小説作品一覧

非表示の作品があります

  • 目撃者を消せ
    2.3
    小さな運送会社を経営している太田信次が殺された。被害者に恨みを持つ数多くの人間の中から、三人の容疑者が浮かびあがった。お金を借りていた同業者の村松。会社を辞めさせられた的場。恋人を太田に奪われた平沢。各々太田を殺す有力な動機があった。犯人を絞り切れないまま、捜査は難行した。その上、犯行当時、螢の光みたいなものを見たという奇妙な目撃者も現われて……。表題作他6編を収録した、オリジナル短編集。
  • 美華物語
    -
    タイガースのジュリーや竹の子族、大正時代の竹久夢二、制服姿の海軍兵学校生や弾圧下のキリシタン等々。 時代の「アイドル」に寄せる、「ミーハー心」は、いつの世も変わらない。 一途に思いつめて、入れ上げて、禁じられれば一層、燃え上ってしまう。憧れと嫉妬、そしてやがておとずれる喪失感を、日本のアイドルの系譜とともに、やさしい共感をもって描いていく。究極のミーハーを自認する著者ならではの、オリジナリティゆたかな愛すべき小説集。
  • 東京胸キュン物語
    -
    「若さ」は元気や可能性があって、輝やかしいものだけれど、弱点だってたくさんある。ちょっとした常識を知らず恥をかいたり、将来がきまらず不安定だったり、寂しさになれていなかったり…。 まして、刺激が多い都会ぐらしは、快適な一方、孤独感、焦燥感もつのってしまう。東京に住む女の子たちの胸のうちを、軽やかに、巧みに描いた小説集。
  • 黒猫遁走曲
    3.2
    愛しい猫、可愛いメロウ、美しい、優しい……私の天使……。どれくらい捜したことか?目につくかぎりを、思いつくかぎりの手段を講じて。森本翠が三十八年間勤務した出版社を定年退職した日の夜、メロウは山ほどの花と薔薇色のシャンパンの隙間をぬって、戸外にはじきだされた!?黒猫メロウの捜索と、スターを夢見る隣人の殺人事件がクロスして……。滑稽なぐらい切実で、臨場感あふれる奇想天外なサスペンス。
  • カルネアデスの舟板
    -
    教授の職を追われ故郷へ身をひいた恩師を訪ねた玖村は,大学への復帰を恩師に依頼される。師弟の立場の転倒から生じた秘かな優越と侮蔑。しかし玖村のその肚の中の愉しみは、ふとしたことで覆えされる。表題作ほか「鬼畜」「喪失」「二階」「発作」「一年半待て」「捜査圏外の条件」を収録。
  • イミテーション・ゴールド
    4.0
    ブティック勤めの福美は、プロのレーサーを目指す恋人邦彦のためになんとしても1000万円を工面したい。とらの子の70万円を株投資、高級化粧品のネズミ講販売等々とその手段はエスカレートし、ついに若い自分の「体」をも商品にしてしまう。二人の大きな「夢」を賭けて思いつめた献身が、二人の愛と信頼を崩していくのだった――。若さ、金、権力がちょっとした仕掛けで簡単に手を結ぶ「現代」の様相と仕組みを映し出した、出色の恋愛長編小説。
  • 寺山修司青春歌集
    4.0
    一粒の向日葵の種まきしのみに荒野をわれの処女地と呼びき――恋人、故郷、太陽、桃、蝶、そして祖国、刑務所。含羞にみちた若者の世界をみずみずしい情感にあふれた言葉でうたい続け、詩の世界にひとつの大きな礎を築いた寺山修司。「空には本」「血と麦」「テーブルの上の荒野」「田園に死す」「初期歌篇」。代表的歌集を網羅し、寺山作品初の文庫化を実現して以来、多くの若者に読み継がれる記念碑的歌集。
  • 海辺でロングディスタンス
    3.0
    1巻462円 (税込)
    無口だけどとびきりカッコいい上の兄・裕。おしゃべりでちょっと変人の下の兄・零。そして、彼らが踏み固めた道をずっと通って来た三兄弟の末っ子、沢井健、15歳。だけどこの春、高校生になったのをきっかけに、彼の新たな日常が回り出す……。年上のガールフレンドのこと、バイト先で知り合った老女のこと、そして、走ること――何かを選び、何かを捨てながらゆっくりと大人になってゆく少年を描いた、弾けるような青春小説。
  • 別れの十二か月
    -
    ……人は、いちばん好きな人とは決して結ばれない。私があの人との三年間で学んだ、ただひとつの真実だった。そして私は、あの人への愛しさを抱えたままこの部屋を出て行く。(「一月 積木の部屋」より) あきらめ、あこがれ、決断、後悔、救い、絶望……。季節の彩りの中で、“別れ”はさまざまな表情をみせる。みずみずしい筆致でつづられる12篇の恋のかたち。梅田みか、初の小説集。
  • 恋愛運の上げ方
    3.0
    1巻462円 (税込)
    モテる人とモテない人がいるのはなぜ? どうしていい人が見つからないの? 好きな人とずっとつき合い続けるにはどうしたらいいんだろう? そんな悩みをいつも抱えているのは、恋愛運のつかみ方を知らない人です。みんなが無意識にしている恋愛にも、「運の上げ方」は確実にあります! 運をつかむ女になるためのコツを恋の巨匠・秋元康が伝授。ほんの少しの知恵と努力で、「運命の人」は見つかるはずです。
  • 恋愛物語
    3.7
    自転車を二人乗りしていた加那子の日々。失踪した親友を想い、江梨子が泣いた朝。飛行機をめぐる結婚物語。不器用な癖をもつ多恵子に訪れた春。あなたの恋も一緒にみつけてみませんか? 11人の素敵な恋のフォトグラフ。恋愛の救世主・柴門ふみが贈る初の恋愛小説集。
  • 楽園(ラック・ヴィエン)
    3.4
    灼熱の夏が永遠に続く国ベトナム。ホーチミンを訪れた「私」は夏の国の男に出会う。彼は綺麗な南の地獄そのものだった――。名前も素性も知らぬまま、ただ享楽的なセックスに溺れるふたり。――床惚れ――セックスがよくて惚れてしまうのは男女が堕ちる最も苦しい地獄と天国なのかもしれない。『ぼっけえ、きょうてえ』の著者がベトナムを舞台に狂おしくも甘美な情欲の世界を描いた官能ホラー。
  • 夜の脅迫者
    -
    闇に包まれた都会の夜には犯罪という罠が待ち受けている。今夜もどこからか脅迫者たちの足音が聞こえてくる……。45歳の安田は次期重役候補のエリート営業部長であった。ある日、愛人を乗せていた安田は人身事故を起こしてしまう。被害者は貧相で気の弱そうな男だったが……「脅迫者」。日常生活の中で誰にでも襲って来そうな恐しい罠と意外な結末。人気絶頂の著者が贈る傑作オリジナル短編集!
  • 無印失恋物語
    3.3
    実はマザコンだったり、占いのドツボにはまったり、文句たれに嫌気がさしたり、言われ放題のイイナリ君に反撃されたり、近所のおばさんの噂話に泣かされたり……。無難な恋と思っていたのに、破局が突然やってきた。言いつくせない無念さと開放感が新たな恋へとかりたてる。明るいハートブレイク・ストーリー12話。
  • 無印親子物語
    3.5
    ひとり暮しを敢行した私を引き戻そうと、あの手この手を使う古狸母。家では厳格、無愛想、外では裸踊りまでする破廉恥父。いつまでももてる美人母etc――。切っても切れない親子の縁を運命としてあきらめるか、反発するのか。親子愛の名の下で、くり拡げられるなんでもありの、家族ストーリー。おかしくってやがてホロリとさせられる、人気シリーズ第六弾!
  • 変奏曲
    3.6
