古川智映子のレビュー一覧
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徳川家康の養女、満天姫は前夫福島正之の死により一度徳川家に戻るが再び津軽の二代藩主信枚と婚姻する。家康の仕組んだ天下安泰のための政略結婚であった。この結婚にも様々な困難が待ち受けていた。信枚の正妻を死に追いやったこと、家康が倒した石田三成の娘を信枚が側室としていたこと、信枚が小姓とも関係を持っていたことなど。それでも満天姫は津軽のため、信枚のためにと気丈に振る舞いやがて信枚も満天姫を愛するようになる。信枚も満天姫も50代という若さで病で亡くなる。100までも生きる現代の私達に比べてなんという寿命の短さであろうか。また生きていく上でも女は政略に使われ、夫を立てて生きていた。そして我慢強く、芯も強
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ネタバレ幕末の「尊王攘夷派」「佐幕派」「公武合体派」の三つ巴の混乱の中に、商人ならではの戦いがあったことを知った。商人には、朝廷派だとか佐幕派だとかの政治的側面よりも、どちらに就くことが事業の存続につながり、どちらのほうが儲かるのか(損をしないのか)の判断が重要であり、つまりは先見の明が必要であった。
この難しい時期に、豪商三井から大阪の両替商「加島屋」に嫁いだ広岡浅子がこの小説の主人公。一言でいうならば女性剛腕実業家だが、ほとんど100%男性社会と言えるこの時代にあって、女性でこれだけのことを成し遂げた人物がいたとは驚きだ。
幕府による政権、廃藩置県、明治維新、西洋の経済の仕組み導入、新政府の強 -
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朝ドラ「あさが来た」の原作です。
ドラマが面白くて本作を読んだのですが、ドラマもビックリな生き様にひたすらページを繰っていました(笑)
炭鉱に単身乗り込んで事業を始めたり、女子の高等教育機関を創る顧問になったり、中小会社の互助機関を創ったり、自分の病気(ガン)を吹っ飛ばしたり。
豪商三井家の後ろ盾があったとしても、そのバイタリティに驚かされます。
ましてや浅子が生きた時代は幕末から明治、大正期の、女性の地位がとんでもなく低かった頃でした。
浅子な後の世代の女性たちの地位向上のために、自身の人脈を繋げたり、今でいうセミナーを開いたりします。そこに市川房枝や村岡花子がいたということが、なんというか -
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朝ドラの原作ということで知った作品でした。大同生命を作った人のドラマらしいといことで、ほとんどドラマも見ていなかったため、どんな人かと読んでみたら、想像以上にすごい人生だった女性の話でした。
こんなに広い視野をもって、先を読んで、世の中のためになることをと考えながら、日本が近代化していく時代の中を生きたのは、本当にすごいと思いました。
幕末~明治、大正と日本が経済的に大きく変わっていく様子が、主人公が次々と進めていく事業を通してよくわかります。ただ、もう少し主人公の広岡浅子さんの目に映る日本の様子や大阪の経済事情、起業者にとって大切な、人とのつながり、相手との信用を詳しく描写してほしいとい -
購入済み
やはりいいなぁ!
朝ドラで観てファンになりました!やっぱり面白いし 泣ける!あさの一生懸命な姿勢は 真似しなければいけないし、新次郎のあさへの思いは うらやましい限りです!ドラマも良かったが、小説もまたいい!ぜひ読んでいない方は 読んで『あさが来た』ワールドへ行って来てください!後悔はありません!道の陰からあさが『びっくりぽんだす』と飛んで出てきそう(笑)楽しい『あさが来た』ワールドです!とにかく一生懸命やってたら 報われるんですね!あさみたいには 生きられないけれど!生きて行ったこの先にどんな『びっくりぽん』が出てくるか?楽しみです!とにかく百聞は一見にしかず この小説を読んでください!
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朝ドラ「あさがきた」主人公の広岡浅子が三井家から加島屋に嫁いだのちの生涯を描いた作品。母校の創立に関わった女性の話と聞いて、興味を持って読んだ。
在学中、「男性と同等に学ぶこと、社会に還元するために働くこと」を強く教え込まれたのを思い出す。女子大学校創立の契機となったのは成瀬先生自身の梅田女学校時代の経験と西洋の女子教育に感銘を受けたこととされているが、浅子の生き様にも多大な影響を受けたのではないかと感じる。
数々の事業を興し、幾度もの危機に瀕しながらも「九転び十起き」とただでは起きず、チャンスの種を見つけて立ち上がり続けた強い女性の人生に、学生時代に抱いた夢をふと思い出しながら、明日への活力