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シャーロック・ホームズの復活【深町眞理子訳】
名探偵ホームズが宿敵モリアーティー教授とともに〈ライヘンバッハの滝〉に消えた「最後の事件」から3年。ロンドンで発生した青年貴族の奇怪な殺害事件をひとりわびしく推理していたワトスンに、奇跡のような出来事が……。名探偵の鮮烈な復活に世界が驚喜した「空屋の冒険」を始めとして、ポオの「黄金虫」と並ぶ暗号ミステリの至宝「踊る人形」、奇妙な押し込み強盗事件の謎が鮮やかに解かれる「六つのナポレオン像」など、珠玉の13編を収録する、シリーズ第3短編集。/収録作=「空屋(くうおく)の冒険」「ノーウッドの建築業者」「踊る人形」「ひとりきりの自転車乗り」「プライアリー・スクール」「ブラック・ピーター」「恐喝王ミルヴァートン」「六つのナポレオン像」「三人の学生」「金縁の鼻眼鏡」「スリークォーターの失踪」「アビー荘園」「第二の血痕」「解題=戸川安宣」「解説=巽昌章」 -
月下上海
第二十回松本清張賞受賞。スキャンダルを逆手にとり人気画家にのしあがった財閥令嬢・八島多江子。謀略渦巻く戦時下の上海で、多江子が愛する運命の男たち。 昭和17年10月、八島財閥令嬢にして当代の人気画家・八島多江子は、戦時統制化の日本を離れ、上海にやってきた。そこで、招聘元である中日文化協会に潜入していた憲兵大尉・槙庸平から、民族資本家・夏方震に接近し、重慶に逃れた蒋介石政権と通じている証拠を探すように強要される。 「協力を断れば、8年前の事件の真相をマスコミに公表する」 8年前、多江子が夫・瑠偉とその愛人によって殺されかける有名な事件が起きた。愛人は取り調べ中に自殺し、瑠偉は証拠不十分で釈放されたものの、親元の伯爵家から除籍され、満州へ追われた。そして奇跡的に一命を取り留めた多江子は、スキャンダルを武器に人気画家へのし上がった。だが、その真相は、愛人と外地へ駆け落ちしようとした瑠偉を許せなかった多江子が、他殺に見せかけて自殺を図ったのだった。槙は何故か、その秘密を嗅ぎつけていた――。 -
回想のシャーロック・ホームズ【深町眞理子訳】
レースの本命と目されていた名馬が失踪し、調教師の死体が発見された。犯人は事件当夜に厩舎情報をさぐりにきた男なのか?錯綜した情報のなかから絶対的な事実のみを取りだし、推理を重ねていくシャーロック・ホームズの手法が光る「〈シルヴァー・ブレーズ〉号の失踪」。ホームズが最初に手がけ、探偵業のきっかけとなった「〈グロリア・スコット〉号の悲劇」、発表時イギリスに一大センセーションを巻き起こした、宿敵モリアーティー教授登場の「最後の事件」など、11の逸品を収録するシリーズ第2短編集。/収録作=「〈シルヴァー・ブレーズ〉号の失踪」「黄色い顔」「株式仲買店員」「〈グロリア・スコット〉号の悲劇」「マズグレーヴ家の儀式書」「ライゲートの大地主」「背の曲がった男」「寄留患者」「ギリシア語通訳」「海軍条約事件」「最後の事件」「解題=戸川安宣」「解説=小池滋」 -
Aimee
【書籍説明】 地下世界に広がる聖なる火種の村。村人達は古くから伝わる教えにより、自分達を『劣った者』であると信じて質素な生活を送っていた。そんな中、村一番のおてんば少女エイミーは窮屈な生活と教えに疑問を抱き、同じ思いを抱く青年シルヴァンと共に、真実を知る為の計画を立てる。それはこの地下世界からの脱出、すなわち想像だにしなかった世界への大きな一歩だった! 教えで村人達を縛る大司祭やその息子である聖職者ハロルドとドミニクほか、エイミーを取り巻くユニークな登場人物の描写も見逃せない、臨場感のある冒険ストーリー。 【著者紹介】 銀河忍 児童書作家。子どもの頃からファンタジーが大好きで、少年少女に向けた物語を中心に小説やその小説にちなんだ挿絵を描いている。「大人も子供も楽しめる作品を広めていきたい」という想いから、主にファンタジーを手がける児童書作家として活動中。 -
