縄県が誕生した。 内務省の若き役人・小野寺正三郎は沖縄県庁への出向を命じられ、南の島へ渡る。そこで出会ったのは、後に「近代空手の祖」と呼ばれる武術家・糸洲安恒だった。 当時、「空手」という名はまだない。琉球に古くから伝わる武術「手(ティー)」は、王国の消滅とともに失われようとしていた。 武術を未来へ残したいと願う安恒。近代国家の官僚として新しい教育制度を築こうとする小野寺。 二人は、伝統を守りながら新たな時代へ受け継ぐ道を模索していく。 国家と地方、近代化と伝統、その狭間で揺れる人々の思いの先に生まれたものとは――。 世界へ広がる「空手」の源流を描く、熱き歴史エンターテインメント。 【著者略歴】 今野敏 (こんの・びん) 1955年北海道生まれ。上智大学文学部在学中の78年に「怪物が街にやってくる」で第4回問題小説新人賞、2006年『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞、08年『果断 隠蔽捜査2』で第21回山本周五郎賞と第61回日本推理作家協会賞、17年「隠蔽捜査」シリーズで第2回吉川英治文庫賞、24年第27回日本ミステリー文学大賞を受賞。SF、伝奇アクション、ミステリなど幅広い分野で活躍。著書多数。空手道「今野塾」を主宰する武道家でもある。 -
あんちゃん
夢と野心をもって江戸に出てきた男は、商人として成功するが…… 長年連れ添った夫婦のすれ違い、出世と引き換えに大切なものを失った男……現代人の心を動かす、珠玉の七編を収録した時代小説集。 貧しい百姓の末っ子として生まれた捨松は、故郷の下野(しもつけ)を飛び出し一人江戸へ上る。十数年後、捨松は商売で成功するものの、兄との再会を機に「大切なもの」を失ったことに気づく――表題作「あんちゃん」のほか、夫婦のすれ違いや恩師への慕情など、姿勢の人々の心の機微を直木賞作家が丹念に描く。ほろ苦くも優しい短編集。 ※ 単行本 2010年5月刊 文春文庫版 2013年4月刊 文春文庫新装版 2024年2月刊 この電子書籍は文春文庫新装版を底本としています。 -
居合 林崎甚助
時は戦国。出羽に生まれた民治丸に課せられたのは、闇討ちにあった父の仇討ちを果たすという使命。しかし民治丸は身体も小さく、通常の手段では、仇に勝つほど剣術で強くなることは難しい。いかにすれば、力弱き者が強き者に勝てるのか。過酷な修行のなかで、民治丸は神託を得て「居合い」という全く新しい剣術を編み出していく。そして民治丸は、林崎甚助と名乗り、仇・坂上主膳を追って旅に出る。やがて青年剣士は、京の都へ。しかし坂上主膳は、梟雄として名高い戦国武将・松永久秀の家臣となっていた……。奸智に長けた松永久秀をも相手に、甚助の仇討ちは成就するのか。スピード感溢れる文体で、居合いの始祖・林崎甚助の若き日の活躍を描いた、痛快剣豪エンタテインメント小説。 -
井伊直虎 女にこそあれ次郎法師
戦国の世に、井伊家の領主となり井伊直虎を名乗った女性がいた。天文十三年、井伊家の当主・直盛のひとり娘の祐の運命は、その年を境に激変した。井伊家家老の裏切りにより、今川義元に謀反の疑いを持たれた、井伊直満と弟の直義が、駿府で生害させられたのだ。井伊家は、命を狙われる直満の子・亀之丞の秘匿を決行。許婚の亀之丞と引き裂かれた祐は、出家を決意し、次郎法師を名乗るが──。直虎の生涯を描いた傑作歴史長篇。 ※この作品は、二〇〇六年一月に新人物往来社より刊行されました『女にこそあれ次郎法師』を文庫化にあたり加筆・推敲し、改題したものが底本です。 -
家康さまの薬師
