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リケジョの法則
舞台は神戸の造船所。開発課4年目の川村理奈には厄介なジンクスがあった――今まで気になった人は、必ず既婚者、もしくは彼女持ちというもの。そのおかげで恋愛経験はゼロ。 ある日、上司から取引先の財閥系企業・山本重工と合同で、海中での建築作業用ロボットの開発をすること、そしてプロジェクトのメンバーに抜擢されたことを知らされる。 上司とともに山本重工に赴いたところ、ジンクスの元となった高校時代の同級生・高嶋珊慈と再会――!? 爽やかお仕事小説! ◎目次 序章 桜吹雪と呪い 第一章 初顔合わせ 第二章 八年前のこと 第三章 合同プロジェクト始動 第四章 スパイクローラー 第五章 釘と歯車 第六章 供試体破損 第七章 デッドアングル 第八章 勇気のありか 第九章 対決 終章 桜吹雪の呪い ◎著者 那識あきら(なしきあきら) 翻訳ミステリと古典SFで育つ。学生時代から同人誌を中心に創作活動を行い、現在はWEBにて小説を発表、一部はアメリカの出版社によって英訳されている。 著書に『うつしゆめ』(徳間文庫)、『Dawn of the Mapmaker』(Cross Infinite World)がある。 ◎カバーイラスト hiko(ひこ) -
信仰
信じることの危うさと切実さに痺れる11篇 「なあ、俺と、新しくカルト始めない?」 好きな言葉は「原価いくら?」 現実こそが正しいのだと強く信じる、超・現実主義者の私が、 同級生から、カルト商法を始めようと誘われて――。 世界中の読者を熱狂させる、村田沙耶香の11の短篇+エッセイ。 表題作は2021年シャーリィ・ジャクスン賞(中編小説部門)候補作に選ばれました。 文庫化にあたり、短篇小説「無害ないきもの」「残雪」、エッセイ「いかり」を追加。 書き下ろしエッセイである「書かなかった日記――文庫版によせて」を巻末に収録。 〈収録作〉 「信仰」「生存」「土脉潤起」「彼らの惑星へ帰っていくこと」「カルチャーショック」「気持ちよさという罪」「書かなかった小説」「最後の展覧会」「無害ないきもの」「残雪」「いかり」 単行本 2022年6月 文藝春秋刊 文庫版 2025年5月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
芝公園六角堂跡 狂える藤澤清造の残影
ここ数年、惑いに流されている北町貫多。あるミュージシャンに招かれたライブに昂揚し、上気したまま会場を出た彼に、東京タワーの灯が凶暴な輝きを放つ。その場所は、師・藤澤清造の終焉地でもあった――。何の為に私小説を書くのか。静かなる鬼気を孕む、至誠あふれる作品集。「芝公園六角堂跡」とその続篇である「終われなかった夜の彼方で」「深更の巡礼」「十二月に泣く」の四篇を収録し、巻末に、新たに「別格の記――『芝公園六角堂跡』文庫化に際して」(18枚)を付す。 ※この電子書籍は2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
注文の多い料理小説集
小説の名手たちが「料理」をテーマに紡いだ とびきり美味しいアンソロジー。 うまいものは、本気で作ってあるものだよ―― 最高級の鮨&ワイン、鮪の山かけと蕗の薹の味噌汁、カリッカリに焼いたベーコンにロシア風ピクルス…… おやつに金平糖はいかがですか? 物語の扉をそっと開ければ、今まで味わった事のない世界が広がります。 「エルゴと不倫鮨」柚木麻子 「夏も近づく」伊吹有喜 「好好軒の犬」井上荒野 「色にいでにけり」坂井希久子 「味のわからない男」中村航 「福神漬」深緑野分 「どっしりふわふわ」柴田よしき 【本書登場の逸品たち】 塩むすびと冷たい緑茶 ハルピンのイチゴ水 全粒粉のカンパーニュに具を挟んだサンドイッチ きときとの富山の海の幸・ゲンゲ汁 生クリームと栗の甘煮のパンとアイスコーヒー 食堂のカレーライスと福神漬 星屑のような白い金平糖 -
児玉源太郎 神謀と奇略の大軍師