アストロロジカルクロス
【書籍説明】 荒野を駆ける賞金稼ぎの主人公、アルフィーが出会ったのは1人ぼっちの女の子。彼女と共に星のきらめく常夜の世界で繰り広げる冒険ファンタジーです。 空に輝く無数の星。人々はその星と星をつないで、星座を作ったと言います。星の形を神話の神様にたとえ、星のような無数の物語を語り継いでいったと。 そしてそれを聞いてはまた空を見上げ、英雄達に思いをはせていたと。 だからでしょうか。人々がいつの時代になっても、星を見ることをやめないのは。 そしてそれはこの世界でも同じで、人々は困ったとき、迷ったときに空を見上げ、頭上に輝く星達を見ては神様に思いをはせるのです。 空に浮かぶ星々はいつでも輝いて、人々を見守ってくれているのですから。 この物語は、そんなきらめく星が瞬いている空の下、とある荒れ果てた荒野から始まります―――。 【著者紹介】 銀河忍(ギンガシノブ) 児童書作家。イラスト作家。子どもの頃からファンタジーが大好きで、少年少女に向けた物語を中心に児童向けの小説やその小説にちなんだ挿絵を描いている。 「大人でも子どもの心を忘れずに楽しめる作品を広めていきたい」という想いから、主にファンタジーを手がける児童書作家として活動中。 デビュー作は「Noir Grand Guignol 第一幕 終焉の調べ」2019年まんがびと刊行 -
もしも土方歳三が検事だったら 処刑殺人事件 連続殺人事件の真相を、検事生命を懸けて究明する。
【書籍説明】 土方歳三は東京地検の公判部検事である。 刑事部の捜査検事が起訴した連続殺人事件の裁判を担当することになった。 夫が我が子を虐待死させるのを手伝った女、融資先を窮地に追い込んで自殺させた銀行員、 轢逃げ事件をもみ消した大病院の院長、同級生をリンチして殺してしまった女子高校生が、次々と殺された。 ネット上で、「正義の執行者」と名乗る人間が「処刑した」と宣言した。 警察と捜査検事は、「正義の執行者」が野口健司であることを突き止め、逮捕、起訴した。 だが、歳三の鋭い勘は野口の自白に嘘を感じた。 真犯人は他にいる! 歳三は、刑事部に再捜査を求めたが、刑事部長伊東甲子太郎は頑として撥ねつけた。 公判部長の清河八郎も起訴取消しを許可しない。 野口の弁護士山南敬助は情状酌量を求めるばかりで、野口の無罪を主張しない。 歳三は検事生命を懸けて、法廷において真相を明らかにする決意を固めた。 弁護士近藤勇、犯罪心理学者沖田総司らの協力を得て、歳三は検事の使命を果たそうとする。 【目次】 四件の殺人 連続殺人 正義の執行者 サイコパス ネットのヒーロー 再捜査拒否 殺人の動機 処刑宣言 無罪の主張 検察側の証人 プロファイリング 真相究明 秋霜烈日 -
われら
今から約1000年後、勝利した都市国家の「単一国」は、野蛮で無秩序な人間社会に訣別し、「緑の壁」にかこまれた理想社会を築いていた。そこには「私」はなく、あるのは「われら」だけであった。「住人」は、ガラス・シルクの制服を着、数字と文字を組み合せた国民番号で区別されている。生活の隅々までが「時間律法」に規制され、むろん性にも自由はなく、性生活は性規制局が決める相手と予定表にしたがって行なわれる。単一国は、目下建造中の宇宙船「積分号」によって、他の惑星へ「幸福」をもたらすために出かけようとしている。本書はその宇宙船の製作担当官D五〇三号の詳細な「手記」として記録されている。DはI三三〇号という女性との禁断の「恋」に悩まされ、最後には…。1920年代初頭にロシアで書かれたディストピア小説の先駆的名著。 -