    ……無理やりに高志の顔の向きを変えさせた。それでも高志は目蓋を開かなかった。「Onanieしようとしたでしょう?」〈本文より〉 血の絆で結ばれた洋子と高志。異なる性の双子が貪る、耽美な禁断のエロティシズム。それは、洋子の婚礼が近づくにつれ、哀しく顕在化していった……。幻想は現実に、情念は行為へ。現代を超えて幽玄世界へと誘う現代のロマネスク文学。
  • 普通の愛
    3.8
    1巻462円 (税込)
    路上に身をひそめて立ちつくす者達。彼らの吐く息が、あらゆる嘘を撃つ。尾崎豊の、痛ましいまでの透明感の秘密がこの小説集にある――村上龍 真実を求めて苦闘する孤独な魂。生きることの悲しみ、怒りにもがく純粋な精神の軌跡を綴った、恐るべき処女小説集。
  • 第三水曜日の情事
    4.0
    ジャネットは広告代理店に勤めるOL。女友達の何気ない言葉から、社長殺害の完全犯罪を思いつく。「第三水曜日」なら成功間違いなし。これで恋も仕事も思いのまま、と思いきや、完璧だったはずのアリバイが……。大都会を舞台に、摩天楼の迷路をさまよう男と女が抱く、恋、嫉妬、復讐心、そしてきらめく殺意! ありきたりな毎日に飽き飽きしたあなたに贈る、とびきり小粋でスパイスの効いた、ショート・ミステリー20編!!
  • スワロウテイル
    3.8
    円を掘りに来る街。それがイェンタウンだ。日本人はこの呼び名を嫌い、自分たちの街をそう呼ぶ移民たちを逆にイェンタウンと呼んだ。ヒョウとリンとフニクラは墓荒らしで小金を稼ぎ、グリコは売春で生計を立て、身寄りのないアゲハを引き取った。ある日、客のひとりがアゲハを襲い、隣人のアーロウが客を殺してしまう。すると腹の中からテープが飛び出し、代議士のウラ帳簿が見つかる。飽和状態のイェンタウンで、欲望と希望が渦巻いていった。
  • 新興宗教オモイデ教
    4.2
    一カ月前に学校から消えたなつみさんは、新興宗教オモイデ教の信者になって再び僕の前に現れた。彼らは人間を発狂させるメグマ祈呪術を使い、怖るべき行為をくりかえしていた――。狂気に満ちた殺戮の世界に巻き込まれてゆく僕の恋の行方は? オドロオドロしき青春を描く、著者初の長編小説。
  • 詩集 ロマンス
    4.1
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「素敵だと思うのは、素敵だと感じる自分自身の中にある何か」誰のなかにもある、悲しみや切なさ、そして愛。特別ではない心の動きに、特別な言葉を与える詩人・銀色夏生がおくる、ロマンス詩集。
  • 詩集 小さな手紙
    3.4
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 好きな人のことばやしぐさは人から人へ伝わる透明な小さな手紙のようなものだと思います。
  • 死刑囚の最後の瞬間
    3.3
    戦後、我が国で処刑された死刑囚は六百人以上にのぼる。しかし密行主義といわれる現行の死刑制度の中で、我々は確定囚のその後を知ることは出来ない。彼らが処刑までをどのようにして生き、どのようにして人生を終えるのか……。二十年以上にわたり、“死刑”を追い続ける著者が、世間を騒然とさせた十三人の死刑囚の最期を通して、ベールに包まれた死刑制度の実態に迫る。衝撃のドキュメント!
  • 死刑執行人の苦悩
    3.9
    世間の人々は、裁判で死刑が確定するところまでしか死刑について知ることはない。確定後の生まれ変わった人間性を知らないのだ。それは、日本の死刑制度が密行主義の中に閉じこめられているからである。(本文より) 「なぜ殺さなければならないのか」……。執行という名の下に、首にロープをかけ、レバーを引く刑務官と、ゼロ番区と呼ばれる舎房でその日を待つ死刑囚。徹底した取材を基に、あらためて死刑制度を問う衝撃のドキュメント!
  • サウダージ
    3.7
    「サウダージ」、それは、失われたものを懐かしむ、さみしいせつない想い――。日本人の父とインド人の母の血をひく裕一。若いパキスタン人労働者シカンデル。日系四世のルイーズ。裕一の行きつけのバーの雇われママ、フィリピン人女性ミルナ。それぞれが癒しがたい喪失感を抱きながら、東京に流れ着き、出会い、そして別れていく。人々の胸に去来する、やるせない想いを描く傑作長編。
  • 57人の死刑囚
    3.0
    刑が確定した死刑囚は、自殺房と呼ばれる舎房の中で、いつ訪れるかわからない〈その日〉を、じっと待たなければならない。しかし、密行主義といわれる日本の死刑制度では、我々は彼らの〈その後〉を知ることはできない。彼らは何を思い、何を考えているのか……。本書は、報道されることのない死刑囚たちの〈その後〉を徹底取材し、あらためて死刑制度の存続を問う、衝撃のドキュメントである。
  • 合意情死(がふいしんぢゆう)
    3.4
    あなたの周りにもきっといる――。小学校教員、新聞記者、地方小劇団の座長、看守。偏狭な社会でちっぽけな権力をふりまわす木っ端役人、目立たないくせにどこか鬱陶しい地味女、誠実に見えて肝心なところで無神経な好青年……。思惑と欲望がうずまく小市民たちの葛藤を、ユーモアと恐怖のなかに浮き彫りにした、名手による傑作短篇集。「華美粉飾」「合意情死」「自動幻画」「巡行線路」「有情答語」を収録。
  • 禁欲のススメ
    3.0
    恋愛? どこにあるの、そんなもん。みんな誤解してる。だれもが恋愛してるって。本当は恋愛って決して公平に訪れてくれるものじゃない。それはとっても貧富の差のはげしいものなんだ。「彼とつきあってて、ああしてこうして、そんでこうで……」こんなこと言ってるヤツが恋愛を独占してやがるのだ。くそくそ、くやしい! 一人だけでイイ思いしやがって。少しは禁欲しろ。悔いあらためよ……。(本文より) 無垢な乙女が淫らに綴る、ヒメノ式恋愛論。
  • 危険な殺人者
    3.0
    ベテラン新聞記者の田島は自社の紙面で「七歳の子供が自殺」という妙な記事を発見した。『ママ、サヨナラ』と書かれた遺書と一枚の絵。少年を追いつめたものは何だったのか。真実を追究し、子供の母親に執拗に迫る田島は意外な事実を掴むがその果てには……。(病める心) 日常生活を襲う恐ろしい罠と意表をつく結末。人気絶頂の著者が贈る傑作オリジナル短編集!
  • ガラスの仮面の告白
    3.8
    「男性と一式の寝具で寝て何もなかった数の世界一」というのが、もしギネス・ブックにあったら、載れるんじゃないかと思う。大学生時代など、いったい何人の男性と寝ただろう、グーグーと。杉村くんとも畑さんとも寺沢くんとも藤堂くんとも清水くんとも、私はセックスしていないキスもしていない。手も握り合っていない。彼らと私は、男と女ではなく、中性と中性のつきあいだった――。享楽の都TOKYOに上京した、夢多き乙女が綴る、孤独で切ないけれど、明るくって元気な物語。
  • 無花果日誌
    3.9
    桐子はカトリックの女子校に通う高校二年生。家の近所のお下劣な環境を脱すべく、県内一のお嬢様学校に入ったのだけれど、お上品ぶった同級生や先生、修道女との毎日は、すっきりしないことばかり。大好きな母さんの死、郁クンとの恋、衝撃の事件。からまわりする自意識を抱えながら裸の自分に向き合い、明日へ走り出す桐子は――。みずみずしい十七歳の一瞬一瞬が輝く話題作。