幼いころに徳川家康の家臣・服部半蔵に命を救われた瑠璃。 その時、半蔵が見せた薬草の使い方に興味を持ち、 保護された村で出会った師匠から本草学の書籍をもらい受け、薬師になる夢を膨らませる。 その後、家康の祖母に小間使いとして仕え、本草学の知識を生かして体に良い茶を煎じる日々を過ごす。 半蔵もそんな瑠璃を気にかけ、何度も様子を見に来ていた。 一方、今川家での人質として暮らしに鬱屈していた松平元康(徳川家康)。 今川義元の姪(瀬名・築山御前)との望まぬ婚姻が決まり、その報告に祖母の家を訪れる。 そこで、出会ったのが小生意気な少女・瑠璃だった。 その後、時代は流れ、桶狭間の戦いを経て戦国大名へと昇り詰めていく家康。 しかし、決して安穏な日々ではない。武田信玄による三河侵攻、織田信長からの圧力・・。 そして重要性を増す瑠璃の師匠がもつ各大名の病状と処方箋を記した覚書の存在。 心労の絶えない家康の傍らで瑠璃は茶をそして薬を煎じて支える。 戦国乱世において、家康の体調や精神を支え、共に歩んだ女性の物語。 -
家康と七人の忍び
織田信長の死後5日間に、何があったのか? 徳川家康を守るべく暗躍する異能の伊賀者たちを描く歴史エンタメ巨編 司馬遼太郎賞受賞作『ナポレオン』などでヨーロッパにおける数多の戦いを描いてきた著者が、「戦国時代最大の謎」に迫る。 織田信長、死す。突如として明智光秀らに追われる身となった、信長の盟友を襲う数々の危難――。襲撃者は甲賀者か。彼らを雇うのは光秀なのか、それとも……。家康らの決死の逃避行を描く、血湧き肉躍る歴史アクション! 直木三十五賞など受賞の実力派作家が、諸説紛々の「本能寺の変」と家康「伊賀越え」ルートの謎に迫った、読売新聞オンライン好評連載待望の書籍化。 【目次】 一、変の巻 二、転の巻 三、越の巻 -
家康と正信
徳川家康の陰のブレーンとして、その知謀を天下取りのために如何なく発揮した本多正信。79歳で没するまで、約40年という歳月を家康の頭脳の一部として送った彼は、まさしく真の補佐役だったといえる。三河一向一揆で主君に反旗を翻した男が、流浪の日々を経て帰参したのは、40代になってからであった。自らを不忠の臣とする思いを払拭できない彼は、その後は家康を主人としてではなく、師として仰ぐことを誓い邁進する。甲州計略、江戸の町づくりと家臣の知行割りなどに手腕をふるい、君臣の二人三脚は「水魚の交わり」といわれるまでにいたる。そして、豊臣氏から天下を奪い、徳川幕藩体制を盤石なものに築き上げていく。本書は、一度は背いた男を最高のパートナーにした主君と、献身的な忠誠で才能を遺憾なく発揮し続けた補佐役の生涯を、歴史に取材しつつ“組織と人間”の問題を描き続けてきた著者ならではの筆致で、みずみずしく描いた歴史小説である。 -
家康の猛き者たち 三方ヶ原合戦録
今こそ家康の求心力を高め、鉄の家臣団を作り上げる。それこそが徳川家を強くすることに?がる。その要となる人物は「本多平八郎忠勝」しかいないと徳川家康は考えていた。甲斐の武田信玄が勢力を伸ばす中、遠江国二俣城をめぐり、争いは続いていた。先行した忠勝と武田軍が一言坂で激突した後、両軍は三方ヶ原で再び相見えることとなる。徳川勢八千に織田勢三千が加わった、総勢一万一千の部隊が、武田勢三万に挑む。常に激闘の中に身を置きつつも、生涯傷一つ負わなかったという徳川軍団随一の武者、本多平八郎忠勝を描くエンタテインメント歴史時代小説。 -
家康の養女 満天姫の戦い