P+D BOOKS 二百年
6代にわたる一族の物語を詩歌とともに綴る。 妻子を置いて出奔し、港湾労働者として働きながらアメリカに渡ろうとするが果たせず、家族のもとに連れ戻されたものの、好奇心の赴くままにさまざまなことに手を出した幕末生まれの直治。家の資産をほとんど使い果たしてしまった直治は、しかし娘婿に西洋医学を学ばせ、孫の梅子には津田英学塾で学ばせる。 梅子の子・檀(まゆみ)は夫の仕事の都合で海外赴任を経験し、その子・桂は外国人と結婚し海外で暮らしているが、娘を連れて日本に帰ることもある。 そんな6代200年にわたる一族の物語が、同時代の出来事や登場人物たちが愛した詩歌などとともに綴られる、穏やかな作品。 -
パッキパキ北京
コロナ禍の北京で単身赴任中の夫から、一緒に暮らそうと乞われた菖蒲(アヤメ)。愛犬ペイペイを携えしぶしぶ中国に渡るが、「人生エンジョイ勢」を極めるこの女はタダじゃ絶対に転ばない。過酷な隔離期間も難なくクリアし、現地の高級料理から超絶ローカルフードまで食べまくり、極寒のなか新春お祭り騒ぎ「春節」を堪能する。街のカオスすぎる交通事情の把握や、北京っ子たちの生態調査も欠かさない。これぞ、貪欲駐妻ライフ! 北京を誰よりもフラットに「視察」する菖蒲がたどり着く境地とは? 一気読み必至の「痛快フィールドワーク小説」!――「味わい尽くしてやる、この都市のギラつきのすべてを」 -
P+D BOOKS 雪
著者独特の幻想的な世界に誘う11の短篇。 ――あちこちで、小綬鶏が啼き、遠くで郭公や鶯も鳴いていた。肩の翼を持ち上げて、飛ぼうとするがうまく飛べず、やはり人間になるしかない、と思った。―― 自由に空を飛べる鳥の姿に、飛びたくても飛べない主人公の心情を重ね合わせる「鳥の歌」、「ゆきゆきて、神軍」を上映する日本の映画館で、戦時中の人肉食を告白し日本への帰国を拒否した元日本兵らしき人と、当時のインタビュアーが邂逅する「黒衣の人」、静かに降りしきる雪のなかで、登場人物たちの心が離れていき、言い知れぬ重みが増していく表題作「雪」など、幻想的で夢とうつつの境界があいまいな11作からなる短篇集。 -
P+D BOOKS 海
漁師町の人たちとの交流を描く自伝的小説。 ――巨大なかじきであった。かじきは二度、三度と海上に躍り上った。嘴だけではなく、かじき全体が鋭い大きな刃物のように見えた。かじきは海を裂き、空を切った。かじきの怒りが、必死の抵抗が、空や海を圧していた。その迫力に、私の全身は震えた。―― 東京の家屋敷を売り払い、母親とふたりで鴨川の漁師町に流れ着いた〈私〉。売れない画家であったが、手元のお金もさみしくなり、漁師の手伝いをして小銭をもらっていた。荒波にもまれる小船の上の生活は厳しいが、烏賊、蛸、鰤、鯖、鰹といった房総の恵みと、漁師たちとの濃厚な交流が心地よく、いつしかすっかりこの町のとりこになっていた。 ――海人の生活が原始的であるが故に、却って私は強く惹かれるのであろう。―― 著者自身「最も気に入った作品」と言い切る自伝的小説の名篇。 -
脂肪の塊り Boule de Suif
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ギ・ド・モーパッサンの代表作、『脂肪の塊り』(原題: Boule de Suif)がフランス語で読める!<b/> 『脂肪の塊り』(原題: Boule de Suif)は、1880年に刊行されたエミール・ゾラが主宰した自然主義文学の短編集『メダンの夕べ』(Les Soirées de Médan)の中に収められた、フランスの小説家、ギー・ド・モーパッサン(1850-1893)による短編小説。 普仏戦争を背景に、娼婦エリザベート・ルーセ(ブール・ド・スイフ)を主人公にした物語で、モーパッサンの出世作であり、彼の数多い短編小説の中でも最も有名な作品の一つである。本書は日本語翻訳ではなく、フランス語でお読みいただけます。 -