  • 愛をする人
    4.0
    悠子が一希に出逢ったのは十五歳。彼は家庭教師の大学生。まだ、恋の意味もわからない春の日の出来事だった。八年後、再会した二人――年月は少女を女にかえていた。そして、彼には婚約者の優子がいた……。二人のユウコの間で揺れる一希。一人のユウコは恋人、もう一人のユウコは愛人という道を選んだ……。恋人のいる人を好きになる――それは罪なことなのでしょうか。決して結ばれることのない愛、切ない愛を綴った恋愛物語〈ラヴ・ストーリー〉。
  • 愛の予感
    3.0
    1巻462円 (税込)
    伊豆の海で休暇を過ごした夏、ケイは婚約者の友人・亮と恋におちた。ひとつの恋の始まりは、もうひとつの恋の終りだった。建築家の亮は結婚という形式を拒否する男だった。一緒に暮らし始めた彼に、突如、転勤問題がおこった時、ケイは愛か仕事か、の選択を迫られた。いつか、くるかもしれない別れの時のこと、そして、それ以上に男との意識のギャップに揺れながら、ケイは――。それぞれの愛と別れのなかで、ケイを明らかな主張をもった女にそめあげていく。愛の連作長篇。
  • 技巧的生活
    -
    恋に酔う少女であった葉子は、酒場に勤めてゆみ子と名を変えた時から変貌しはじめた。男を商品として、あたかも無機物であるかのごとく見ようとする酒場の女たちの、言わば技巧的な生き方。――自分もそれに徹しようとするのだが、どうしてもロマンティックな感情を捨てきれない、ゆみ子の眼を通して、酒場の女たちのさまざまな生態、微妙な心理、孤独な姿を見事に活写した長編。
  • 泉鏡花の「婦系図」 ビギナーズ・クラシックス 近代文学編
    値引きあり
    4.0
    早瀬主税は、独文学者酒井に拾われ成長。芸者のお蔦を娶ったことが恩師の逆鱗に触れ、別れを余儀なくされる――。明治の人気作家が描く、一人の青年と彼を取り巻く女たちの愛憎劇をダイジェストで読む! ※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
  • 高野聖
    4.0
    1巻462円 (税込)
    飛騨から信州へと向かう僧が、危険な旧道を経てようやくたどり着いた山中の一軒家。家の婦人に一夜の宿を請うが、彼女には恐ろしい秘密があった。耽美な魅力に溢れる表題作や、滝の白糸で知られる「義血侠血」、「夜行巡査」「外科室」「眉かくしの霊」の5編を詳しい解説とともに収録。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
  • 共喰い
    3.5
    一つ年上の幼馴染、千種と付き合う十七歳の遠馬は、父と父の女の琴子と暮らしていた。セックスのときに琴子を殴る父と自分は違うと、自らに言い聞かせる遠馬だったが、やがて内から沸きあがる衝動に戸惑いつつも、次第にそれを抑えきれなくなって─。川辺の田舎町を舞台に起こる、逃げ場のない血と性の問題。第146回芥川賞受賞作。文庫化にあたり、瀬戸内寂聴氏との対談を収録。ほか「第三紀層の魚」併録。
  • 注文の多い料理店
    4.1
    これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです――(「序」より) そこでは森と人が言葉を交わし、烏は軍隊を組織し、雪童子と雪狼が飛び回り、柏の林が唄い、でんしんばしらは踊り出す。暖かさと懐かしさ、そして神秘に満ちた、イーハトーヴからの透きとおった贈り物――。賢治の生前に刊行された唯一の童話集。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
  • 葡萄が目にしみる
    3.9
    葡萄づくりの町。地方の進学高校。自転車の車輪を軋ませて、乃里子は青春の門をくぐる。生徒会の役員保坂に寄せる淡い思い。ラグビー部の超スター岩永との葛藤。冴えない容姿にコンプレックスを抱き、不器用な自分をもどかしく思いながら過ごした思春期――。目にしみる四季の移ろいを背景に、素朴で多感な少女の青春の軌跡を鮮やかに描き上げた感動の長編小説。
  • おちくぼ姫
    4.2
    貴族のお姫さまではあっても、意地悪い継母のせいで、召使い同然、粗末な身なりで一日中縫い物をさせられ、床が一段低く落ちくぼんだ部屋にひとりぼっちで暮らしている――。千年も昔、日本で書かれた王朝版「シンデレラ物語」。姫君と貴公子のラブ・ストーリーを田辺聖子の現代語訳で!(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
  • ももへの手紙
    3.8
    “ももへ”それだけを書き遺し、仲直りできずに亡くなった父。それから母・いく子と瀬戸内の島に引っ越してきたももは、田舎の生活にも馴染めず、しずんだ日々を送っていた。そんなとき現れたイワ・カワ・マメの3妖怪! 身勝手な彼らに振り回される中で、ももはいく子とすれ違い喧嘩をしてしまうが、直後、いく子が病に倒れて!? 蘇る父の記憶。母を救うため嵐の中へ走り出すももに、奇跡が起きる──。心に響く家族の愛の物語。
  • 銀河鉄道の夜
    3.8
    ――永久の未完成これ完成である――。自らの言葉を体現するかのように、賢治の死の直前まで変化発展し続けた、最大にして最高の傑作「銀河鉄道の夜」。そして、いのちを持つものすべての胸に響く名作「よだかの星」のほか、「ひかりの素足」「双子の星」「貝の火」などの代表作を収める。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
  • 堕落論
    4.0
    第二次世界大戦直後の混迷した社会に、戦前戦中の倫理観を明確に否定して新しい指標を示した「堕落論」は、当時の若者たちの絶大な支持を得た。「人間は堕落する。義士も聖女も堕落する。それを防ぐことはできないし、防ぐことによって人を救うことはできない。」墜ちきることにより真の自分を発見して救われるという安吾流の考え方は、いつの世でも受け入れられるにちがいない。ほかに「日本文化私観」「恋愛論」など名エッセイ十二編を収める。
  • 行人
    4.3
    自我にとじこもる一郎の懐疑と孤独は、近代的人間の運命そのものの姿である。「行人」の悲劇は、単なる一夫婦の悲劇ではない。人間そのものの心の深淵に、その宿命的な根を求めなければならない性質の悲劇だ。「死ぬか、気が違うか、宗教に入るか」主人公の苦悶は、漱石自身の苦しみでもあった。大正元年作。
  • 風の又三郎
    4.3
    谷川の岸にある小さな小学校にひとりの少年が転校してきた。小学校の子どもたちは、落ち着かない気持ちに襲われながらも、少年にひかれてゆく。少年の周りには、いつも不思議な風が巻き起こっていた……。名作の誉れ高い表題作のほかに、人と熊との宿命的な命のやりとりを哀切をこめて描く「なめとこ山の熊」、峻烈な印象を残す自伝風作品「ガドルフの百合」、仏教的寓話「マグノリアの木」など、賢治世界の多彩な顔を楽しめる作品集。
  • 月神の浅き夢
    値引きあり
    4.2
