作品一覧

  • 吸血鬼は目を閉じ、十字を切った
    4.5
    1巻715円 (税込)
     美しい姿のまま永遠を生きる異端――吸血鬼。  彼らは“三つの禁忌”に従い、存在を隠し生き延びてきた。  吸血鬼を監視する非公開組織・INAPO(国際夜行性動物保護機関)に入ったヒバリは、美しい青年・シキョウと出会う。組織唯一の吸血鬼であるシキョウは、なぜか吸血鬼から迫害され、極端に他者との関わりを避けていた。  自殺した少女に遺された咬み痕、連続失踪事件――吸血鬼の関与を疑わせる事件を共に追ううち、ヒバリは過去の凄惨な事件に繋がるシキョウの秘密を知ることになり……。  美しき異端の監視官が紡ぐ、夜闇のミステリ。 【INAPO】 国際夜行性動物保護機関の略。表向きはフクロウなどの夜行性動物を保護することを目的とした保護団体だが、その実態は半世紀前に存在を確認されたヒト様生物――『吸血鬼』の保護・共生を目指し、監視を行う非公開の組織。 【シキョウ】 INAPOで監視官として働く、唯一の吸血鬼。寡黙で決して人に心を開こうとしない。齢は二百歳を超す。見た目によらず大食いで甘い飲み物が好き。 【ヒバリ】 行方不明の父を探しINAPOに入った女子大生。飾り気のない性格で、シキョウの相棒役に任命される。冷たく突き放すような言動のシキョウとは衝突をしてしまうが……。
  • そして、遺骸が嘶く ―死者たちの手紙―
    4.5
    1巻693円 (税込)
    『今日は何人撃ち殺した、キャスケット』 統合歴六四二年、クゼの丘。一万五千人以上の自国兵を犠牲にして、ペリドット国は森鉄戦争に勝利した。 そして終戦から二年、狙撃兵・キャスケットは陸軍遺品返還部の一人として、戦死した兵士の遺品や遺言をその家族等に届ける任務を担っていた。 兄の代わりに家を支える少女、 恋人を待ち続ける娼婦、 戦争から生き還った兵士。 遺された人々と出会う度に、キャスケットは静かに思い返す―― 死んでいった友を、 仲間を、 家族を。 そして、亡くなった兵士たちの“最期の慟哭”を届ける任務の果て、キャスケットは自身の過去に隠された真実を知る。  選考会に波紋を広げ、第26回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》を受賞した、読む人全ての心揺さぶる圧倒的衝撃作。

ユーザーレビュー

  • そして、遺骸が嘶く ―死者たちの手紙―

    購入済み

    優しさと情に満ち溢れた物語

    とある終戦後の兵士達の遺物を遺族に届けに行くお話。
    既に終えている生を振り返り、まだ続いている生がどう終わった生を受け入れていくのかが描かれていて、人の様々な情が見られます。
    悲しさと切なさと優しさを貰える作品でした。

    #感動する #切ない #泣ける

    0
    2025年11月07日
  • 吸血鬼は目を閉じ、十字を切った

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『そして、遺骸は嘶く』も凄まじい作品だったが、この作品の凄まじさも半端なかった。
    正直うまく言葉にできなくて、凄いとしか言いようがないのがもどかしくある。
    ミステリでありながら、人間の綺麗な部分も醜い部分も、愛情も憎しみも、孤独も怒りも丁寧に丁寧に描かれていて、読み進めるたびに酸欠を覚えるほど。
    謎解き自体も面白いが、その感情表現が印象に強い。
    淡々と描写しておきながら、こちらに伝えてくる感情が津波のようで。
    押しつぶされないようにするには、こちらもそれなりの気力をもって立ち向かわざるを得なくて。
    いい意味で非常に疲れる読書だった。
    それだけ力強いのだ、この話。

    その感情の波を逆方向に振り切

    0
    2021年12月11日
  • そして、遺骸が嘶く ―死者たちの手紙―

    Posted by ブクログ

    少し想像しにくい部分もあったが、面白い作品だった。戦争により歪んでしまった価値観、歪になってしまった人間関係が、修復、とまではいかなくても、死者が、そして当人たちが望んだ方向に少しずつ戻っていく。

    0
    2021年02月13日
  • そして、遺骸が嘶く ―死者たちの手紙―

    Posted by ブクログ

    本当に新人作家さんが書いたの⁇


    兵士の遺品を家族に届けるお話が複数。それぞれ少しずつ絡まっている。

    戦争の惨たらしさ、残された遺族、色々な心情が丁寧に書かれていると思う。

    続きが出るのかな?



    ぜひ次の作品も読んでみたい作家さんです。

    0
    2020年06月18日
  • そして、遺骸が嘶く ―死者たちの手紙―

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    キャスケットが届ける戦死者の遺品、それに関わる人たちの話のパターンが実に多種多様だった。
    ストレートに泣ける死者の遺言。
    死神なんぞに引き裂かれてたまるかと最期まで互いの想いを信じていた恋人たち。
    捻じれた父子の関係性のその先は?
    そして……キャスケットと彼の兄官の絆の物語。

    最初はキャスケットが届けた戦死者とその家族や恋人の話の方に主軸が置かれていたけれど、後半は後書きにもあったようにキャスケット自身の話へシフトしていく。
    戦時中のあることで「変わってしまった」兄官。
    死という概念がその人をその人たらしめていたものの消失だというのであれば、今の兄官は果たして生きていると言えるのか。
    そんな

    0
    2020年03月14日

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