新興国家・明治日本が、その存亡を賭けて戦った「日露戦争」。国力において、両国の差は歴然。面積において50倍、人口では3倍、常備軍も5倍……すべての面で優るロシアとの戦いは、“敗れて当然、勝つのは奇跡”とまで言われ、日本にとってはまさに、乾坤一擲の大勝負であった。その陸戦における参謀本部の頭脳として、“奇跡実現の演出”を行なったのが、本書の主人公・児玉源太郎である。源太郎は、日露戦争の直前まで、内務大臣で台湾総督の要職にいた。それが、対露戦が避けがたいと知ると、その職をなげうって、参謀本部次長の職についた。これはあきらかに“降格”である。しかし彼は、それを意に介さなかった。彼の脳裏にあるのは、対露戦の戦略・戦術ばかりだった。やがて、満州軍総参課長として出陣した彼の作戦は、鴨緑江渡河、旅順攻撃、遼陽会戦、奉天会戦などで、次々と功を奏して行く。“天啓とも言うべき智謀”と称された生涯を鮮烈に描く。 -
小早川隆景 毛利を支えた知謀の将
安芸の小豪族から身を起こし、一代で中国十カ国の大大名となった謀将・毛利元就。彼には、「毛利の両川」として彼の死後も毛利宗家を支え続けた二人の優れた息子があった。吉川元春と小早川隆景。とくに三男・小早川隆景は、長く元就の孫の輝元を補佐し、豊臣政権のなかで毛利家の地位を磐石なものに押し上げていった。本書は、豊臣秀吉も絶大な信頼を寄せた名将・小早川隆景の堂々たる活躍を描いた長編小説である。父・元就に従って戦塵に生きた青年武将時代から、羽柴秀吉の毛利攻めに冷静に対処、時勢を見誤らずに無事講和を結ぶ壮年期の隆景。やがて秀吉の知遇を得るや、四国攻め、九州攻め、文禄の役と戦功を重ねていく。そして晩年……秀吉の甥であり、のちに関ヶ原の寝返り劇の主役となる金吾中納言秀秋が毛利家の養子になる危険を察した隆景は、秀秋を自らの養子に願い出る苦渋の決断を下す。無私の心に徹し、自らの宿命に殉じた男のさわやかな生涯! -
オチケン!
大学に入学早々、廃部の危機に瀕したオチケン(落語研究会)に入部させられた越智健一。「越智健一でオチケンかぁ。よくできてるよねぇ。ウフフ」――落語にはまったく無関心だった越智だが、名前だけを理由に無理やり入部。強烈な個性の先輩二人に振り回され、授業もまともに出られない。あげくはサークル間の部室争奪をめぐる陰謀に巻き込まれることになり……。本書は落語にちなんだミステリーも多数発表してきた著者が、大学のオチケンを舞台にユーモアと落語のウンチク満載で描く連作中編ミステリー。付録の「落語ってミステリー!?」では、著者独特の解説による「落語への招待」が綴られており、落語初心者でも安心して手に取れる。解説は、若い落語ファンを中心に人気沸騰中の柳家喬太郎。代表作に自らのオチケン時代をネタにした新作落語もある強力な解説者を得て、ミステリーファンにも落語ファンにも目の離せない一冊となった。 -
ラプソディ・イン・ラブ(PHP文芸文庫)
おそらく、これが父の最後の映画。きっと家族で過ごす、最後の時間。俳優たちの台詞は演技か、真実か。――日本映画界を支えてきた名優・笠松市朗は、ろくでなしだった。そのせいで、家族は崩壊した。その笠松の最後の撮影がはじまった。共演者は別れた妻と息子、後妻の息子と彼の恋人、みな、かつて笠松が愛した家族だった。ひとつ屋根の下、それぞれが役者としての矜持を胸に秘め、父でもある笠松とカメラの前に立つ。彼らは「家族を演じる」ことで、再び家族に戻れるのか。虚と実の交錯する物語の幕が開く。連続TVドラマ「東京バンドワゴン―下町大家族物語」の原作者が描く、もうひとつの家族小説。解説:西山繭子。 -
義経不死伝説
NHK大河ドラマ「平清盛」でも後半に活躍した源義経は、一ノ谷・屋島・壇ノ浦と連勝し、平家を滅亡に追い込んだ立役者ながら、兄・頼朝との確執から奥州藤原氏の平泉に落ち、そこで自害に追い込まれた「悲劇の英雄」として語り継がれる。だが、『吾妻鏡』をはじめとする史料には、本当にそこで死んだのか、疑わしい記述が散見される。義経は生きて平泉を脱出したのではないか? だとすれば、かれはどこへ行き、何をしようとしていたのか?本書は、東北各地に残る「義経北行伝説」などを踏まえつつ、推理作家ならではの想像力で義経の「不死伝説」を長年検証してきた著者による決定版。第一部で史実として語られる義経の人生を整理し、第二部で「平泉から消えた」あとの足跡を推理し、第三部で周辺人物から見えてくる義経伝説の真相に迫っていく。2012年4月に急逝した著者が、最後まで手を入れた渾身の書。『義経はどこへ消えた?』に加筆し、再編集。 -