    若い男性刑事だけを狙った連続猟奇殺人事件が発生した。次のターゲットは誰なのか? 刑事・緑子は一児の母として、やっと見つけた幸せの中にいた。彼女は最後の仕事のつもりでこの事件を引き受ける。だが、緑子を待ち受けていたのは、人間の業そのものを全身で受け止めねばならぬ苛酷な捜査だった……。刑事として、母として、そして女として、人間の心の核に迫る新警察小説〈RIKO〉シリーズ、最高傑作!
  • D-ブリッジ・テープ
    3.5
    近未来。ゴミに溢れた巨大な橋のたもとで、少年の死体と一本のカセットテープが発見された。いま、再開発計画に予算を落とそうと、会議室に集まる人々の前でそのテープが再生されようとしていた。耳障りな雑音に続いて、犬に似た息づかいと少年の声。会議室で大人たちの空虚な会話が続くなか、テープには彼の凄絶な告白が……! 第4回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した幻の名作が、ついに電子書籍で刊行!
  • 海の鳥・空の魚
    4.1
    1巻462円 (税込)
    どんな人にも光を放つ一瞬がある。その一瞬のためだけに、そのあとの長い長い時間をただただすごしていくこともできるような――。恋、カレッジライフ、うたかたの日々。まちがった場所に戸惑い、溜息しつつ、何かをつかんだ輝きの一瞬、喜びの涙がこぼれた。海中に放たれた鳥のように生きてゆく、大好きな仲間たち。気鋭女流のきらめく作品集。
  • 水の繭
    3.3
    むかしむかしあるところに、私たちが家族だった頃がある――。母と兄、そして父も、私をおいていなくなった。孤独な日常を送っていたとうこのもとに、ある日転がりこんできた従妹の瑠璃。母とともに別居する双子の兄・陸は時々とうこになりかわって暮らすことで、不安定な母の気持ちを落ち着かせていた。近所の廃屋にカフェを作るためにやってきた夫婦や、とうこの祖母。それぞれが大きな喪失を抱えながら、ゆっくり立ち上がっていく、少女とひと夏の物語。
  • ぼくのミステリ作法
    3.0
    推理界最高の人気者、赤川次郎が、はじめて自分の手のうちをあかした! 「ミステリ作家が、ミステリについて評論めいたものを書くのは、自分の首をしめるようなもの」と言いつつも、トリックのかけ方、謎ときの方法など、処女作『幽霊列車』をはじめとするたくさんの作品をまな板にのせ、“赤川次郎式推理小説作法”公開。赤川次郎の小説の面白さ、秘密を知りたいファンには必見の書。
  • りはめより100倍恐ろしい
    3.7
    1巻462円 (税込)
    中学時代に「いじられ」続けた羽柴典孝は、高校入学と同時に一念発起し、バスケ部に入部する。そこでは「おな中」の澤村一城の協力もあって、うまいこと「いじる」側にまわることができたのだが……。――巧妙、かつ陰湿に仕掛けられる、学生生活のおとし穴。「いじり」は「いじめ」より100倍恐ろしいものなのだ。各紙誌書評で話題を集めた、第1回野性時代青春文学大賞受賞作。
  • 怪盗の有給休暇
    4.7
    久野原僚は、初老の美術収集家。――しかしそれは表向きの顔、実は彼はキャリア四十年の「宝石泥棒」なのだ。ある夜、久野原はダイヤモンド〈月のしずく〉を狙って、富豪の屋敷に忍び込んだ。ところが、〈月のしずく〉はすでに何者かによって盗まれた後。疑われた屋敷の使用人・江田邦也は、それを苦に自殺してしまう。後味の悪い結果になったこの出来事を忘れるため、久野原はヨーロッパ旅行に出るが、旅先で邦也の恋人・美鈴と出会い、さらなる事件に巻き込まれていく……。
  • 蕎麦屋の恋
    3.7
    秋原健一、四十三歳、ふつうの会社員。波多野妙子、OLを辞めた三十歳。それぞれに過去の小さくも苦い思いを抱えた男と女は、通勤の京浜急行で出会い、途中下車した駅の蕎麦屋でせいろをすすり、ただテレビを観る。淡く、不思議な甘さに包まれながら――。爽やかな感性の触れあいを描いた表題作他二編収録。日常に潜むふとした喜びやせつなさを掬い取った可憐な短編集。
  • 姉飼
    3.6
    さぞ、いい声で鳴くんだろうねぇ、君の姉は――。蚊吸豚による、村の繁栄を祝う脂祭りの夜。小学生の僕は縁日で、からだを串刺しにされ、伸び放題の髪と爪を振り回しながら凶暴にうめき叫ぶ「姉」を見る。どうにかして、「姉」を手に入れたい……。僕は烈しい執着にとりつかれてゆく。「選考委員への挑戦か!?」と、選考会で物議を醸した日本ホラー小説大賞受賞作「姉飼」はじめ四篇を収録した、カルトホラーの怪作短篇集!
  • 追憶時代
    5.0
    幼稚園からずっとS女子学園育ちで、家庭にも恵まれ、何不自由なく育った上流社会の娘、真由子。そんな彼女が、高校三年の時、突然行方不明になった。二年後、彼女は戻ってきた。だが彼女は記憶喪失に……。なぜ彼女は行方をくらまし、記憶を失ったのか? この作品は二十歳になった女性が、「自分がどんな人間だったのか」を探っていく物語である。そして「本当の自分」と対面したとき、彼女はどうしたのか? 恋・友情、そして家族。赤川次郎が放つ、サスペンス・ミステリー。
  • 赤いこうもり傘
    4.5
    T学園のヴァイオリニスト島中瞳は、好奇心が強く愛らしい18歳のお転婆娘。エリザベス女王来日記念演奏会のため、練習、練習の毎日だ。一方、共演する世界的楽団BBCの名器が12台も何者かに盗まれ、その身代金(?)が1億円! 通称“伯爵”と呼ばれる殺人のプロ。ハンサムな謎の外人ジェイムス。正体不明の青年裕二。そして瞳。おかしな人物と好奇心の強い女の子がくり広げる青春ユーモア・サスペンス。
  • ハ長調のポートレート
    4.5
    働き者のサラリーマン坂上勝之、正直で優しい妻エリ。二人の平凡な日常は、初めての赤ちゃん〈亜紀子〉が生まれた瞬間に色を変えた。「会社のため」に自分の生活や、妻の存在に目を瞑ってきた勝之。満員電車で、スーパー・マーケットで、家で……ちょっとした出来事が、彼に〈バラ色の平凡〉を教えてくれる。亜紀ちゃんが、大人たちにくれた、ごく普通の大切なもの。毎日を変える家庭小説。
  • 絶叫仮面
    値引きあり
    2.0
    夕方、6時40分に現れ、絶叫しながら走り去る黒い影。その声を聞いた者は3日後に死ぬ――。都市伝説サイトの管理人・神山沙月は、それをくだらない作り話だと思っていた。だが、近所のトンネルで変死した女子高生が最後に撮った写真に、恐ろしいものが写り込んでいたことから、事態は急変し……。まったく新しいサイコホラー・ミステリーの傑作!
  • 天国への階段(上)
    値引きあり
    4.2
    1~3巻462円 (税込)
    家業の牧場を騙し取られ、非業の死を遂げた父。将来を誓い合った最愛の女性・亜希子にも裏切られ、孤独と絶望だけを抱え十九歳の夏、上京した柏木圭一は、二十六年の歳月を経て、政財界注目の若き実業家に成り上がった。罪を犯して手に入れた金から財を成した柏木が描く復讐のシナリオとは?大ベストセラーとなったミステリー巨編。
  • 死者はまだ眠れない
    -
    調布市で電気店の店主が、京王多摩川の河原で男の死体を発見、通報によって警官が駈けつけた時には死体が消えていた。数日後、国電十条駅の近くで「妻を絞め殺した」と自首した男のアパートの一室からも死体が消え、更に中野区の住宅街でも……死体消滅への深まる謎とその背後に潜む恐るべき真相に、十津川警部が挑む!

