作品一覧 2023/05/19更新 負けない人生 試し読み フォロー 赤き心を おんな勤王志士・松尾多勢子 試し読み フォロー 家康の養女 満天姫の戦い 試し読み フォロー NHK連続テレビ小説 あさが来た 試し読み フォロー きっと幸せの朝がくる 幸福とは負けないこと 試し読み フォロー きっと幸せの朝がくる 幸福とは負けないこと 試し読み フォロー 文庫版 小説 土佐堀川 広岡浅子の生涯 試し読み フォロー 1~7件目 / 7件<<<1・・・・・・・・・>>> 古川智映子の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 文庫版 小説 土佐堀川 広岡浅子の生涯 古川智映子 幕末の「尊王攘夷派」「佐幕派」「公武合体派」の三つ巴の混乱の中に、商人ならではの戦いがあったことを知った。商人には、朝廷派だとか佐幕派だとかの政治的側面よりも、どちらに就くことが事業の存続につながり、どちらのほうが儲かるのか(損をしないのか)の判断が重要であり、つまりは先見の明が必要であった。 こ...続きを読むの難しい時期に、豪商三井から大阪の両替商「加島屋」に嫁いだ広岡浅子がこの小説の主人公。一言でいうならば女性剛腕実業家だが、ほとんど100%男性社会と言えるこの時代にあって、女性でこれだけのことを成し遂げた人物がいたとは驚きだ。 幕府による政権、廃藩置県、明治維新、西洋の経済の仕組み導入、新政府の強引な負債解消政策、これらのあおりで、これまで強制的に資金調達命令に従わされてきた豪商たちは、勝手気ままな新政府のやり口の為、莫大な貸付金を帳消しされたり、約束を反故にされて利益が得られなかったりで、よほどの体力がない限り倒産に追い込まれていった。 そういう状況の影響をうけて、大手両替商である加島屋も、財政的な危機的状況に追い込まれる。これが加島屋の経営を切り盛りすることとなった浅子の最初の障壁である。 商才ある浅子は、加島屋の財政再建のため、蒸気機関の動力として必要となる「石炭」の将来性に着目し、筑豊炭田の炭鉱買収に全精力を費やし、炭鉱で加島屋の経営再建に賭ける。 買収した筑豊の炭鉱の男衆から、女経営者ということで軽く見られバカにされるが、毅然と立ち向かい、最終的には工夫たちの信頼を勝ち取る。その全身全霊で壁に立ち向かっていく姿が感動的なのである。 浅子はその後の人生も同様に誰もが不可能と思えるような課題や目標を、信念と実行で切り拓いていく。「九転十起」が浅子の異名であるゆえんである。 自身の幼少期から懐いてきた矛盾の一つ「女性に学問の機会均等がない」ということがあった。成瀬仁蔵との運命的な出会いにより、それを日本女子大学創設という形で実現しようとする。 目の前にはだかる資金調達の大きな壁に対し、今でいうクラウドファンディングのアナログ版と言えるだろうか、すなわち持てる人脈を一人一人地道に足で歩いて交渉し賛同を得て、資金を集めるというとてつもない労作業を買って出る。これもシナリオ通りにはいかず、それでも最後まで諦めない精神が、硬い壁を打ち破るのである。 難波銀行破綻に伴う経済恐慌のあおりをうけ、加島銀行も倒産の危機に巻き込まれていく。風評被害がさらにその状況の悪化を加速していく。経営破綻を恐れる銀行は、預金者の集中的な預金引き出しを制限し、それが庶民の不安をあおり、益々経済恐慌がスパイラルしていく。その歯止め、銀行の信頼維持のため、浅子は預金引き出しを実行する決断をするが、そのために考えた大口預金者獲得というプランの難航に、これまた苦悩のどん底まで落ちてしまう。 そこに現れた救世主は渋沢栄一であった。金融業界の危機は国家経済の危機、政府が放置しておくはずはないという渋沢の大局的な助言を信じ、これまで行ってきた地道な預金者獲得の歩みを貫き、渋沢の予想通り為された日銀の金融政策に状況が一転し、浅子の地道な活動が一気に実を結び始めた。またしても捨て身で現実と戦う浅子の信念の活動が、大逆転をもたらすこととなった。 浅子は、自らの乳がんをものともせず事業に打ち込み、病もその勢いに収まっていたが、晩年徐々に進行してきた。浅子の最終事業の一つとして、大同生命の社屋移転(土佐堀川肥後橋前への移転)の大事業があったが、このビルディングは加島屋の事業の大成功、そして広岡浅子の生涯を通じての成果の大きさを象徴するかのような巨大かつ近代的な大阪一のビルディングであった。 病んだ体を最期の精神力で超越しながら、このビルの完成祝賀会に出席し、挨拶を終えたあとに倒れこむ浅子の最後まで全力でことを成し遂げるシーンは感動的である。 その挨拶の内容が、広岡浅子の人生を物語っている。 「うちは、どんな困難に出遭おうとも、いつもこれからが本番や思うてやってきました。生涯が青春のような気いで、事業に取り組んできました。これからも加島屋のために、大阪の実業界のために烈々たる気概でいこうと思うてます。本日はほんまにありがとうはん、本日はほんまにおめでとうはん」 Posted by ブクログ 赤き心を おんな勤王志士・松尾多勢子 古川智映子 古川千映子の赤き心を女勤王志士⋅松尾多勢子を読みました。 松尾多勢子は実在の人物ですが、余り知られてはいません。 私も初めて聞く名前でした。 働き者で、庄屋の松尾家に嫁ぎ嫁を貰うなら松尾家の嫁のよう女を貰えと言われるくらいです。 歌人でもあり、10人の子を産んで、52歳の時に勤王志士として隠密活動を...続きを読むするため京に上ります。 松尾多勢子が居なかったら少し歴史が変わったかもしれないと言うほどの活躍をしました。 なかなか面白かったです。 Posted by ブクログ 文庫版 小説 土佐堀川 広岡浅子の生涯 古川智映子 幕末から明治、大正という激動の時代に「九転十起」の精神で様々な苦難を乗り越え実業家として、女性の社会進出の先駆けとなった広岡浅子さんの生涯を描いた作品。 男女関係なく、浅子さんの気持ちの良い性格に惹かれてしまうのは私だけではないでしょう。 ドラマの原作にもなったみたいですね。 オススメです♪ Posted by ブクログ 負けない人生 古川智映子 波乱万丈の人生の最終章に幸せになっていった。あきらめずにかちとった。負けない人生の実証の書、人生これからと、勇気と生きる希望をもらいました。感謝です。 Posted by ブクログ 文庫版 小説 土佐堀川 広岡浅子の生涯 古川智映子 文章はボリュームのあるところと淡々と出来事を書くところの調整がうまいなぁと。 広岡浅子さん。強くて素晴らしいだったんですね。 Posted by ブクログ 古川智映子のレビューをもっと見る