私はスカーレット
林真理子が描く『風と共に去りぬ』第一巻! 〈小説『風と共に去りぬ』を読んだことがあるだろうか。私を作家へと導いてくれた小説である〉ーー自身の「原点」と語るあの名作を、ヒロイン、スカーレット・オハラの一人称小説として林真理子が鮮やかにポップに現代に甦らせた! 南北戦争時代の米国ジョージア州。「このあたりいちばんの美人」ということになっているスカーレットは、わがままでうぬぼれやで思慮浅く、華やかなドレスとパーティー、そして男の子たちにちやほやされるのが大好き。「他の娘の恋人を奪うのが趣味」だと、まわりの女子どころか実の妹にまで嫌われている。 そんな史上最強のヒロインの波瀾万丈な人生。恋あり、三角関係あり、冒険あり。最高に面白い、待望の第1巻! ※『私はスカーレット』文庫版の1~4巻は単行本として配信されている『私はスカーレット 上』 と同様の内容になります。 -
准教授・高槻彰良の推察
「怪異は、現象と解釈によって成り立つんだよ、深町くん」 人の嘘がわかる耳を持ち、それゆえに孤独になってしまった大学生・深町尚哉。 なんとなく受講した「民俗学2」のイケメン准教授・高槻になぜか気に入られ、 怪異に出会うとついテンションが上がってしまう彼の「常識担当」として助手をすることに。 高槻のもとには、奇妙な事件が次々と持ち込まれ――? このアパートは、幽霊物件?! 隣の空き部屋から聞こえる奇妙な音の正体は…。 ――「第一章 いないはずの隣人」 ふと気づくと、周りにいつも針が落ちている……。これは呪い?それとも…。 ――― 「第二章 針を吐く娘」 肝試しに出かけた少女が消えた。しかし数日後、彼女は帰ってきた。足の裏はきれいなままで…。 ――「第三章 神隠しの家」 ちょっぴり残念なイケメン准教授と、常識担当の大学生の凸凹コンビが 民俗学の知識を使って、怪奇事件や都市伝説の謎を「解釈」する軽快なミステリ、開講!!! イラスト/鈴木次郎 -
ハンチバック
23の国と地域で翻訳決定! 芥川賞受賞作 【2025 国際ブッカー賞ロングリスト】【2025全米図書賞・翻訳文学部門ロングリスト】に選出! 23の国と地域で翻訳決定。話題沸騰の芥川賞受賞作がついに文庫化! 「私の身体は生きるために壊れてきた。」 井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。 両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、有名私大の通信課程に通い、しがないコタツ記事を書いては収入の全額を寄付し、18禁TL小説をサイトに投稿し、零細アカウントで「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」と呟く。 ある日、グループホームのヘルパー・田中に、そのアカウントを知られていることが発覚し――。 【文庫版の特徴】 ・ルビを大幅に増やしました。 ・著者が執筆にあたり大きな影響を受けたと語る『凜として灯る』の著者・荒井裕樹氏との往復書簡「世界にとっての異物になってやりたい」(「文學界」2023年8月号)は、大変話題となりましたが、今回新たな書簡を特別付録として追加し、全文を巻末に収録しました。 単行本 2023年6月 文藝春秋刊 文庫版 2025年10月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