    試し読み

    フォロー
  • 消えた男の日記
    -
    1巻462円 (税込)
    この日記が解読できれば失踪した父の行方は判る、と少女が持ちこんだ日記はラテン語で書かれていた。入江警部は娘の咲江に頼み、翻訳者も見つかったが、不審火・車の追突など異様な事件が咲江を襲い、遂には誘拐の魔手までが……。

    試し読み

    フォロー
  • 腐蝕の王国(上)
    -
    1~2巻462円 (税込)
    バブル前夜から銀行再編までの経済裏面史! 女子行員に手をつけたエリート部長・藤山が左遷寸前の部下・西前を使い、後処理に当たらせる。以来二人は絶対的主従関係を保ち、行内でのし上がっていく。そして時代はバブル期へ。不義の子を密かに育てる西前だが… 。

    試し読み

    フォロー
  • 崖っぷちの花嫁
    -
    遊園地に自殺志願の女性現る!? 「私の役目は終わりました――」微笑む彼女は一体何者? 愛されて30年、ロングランヒットの花嫁シリーズ! 親友の聡子とともに遊園地に遊びに来ていた主人公の女子大学生・塚川亜由美。のんきにソフトクリームをなめていると、どこかからかたくさんの悲鳴が聞こえた。あたりを見回すと、ジェットコースターのレールの上で、いまにも女性が自殺しそう!? 亜由美は捨て身の覚悟で女性のもとに駆けつけるものの、どうやら彼女は正気ではないようだ。必死で説得にかかる亜由美だったが、当の女性はにっこりと微笑んで、自分のこめかみに拳銃をあてたのだった――。謎めく彼女の行動の真意とは?(表題作「崖っぷちの花嫁」)。ほか、バレリーナたちにまつわる事件を描いた「花嫁は今日も舞う」を同時収録。華やかでありながらも厳しい世界に身を置く一流のダンサーたち。彼女たちの悲哀と葛藤が、世代と時を越えて謎を呼んだ――!
  • 歌う白骨
    -
    リチャード・オースティン・フリーマンによる作品。
  • 神社合祀に関する意見
    -
    1巻466円 (税込)
    南方 熊楠による作品。
  • 龍神のすごい浄化術
    値引きあり
    3.8
    1巻467円 (税込)
    ☆龍神は、いつでもあなたを守ってくれる!龍神はあなたのストレス、ネガティブな感じ(=邪気)を「ぽいぽい!」と取り除いてくれる、ありがたい存在。しかも、「お金が欲しい」「仕事が欲しい」「恋人が欲しい」などの願いもかなえてくれるのです!◇目が覚めたらすぐ、布団の中で龍にお願い!◇龍の置物や絵に手を合わせて感謝する◇龍のお守りは最強の「ポータブル神社」◇考えすぎたときは、ドラゴンダンス!困ったときは、「龍さん、お願いします!」と遠慮せずに頼ってみましょう。龍と仲良くなり、運命が好転する本。☆最強浄化パワー、龍のお守りカード付き!