銀河鉄道の父
第158回直木賞受賞作、待望の文庫化! 『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』など数多くの傑作を残してきた宮沢賢治。 清貧なイメージで知られる彼だが、その父・政次郎の目を通して語られる彼はひと味違う。 家業の質屋は継ぎたがらず、「本を買いたい」「製飴工場をつくってみたい」など理由をつけては、政次郎に金を無心する始末。 普通の父親なら、愛想を尽かしてしまうところ。 しかし、そんなドラ息子の賢治でも、政次郎は愛想を尽かさずに、ただ見守り続ける。 その裏には、厳しくも優しい“父の愛”があった。やがて、賢治は作家としての活動を始めていくことになるが――。 天才・宮沢賢治を、父の目線から描いた究極の一冊。 -
ワケあっておチビと暮らしてます
不愛想男子×自由すぎる4才児 ちぐはぐな二人の毎日は、ハプニングの連続だけど・・・!? 「あ。いいこと考えたっ。うた、ここでゆらと住む!」。高1の結良(ゆら)のもとに、おてんば4才児のうたがやってきた。ワケあって二人暮らしをすることに。毎日がハプニングの連続だが、不愛想な結良は、つむちゃんパパやクラスメイト、同じアパートの咲羽子さんなど、まわりの人を頼れるようになる。そして母の日。お出かけ中にうたの我儘から事件が起こる! 結良は初めてうたを怒るが、実はうたには言えなかった想いがあって――。少しずつ家族になる二人の、笑えて泣ける60日間。 -
私のスポットライト
顔も成績も地味な13歳の平田彩希は、クラスで目立たないように過ごす日々。しかし、クラスの派閥争いのあおりを受け、学園祭のクラス劇で主役を演じることに。これを機に演劇の面白さに目覚めた彩希は、児童劇団に入団するのだが、クラスメイトに「カンチガイしてる」と言われて――。「フツウ」コンプックスや周囲の視線から脱し、自分の「好き」に向き合う苦悩と喜びを、林真理子が温かなまなざしで描いた青春小説。 -
莉国後宮女医伝
女子太医学校を卒業した19歳の新人医官・李翠珠(り・すいしゅ)は、市井の医療院で研修をスタートした。 いずれは地元・南洲に帰り、実家の医院を継ぐつもりだ。 いまだ、世の風潮は女性が職業を持つことへの根強い反発がある。そのため、患者に見下されるなど嫌な思いをすることも少なくなかった。 だが、師匠であるベテラン医官・拓中士は評判の人格者で、翠珠はやりがいに満ち溢れながら仕事をしていた。 ある日翠珠は、懇意にしている薬店に、御史台(監察官)の捜査が入った現場に遭遇する。 調査にやって来た若き官吏・鄭夕宵(てい・ゆうしょう)曰く、数か月前に流産した皇帝の寵妃・河嬪(かひん)の殿舎から堕胎薬が見つかり、薬を盛られて流産した可能性が持ち上がったらしい。 そんな折、第一妃・呂貴妃(ろきひ)が後宮の外部の薬店と取引をしていたことが判明し、彼女に嫌疑がかかっているのだという。 重要参考人としてあわや捕縛されかけた店主を、翠珠は医学的知識を根拠に救う。 その数日後、とつぜん翠珠に後宮への配属替えが命ぜられる! 指導官の先輩女医・晏紫霞(あん・しか)は、花も零れる絶世の美女だった。医術の腕も相当なものらしい。 突如配置換えさせられた理由も不明だし、市井の医院で働きたかった翠珠はがっかりするが、 夕宵や紫霞と関わるうちに、彼らの内面を知り、よき関係を築いていく。 しかし今度は、呂貴妃が体調を崩し、その原因を探ることになった翠珠は、後宮のいざこざに巻き込まれていき――。 後宮にはびこる病を、怜悧でキュートな新米医官が解き癒す。 ページをめくる手がとまらない! 面白さ100%の中華警察医療ミステリ、開幕! -
てのひらの父