マイクロノベル集
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 マイクロノベルを200本収録。 ※ 固定レイアウト(画像)です。 「言葉」 言葉を溜めていたコップを、肘をひっかけて割ってしまった。生活や仕事や読んだ本の中から美しい文言を選んで少しずつ蒐集していた。床に散らばったそれらをあらためて見ると、どれも私の立ち振る舞いとはかけ離れたものばかりだと気づき、硝子の破片を拾いながら涙が止まらなくなった。 「観覧車」 巨大な観覧車があり、車輪の直径は視認できないほど長い。搭乗者は、地上を離れ街や山を見下ろし空を越え、やがて宇宙へ出る。1周するのに約1.2万年かかるため、道程の1%にも及ばないところで人の寿命は尽きる。遠い時間を経て、再び地球に戻った"帰還遺体"は、丁重に埋葬されるだろう。 -
レベッカの青春
「少女レベッカ」の続編と言ってもよく、「少女レベッカ」の場合とおなじように、女性としての自覚にめざめてゆく一人の少女の心理過程が現実的なさまざまなエピソードとともに語られていく。ただ前作とちがい、それらの出来事は、レベッカ自身の手記や回想という形で描かれ、記述がいっそう内面的になっている。後半には、青春期を迎えた十八歳のレベッカが登場して、繊細な感受性をたたえた、静けさと内省を愛する一人の女性に生長していく。作者は、米国フィラデルフィアで生まれの作家で、英米の若い世代から熱狂的に迎えられ、やがてその名はひろく世界に知られるようになった。 -
竹取物語
「物語の原型」、誰もが知る、かぐや姫と5人の求婚者、帝が繰り広げる異世界譚を、「まるで僕が書いたような物語」と語る大人気作家が敬意をこめて抱腹絶倒・大胆不敵に新訳した画期的必読古典。 かぐや姫×森見登美彦! 1000年以上も読み継がれる「物語の原型」を 竹林をこよなく愛す当代の人気作家が現代語訳! 翁がある日、光る竹の中に見つけた可愛らしい小さな人。やがて絶世の美女に成長したかぐや姫は、言い寄る求婚者たちに無理難題を課す。恋に破れ去る男たち、そして、「その日」は近づく――千年以上も前に書かれ、読み継がれてきた異世界譚を、竹林に並々ならぬ思いを寄せる作家・森見登美彦が現代語訳した必読の一冊! 竹取物語とその現代語訳にまつわる舞台裏をたっぷり語った講義「作家と楽しむ古典 僕が書いたような物語」、竹林の中へ入り込んだ幼少期の原体験からはじまる文庫版のための書き下ろしあとがき「生きていることのふしぎ」も収録。 【もくじ】 竹取物語 全集版あとがき 千年の失恋 特別収録 講義「作家と楽しむ古典」 僕が書いたような物語 文庫版あとがき 生きていることのふしぎ 解題 大井田晴彦 -
おおあんごう
「僕のつま先を車で轢くという遊びをしていた父をモデルに書きました」 大好きな母、ふんわりしたおばあちゃん、無二の親友――。 守りたかった。離れないでいてほしかった。 これは、傷を抱えたぼくが「笑い」に出会い「夢」へと走り出す物語。 岡山県の小さな田舎街。小学生のぼくは、理不尽で自分勝手な父に振り回されてばかりだった。自分の心と大好きな母を守るため、勇気を出し父にある言葉をぶつける。純粋な願いを聞いた父は改心すると思っていたが……。苦しくて悔しいのにどこか笑える家族の日常を描いた、「かが屋」加賀翔の初小説! 「なぜか、涼やかな風が吹きとおった。 うつむくと胸もとに、 ビール缶みたいな穴がまんまるく空いていた」 いしいしんじ 「私もこの絶望を知っている。