    試し読み

    フォロー
  • 流れ星と遊んだころ<新装版>
    値引きあり
    3.0
    銀幕の大スター「花ジン」こと花村陣四郎のパワハラに耐えるマネージャーの北上は、ある夜、危険な魅力を放つ秋場という男と出会う。秋場に惚れこんだ北上は、その恋人である鈴子も巻きこみ、花ジンから大作映画の主役を奪い取ろうと画策する。芸能界の裏側をかい潜りながら着実に階段を上る3人だが、やがてそれぞれの思惑と愛憎が絡み合い、事態は思わぬ展開をみせる――。虚々実々の駆け引きと二重三重の嘘、二転三転のどんでん返しが、めくるめく騙しの迷宮に読者を誘う技巧派ミステリーの傑作。
  • 暗色コメディ
    値引きあり
    3.6
    もう一人の自分を目撃したという人妻。”消失狂”の画家。「あんたは一週間前に事故で死んだ」と妻に言われる葬儀屋。妻が別人にすり替わっていると訴える外科医。四人を襲う四つの狂気の迷宮の先には、ある精神病院の存在があった……。緻密な構成と儚く美しい風景描写。これぞ連城小説の美学、これぞ本格ミステリの最高峰!
  • 幽霊教会
    3.0
    奇跡の少女・亜里沙を教祖とする新興宗教団体内で殺人事件発生。宇野警部と女子大生夕子の推理が冴える、ライト・ミステリー四篇
  • 西日の町
    3.8
    名作『夏の庭』の作家の新境地 少年の日、西の町で暮らす母と僕のアパートに「てこじい」がふらりと現れた。祖父の生涯と死、母の迷いと哀しみを瑞々しく描く
  • 侯爵サド夫人
    3.0
    侯爵サドの生涯をつぶさに描いた著者が従順なルネ夫人に迫る。その愛の謎と恐るべき深層心理を解明し、現代社会に警告する問題作
  • 時が滲む朝
    3.8
    1巻468円 (税込)
    中国の小さな村に生まれた梁浩遠(リャン・ハウユェン)と謝志強(シェー・ツェーチャン)。大きな志を抱いて大学に進学した2人を、1989年の天安門事件が待ち受ける──。“我愛中国”を合言葉に中国を民主化しようと努力する貧しい学生たちの苦悩と挫折、そしてその後の人生。北京五輪前夜までの等身大の中国人を描ききった瑞々しい傑作。日本語を母語としない作家として、初めて芥川賞を受賞した楊逸(ヤン・イー)の代表作!
  • 離婚
    3.2
    「ことさら深刻ぶるのはよそうぜ」などとカッコいいせりふを吐いてぼくたち二人はおたがい納得して「離婚」したのです。ところがどこでどうなってしまったのでしょうか、ぼくはいつのまにか、「もと女房」のアパートに住みついてしまって……。男と女のふしぎな愛と倦怠の形を、味わい深い独特の筆致で描き出した第七十九回直木賞受賞作品。さらに表題作の続篇の形で書かれた「四人」「妻の嫁入り」、前篇ともいえる「少女たち」の三篇を併録した。
  • 胸の香り
    3.6
    1巻468円 (税込)
    ある日、入院先でふとすれ違った人に懐かしい匂いを感じた。あれは亡き夫の体から立ちのぼる、忘れがたい独特な香り。なぜ他人の体から同じ香りが…表題作。夫の不義理から、失望のあまりアルコールにおぼれ醜態を晒す母。そんな母にも譲れないプライドがあったことを、一人息子が知り…「しぐれ屋の歴史」。男と女、母と子、人それぞれの愛憎と喜び、哀しみを陰翳深く描く。長篇作家のイメージが強い著者が20年間に書いた36本の短篇のうち、珠玉の7篇を収録。
  • 四十一番の少年
    3.6
    病気療養の母と離れ、仙台のカトリック系養護施設に入れられた少年は先に入所していた主のような青年に目をつけられ、いじめに遭う。幼い心を傷つける言葉の暴力、前ぶれなく頬に飛んでくる冷たい手や腕。彼の気まぐれな仕打ちにおびえながらも、いっぽうで野球を楽しみ、学校生活をのんびりと送っていた。しかし、青年の退寮がせまった夏休み、恐ろしい事件が始まる……。表題作ほか「汚点」「あくる朝の蝉」、ともに著者の自伝的要素を盛りこんだ、ほろ苦い感銘の青春記。
  • 風少女
    3.7
    義父の死をきいて故郷前橋に帰ってきたぼくは、駅前でかわいい女子高校生から声をかけられた。ぼくの初恋のひと、川村麗子の妹だという。クールで誰もが振り返るほど美人の麗子は今どうしているのか。ラブレターを出して、しっかり振られた思い出しかないが……。回想にふけるぼくに、彼女の妹はこう告げる。姉の麗子がアパートの浴槽でおぼれて死んだ、と。彼女にふさわしくない、格好わるい死に方だ。事故死とは思えないぼくたちは事件を探ることにした。さわやか青春ミステリー。
  • 蛇を踏む
    3.8
    藪の中で踏んでしまった蛇が女になり、わたしの部屋に棲みついた。夜うちに帰ると「あなたのお母さんよ」と料理を作り、ビールを冷やして待っている──「蛇を踏む」。うちの家族はよく消えるが、上の兄が縁組した家族はよく縮む──「消える」。背中が痒いと思ったら、夜が少しばかり食い込んでいるのだった──「惜夜記(あたらよき)」。神話の骨太な想像力とおとぎ話のあどけない官能性を持った川上弘美の魅力を、初期作ならではの濃さで堪能できる、極上の「うそばなし」3篇。
  • 馬を売る女
    4.5
    高速道路の非常駐車帯で殺されたのは、競馬情報を副業とするOLだった。彼女は秘書という立場を利用して馬主の社長のもとに集る情報を商売にしていた。家族も友人もいない女の金を狙う男の犯罪は成功したかに見えたが──表題作ほか、成人式の日に連れ込み旅館で着付けのアルバイトをした女の奇遇を描いた「式場の微笑」、ある蒐集狂が巻き込まれた完全犯罪をめぐる「駆ける男」、静かな山村に隠された人間模様が怖い「山峡の湯村」と、人間の業にせまる4篇。
  • 大いなる助走
    4.5
    筒井康隆が文学賞への“怨念”をこめて文壇を震撼させた問題作! 文壇予備軍・同人誌作家がブンガク賞をめざして抱く大いなる野望と陰謀──選考委員、編集者、文壇バーに象徴される作家集団の恐るべき内情。地方で繰り広げられる文学談義の虚構。行間にみっしり詰め込まれた破壊力でタブーとされた“文壇”とその周辺の人間群像をパロディ化し、文壇の俗物性を痛烈に嘲笑。単行本刊行と同時にカンカンガクガクの話題をまいた猛毒性長篇小説。
  • 奇譚草子
    3.6
    恋人の体をまさぐる生霊の手、夜の教室でブランコをする少女、部屋の中にぼうっと立っている、灰色の背広を着た男……読んだあと、思わず振り返って後ろを確認したくなるような20の掌編からなる表題作のほか、仏陀になる前のシッダールタを描いた「異形戦士」「輪廻譚」などバラエティに富んだ短編9篇収録。「ガキの頃から奇妙な話が好き」な夢枕さんが、虚実ないまぜて読者の恐怖心を刺激します!
  • 漂流裁判
    -
    1巻468円 (税込)
    「強姦致傷および強姦罪──被告人を懲役三年六月に処する。」喫茶店ウェイトレスの知子からレイプで訴えられ、一審で有罪判決をうけた紺野喜一。真っ向から対立する二人の主張を、紺野の担当弁護士・深水耕介が丹念に確かめていくと、知子には他に男が、紺野には婦女暴行の前科が。転々とくつがえる知子の証言、事件の背後にチラつく喫茶店のマスター、店の常連客、厳格な知子の母親……男女の密室の“真実”に迫りきれるか!? 手に汗にぎる傑作法廷小説!
  • 反逆の系譜 権力に立ち向かった男たち
    -
    1巻469円 (税込)