「おなごはいくさの役には立たぬかもしれぬ。 だが、もっと大きな働きで陰の役割を担うこともできるのじゃ」(徳川家康) 関ケ原後、いまだ不穏な動きを見せる奥州。 家康の画策で津軽藩主・信枚に嫁いだ満天姫。 慣れない最果ての地での正室としての暮らし。 前夫である福島家の息子の存在。 襲い来る飢饉。 信枚への想い―― そして大切な人たちの死。 すべては江戸と津軽のために。 これは――女の関ヶ原! 「争うよりも、相手の真心を引き出し、いかようにして味方につけていくか。そこに思いをいたさねばならぬ。相手ではない。自らの生き方にかかわることじゃ」(満天姫) 波乱に満ちた家康の養女の生涯! 巻末には、直木賞候補でいま大注目の作家・永井紗耶子氏による特別解説を掲載! -
伊賀忍び控え帖
世は梟雄・松永弾正(久秀)が台頭し、戦国の乱れが深まる時代――忍者の里として知られる伊賀では、人間離れした手練れの忍術を遣い、「闇の仕事」を請け負って乱世をしたたかに生き抜いた男たちがいた。伊賀者・遠山太兵衛は、遙か遠くを見通す「天眼通」、人の心を読む「他心通」など、厳しい修練で会得した特殊能力によって、一人の主君を求めずに己の力だけを頼りに生きる。他の忍者集団との激しい死闘、戦国大名を罠に嵌める見事な手口など、自由と背中合わせの危険のなかで闘い続ける太兵衛らの生き様は、手に汗握る波乱の展開に息つく間もない。歴史小説・剣豪小説の大家である著者が、「史実」に近い伊賀忍者の実像を踏まえつつ、極上のエンターテインメントに仕上げた長編小説。既存の忍者像を一変させ、緊迫の展開に胸躍る傑作に仕上がっている。 -
異郷の帆
元禄初期の長崎・出島。若き通詞(通訳)である浦恒助は、鎖国の息苦しさに耐えながらも、広大な海の彼方へ夢を馳せていた。そんな中、発生したオランダ商人の不可解な密室殺害事件。この人工島では、人の出入りは厳重に監視され、奉行所の役人が腰に帯びる大小の他は、刀剣類の持ち込みも一切禁止されている。誰が、一体どうやって? 転び切支丹の同僚や、混血の美少女・お幸に疑いの目が向けられる。そして、当時の出島が抱えていた問題が次々と明らかになっていく……。 鎖国時代の長崎・出島を密室に見立てた時代推理小説の名作。 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。 -
生きる人 品川しみづや影絵巻(3)
一膳飯屋「しみづや」の新助は深傷を負ったまま、江戸を発つことを決意。薬売りに身をやつし、おさよと共に、因縁の地・荘内藩へと向かう。だが刺客の魔の手はすぐそこにまで迫っていた。そして、水野越前守忠邦が企む三方領地替えの行方は……。「品川しみづや影絵巻」シリーズ完結篇。電子オリジナル作品。 ●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう) 1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。 -
戦歌
十五世紀、室町幕府より関東の統治を任されていた足利家は、鎌倉に拠点を置いていたものの将軍家の部下でいることを嫌い、いつのまにか「公方」と名乗り、自らの勢力を築こうとしていた。そのため、足利家を補佐していた上杉家が関東管領として鎌倉公方と対立する事態となっていた。 上杉家は山ノ内・扇ガ谷家ともに鎌倉公方と対立し、争うことになる。そうした時代にあって、扇ガ谷上杉家の家宰である太田家はよく主家を助け、なかでも資長(道灌)の才と力量は群を抜いていた。やがて鎌倉公方・足利成氏は下総・古河に逃れ、資長は切望していた江戸城を手にいれる。そして鎌倉奪回を図る成氏たちを相手に、他の武将たちとともに戦い抜いていった。 一方、成氏の動きに危機感を抱いた京都の将軍・義政は、異母兄を関東公方として京都から下向させる行動に出る。加えて、山ノ内上杉の家宰相職を求めて長尾景春が乱を起こし、関東はさらに混迷を極めることに……。 関東の戦国初期、東国武士たちの動きを太田道灌中心に描いた力作。