悔しくて恥ずかしくて、それでもまた期待してしまう。そして当然に裏切られる。 少年には憐れみも情けもいらなかった、笑いとなることだけが救いになった。 自然をかき分けて歩き続けた日々を、カエルのぬいぐるみと一緒に抱きしめたい」 吉澤嘉代子 「理不尽な父の言動に早く大人になるしかなかった少年が、生きる。 苦しくて、優しくて、悲しくて、笑えて。 岡山の鮮烈な言葉がざくざく刺さる、とてつもない小説です!」 東 直子 「読みだした時は、相方だからか照れ臭かったのですが、 気付いたらいつの間にか、悲しくなったり、思わず吹き出したり、ムカついたり。 皆、幸せになって欲しいです」 「かが屋」賀屋壮也 -
おいしいごはんが食べられますように
芥川賞受賞作&30万部のベストセラー 世界各地で翻訳続々! 最高に不穏な仕事×食べもの×恋愛小説! 解説:一穂ミチ 「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」 真面目で損する押尾は、か弱くて守られる存在の同僚・芦川が苦手。食に全く興味を持てない二谷は、芦川が職場で振る舞う手作りお菓子を無理やり頬張る。押尾は二谷に、芦川へ「いじわる」しようと持ちかけるが……。どこにでもある職場の微妙な人間関係を、「食べること」を通してえぐり出す芥川賞受賞作! 共感が止まらない! 「わかりすぎてえぐい」職場ホラーNo. 1 サイコホラー小説? ミステリー小説? それとも恋愛小説? 不思議な感覚で読めた小説です。(文教堂横須賀MORE’S店/矢部直利) 喉の奥に詰め込んだ言葉や感情を吐き出したくなるような気持になった。(くまざわ書店サンシャインシティアルパ店/河口茜) 表紙・タイトルのほっこり感と内容とのギャップを、ぜひもっともっと多くの方に感じてもらいたいです。(明屋書店喜田村店/高橋杏奈) -
魔法使い☆ヤクザ
この世界には魔法使いが存在し、何人もの魔法使いが惨殺される事件が起こっていた。 日比野ヒカルは、母に捨てられ、アル中の父親と暮らす高校生だった。 ある日、ヒカルは父親に置き去りにされ、借金のカタとして、無邪気で残酷な魔法使いヤクザ・更夜さんの元で働くことになる。 女装をするヤンキーや編み物好きな寡黙な巨人、 更夜に異常に執着する警察キャリアや関西弁を喋る使い魔など、破天荒で厄介な人たちに振り回されつつも、ヒカルはヤクザの雑用係として働いていく。 だが、更に魔法使い連続殺人事件にも巻き込まれていき―― ※BLではありませんが、ブロマンス要素(男性→男性への激重感情)があります。 -
P+D BOOKS 地下水
自分の身の上と文学仲間の動静を綴る傑作。 ――庄太の一枚看板みたいな私小説は、いまだに彼の頭へこびりついており、忘れた時分に作品も発表している。今後共、世間にもて囃されるようなものは覚束ないにしろ、片隅でコツコツ書いて行きたい、あぶれ者の自慰行為に似た執念は、相当のようであった。―― プロレタリア文学が一世を風靡し、短い文芸復興期を挟んで、戦争文学が主流になっていく戦前・戦中期。どの波にも乗れず、講演の抄録や短い文芸批評、地方紙の埋め草原稿などで糊口をしのいでいる小川庄太は、東京でやっていけなくなると故郷の小田原に戻り、実家が持つ物置小屋で寝起きしていた。やがて、他人のものに手を出すまでに困窮し、軍隊に入るか、牢に入るか、というところまで追いつめられて……。 自分と家族の身の上を縦軸に、文学仲間の動静を横軸にして淡々と綴る見本のような私小説。宇野浩二、中山義秀、田畑修一郎、火野葦平らが変名で登場し、文壇の裏事情が垣間見える傑作。 -
後宮の検屍女官