    反逆者たちを動かしたのは熱い正義の心であった――天保年間、大飢饉などに苦しむ貧民・貧農を尻目に、私利私欲にふける役人や富商たち。見るに見かねた元役人大塩平八郎は、「天より下され候 村村小前の者に至るまで」と檄をとばし、農民らとともに蜂起する。大塩平八郎の乱ほか、天草の乱、慶安の変、天忠組の乱、佐賀の乱、萩の乱の首謀者たちのやむにやまれぬ反逆行動を描く傑作短編集。
  • 夜間飛行
    4.1
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 月はもう沈み、夜空には満天の星が燦めき、海には星の光が静かに映っていたのだけれど、突然、ぼくたちの眼の前で、海面がせり上がり、檸檬色の潜水艇が現れた。ぼくたちはそれに乗り込んだが、これはほんとうは何なんだろう。燦めく宙空に紡がれるスペース・ファンタジィの傑作。
  • 闘え! ミス・パーフェクト
    値引きあり
    3.9
    真波莉子は元厚生労働省のキャリア官僚。頭脳明晰清廉潔白、ついた渾名はミス・パーフェクト。しかし総理大臣の隠し子だとバレて転 職。職場を転々としながら、「その問題、私が解決いたします」と、女子バレーのパワハラ、過疎化する田舎の村おこしなど超難問に立ち向 かうが、敏腕女性コンサルに勝負を挑まれる。闘う女が乱世を救う。爽快世直しエンタメ。
  • しりとり対談
    3.3
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 二十世紀最高の名コンビ―中島らも&ひさうちみちおによる、極めておかしな爆笑トーク。お題は、“しりとり”で決まっていくので、どこへ進んでいくかは神のみぞ知る不思議な対談だ。「下ネタとドラッグ関係の話が多くなってしもうた」と自他ともに認める内容の濃さ!?文庫オリジナル作品として、堂々登場!
  • 新装版 果てしなき渇き(上)
    3.8
    1~2巻471円 (税込)
    第3回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した、暗き情念の傑作が新装版になって登場です。元刑事・藤島秋弘のもとに、失踪した娘の加奈子を捜してほしいと、別れた妻から連絡があった。彼は一人、捜査に乗り出す。一方、三年前。中学生である瀬岡尚人は手酷いイジメにあっていた。自殺を考えていたところを、藤島加奈子に救われる。彼は彼女に恋をし、以前、彼女がつきあっていた緒方のようになりたいと願うようになるが……。
  • 名もない花なんてものはない
    -
    1巻471円 (税込)
    期末テストが終わった七月七日、駐輪場にとめていた自転車のスポークにアゲハの幼虫が挟まっていた。高校二年生の千花は、隣のクラスの山崎の力を借りて、幼虫を救出する。これをきっかけに山崎に惹かれていく千花。作品は、千花と友だちのナオ、小夜子、そして山崎との交流を描いていく。そして、文化祭が近づいたある日、千花は山崎から、小夜子が気になっていると告げられ、ショックのあまり学校を休んでしまう。ひと夏の女子高生の心の動きを描いた作品。「第14回坊っちゃん文学賞」大賞受賞。選考会では以下のように評された。「作者は自分の高校生の頃の間隔を思い出しながら、この作品を書いています。自転車のスポークにアゲハの幼虫が挟まっていた、という出だしのシーンはとてもみずみずしいものです。心の地層の様子が手に取るように見えます」「女子高生たちの友情物語。時代を超えて共感できる。女の子たちの繊細な感受性が描かれていた」 「第14回坊っちゃん文学賞」大賞受賞作。電子書籍として2016年5月に刊行。
  • あの子の考えることは変
    3.8
    Gカップの「おっぱい」を自分のアイデンティティとする23歳フリーター・巡谷。同居人は、「自分は臭い」と信じる23歳処女・日田。ゴミ処理場から出るダイオキシンと自分の臭いに異常な執着を見せ、外見にまったく気を遣わぬ日田のことを、巡谷はどうしても放っておけない。日田だけが巡谷の「気が触れそうになる瞬間」を分かってくれるのだ。二人一緒なら、どうしようもなく孤独な毎日もなんとかやっていける――。
  • 怪談実話コロシアム 群雄割拠の上方篇
    -
    花房観音、入江敦彦、森山東、宇津呂鹿太郎、伊計翼、中山市朗。関西=上方を中心に活躍している6名の怪談作家がしのぎを削る、文芸バトルロワイヤルが開幕。関西を舞台に、ナンバーワンをかけた頂上決戦。
  • 成金
    3.7
    1巻471円 (税込)
    「世界に風穴をあけるぞ。僕らがいま生きているのはそのためでしかないんだ」 PCオタク、元カリスマ青年実業家、女子大生……個性的な面々が揃う“チーム・AKKA”。彼らは天才プログラマー・堀井健史のもと、新興IT企業を巧みにまるめ込み、資産の一部を中抜きしていた。最終目標はITベンチャーの雄、株式会社LIGHT通信の乗っ取り。携帯電話の販売代理店事業を全国展開し、創業10年あまりで時価総額5兆円の大企業へと登りつめた、ITバブルの象徴的存在だ。史上最大の下克上。チームAKKAは勝利を手にできるか。前作『拝金』から遡り、物語の舞台は1999年、渋谷へ。IT勃興期を駆け抜けた男たちの野心を圧倒的リアリティで描く、まばゆくも壮絶な青春経済小説!
  • 初恋素描帖
    3.6
    一口に片思いと言っても、その想い方はさまざま。十代ならではの不器用なアプローチに胸が熱くなること必至。カップルであってもお互いの気持ちにすれ違いが生じていたり……。読み進めるごとにクラス内の人間関係が見えてくるといった立体的な楽しみ方も。巻末に、20人の想いの方向が見える“恋の相関図”付き。
  • キラキラハシル
    -
    1巻471円 (税込)
    舞台は小学校の校庭、400メートルリレーで全国大会をめざす小学生たちの物語。リレーメンバーに選ばれた4人の少女たちは、希望にあふれる中、それぞれ に不安や悩みを抱えている。そんな彼女たちに監督と校長先生、正しく、真っ当な大人が、人生の真実についてやさしく語りかける。「第13回坊っちゃん文学 賞」大賞受賞作。電子書籍として2014年3月に刊行。
  • ひとり百物語 怪談実話集
    -
    引っ越しして最初に住んだCマンションは、感じの良くない場所であった。ある晩、何かがどっしりと自分の上に乗っかっている夢をみた。男の声が言った。「抵抗すると家に火をつけるぞ」飛び起きたが、むろんそこには誰もいなかった。幽霊談から奇妙な話、涙を誘うやさしい怪談など、著者の体験、家族、友人知人たちから蒐集した百の怪異譚。
  • Kowaii 怪談実話コレクション
    3.5
    「壁」で第1回『幽』怪談実話コンテスト優秀賞を受賞した宍戸レイ。ダンサー、レースクイーン、通訳など異色の経歴を持つ、ガールズ怪談の秘密兵器がここに登場。入念な取材をもとに荒削りながらも洗練された独自の視点で怪異を描き出す。バーやクラブなど、夜の街で蒐集した妖艶なる怪談実話を収録。
  • 源氏物語の読み方
    -
    1巻471円 (税込)
    だれもが「源氏物語」は、恋愛小説だと知っている。しかし、それが原因で敬遠している人も多いのではないだろうか。紫式部は、平安の都のみやびな貴族たちの恋模様をただ描いたのではなく、いつの世も変わらない人間社会の現実をその冷徹なまなざしで見極めていたのだ。すでに読んだことのある人はもちろん、敬遠していた人も読みたくなる、あたらしい「源氏物語」の読み方。