弁護士を目指す司法浪人生の涼子、アパレルのデザイナーとして働く撫子、そして不条理なリストラにより職を失った柊子。彼女たちが住む下宿に、春の訪れとともに現れた臨時管理人・トモミさんの存在が、三人が抱える問題をはからずも浮き彫りにしていく。“家族の森”で迷子になっているすべての娘たちに贈る「父と娘」の物語。 -
名探偵じゃなくても
「うるっと切なくも 大きな愛に満ちた物語。 楓を守る祖父の存在、頼もしい仲間たちの支え、 事件と人物の展開に引き込まれ、優しさが謎を解くーー いま、深く心に沁み込む新感覚ミステリー」 大島璃乃(女優・モデル) 「認知症探偵」の名推理 スピンオフ掌編も特別収録!(解説・神永学) (あらすじ) クリスマス直前、居酒屋で“サンタクロース消失事件”について議論していた楓たちは、紳士然とした男性・我妻に声をかけられた。彼は、かつて小学校の校長を務めていた楓の祖父の教え子なのだという。楓や我妻が持ち込む不可解な謎を、レビー小体型認知症の祖父は名探偵のごとく解決する。しかし、その症状は一進一退を繰り返しており……。スピンオフ掌編も特別収録! 解説・神永学。 【著者について】 小西マサテル 1965年生まれ。香川県高松市出身、東京都在住。明治大学在学中より放送作家として活躍。現在、ラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』『徳光和夫 とくモリ!歌謡サタデー』『笑福亭鶴光のオールナイトニッポンTV』『明石家さんま オールニッポン お願い!リクエスト』などのメイン構成を担当。『南原清隆、いまナンしょん。』(RNC)のアシスタントパーソナリティとして出演中。第21回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2023年に『名探偵のままでいて』でデビュー。他の著書に『名探偵にさよならを』(以上、宝島社)など。 -
悪女と聖女が手を組めば
バブル世代のアラ還OLが事故に遭い、目を覚ますと乙女ゲームの悪役令嬢・エレノアに転生していた!? 皇太子に婚約破棄されても、十代の少年を恋愛対象として見れないのでノーダメージ。しかもライバル聖女・ルミエラも転生者(元オタク女子大生)と発覚し、世代を超えて意気投合! 恋愛経験ゼロのルミエラを、長年の社会人スキルとバブル時代にブイブイ言わせた経験でサポートするうち、悪女のはずがイケメンキャラ達になぜか次々と好かれていくエレノア。世界滅亡バッドエンドを回避するためには魔王を含めた全キャラ攻略が必須だと判明し・・・・・・!? 昭和ネタ満載の新感覚異世界(代)シスターフッドコメディ!! -
老坂クリニック
高齢者の疾患全般を診る老坂クリニック。院長の小町先生には短歌の趣味があり、治療に応用も。現役医師作家が描く書下ろし医療小説! 東京・自由が丘にある老坂クリニックは「老年内科」を看板に掲げる、高齢者の疾患全般を診る診療所。ちょっとした坂を上り切ったところにあり、お年寄りにはきつい。医師は2人。普通の高齢者の治療がしたいと言って、都心の大学病院から移ってきた31歳の山里羊司医師と、赤茶色に髪を染めた68歳のベテラン・老坂小町院長だ。小町先生には短歌の趣味があり、患者への診察メッセージを短歌に込めるという特技を持つ。それが治療に役立っているのかは不明だが。そして集まってくる患者は狙いどおりお年寄りばかり。今回の診療項目には、エンディングノート、白内障、免許返納の三つが並ぶ。 -
君と、この世界はビター&スイート
「女の子だから…」。その言葉に違和感を覚えてきた高校生の園田葵。学校では友人の意見に流され、家では「女の子だから」という理由で家事を手伝わされる日々を送っていた。「自分らしさ」の欠片もない自分自身について悩みを抱えていた葵はある日、学校で悩みを打ち明ける「SOSレター」に想いを綴る。しかし肝心のレターを校内で紛失してしまい……。拾い主探しをするうちに彼と出会い、大切な「自分らしさ」を取り戻していく。いつしか彼は特別な存在になって――。個性に悩み、「誰かの決めつけ」に抗う姿を描いたビターでスイートな青春ストーリー。 -
