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Posted by ブクログ
【本の内容】
「サウダージ」、それは、失われたものを懐かしむ、さみしい、やるせない想い―。
日本人の父とインド人の母の血をひく裕一。
若いパキスタン人労働者シカンデル。
日系四世のルイーズ。
裕一の行きつけのバーの雇われママ、フィリピン人女性ミルナ。
それぞれが癒しがたい喪失感を抱きながら、東京に流れ着き、出会い、そして別れていく。
人々の胸に去来する、やるせない想いを描く傑作長編。
[ 目次 ]
[ POP ]
嘘臭いけど書きます。
主人公・裕一のセックスに対する何だかよく分からない嫌悪感というのは僕にはよく分かって、ルイーズやあずさに誘われても決して一線を越えない裕一の言動は本当にツボだった。
対女性関係の交渉能力のなさとか。
内面の闇を描きながらも、深層を明るみに出そうとしない著者の姿勢も良い。
作中、居場所を探して彷徨っているのは、ハーフの裕一や外国人労働者たちだけでなく、玲子や博やあずさやその他大勢の人々もふらふらと放浪を続ける。
年齢や性別や国籍に関係なく彼らが彷徨い続ける様は、本当に泣きたくなるような風景だ。
そしてこの作品の魅力は、登場人物たちがありもしない「ここではないどこか」を闇雲に探しているのではない、ということだ。
だからこそ、ラストでの裕一の決断が感動的なのである。
それにしても派遣社員の面接に来る女性たちの行動には、別にうぶを装うわけではないが、ちょっと唖然とさせられた。
これってリアリティがなさ過ぎて逆に恐い。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
登場人物の寂しさ、人間の弱さ、そしてそこから描く混沌とした現実社会…。あっという間に全部読んでしまいました。
この「サウダージ」というコトバはポルトガル語なんですが、日本語ではどうも訳しにくい言葉なんだそうです。言葉を学ぶことって、もちろんコミュニケーションができるメリットもありますが、そのコトバそれぞれのニュアンスを感じて楽しむこともコトバを知る面白みだな〜って思います。
小説はというと、嫉妬する気持ちや親に対する想い、祖国に対する想い。自分と環境があまりにも違うので、登場人物に自分を重ねたというより、新しい人生観を体感したという感じでした。盛田さんの作品、もっと読んでみようかな。
Posted by ブクログ
人材派遣会社に勤める主人公が、裏で密入国などのビジネスにも関わる一方で、多様に揺れ動く20代後半の生活を過ごしつつ己が人生を見直していく。
主人公は男なんですけど、作中では一貫して女性に振り回されています。それは主人公に止まらず、友人や父親、といった主要な男性陣はことごとく女性に振り回されている。「弱いっちいなあ、オイ」と思う一方で、他人事ではないように思ってしまいました。
シンプルに見てしまえば振り回す方の女性が身勝手(もちろんそのような側面は否定できないのですが)なようにも思えるのですけど、詰まるところはそれを許してしまう主人公ないしそれに付帯する男性にこそ病理が潜んでいるのでしょう。この話のコアになるのは主人公の幼少における母親との乖離なんですけれど、それを乗り越えるステージとして20代後半という役の割り振りはそれなりのリアリティーがあったように思います。
とは言え名言的に教訓めいたことを訴えているわけでもなし、またエンタメ的要素も薄いといった感じで、改めてこうやってレビューを書いていても「また読みたいなあ」といった感慨を抱かせるには弱い作品であったようにも思います。単純に僕の経験値の低さや感受性の問題であるのかもしれませんけど。ただ、文章構成や表現は好きな部類だったので、また作者の違う作品は読んでみたいなと思います。
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小説・文芸
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