按針【あんじん】

按針【あんじん】

小説・文芸
1,034円 (税込)

5pt

4.0

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新航路発見の野心に燃える英国の航海士ウィリアム・アダムスは、荒れ狂う海原に呑まれた。
船は日本国の豊後に漂着。やがて徳川家康への接見を契機に、関ヶ原の合戦に駆り出される。
死地を生き延びたアダムスは、家康から日本名・三浦按針を授けられる。
それは祖国と決別し、妻子を捨てて日本につくせという命令であった。按針がくだした決断とは?
日本を愛し、平和のために家康を支えた、「青い目の侍」の冒険浪漫。

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    Posted by ブクログ

    三浦按針。

    個人的に三浦半島と縁があり、年々その縁が深くなってゆく個人的事情から(出身ではないし住んでいるとかでもない)この本を手に取る。

    京急に乗るとアンジンヅカという駅がある。というか通過する。

    普段ならば電車の中でアナウンスを気にもとめず本を読んでいるものの、ある時「ヅカってなによ。アンジンってなによ」なんて思ってしまい、路線図を目を細めて見上げると「安針塚」とある。

    はぁ、人の名前みたいだなぁ(安 針塚さん?)とまったく無教養なことをポケッと考えつつ、個人名がそのまま駅名になる訳がないなぁと、しらべると、三浦按針という人物に行き当たる。

    驚くべきことに彼は大航海時代に流れ着いたイングランド人であり、しかも徳川家康に重用されたとある。

    そんなことがあるのかね、と思っていた矢先、『按針』なる歴史小説が発売された。

    歴史モノはあまり好まない。

    なぜなら歴史的登場人物が過剰に人間臭く描かれていたり、或いは、偉人と偉人との関係性がこれもまた過剰に親密・信頼しあっているような描写がこそばゆい場合が多々あるからでもある。

    そして、この『按針』もそのきらいがある。

    けども、物語としてとても面白い。

    大航海時代のイングランド人がそんな訳ないだろ!とかいちいちツッコミを入れてはならない。

    日本の歴史の中でも驚嘆すべき戦国時代とその終焉、江戸幕府のはじまりである。

    物語はまるでSFのようだ。

    恒星間航行中にワープシステムが故障して見知らぬ惑星に不時着、戦争に巻き込まれる。
    現代の?感覚ではそのくらい奇想天外な人生だったのではないか。

    そして、これも驚いたが「八重洲」はこの三浦按針と共に漂着したオランダ人「ヤン・ヨーステン」の名から取られていたという。

    知らなかったぞ。

    この物語では三浦按針とその周囲の人たちは魅力的で暖かく、ユーモアに満ちて熱心な人たちび描かれている。

    ほっこりなんて言葉は使いたくないがほっこりする。

    エンターテインメントとしては楽しめる。

    P.245に誤植?DTPのミスなのか構成ヌケなのかがあるのはいまどき珍しいご愛敬。

    0
    2020年06月10日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2020年4月発行。
    498ページに及ぶ長編の文庫だ。

    時代は、豊臣秀吉が死んでからのこと。
    徳川家康が次の殿上人となるであろうと認められつつあった。

    そんな時にオランダ船で5艘の船団を組んでオランダを出発したのは、

    日本と交易をしようと言う目論みであった。
    御多分にもれず、旅は困難を極めた、天候ばかりでなく、

    水や食料を求めた島では反対に襲われ何十人もの船員を殺される。

    食料がつき、船自体もボロボロな状態でしかもたったの一艘で豊後の港につく。

    そこから航海士ウィリアムアダムスの人生が大きく変わる。


    先見の明があった徳川家康に重用されるきっかけも、素晴らしい。

    歴史の中で家康の哲学がアダムスを日本人にした。

    実に読み応えがあり、素晴らしい作品だった。

    読む楽しみがなくなってしまうので詳しくは書けないが、

    当時の世界情勢、日本が占領されなかった理由、

    世界は日本の何を欲していたか、日本の中の話であって、実は世界の話でも。

    家族愛も伏線として綴られている。

    0
    2020年10月28日

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