人生写真館の奇跡
天国までの道の途中に佇む写真館。ここには、訪れる死者の人生が写真に収められ保管されている。 ここで死者は、人生を振り返りながら、自分が生きた年数だけの写真を選び、自らの手で走馬燈を作るのだ――。 そんな人生最後の振り返りの儀式を手伝うのは、写真館に来るまでの記憶をなくした青年、平坂。 九十二歳の老婆が選んだバスの写真、四十七歳のヤクザが選んだクリスマス・イブの写真、 そして七歳の子どもと笑顔を浮かべる青年の写真。 「たった一日ではありますが、過去に戻って、一枚だけ写真を撮り直すことができます」 と平坂は言い、訪れた死者をそれぞれの過去へと誘う。 記念すべき日のあの時に戻り、思い出の写真を撮り直しながら、彼らは人生の最期に何を想うのか。 そして平坂に訪れる、悲しくも優しい結末とは……。3つの物語が紡ぎ出す、感動のミステリー。 -
鳥籠のかぐや姫
時は金鵄(きんし)国、第33代帝、天誠帝の御世。 都から遠く離れた隠岐野の郡の辺境の里にて、かぐやは祖父母である讃岐家の翁と媼に育てられていた。 かぐやは見た目は美しいが、幼い頃から人とは異なる力を持っており、本人も知らぬ間に夜な夜なふらりと邸を抜け出し、気付くとこの国にはびこる妖影(かげ)と呼ばれる魔物を斃していた。 その際にどこからともなく光る弓矢が現れ、髪も金色に輝くことから、気味悪がった翁と媼はかぐやを監禁し虐げながらも、彼女の美貌を見て求婚してくる貴族からの貢ぎ物で私腹を肥やしていた。 かぐやはたまに屋敷を訪ねてくる、兄と慕う錺(かざり)職人の零月に唯一心慰められていたが、ここからはどこにも行けないと諦め、心を殺して生きていた。 そんなある日、前帝の子であり、現帝からの信頼も厚い美丈夫、祇王隆勝が訪ねてくる。 隆勝は妖影を討伐する黒鳶隊の大将をしており、かぐやの異能の噂を聞いてやってきたが、翁と媼からの仕打ちを知り、仮初めの婚姻の形を取ることでかぐやを連れ出す。 かぐやは姫巫女として黒鳶隊に入れられ、中将の海祢や少将の凛といった仲間たちとも過ごす中で、次第に自分の意思を取り戻していくが、同時に厳しくも優しく自分を見守ってくれる隆勝に心惹かれていって……? 美しく、心震える異能×和風恋愛ファンタジー! -
宮廷医の娘
黒衣まとうその闇医者は、どんな病をも治すという――。 由緒正しい宮廷医の家系に生まれ、仁の心の医師を志す陽香蘭。ある日、庶民から法外な治療費を請求するという闇医者・白蓮の噂を耳にする。 正義感から彼を改心させるべく診療所へ出向く香蘭。だがその闇医者は、運び込まれた急患を見た事もない外科的手法でたちどころに救ってみせ……。強引に弟子入りした香蘭は、白蓮と衝突しながらも真の医療を追い求めていく。 どんな病も治す診療所の評判は、やがて後宮にまで届き――東宮勅命で、香蘭はある貴妃の診察にあたることに!? -
旅のない
コロナ禍中の日々を映す4つのストーリー。 芥川賞作家・上田岳弘、初めての短篇集。川端康成文学賞受賞作「旅のない」収録! 【収録作品】 「悪口」 恋人と過ごすホテルでのゴールデンウィーク。「じゃあ、悪口の練習しよっか?」。僕は初めて彼女と会った時のことを思い出す。 「つくつく法師」 朝の散歩は4歳の息子との日課だ。午後、僕は古いPCで、昔書いた小説を読み返す。 「ボーイズ」 10歳と6歳のボーイズは、亀甲柄と市松模様のマスクでやって来た。弟の息子たちを預かることになった夫婦の夏。 「旅のない」 「作家さんなんですよね?」。出張先での車中、会話が途切れると取引先の村上さんが聞いてきた……。 -
犬飼いちゃんと猫飼い先生
