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『今日は何人撃ち殺した、キャスケット』
統合歴六四二年、クゼの丘。一万五千人以上の自国兵を犠牲にして、ペリドット国は森鉄戦争に勝利した。
そして終戦から二年、狙撃兵・キャスケットは陸軍遺品返還部の一人として、戦死した兵士の遺品や遺言をその家族等に届ける任務を担っていた。
兄の代わりに家を支える少女、
恋人を待ち続ける娼婦、
戦争から生き還った兵士。
遺された人々と出会う度に、キャスケットは静かに思い返す――
死んでいった友を、
仲間を、
家族を。
そして、亡くなった兵士たちの“最期の慟哭”を届ける任務の果て、キャスケットは自身の過去に隠された真実を知る。
選考会に波紋を広げ、第26回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》を受賞した、読む人全ての心揺さぶる圧倒的衝撃作。
Posted by ブクログ 2020年08月15日
凄惨なる戦いで狙撃兵として活躍したキャスケットは、戦後遺品を遺族に届ける任に着く。
遺品を受け取った遺族のそれまでとその後、戦死した者のその時の状況が交互に展開する。
遺族へ手紙を届けながら文字が読めない彼は自身に届いた手紙が読めなかった。
それを読めるようになった時、彼がどんな生い立ちだったのかが...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年04月21日
蔑称としてのライトノベル?ヘビーノベルですよ本作は。
主人公のベテラン兵士が、遺品を遺族に届ける亡くなった兵士4人の遺族へ遺品を届ける小説。死を遺族だけでなく、死んだ本人の両方の視線で捉えてており、登場人物達への描写が深い。
無駄のない計算された構成、設定、描写、最高の小説。
兵士本人だけでなく、...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年03月14日
キャスケットが届ける戦死者の遺品、それに関わる人たちの話のパターンが実に多種多様だった。
ストレートに泣ける死者の遺言。
死神なんぞに引き裂かれてたまるかと最期まで互いの想いを信じていた恋人たち。
捻じれた父子の関係性のその先は?
そして……キャスケットと彼の兄官の絆の物語。
最初はキャスケットが...続きを読む
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