「死王が生まれた」大光帝国の後宮は大騒ぎになっていた。 謀殺されたと噂される妃嬪の棺の中で赤子の遺体が見つかったのだ。 皇后の命を受け、騒動の沈静化に乗り出した美貌の宦官・延明(えんめい)の目にとまったのは、 幽鬼騒ぎにも動じずに居眠りしてばかりの侍女・桃花(とうか)。 花のように愛らしい顔立ちでありながら、出世や野心とは無縁のぐうたら女官。 多くの女官を籠絡してきた延明にもなびきそうにない。 そんな桃花が唯一覚醒するのは、遺体を前にしたとき。彼女には、検屍術の心得があるのだ――。 後宮にうずまく数々の疑惑と謎を検屍術で解き明かす、中華後宮検屍ミステリ! -
星・空・雲
【障害があっても前向きに精一杯生きた人生】 著者の美智代は、小5の時にいじめにあいましたが、親に心配かけたくないと4年間通学を頑張り通しました。 しかし、中3の3月についに爆発、不登校に。 高校は何とか入学出来たが2学期から出席しなくなり、パソコンに夢中になりました。 毎日友人とメールのやり取りをしたり、いろいろなサイトに投稿をしたりしていました。 ある時は、大炎上、アカウントを剥奪されプロバイダから解約されてしまいました。 昼夜逆転、それでもバイトをして母親にアイロンをプレゼントする優しい心の面も見せていました。 本が好きだった彼女は、特に詩集に興味を持ち、自分でも詩を書き始めます。 知らないうちに数百篇と詩がたまっていきました。 苦しい事、悲しい事、嬉しい事、感謝の思いを素直に詩に託しました。 しかし、心の病は、深くなるばかり、遂に入院する事に。症状は改善するどころか悪くなっていきました。 そんな矢先、マンション5階のベランダから発作的に飛び降り、腰に18本のビスとボルトを入れる大手術を2回行いました。命は取り留めましたが、右足も複雑骨折でまともに歩くことが出来なくなりました。 心の病の入退院も7、8回続きました。 それでも希望を捨てずリハビリを繰り返すと、歩けるまでに回復し、精神的にも安定してきました。 10年かけて病院を卒業。 桐生のグループホームに入ることになりました。B型就労をするようになると生き生きとし始め、心も安定してきました。そんな矢先、生理が長く不正出血が止まらなくなり、何かおかしいと病院に駆け込みました。 精密検査をすると、主治医から子宮体癌の末期で手術、抗がん剤治療などは出来ないと言われ、緩和ケアの病院に転院、転院後わずか3週間で37歳の短い生涯を閉じました。 この詩集が、心の病で今、戦っている本人、御家族の皆様に勇気と希望を少しでも伝える事が出来たら、彼女にとって幸せです。 最後に、心の病は、家族の協力で必ず改善することを訴えて結びとします。 美智代ありがとう!! -
預言者の詩 ―哀しみの場所から―
古書店経営者3代目・本郷瞬は、訪れた顧客の相談事を一緒に解決をめざす。 「預言者の詩 ―哀しみの場所から―」 本郷の知己で女性占い師の村上里絵は占い師の出店ブースを訪れた老紳士に迷宮入りした行方不明事件について相談された。本郷に連絡する理由ができたのがうれしくて、恐怖が待つことも知らずに里絵は調査を引き受けてしまう。 「夜更けの蜀」 本郷は台湾の雑貨店で三国時代の言行録を見つけた。そこには呉侵攻派と和平派で揺れる成都で蜀の官吏が遭遇した鶏舌香に関わる怪死事件が記されていた。 「Purple season」 本郷は「不思議の国のアリス(キャロルによる挿絵版)」オークションに出席するウオッツ石油の久喜会長に同行予定で札幌市を訪れた。だが出発日、邸のエレベーター事故で会長は負傷して取りやめになった。秘書の早川純と背後調査を依頼された本郷は人間の裏面に直面していく事になる。
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