★===★ あらすじ ★===★ 僕、ダックスフントの”フンフン”。大好きな藍(あい)ちゃんには気になる人が居るの。相手はいかにも好青年ってかんじの人間のオス、鴨井(かもい)。動物病院の待合室で毎週会う、いつもいじわるな白猫キャロルの下僕(かいぬし)なんだよ。 気にくわないけど、藍ちゃんの気持ちも応援したい。ただ僕は、鴨井が藍ちゃんと仲良くできない重大な秘密も知っているんだ……! 飼い主たちの関係は、顔見知りから友達へのステップアップもまだみたいで!? 可愛い犬猫たちに見守られるなか、年の差ふたりの間にライバルまで登場してーー? ★電子特典として、同著者書き下ろしの『おいしいベランダ。』とのコラボ特別ショートストーリーを収録。 ★===★ 登場人物紹介 ★===★ ★藍(あい) …… 朗らかで素直な女子高校生。フンフンの飼い主。鴨井と動物病院で出会う。 ★鴨井(かもい) …… キャロルの飼い主。藍とオススメの本を交換しあい仲を深めていくが? ★フンフン …… 五歳のミニチュアダックスフント。ちょっとおばかだけど飼い主の藍が大好き。 ★キャロル …… 白くて長毛な、鴨井が長年かわいがっている猫。気位の高い姫君だがーー。 -
トンネルの森 1945
太平洋戦争さなか、幼くして母を亡くしたイコは父の再婚相手になじめぬまま、生まれたばかりの弟と三人で小さな村に疎開することに。家のそばにある暗く大きな森がトンネルのようで怖くてたまらなかった。同級生たちはあの森に脱走兵が逃げ込み自殺したのだ、と噂をしていた。ある夜、森の奥からハーモニカの細い音色が流れてくる。数日後、沼で失くしたイコの下駄が森の出口に置かれていた。「あり・が・とう」イコはちいさく呟いた。戦争は激化し、東京大空襲で半死半生の父が見つかる。不安に押しつぶされそうになったイコは森に入る。「兵隊さーん」そこでイコが目にしたものは……。「「魔女の宅急便」の著者が描く少女の戦争。(解説:小川 洋子) -
幽霊と探偵
元刑事の探偵・巻矢健太郎には、幽霊の相棒・月島人香がいる。人香は巻矢の元同僚で、失踪時の記憶を失くして巻矢の前に現れた。以来、悩みを抱える依頼人に取り憑き、事務所に連れてくるようになる。 部屋から忽然と姿を消した歩けないはずの父を捜す男性。神社に現れる少女の幽霊に会いたがる女子大生。人香が持ち込むやっかいな問題を片付けながら、巻矢は人香失踪の真相を探るのだが……!? 『探偵・日暮旅人』シリーズ著者が贈る、心優しき幽霊と苦労性の探偵の、心温まる謎解きミステリ! ―登場人物紹介― ◆巻矢健太郎(まきやけんたろう) 刑事を辞め、探偵として元同僚・人香失踪の謎を追っている。ぶっきらぼうながら面倒見が良く、幽霊になった人香に振り回される苦労人。 ◆月島人香(つきしまひとか) 巻矢の元同僚で心優しき美青年。突然行方不明になり幽霊となって現れた。失踪時の記憶はない。依頼人に取り憑き、探偵事務所に厄介な問題を持ち込む。 -
香華宮の転生女官
「働かざる者食うべからず」が信条の苦労性貧乏OL・長峰凜、28歳。仕事も恋も、最近若干停滞気味。 ある日凜は、彼氏が親友と浮気をしている場面に遭遇する。 追いかけようとして車に轢かれてしまった凜は、目覚めると中国とおぼしき過去の世界に転生していた! すぐ横には血まみれの死体。まったく状況が呑み込めずにいると、なんと殺人事件の犯人と間違えられ、投獄されてしまう。 窮地に陥る凜だが、時の皇帝の甥で武官である趙子陣(ちょう・しじん)に助けられ事なきを得る。 周囲の人の話から推測するに、どうやら凜は、自分と同じ名前を持つ宮廷女官・南凜(なん・りん)の体に転生してしまったらしい。 子陣の屋敷に居候することになった凜は、現世では全く役に立たなかった数々のスキルを使い、子陣や周囲の人を助ける。 その活躍ぶりが耳に入り、凜は皇帝の勅命を受けて香華宮で女官として働くことに! 裏ミッションとして、皇帝のスパイを命じられた凜は、宮中で数々の奇妙な事件に遭遇し……? -
広告の会社、作りました
突然会社の倒産を告げられ、無職になったデザイナーの遠山健一。安定した転職先を求めたはずが、なぜかコピーライター・天津と会社を設立することに。不安を抱えながらも当事者として仕事に向き合う二人の元に届いた、カタログのデザインをかけた“出来レース”のコンペ。結果は果たして――。仕事と人生への気力と熱意が高まる、爽快度100%お仕事応援小説。(巻末に佐久間宣行さん〈テレビプロデューサー〉との対談を収録)
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