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Posted by ブクログ
思い掛けず良かった。
この著者について何も知らずに古本屋でなんとなく手に取ったのだけど。
簡潔で無駄が無いのにやわらかい、頭だか心だかにすっと入ってくる文章で、いつまでも読んでいたいと思えた。
情報ではなく空気そのものを読ませるような。
難しい言葉や表現を使っているわけでもなく淡々としているのにかっこいい。よごれた老人の話なのに。
こういうのを文体というのかな。
こんな文章を書けたらいいのに。
話し手の僕、僕の母、てこじい。
ほとんどこの三人だけのお話。
母とてこじいとの間の屈折した感情と、それを観察しながらゆっくりと何かを受け入れていく僕。
家族の間にある複雑な感情とかって、むりやり名前をつけて分析して定義してしまったらその瞬間につまらなく思えてしまうものだから、省略された言葉で行間に漂わせるくらいが一番心地良いのかもしれない。
最近、人生とか生き方とか、そういった事を考える出来事がおおかったから、余計におもしろかったのかな。
他の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
母とてこじいの確執が淡々と、そしてしっとりと語られます。
てこじいを邪険に扱いながらも、どこかに子としての優しい心遣いを見せる母。そしてだんまりを決めつつも、母のために行動に出るてこじい。
心情が直接語られる訳では有りません。10歳の僕の目を通して描かれる母とてこじいの矛盾した行動が、二人の精神の揺れのようなものを描き出して行きます。このあたりの描き方はとても上手さを感じさせます。
湯本さんは初めてです。2冊目のつもりだったのですが、梨木香歩さんと混乱してたようです。「夏の庭」と「裏庭」そのあたりが混乱の原因かも知れません。この作品はなかなか気に入ったのですが、他の人の書評を見る限り「夏の庭」の方が代表作のようですね。これもそのうち読んでみましょう。
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