    試し読み

    フォロー
  • 食の本棚 栄養満点おいしい人生を与えてくれる70冊
    -
    1巻471円 (税込)
    奥田英朗著『家日和』、加納朋子著『てるてるあした』、近藤弘著『日本人の味覚』など、計70冊の中から「食」にまつわる箇所を取り上げ、栄養士の視点から見た書籍の読みどころを紹介。たとえば、小泉武夫著の『不味い!』における「チキショー、この味は許せん!」のくだりでは、なぜ不味いのかを分析し、そこを改善すればおいしくなると示唆するなど、独自の切り口が新鮮でためになる。

    試し読み

    フォロー
  • お祓い日和 その作法と実践
    3.8
    加門七海の人気作品がついに文庫化。塩、香、鏡、石、水、砂、鋭、粧、食、浴、緑、音、幣と13のお祓いアイテムの理念と実践方法が分かる。深くて広いお祓いの世界をご紹介。端午の節句、七夕や大晦日など、一年の行事にはお祓いの意味がこめられているという「お祓い暦」、厄払いの真の秘訣を教えてくれる「厄払い生活」など深くて広いお祓いの世界も紹介。なんと「音」は文庫化にあたり新たに書き下ろされた項目。またお祓いグッズ紹介も充実。大変おトクで有難い一冊です。
  • あの女(オンナ)
    3.7
    オセロ・中島知子さんのことは他人事とは思えない。私も占い師の女に洗脳されていた! 岩井志麻子自ら「これを書くのが私のライフワーク」と語る、虚言占い師の女との驚愕の実話エピソードの数々。渾身の書き下ろし百枚を追加! 解説はノンフィクション作家の工藤美代子氏。
  • 闘病詩集
    -
    1巻471円 (税込)
    生きる力、折れそうになる心、人の痛みを感じることができる優しさなど人間が持っている本質を感じる詩集であり、生きることとはどういうことか、人生とはどうあるべきか感じさせてくれる1冊となっています。
  • マンハッタンで……
    -
    1巻471円 (税込)
    さりげない描写に豊かな心と柔らかな想いが彩られる。 ニューヨーク マンハッタン、南国の海が美しい街、東京での人間模様。あたかも風景画のような珠色の短編集。 読み終えた時、誰もがそれぞれの風景を思い浮かべ、その風景画の主役になっていることだろう。 片意地を張らない時間を探し続ける著者の初出版作品。 カバー写真は著者が撮影した朝焼けのマンハッタン。

    試し読み

    フォロー

最近チェックした作品からのおすすめ